深紅の北岳に乾杯。白峰三山縦走


- GPS
- 31:00
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 2,521m
- 下り
- 3,201m
コースタイム
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 6:50
天候 | 10/3 快晴のち晴れ 3℃/10℃ 10/4 快晴のち曇り 3℃/12℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:奈良田温泉発 身延駅行13:50 15:55 広河原行13:30 15:20 平日はダイヤが異なりますのでご注意下さい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
稜線の風が強く、様々な場面でダブルストックが役立ちました。紅葉前線は10/3時点で2100m付近、日の出時刻は5:34。 北岳 … コンディションによりますが、早朝の左俣は上部が凍結することがあります。 間ノ岳 … 農鳥小屋へ下る稜線は広く多重山稜の様相で、ガス時注意。 農鳥岳 … 西農鳥岳〜農鳥岳間は岩稜で、大井川側を巻きます。 大門沢 … 長丁場です。下部に木梯子と木橋が多く、折れた橋と一部水没した橋あり。渡渉は1箇所のみですが、増水時は通行困難と思われます。 |
その他周辺情報 | 大門沢小屋はすでに営業終了。そのため小屋泊なら北岳方面より1日で二山縦走するか、農鳥小屋で刻むかの二択となります。 |
写真
感想
山荘で働く友人を訪ねて、3年ぶりに山での再開を計画していた北岳。一緒に行く予定だった人がまさかの病気でダウンしてしまい、どうしようか迷ったもののチャンスは逃すと二度と来まいと思い直し、またも単独で行くことになりました。
深夜、甲府駅外でシュラフに包まって2時間仮眠。朝一成田行きリムジンバスもあり、3時半には人も出てきたので迷惑にならないよう、身支度を整えました。
広河原バス停前に着くと人、人、人。。。後でわかったのですが、8〜9割は紅葉最盛期の北沢峠に行くとのこと。吊橋を渡り、二俣へ早足で登って行くと次第に人も減ってきます。右俣は急な登りのあと標高2300m付近の台地にナナカマドがあるのですが、北岳をバックに紅一色。バットレス目当てに八本歯へ上がる登山者が多い中、静かで秋景色を存分楽しめました。ハイマツ帯に入り、小太郎尾根に乗ると風が出始めます。爆弾低気圧が通過した翌日だからか、まるで冬晴れのような空気の澄み具合。南アから妙高がくっきり見えたのは久々でした。
肩の小屋で少し休憩し、最後の登りを山頂へ。一応岩場ですが、コース整備が良くて危険を感じる箇所はありません。次第に強まる西風にダブルストックで耐えながら登って行くと、山頂手前に来てピタりと風が止みました。実に不思議。頂上には日帰りの方数名、農鳥方面から来られた方数名しかおらず、やがて一人独占状態に。やっぱり小屋泊まりは楽です。
山頂からの下りは再び強風でした。特に八本歯ルートの合流点が風の通り道で、真っ直ぐ立っていられない状態。高層天気図をみて覚悟はしていたものの、海抜3000mでは地上気圧配置よりホント影響が大きいんですね。時々耐風姿勢で止まりつつ北岳山荘についたのは14時。友人は朝シフトでお昼寝タイムだったので、外で音楽を聞きながら富士山を眺めて過ごしました。
やがて迎えた日没。ありったけの衣類を急いで着込み、近所で火事でもあったかのように一目散に外へ走り出す人々。カメラの液晶に写る北岳の色具合はオレンジ色から少しずつトーンを落とし始めましたが、日が落ちる瞬間、極彩色の深紅に染まりました。夕日の方角から振り返れば、ワインレッドに染まった富士山。西風は少し弱まったものの、しばらく外に出て戻るとやはり身体の芯まで冷えたので、山荘玄関の暖かいお茶に感謝。友人とまったり話せたのは夕食後で、山仕事って大変なんだなと改めて実感。ヘリで食べ物が運ばれてくる明日が、とっても楽しみだとか。
翌朝。快晴の日の出を待ちきれない人々が朝4時には起き出し、食事前にも関わらず1階は混雑。4時半友人に別れを告げ、満点の星空の下を早足で間ノ岳へ向かいました。中白根山を越え、日の出10分前になったところで撮影に良さそうなピークを見つけたので休憩。偶然ヤマレコのasayuさんと一緒になり太陽を待ちましたが、地平線の雲に引っ掛かってしまったので歩き出すことに。間ノ岳頂上では太陽高度が上がり塩見、仙丈そして北岳のモルゲンロートをたっぷり楽しめました。先を急ぎます。
「ノウトリ」のペンキを辿り、爽快な岩礫帯を走るように下ること30分。農鳥小屋もテント数張りと宿泊者も少なかった模様で、静かな稜線歩きが終始続きました。西農鳥岳〜農鳥岳の間は岩場で段差が大きいところもあり、白峰三山の中でもアルペン的な雰囲気。午前8時半、農鳥岳に着いて朝食。プリムスに装着するゴトクが発火しないのでライターで試すも上手く行かず、山頂に居合わせた方々に助けられました。感謝いたします。
大門沢下降点で薄着に着替えて下りへ突入。森林限界に入ってまもなく現れた平坦地には日本庭園のような紅葉風景が広がっていて、気に入りました。やがて鬱蒼とした針葉樹林帯の急下降が続き、うんざりしていると左側から巨大な大門沢が合流。奈良田へ下る沢沿いの道は数年前より木階段、木梯子が増えたような。どれも膝を酷使した上に平均台を歩く感覚で、気を遣います。写真の真っ二つに折れた橋は中間点まで橋を使い、あと半分を飛び石で渡りました。
吊橋を3回渡り、最後は林道。同一ルートを辿った単独行の方のお言葉に甘え、車でJR駅まで乗せていただきました。この場を借りて再度お礼申し上げます。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する