笠ヶ岳



- GPS
- 18:18
- 距離
- 32.1km
- 登り
- 2,481m
- 下り
- 2,500m
コースタイム
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 8:40
- 山行
- 8:04
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 9:40
天候 | 1日目⇒小雨のち曇り、2日目⇒快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は4段で深山荘に近い下の段には仮設トイレがあり、上の段は登山口に近い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
笠新道は北アでも屈指の急登、標高差1400mを一気に登るので焦りは禁物。登山道は整備されていて非常に良い状態。下りで笠新道を使うのはかなりリスキー。太ももと膝が壊れる恐れあり。下りで利用した小池新道は傾斜も緩く、鏡平・秩父平など随所に良い休憩ポイントがあるので長い割には疲れにくい。もちろん登山道は完璧に整備され危険個所は皆無。 |
その他周辺情報 | ひがくの湯の大露天風呂は正面に錫杖岳を望み大らかな気分で登山後の疲れを癒してくれる。さらに登山食堂でボリュームたっぷりの定食もあり便利。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
携帯トイレ
|
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感想
9月30日(1日目)
前日駐車した新穂高温泉第3駐車場(無料駐車場)は起床した朝3時40分には満車、続々と入庫しようとする車のヘッドライトで目が覚める。予報では曇りから好天だったが生憎の雨、しかもかなり強く降っている。当初5時前には出発する予定だったが、天候の回復を待ちながら朝食のお稲荷とバナナを頬張る。外が明るくなり霧雨程度になったので5時に駐車場を出発する。15分ほどで新穂高登山指導センターに、ここで登山届を出し、トイレを済ませ、ザックカバーを広げていよいよ登山開始。水は笠新道入口で補給することにし、荷物を軽くして出発。6時30分に笠新道入口に到着、看板脇のホースを見ると、何と全く水が出ていない。これでは笠新道を登りきることは出来ないので思案、仕方なくワサビ平小屋まで進み水を補給して戻ることにする。ワサビ平小屋には6時40分に到着、水を頂きトイレを済ませて笠新道入口に戻る。6時55分、入口に戻りやっと笠新道の登りに取り付く。霧で湿った石つくりの急な階段状の道をゆっくり登り始める。笠新道入口の標高が1380m、出口の稜線は2800mほどなので1400m強の標高差、焦りは禁物。1時間で300m標高を上げれば良いと思い、いつもよりゆっくり呼吸を整えながら進む。傾斜はかなり急だが、一段一段がそれほど高くならないように石が組まれていて、一定のペースを維持しやすい登山道が続く。樹林の高さが徐々に低くなり、時々日差しも出てくるが、また霧の中に飲み込まれるような目まぐるしい天候が続く。今回は汗ではなく霧で体が濡れる感じで登り続ける。標高2100mの絶景ポイントもガスで全く視界無し。10時30分過ぎ、あたりのガスがサッと消え広々とした杓子平の草原が眼前に広がる。穂高涸沢にも似たカール地形に光が差し込み今日一番の景色が現れる。ここまでですでに3時間半登り続け標高も2400mに達している。あと少しで稜線と思いきや、ここからが長く感じる登りで、ガスが晴れた斜面上の登山道がはるか上まで続いているのが見えてしまう。杓子平を抜け、上部の岩稜帯の急斜面を、足元だけを見ながらひたすら登る。80分かかって11時55分にやっと稜線に出る。笠新道分岐到着だ。足もかなり疲れてエネルギーも切れかかっていたのでランチ休憩。カップ麺と菓子パン+コーヒーを食べゆっくりと寛ぐ。休憩後パッキングの為に立ち上がり足に力を入れたとたん太ももが痙攣しかなり強い痛みと共に足が「ツッた」状態になってしまう。しばらく悶絶しながら太ももを伸ばし続けやっと痛みが取れて歩ける状態に戻る。ここから笠ヶ岳山荘まではまだ1時間以上ある。足がつらないようゆっくりとした動きで稜線歩きを再開。時々ガスが切れて正面の稜線が浮かび上がる。小さなアップダウンの稜線を進み、テント場を通り抜けると白ペンキで「小屋まであと一息」、でもここからが結構つらかった。最後の石段を一歩一歩登り13時35分に笠ヶ岳山荘到着。テラスにザックを置き足を延ばしてから山荘内に入り、受付を済ませる。
