寄・鍋割山・丹沢表尾根
神奈川県
山キチどん
- GPS
- 10:28
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,457m
- 下り
- 2,497m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:11
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 10:28
| 天候 | 雪一時曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2008年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
下山口：菩提原BSから湘南神奈中バスで小田急線渋沢駅 |
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ジダンゴ（震旦郷）は梵語で羅漢を意味する
政次郎ノ頭山頂より
行者岳西より
感想
丹沢は平成15年の丹沢主稜縦走以来5年ぶりに訪れた。今回は西丹沢から塔ノ岳、表尾根を下る馬蹄形縦走を目指した。構想は欲張り結果27�劼梁臀珍�になってしまった。夜が白み始めた6時30分宿を出発、車道を歩き宮地山の登山口を探すが結構ややこしかった。何度か間違えて指導標のある曲がり角に達して一安心。林道の標高約386m地点から登山道に入り植林帯のジグザグ道を登った。宮地山(512m)山頂は鹿除け柵が張られ展望はない。
フェンスの周囲を迂回し縦走路を進んだ。P588を越え登り返すとシダンゴ山(758m)の分岐に達し標高差70mほど斜面を登ると山頂に到った。漢字では「震旦郷」と書いたそうで、震旦とは中国の旧異称でそれが語源だとも、「羅漢」の梵語「シダゴン」が転じたとも言われている。樹林帯を飛び出した山頂は展望良く3等三角点「シダンゴ」が置かれている。晴れの天気予報だったのに朝から雪がちらついていた。
分岐に戻り西へ進むとすぐに林道が交差した。アルミ階段で切り通しを登り登山道に戻っても急登が続きP812に到った。なだらかになり展望のないダルマ沢の頭（880m）の先で南西に続く尾根を離れ林道秦野峠に下った。標高745mまで高度を下げ先程の林道を再び横断した。本当の秦野峠は別にあり複雑な道を進み荒廃した旧道が寄大橋へと下りて行った。再び登りに転じ標高が1,000mを越えるとちらついていた雪が解けずに登山道にうっすらと積もっていた。伊勢沢ノ頭（1,177m）は少しだけ展望があり山頂の先で90度方向を変え東に進んだ。
今日のものと思われる動物の足跡が突然現れるがどうも不自然だ。やがて犬の鳴き声が聞こえ登山道の先を吼えながら走って行った。どうもハンターがいるようだ。やがて「パーン」という鉄砲音。やはりそうなのか、おっかない。登山道を外れないように鈴を鳴らして進む。丹沢もご多聞にもれず鹿が増え過ぎて食害対策に防護柵があちこちに張り巡らされている。
檜岳(1,167m)まではなだらかな山頂域が続いたが、雨山(1,176m)の登りは厳しい馬ノ背の稜線となり雨山峠へと続いている。雪は止んだ。雨山峠では寄沢を登ってきたルートが合流し鍋割山へと続いている。深く抉れた登山道は恐ろしく急でやっとの思いで稜線に辿り着くと今度は岩場の通過で神経を使う。樹林の隙間から雨山を振り返るとピラミダルな山容が素晴らしい。茅ノ木棚ノ頭(1,108m)辺りは霧氷が現れ、鍋割山とのコントラストが素晴らしい。
鎖の掛った難路を進み鞍部の鍋割峠に達すると寄コシバ沢のルートを登ってきた道が合流した。雪に記された2つトレースは今日のものだろう鍋割山に向かっている。峠から標高差200m程難路を登った。北側が大きく崩れ登山道も崩れ落ちている箇所があった。ここからは丹沢主稜の山々が見え、雲の隙間から顔を覗かせていた。山頂域に近づくと登山道が整備され丸太階段となり歩き易い。時刻は12時、鍋割山荘の有名な鍋焼きうどんを思い浮かべながら頂上を目指した。
鍋割山(1,272m)山頂は賑やかで、7〜8人が休んでいた。鍋割山荘はこの山頂にあり今日も鍋焼きうどんを賞味する人たちが中に10人ほどいた。980円の鍋焼きうどんを注文し、5年ぶりの味を懐かしく噛みしめた。5年前は東京の友人と5人のパーティで昼頃に着いて鍋焼きうどんを食べそのまま泊まって豪勢な石狩鍋の夕食で早めの忘年会を楽しんだものだ。今日は一人、鍋焼きうどんを食べると塔ノ岳に向けて出発した。
