彌仙山周回と青垣のセツブンソウ


- GPS
- 03:11
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 551m
- 下り
- 552m
コースタイム
- 山行
- 2:47
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 3:10
天候 | 曇のち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
青垣町小倉(森地区)セツブンソウ自生地下の駐車場(無料) |
コース状況/ 危険箇所等 |
日置谷ルートは谷の上の高いところをトラバースしていくが、崩壊気味で滑落要注意。 水分神社前に仮設トイレあり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
簡易アイゼン
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感想
昨日の金曜日は綺麗な青空が広がってまたとない登山日和だったが、そうそう休むわけにはいかない。土曜日は下り坂で夜になると山は雪になる予想で、昼間も南に寄ると雨の可能性が高くなる。ヤマップには昨日の金曜日に三十三間山(福井・滋賀県境)に登った記録が早くもアップされていて、上部の稜線はまだ雪に覆われていた。今年最後の雪上歩行が出来そうなのだが、てんくらでは土曜日になると昼の間はずっと曇になっている。降水は0mmという予想ながら、不安はぬぐえない。それに、ピッカピカの晴天のもとでこそ、雪の美しさが際立つというもの。曇天ではその爽快さは期待できない。そこで浮上してきた候補が、綾部(京都府)の東に位置する彌仙山だ。信仰の山として歴史は古いようだが、登山の対象という観点では、行程が中途半端な長さで、「売り」に乏しい印象は否めない。それが今日まで未踏となっている理由だったが、てんくらの予想では曇基調ながら時間帯によっては晴マークも付いていて悪くはない。降水予想は12時台のみ0.1mmというから、この点でもまずまずだ。それでも雨には降られたくないから、できれば昼前には下山したい。彌仙山ならそれも可能だろう。そこで、この山に登ることにし、余った時間で青垣(丹波市)のセツブンソウを鑑賞するというプランになった。
舞鶴若狭道から京都縦貫道に入って綾部安国寺ICで降りる。思っていたより本格的な曇天である。ヤマレコのアクセス機能を使ったナビに導かれ、登山口へと向かう。最後の家屋のあたりの道路脇に「一般車通行禁止」と書かれたポールが立っていたので、一旦そこで折り返し、集落内の広場に停めたが、ヤマレコの予定ルートの地図を見ると、あのポールより先の地点にPマークが描かれている。そこでPマーク地点まで入ってみると、林道分岐点に広い駐車スペースがあった。
車を置いて歩き始めると、後続車が一台やってきた。水分神社を左に見て、舗装路を谷に沿って登っていく。指導標に従って右手の山道に入る。これが彌仙山表参道というものらしい。しばらくすると左手下に滝へ降りる道があるが、我々はパスして参道を行く。参道からは滝は見えないが、谷の両岸に断崖があり、ゴルジュになった中を滝が落ちているようだった。参道はなおも谷に沿って登ってゆき、苔むした石段があらわれてこれをまっすぐに上がっていく。於成寺古跡という看板を過ぎ、さらに進むと赤い鳥居の於成神社がある。もう山頂が近い雰囲気だが、谷にはまだ流水があって不思議な感じがする。植林が終わって眼前に自然林が広がると、林下の地面には雪が残って、冬の余韻を味わうことができるのだった。クヌギやコナラが主体の雑木林はまだ芽吹きの予兆もなく、枝の向こうに山々の眺望が広がっていた。そして主稜線に乗りあげると、真新しい道標が立ち、「改心の道」を指し示している。そのわずか先で右に尾根を辿り、金峰神社の裏手に出る。ここが彌仙山の山頂である。眼下には由良川が丘に囲まれて蛇行しながら日本海へと続いているのだが、その一帯は白い霧に延々と包まれて、確たる様子はうかがい知れない。
ここから参道を先の分岐まで戻り、周回路を辿るべくジグザグ道を急降下する。6月にはこの辺りにイナモ リソウが咲くという。鞍部に降り立つと、左手の擂鉢状の谷に沿って伐採地が広がり、遮る物のない展望が得られるが、吹き付ける寒風に震え上がる。この先は再び自然林となり、なだらかな稜線の小さなアップダウンを繰り返していく。振り返れば彌仙山の端正な山頂部が見事だ。登り基調となってピークに達すると、そこには四等三角点が埋設されていた。脇の木には小さいながらちょっと気の利いたプレートが付され、576.2と記されている。ここからの彌仙山の眺めもいい。
この三角点峰を過ぎると植林が主体となり、やがて日置谷に向かって右旋回し、分岐点標識に至る。「危険箇所あり」の注意書きを見る。その先は谷の上部を延々とトラバースしていくことになる。このトラバース道、崩壊気味で外傾し、狭い上に落葉や枯枝が累積して滑りやすい。地がむき出しのところは岩ザレで足を取られる。高度があり、谷に向かって落ち込んでいるので、躓いたりしないように注意して進む。結構神経を使うところだ。自然林が終わり、周囲が植林にかわって小尾根を乗り越すところに「於与岐登山口→」の標識があり、反対側の谷に向かってジグザグに下っていくが、鹿道がいくつも走っているので、人間の道を外さぬように注意する。やがて水流を渡る木橋が下方に見え、これを渡ると古い林道に出る。苔むしたセメント舗装の林道は水流にえぐられて傷みがひどい。この道を淡々と下っていくと、駐車地に置いた自分たちの車が見えてきた。この日この山に登ったのは我々と単独行の男性お一人だけのようであった。
青垣のセツブンソウ自生地に移動すべく車で出発すると、ほどなくして霧雨のような雨が降り出した。そのうち本降りとなり、雨中の行軍とならずに済んだことを喜ぶ我々であった。途中、丹波おばあちゃんの里で昼飯とする。天ぷら定食1200円についてきた黒豆うどんは、他では味わえない注目の一品だ。腹ごしらえを終えて、カーナビ設定の目的地、佐地神社あたりにくると、「セツブンソウ祭り」の幟が立っている。道路に沿って設けられた→看板に導かれ、駐車場へ。雨の中、集落の裏手の墓地の辺りにロープで囲われた保護地はあった。我々以外に見物人はいない。びっしりと咲き競うセツブンソウ群落を前に、これからもずっと無事でいてくれよ、と思わずつぶやくのだった。
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