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Yamareco

記録ID: 7304386
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

笠ヶ岳

2024年09月30日(月) 〜 2024年10月01日(火)
 - 拍手
Ashiro その他1人
体力度
7
1〜2泊以上が適当
GPS
18:18
距離
32.1km
登り
2,481m
下り
2,500m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:13
休憩
1:27
合計
8:40
距離 13.0km 登り 1,956m 下り 187m
4:59
1
スタート地点
5:09
5:13
1
5:57
14
6:11
11
6:22
11
6:33
6:44
11
6:55
7:01
81
8:22
23
9:21
9:29
63
10:32
10:34
80
11:54
11:55
2
11:57
12:27
35
13:02
13:03
22
13:25
13:26
13
2日目
山行
8:04
休憩
1:36
合計
9:40
距離 19.1km 登り 525m 下り 2,313m
5:28
11
5:39
6:07
14
6:21
6:38
7
7:03
35
7:38
7:40
2
7:42
7:43
7
7:50
7:56
7
8:03
31
8:34
15
8:49
29
9:18
9:19
9
9:28
9:32
21
9:53
9:55
21
10:16
10:19
0
10:18
10:19
34
10:53
3
10:56
10:57
4
11:01
30
11:31
11:47
2
11:49
11:50
27
12:17
12:20
18
12:38
13
12:51
12:52
14
13:06
13:07
32
13:39
13:40
15
13:55
10
14:05
14:07
9
14:16
11
14:27
12
15:07
ゴール地点
天候 1日目⇒小雨のち曇り、2日目⇒快晴
過去天気図(気象庁) 2024年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新穂高温泉第3駐車場(無料駐車場)に前泊。深山荘の露天風呂に入り英気を養う。
駐車場は4段で深山荘に近い下の段には仮設トイレがあり、上の段は登山口に近い。
コース状況/
危険箇所等
笠新道は北アでも屈指の急登、標高差1400mを一気に登るので焦りは禁物。登山道は整備されていて非常に良い状態。下りで笠新道を使うのはかなりリスキー。太ももと膝が壊れる恐れあり。下りで利用した小池新道は傾斜も緩く、鏡平・秩父平など随所に良い休憩ポイントがあるので長い割には疲れにくい。もちろん登山道は完璧に整備され危険個所は皆無。
その他周辺情報 ひがくの湯の大露天風呂は正面に錫杖岳を望み大らかな気分で登山後の疲れを癒してくれる。さらに登山食堂でボリュームたっぷりの定食もあり便利。
新穂高登山指導センターの登山届ボックス
2024年09月30日 05:21撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 5:21
新穂高登山指導センターの登山届ボックス
24時間開いているようだ。中にトイレあり。
2024年09月30日 05:21撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 5:21
24時間開いているようだ。中にトイレあり。
笠・双六の登山口標識
2024年09月30日 05:31撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 5:31
笠・双六の登山口標識
風穴
2024年09月30日 05:57撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 5:57
風穴
笠新道入口の水場が枯れていたので、仕方なくワサビ平小屋まで歩き水を確保する。(翌日の復路では水は出ていた)
2024年09月30日 06:46撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 6:46
笠新道入口の水場が枯れていたので、仕方なくワサビ平小屋まで歩き水を確保する。(翌日の復路では水は出ていた)
2100mまで到達、晴れていれば槍穂がドーンのはずだが。。。
2024年09月30日 09:23撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 9:23
2100mまで到達、晴れていれば槍穂がドーンのはずだが。。。
真っ白な世界で視界無し。
2024年09月30日 09:23撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 9:23
真っ白な世界で視界無し。
秩父平に光が差す。
2024年09月30日 10:31撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 10:31
秩父平に光が差す。
やっと笠新道の長く厳しい登りが終わった。
2024年09月30日 11:58撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 11:58
やっと笠新道の長く厳しい登りが終わった。
笠ヶ岳山荘到着、やっぱり疲れた。
2024年09月30日 13:37撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 13:37
笠ヶ岳山荘到着、やっぱり疲れた。
夕刻、急激にガスが切れ始める。
2024年09月30日 17:17撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 17:17
夕刻、急激にガスが切れ始める。
西の空は完全に晴れ渡る。
2024年09月30日 17:19撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 17:19
西の空は完全に晴れ渡る。
笠ヶ岳山頂のガスも取れ夕日に照らされる。
2024年09月30日 17:19撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 17:19
笠ヶ岳山頂のガスも取れ夕日に照らされる。
日没前、槍ヶ岳が姿を現す。
2024年09月30日 17:35撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 17:35
日没前、槍ヶ岳が姿を現す。
完全にガスが取れピンク色に染まる空の下には槍穂高の稜線が。
2024年09月30日 17:40撮影 by  iPhone XR, Apple