東へと歩を進めると霧氷は更に発達して素晴らしい。塔ノ岳の姿もまだ遠くに真っ白に聳えている。小丸(1,341m)、大丸(1,386m)のピークを過ぎ“金冷し”では大倉からのメインの登山道と合流した。前回工事中だった、登山道設置工事が終わり、丸太階段と木道が完璧に付けられた。余計なところに踏み出さないように柵も設置され植物園の遊歩道を行くようだ。この山域の地質は脆く、登山道が抉れ、歩きにくいものだから脇を通るようになり登山道が広がり破壊が増々進んでいたのでやむを得ないだろう。
塔ノ岳(1,491m)は今山行の最高点、広い山頂には立派な山頂標識があり、大きな尊仏山荘が営業中、手前にはトタン張りだった日の出山荘の跡が残っている。展望は良いがガスが出て何も見えなくなった。時刻は13:40終着点のヤビツ峠はまだ遠い3分留まっただけで塔ノ岳を出発し表尾根に踏み出した。表尾根は長く、雪の踏みしめられた急坂を下った。アイゼンをした方がいいなと思いながら登ってくる人に聞くとこの先なだらかになると必要ないとのことだったので、アイゼンはしないで木に摑まりながら下った。斜面から白い表尾根が見通せ、霧氷の美しさと相まって壮観な眺めだ。木ノ又大日(1,396m)では雲の下に抜け展望の良い山頂からは表尾根のピークごとにある山小屋が山座同定の助けになった。この山も山頂のすぐ東に木ノ又大日小屋があるが冬季休業中。
500m東は新大日(1,340m)のピークで新大日茶屋、これも冬季休業中、この先書策小屋（かいさくごや）、烏尾山荘、三ノ塔休憩舎がピークごとにあり面白い。三ノ塔へは結構登り返しとなりそうだ。書策小屋まで下ると大山(おおやま・1,252m)の姿が望め中々のものだ。書策小屋は廃業しており、扉がなくなり雪が吹き込んでいた。
小屋の先は険しくなり、政次郎の頭(1,209m)に到着したが山頂標識はピーク北側の大倉への分岐点にあった。地形図にはこの地点に“行者岳”の表示があるが位置が間違っている。行者岳はこの先の岩場で長い鎖が掛かり一番の危険箇所だ。山頂からの展望は良く振り向くと木ノ又大日、新大日が聳えその手前に書策小屋が目立っている。塔ノ岳は残念ながら未だ雲の中。
南側の斜面も厳しく慎重に下った。登り返すと烏尾山(1,136m)で烏尾山荘があるがこれも冬季休業中だった。山頂からは360度の展望が得られた。次はいよいよ三ノ塔(1,205m)、100m余り登り返しとなる。台形状のどっしりした山だ。山頂には夏は人の入る休憩舎があり、一人の女性が休憩中。どこへ下るのかと尋ねると三ノ塔尾根を下ると言う。私がヤビツ峠に下ると言うと、今日は道路凍結のためバスは来ていないとのこと! バスを当てにしてそこへ下りようとしていたのにこれは誤算だ。さらに下の蓑毛まで下るとなると1時間余計に掛かる。思ったほど時間短縮できていないので、このまま行くと日のあるうちに下山することは不可能だ。
さてどうしよう。地図を見て下山路を捜すと、今日はとにかく表尾根の縦走を完遂しておきたかったので、ニノ塔(1140m)まで行きニノ塔尾根を下り秦野市の菩提原へ下りるコースを選択した。林道に出れば暗くなっても問題はない。ニノ塔尾根は登山道の洗堀が激しく、人の歩行に支障を来たし新たな道が何本もできていた。標高約700mで林道が交差し更に登山道を下って標高差350mを下降すると先程の林道に飛び出した。林道ゲートがあり、一般車はここまで。100mほど行くと「葛葉の泉」と銘のある名水が沸いていた。地元の人であろうか10ℓほど入りそうなポリタンクを何本も持ってきて名水を汲んでいた。途中で500mlのペットボトルに入れるのに割り込ませてもらった。
車道を2.9�卻發�、暗くなるぎりぎりの16:58菩提原BSに到着した。17:15に秦野行きのバスがあるはずだったが待っても、待っても来ない。反対側に渋沢行きのバスが来たのでそれに飛び乗り小田急渋沢駅へと向かった。1駅先の秦野から小田急“はこね号”に乗り新宿へ。東京の友人F澤さんが改札口待っていて“ムーンライトながら”に乗るまでの時間を共に過ごしてくれた。
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