奥久慈男体山 − 座禅小僧、座禅岩(いずれも筆者勝手に命名)、やせ尾根を登って一般コースへ(バリエーションルート)


- GPS
- 08:09
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 737m
- 下り
- 739m
コースタイム
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 8:09
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
本ルートは登はん要素の強いバリエーションルートです。 撤退用の登はん具、土付き急斜面を登るためのピッケルは季節に関係なく必携です。 座禅岩、座禅小僧はいずれも筆者が勝手に命名したものです。 やせ尾根ルートは、男体山を南側から、たとえば大円地駐車場から眺めたときに中央を一般コースの頂上稜線へ向けて走っている細い尾根筋です。 取り付きはモミジの美しい谷です。鎖場が始まる場所を、鎖場方面でも正面の谷でもなく、右側の急斜面を攀じます。腕に自信が有れば、70度くらいの土つきの急斜面から岩の凹角気味を一気に詰めることもできると思いますが、自分には無理でした。そこをひと巻きしてやや緩斜面になっている土付きをピッケル頼りで登り、稜線に出ると、穂高のジャンダルムのような岩塔が見つかり、ここからはごく簡単な登はんで岩塔の頂上に立つことができます。ちなみにこの座禅小僧の横にもうひとつ岩塔があるのですが、この座禅小僧の兄弟は、ルートファインディングが遥かに難しい岩塔です。下山時には懸垂下降を必要とします。今回は男体山山頂をめざしたのと、半分は自信がなかったので見送りました。 座禅小僧から座禅岩の登はんが今回のルートのもっとも難しい部分です。谷側へ少し巻きながら、中途に2本の潅木(コナラ?)が生えた凹角気味を攀じていきます。ここもホールドが取れそうで取れないのと、通過する距離はせいぜい5m程度ですが、滑落すると100m以上落ちるでしょう。絶対にしくじらないようにあらかじめ段取りを決め、躊躇なく進まないと力尽きます。この凹角気味を通過したら正面の岩壁をひと巻きして座禅岩の頂上に付くことができます。 なお座禅岩の頂上を狙うだけでしたら、やせ尾根につながるコル(鞍部)へ向かって、座禅岩を右に見るようにして谷を詰めていけば、極端に危険な登はん要素無しに座禅岩に登頂することができます。ただしここも土つきの急斜面なので登はん対応の登山靴とピッケルの使用がお勧めです。 座禅岩の頂上からやせ尾根へは、軽い藪こぎをしながら上に述べたこるまで降りて登り返します。基本的には頂上稜線までのラインがはっきりと見えているのでそこを攀じていくだけです。右側がすぱっと切れ落ちていて、露出感(恐怖感?、爽快感?)が著しいです。露出感の高さを嫌う場合や中途にあるオーバーハングを避けるためには、左側の薮に入ると多少ほっとします。ただし薮の中も斜度が相当あるのと、足元が崩れやすくて結構難しいです。 意外にもここには古い固定ロープがあり、筆者はクラシックルートと勝手に呼んでます。もしかしたら昔はこちらが健脚コースだったのでは? 頂上稜線が近くなると岩場はものすごくもろくなり登はんの継続は難しくなります。ここは薮のほうに移って潅木を使いながら登高するのが安全です。徐々に斜度が下がり、松の潅木などのある藪をひと狐疑すると、一般コースの頂上稜線へ出ます。 |
その他周辺情報 | 筆者推しのリンゴ農家小野瀬さん、同日で今季の販売は一応終了。閉店前の駆け込みでひと仕入れできてあわせです。 |
写真
装備
備考 | アプローチシューズ(バリエーションルート用に別に用意)、ヘルメット、ピッケル、登はん具(ハーネス、ザイル30m、ダイニーマ製スリング50cm2本、110cm2本、ワイヤゲートカラビナ数枚、ロックゲートつきカラビナ3枚、エイト環)ゴム引き軍手、防寒テムレス、ミトン(筆者は厚手の靴下で代用)、タオル、目出し帽、スマホGPS、水、行動食 |
---|
感想
もともとはブナの木ルンゼ(筆者勝手に命名)の前衛峰をやるはずだった。そのためにあらかじめブナの木ルンゼでトレーニングをしてきたはずだ。それでも直前に恐怖感を抱いてしまいやめてしまった。代わりにもう少しトレーニングをということで選んだのが今回のルートだ。おそらく今年最後の登山になるだろうし(実際にそうなった)、次につながる形で締めくくりたかった。その目的は達成できたと思う。
登はん中の難しい箇所で線香の匂いを感じたのはいささか不吉に感じた。枯葉や腐葉土の中の芳香成分のせいだということは理屈ではわかっているのだが。ちなみに場所によっては野生のローズマリーの香りを感じることもあり、こちらはおなかがすく香りだ。
座禅岩(筆者勝手に命名)の一番難しい部分をルートファインディングしている途中、心臓の鼓動と連動して腰がじんじんと痛み始めた。これはもっと大きな痛みが来る前兆かもしれない。姿勢を変えて痛みをやり過ごそうと、普通に立てるところまで降りた。痛みが出ない姿勢を選んでじっとしていた。この状態で先に行くことは無理だよな。でももしも本当にぎっくり腰になったらそもそも懸垂下降ができるのだろうか。ああ、それに登はん時には大事なツールであるピッケルを斜面の途中に刺したままではないか。見上げようとするのだが、見上げると腰のじんじんが再開する。少しうつむいたような姿勢で痛みが引くのを待った。経験上、この痛みは無理な姿勢を長時間とったせいだから、楽な姿勢で暫く過ごすことによって回復するに違いない。何分安静にしたかわからないがどうやら痛みが出始まる前のコンディションに戻った(ちなみに2024年の大晦日の段階で、同様の痛みは下山後も含めて再発していない)。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する