小入谷から百里ヶ岳周回


- GPS
- 05:22
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 746m
- 下り
- 745m
コースタイム
- 山行
- 4:38
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 5:18
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | くつぎ温泉てんくう |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
里ではついに桜も満開を迎え、ここ数年で一番遅い春が一気に進行した感じだ。この時期、山では春の花々が次々に咲いて忙しくなる。その先陣を切って、そろそろイワウチワが咲くころだ。「あれは3年前・・・」だったか、赤坂山で花の絨毯をつくっていたイワウチワ、あれ以来、とんと ご無沙汰している。東北に住んでいたころには、そこらの道路脇ですら、その姿を見る普通の花だったが、こちら西国では自生地が限られている。しかし、高島トレールには随所に生えているらしく、未踏の百里ヶ岳でも見られるというので、その時がくるのを狙っていた。花の様子を探るべく百里ヶ岳の山行記録をチェックしていたのだが、積雪の多かったこの春は、3月の終わりまで雪の山行となっていた。それから2週間、「端境期」と言おうか、百里ヶ岳の山行記録は途絶えている。だが、今日は一気に気温が上がって、里の最高気温は20℃を越えると予想され、春の花たちも一斉に開花するのではないか、そう踏んだ我々は、一路、百里ヶ岳を目指すことになった。
福井・滋賀県境にあるこの山、自宅からなら名神と湖西道路を使って滋賀県側から行くこともできるし、舞鶴若狭道で福井県側から行くこともできる。舞鶴若狭道経由のほうが快適だが、湖西道路はタダ!この選択の軍配は後者に上がって、東からのアプローチをとることになった。途中、真野ICで湖西道路を降りて「途中口」から山間部に入ると、サクラがまだほとんど咲いておらず、ウメが満開だ。冬場もこの辺りに来ると寒々と北国感が押し寄せてくるが、やはり寒さ際立つ地域である。それでもこの国道の標高最高点を越して朽木中心部に向かうにつれ、サクラは八分咲きとなり、春爛漫である。続いて国道を離れ小入谷へと向かう。するとまたサクラの季節からウメの季節へと逆戻りしていくのだった。
小入谷越の峠の駐車地で身支度をするが、なかなか肌寒い。花にはちょっと早かったかな〜、と不安に思いつつ、新道入口に立つ。足元にはオオイワカガミのテカテカした大きな葉がいたるところに広がっている。ようやく蕾をもたげた株もあるが、ごく僅か。今日は花は諦めたほうがいいのかな、と、気分を切り替えて明るい尾根上を登っていくのだった。
周囲は自然林でブナが目立ってくる。まだ芽吹きの予兆は全くない。落葉した枝の間から、百里ヶ岳の台形をした山容がのぞまれる。アップダウンを繰り返しながら、徐々に高度をあげていく。そんな中、岩肌が露出した痩せ尾根に差し掛かる手前でふと足元を見ると、鮮やかなピンクの蕾があるではないか!イワウチワ、あった〜!と思わずKinuasaに向かって叫んだのだった。周囲にはいくつものイワウチワの蕾と、開花したばかりの新鮮な花たちが春の訪れを告げていた。
薮の張り出した痩せ尾根部分を通過すると急登となり、登り切ったところは根来坂峠への分岐点であった。この先、岩がちの日当たりの良い尾根のせり出しでは、幾輪ものイワウチワが咲きそろい、青空を背に陽光に輝いていた。この辺りから、雪庇の残骸の雪があちこちに見られるようになる。ルートは一旦緩んだ傾斜が再び急になり、ブナの大木が散在する稜線を登りきると、広々と開けた百里ヶ岳の山頂に飛び出した。
東の眺望が開け、琵琶湖も眺められるのではないかと思うが、遠くは霞んで判然としない。北側は落葉期ながら木々が視界を遮り、日本海を見るのは難しそうだ。一等三角点を確認してから、倒木に腰かけて昼食とする。
下山は先の分岐点に取って返し、根来坂峠へのルートを辿る。登りに使ったコースとはずいぶん雰囲気が違って、尾根は幅広で傾斜は緩い。ピークを一つ越えて再び下ると、鯖街道の看板の立つ根来坂峠に着く。ここから鋭角に左に折れて「鯖街道」を辿り、尾根の西側をトラバースしていく。道はしっかりとしているが、落ちればお陀仏なので慎重に進む。こちらのルートには花はないのかと思っていると、イワウチワの小群落が道の左右に現れて目を楽しませてくれた。周りは樹高の低い自然林となり、タムシバが随所に白い花をつけている。道端にはイワナシやバイカオウレンが可憐な花をつけて迎えてくれる。
平坦なトラバース区間の多い楽な道である。何か所かで舗装道路に出、少しそれを辿ってはまた山道に入っていく。596mの標高点が地図上に記載されていて、丁度ここで舗装道路はヘアピンを描いて尾根を回り込んでいくが、このわずか手前から山道は尾根上を下る。この地点、下りの登山者からは道標が目に入りにくく、見過ごす可能性がある。実際、我々は話に打ち興じていてうっかりと通り過ぎ、舗装道路をちょっと行ったところで慌てて戻った。
山道を下りきると、大倉谷出合の登山道入り口に出る。ここから作業道を下流に進むと、ログに登場する「道路上の渡渉点」がある。すでに雪解け水は減っていて、難なく渡り終える。小入谷の集落に出てバス停の前で左に折れ、橋を渡って谷に沿った林道へと入っていくが、その入口には動物避けの警報音発信装置があり、通過時にはその音にこちらが驚かされる。林道を少し進むと堰堤が見え、その手前右下に水流を渡る小橋があって、これを渡る。古い作業道をそのまま辿ってジグザグに登ると、駐車地の小入谷越に出た。
てんくらは曇基調の予想だったが、終日穏やかに晴れ上がり、イワウチワとの再会を果たして満足の山行を終えたのだった。
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