一休み後に笠ヶ岳山頂に向かう予定にしていたが、ガスが晴れず夕食の時間(16時30分)が近かったので本日の登頂はあきらめ、体を拭いて服を着替え夕食を頂く。夕食はハンバーグ+カレー、カレーとごはんはお替り自由。美味しいカレーをたくさん食べて満足。食後小屋の窓から夕陽が差し込んできたので、反対側の窓から槍穂高方面を眺めると、急激にガスが切れ始め、あっという間に夕日に照らされた槍穂高全景が眼前に広がる。テラスに出て夕日、笠ヶ岳山頂、槍穂高、今日歩いた抜戸岳から双六岳へと続く稜線を写真に収める。穂先が赤く染まった槍は初めてで、笠ヶ岳山荘の立地場所に感謝。日没後はすぐに就寝。
10月1日(2日目)
朝3時40分起床、窓から外を眺めると満天の星、今日は期待が出来る。4時30分からの朝食を速攻でいただき、パッキングを済ませてから、笠ヶ岳山頂ピストンに空身で出発。15分ほどで山頂に到着、5時40分日の出に間に合った。山頂社近くでオコジョを発見、写真に収めようとしたがすばしっこく失敗。三角点の場所に移動して槍穂高連峰から登る日の出を拝む。周囲360°の大絶景、朝日を受けシルエットになった槍穂高の稜線、双六岳へと続く抜戸岳の稜線とその先には黒部五郎から薬師・立山・剣が広がり、右側には南アルプスの端にちょこんと頭を出している富士山、南アは甲斐駒から白峰三山・塩見・悪沢・荒川・赤石・聖と全てはっきりと視認出来、その右には中央アルプス、焼岳・乗鞍・御岳と日本アルプスオンパレードといった感じ。朝日に背を向けると高山方面に広がる雲海に笠ヶ岳山頂の影が映る、影笠とその向こうに白山が優美な裾野を広げている。しばらくはこれら360°の景色に見とれ、写真に収め過ごし、しばし時を忘れる。6時になり去りがたい山頂を後にして山荘に戻りザックを回収、トイレを済ませて6時35分に出発。今日の行程は結構長い。まずは抜戸岳を目指す。昨日歩いた稜線も快晴で絶景を楽しみながらなので気分も盛り上がる。7時38分に笠新道分岐に到着、ここから抜戸岳山頂への道を探し、ガレた岩場とハイマツ帯の踏み跡を追いながら山頂に向かう。抜戸岳山頂標識は大きな石の間に挟まっているようでぐらついている。しかし景色は素晴らしい。笠ヶ岳よりも槍が近づき、正面は北穂の滝谷で逆光でも垂直の岩壁である事がうかがえる。抜戸岳山頂からの下りはちょっと道迷いの要素がある岩とハイマツ帯を通る。無事双六岳への登山道に合流し、大ノマ岳・弓折岳へと縦走は続く。その後しばらくは稜線の西側のハイマツ帯を進むので槍穂高はお預け、しかし振り返ると笠ヶ岳が端正な姿を誇示している。秩父岩を過ぎたあたりから道は稜線東側に移り秩父平への下りになる。素人目にもカール地形であることが分かる岩と草原が広がり後方には秩父岩の大岩壁が青空を切り裂いて直立している。秩父平からは広葉樹林の中を進む。色づくはずの木々の葉も今年は枯れた茶色が多くちょっと残念。しかし穂高連峰西側の大岩壁を背景に写真映えする構図になっている。次のピークは大ノマ岳、山頂は目印が無さそうで、登山道からちょっと外れたヤブの中にある。このピークを踏んで、登山道に戻る。槍の穂先がさらに近づき、西鎌尾根とその奥の北鎌尾根が力強い稜線となって目に飛び込む。一旦大ノマ乗越まで下り、弓折岳の登りに入る。今山行の最後の登り、汗をかきつつ登りきると休憩に都合の良い広場に出る。この裏手が弓折岳山頂、今山行最後のピークからの眺めも素晴らしい。槍ヶ岳は小槍が大槍に合体し綺麗な三角錐になり、その大きさもさらに大きくなっている。南側に続く稜線も斜めから眺めるので大喰岳や中岳も締まって見え、大キレットから北穂・奥穂のダイナミックな姿が素晴らしい。この景色を眺めながらちょっと早めのランチタイム。カップうどんと菓子パン+コーヒー、デザートの桃のシロップ漬けを頂く。休憩後は弓折岳分岐(乗越)から鏡平に向け急降下、途中薄紫のリンドウを見つける。この分岐もちょっとした広場になっていて、槍穂高の素晴らしい展望台になっている。11時30分、鏡平山荘に到着、快晴で体感はかなり暑く、名物のかき氷を注文、体を冷やして11時48分に小池新道の下りに入る。山荘から数分歩いたところが、鏡池の展望台になっている。ここで池に映る逆さ槍と穂高の写真を収め、後は新穂高温泉に向け下るだけ。真っ白な岩で覆われた涸沢を2つ通り抜け、13時7分に秩父沢を通過、13時39分に林道に出て、あとはワサビ平小屋を経て新穂高登山口まではのんびりと林道歩き。14時42分に登山口のゲートに到着、14時50分に新穂高登山指導センターに戻り、下山カードを提出して駐車場に戻る。15時5分に無事駐車場着、汗をぬぐいソフトドリンクで喉を潤してから後片付け。下山後の温泉は「ひがくの湯」、錫杖岳を眺めながら大露天風呂にゆっくり浸かり、入浴後は登山食堂で定食を頂く。暗くなる前に安房トンネルを通過し、信州側に戻ってこれた。当初の山行計画では双六岳から3日目には西鎌尾根を通り槍ヶ岳を登る事も考えていたが、2日間で笠新道での笠ヶ岳登頂と弓折岳までの縦走、小池新道歩きと充実した山行だった。
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