9/30 17:40
完全にガスが取れピンク色に染まる空の下には槍穂高の稜線が。
日の出前。大キレットから光の帯が伸びる。
2024年10月01日 05:25撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:25
日の出前。大キレットから光の帯が伸びる。
笠ヶ岳山頂から朝焼けの抜戸稜線と槍ヶ岳
2024年10月01日 05:45撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:45
笠ヶ岳山頂から朝焼けの抜戸稜線と槍ヶ岳
御嶽山・乗鞍岳・焼岳も朝焼け
2024年10月01日 05:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:51
御嶽山・乗鞍岳・焼岳も朝焼け
北穂・涸沢岳・奥穂・西穂、穂高連峰ラインナップ
2024年10月01日 05:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:51
北穂・涸沢岳・奥穂・西穂、穂高連峰ラインナップ
山頂三角点
2024年10月01日 05:53撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:53
山頂三角点
大キレットに朝日が位置する。
2024年10月01日 05:53撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 5:53
大キレットに朝日が位置する。
山頂から山荘に戻り縦走開始。山荘前から槍穂高連峰。
2024年10月01日 06:36撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:36
山頂から山荘に戻り縦走開始。山荘前から槍穂高連峰。
縦走路から黒部五郎と双六。斜光で立体的に映し出される。
2024年10月01日 06:52撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:52
縦走路から黒部五郎と双六。斜光で立体的に映し出される。
抜戸岳の稜線
2024年10月01日 06:52撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:52
抜戸岳の稜線
笠ヶ岳山頂部、小笠脇の山荘が写っている。
2024年10月01日 06:54撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:54
笠ヶ岳山頂部、小笠脇の山荘が写っている。
縦走路から焼岳・乗鞍岳・御岳山。
2024年10月01日 06:54撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:54
縦走路から焼岳・乗鞍岳・御岳山。
日差しが穂高連峰真上から。
2024年10月01日 06:54撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:54
日差しが穂高連峰真上から。
黒部五郎と双六、奥に小さく剣立山も見えている。
2024年10月01日 06:55撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:55
黒部五郎と双六、奥に小さく剣立山も見えている。
抜戸・双六の稜線と水晶岳
2024年10月01日 06:55撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:55
抜戸・双六の稜線と水晶岳
縦走路の向こうに広がる槍ヶ岳
2024年10月01日 06:55撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 6:55
縦走路の向こうに広がる槍ヶ岳
抜戸岳山頂、ここからの槍穂高も素晴らしい。
2024年10月01日 07:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 7:51
抜戸岳山頂、ここからの槍穂高も素晴らしい。
縦走路に合流する。
2024年10月01日 08:03撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:03
縦走路に合流する。
振り返ると端正な姿の笠ヶ岳。
2024年10月01日 08:05撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:05
振り返ると端正な姿の笠ヶ岳。
秩父岩近くの道標
2024年10月01日 08:34撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:34
秩父岩近くの道標
秩父岩付近からの黒部五郎と薬師
2024年10月01日 08:34撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:34
秩父岩付近からの黒部五郎と薬師
秩父岩からのカール壁
2024年10月01日 08:43撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:43
秩父岩からのカール壁
カール地形と2667m峰
2024年10月01日 08:50撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:50
カール地形と2667m峰
秩父平から秩父岩の大岩壁
2024年10月01日 08:53撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:53
秩父平から秩父岩の大岩壁
秩父平から色づく広葉樹と槍穂高
2024年10月01日 08:53撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 8:53
秩父平から色づく広葉樹と槍穂高
大ノマ岳肩からの槍穂高連峰、槍が近づき穂高からは離れつつある。
2024年10月01日 09:29撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:29
大ノマ岳肩からの槍穂高連峰、槍が近づき穂高からは離れつつある。
大ノマ岳から双六・鷲羽
2024年10月01日 09:31撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:31
大ノマ岳から双六・鷲羽
槍ヶ岳の西鎌尾根とその上にわずかに映る表銀座の稜線。
2024年10月01日 09:31撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:31
槍ヶ岳の西鎌尾根とその上にわずかに映る表銀座の稜線。
大ノマ岳からの槍穂高は均整が取れていて美しい。
2024年10月01日 09:31撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:31
大ノマ岳からの槍穂高は均整が取れていて美しい。
ミヤマキンバイ?遅咲き。
2024年10月01日 09:40撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:40
ミヤマキンバイ?遅咲き。
大ノマ乗越
2024年10月01日 09:53撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 9:53
大ノマ乗越
弓折岳への稜線から槍穂高
2024年10月01日 10:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:01
弓折岳への稜線から槍穂高
穂高連峰のギザギザから焼岳・乗鞍の柔らかい稜線の対比。
2024年10月01日 10:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:01
穂高連峰のギザギザから焼岳・乗鞍の柔らかい稜線の対比。
大ノマ岳・抜戸岳へと続くピークの連なり。
2024年10月01日 10:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:01
大ノマ岳・抜戸岳へと続くピークの連なり。
ダケカンバ黄葉
2024年10月01日 10:06撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:06
ダケカンバ黄葉
黄葉と双六稜線
2024年10月01日 10:07撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:07
黄葉と双六稜線
弓折岳山頂標識
2024年10月01日 10:18撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:18
弓折岳山頂標識
弓折岳山頂から歩いてきた稜線を望む
2024年10月01日 10:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:51
弓折岳山頂から歩いてきた稜線を望む
双六岳と三俣蓮華岳
2024年10月01日 10:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:51
双六岳と三俣蓮華岳
弓折岳船窪の上に立つ槍ヶ岳
2024年10月01日 10:52撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:52
弓折岳船窪の上に立つ槍ヶ岳
リンドウ一輪
2024年10月01日 10:54撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 10:54
リンドウ一輪
弓折分岐
2024年10月01日 11:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:01
弓折分岐
弓折乗越から槍ヶ岳、大迫力。
2024年10月01日 11:02撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:02
弓折乗越から槍ヶ岳、大迫力。
穂高連峰
2024年10月01日 11:02撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:02
穂高連峰
鏡平から樹林越しの槍
2024年10月01日 11:48撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:48
鏡平から樹林越しの槍
穂高連峰も加えてみた。
2024年10月01日 11:48撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:48
穂高連峰も加えてみた。
鏡池からの逆さ槍
2024年10月01日 11:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:51
鏡池からの逆さ槍
穂高連峰を逆さに写すのは結構難しい
2024年10月01日 11:51撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 11:51
穂高連峰を逆さに写すのは結構難しい
クマの踊り場
2024年10月01日 12:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 12:01
クマの踊り場
シシウドヶ原
2024年10月01日 12:18撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 12:18
シシウドヶ原
シシウドヶ原からの穂高連峰。これで見納め。
2024年10月01日 12:18撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 12:18
シシウドヶ原からの穂高連峰。これで見納め。
イタドリヶ原
2024年10月01日 12:38撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 12:38
イタドリヶ原
下涸れ沢
2024年10月01日 12:47撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 12:47
下涸れ沢
秩父沢まで下りてきた。
2024年10月01日 13:07撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 13:07
秩父沢まで下りてきた。
石畳涸れ沢
2024年10月01日 13:25撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 13:25
石畳涸れ沢
小池新道入口、ここからは林道歩き。
2024年10月01日 13:39撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 13:39
小池新道入口、ここからは林道歩き。
ワサビ平小屋
2024年10月01日 13:56撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 13:56
ワサビ平小屋
笠・双六登山口の案内板
2024年10月01日 14:42撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 14:42
笠・双六登山口の案内板
新穂高左股のゲート
2024年10月01日 14:45撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 14:45
新穂高左股のゲート
ゴールの新穂高温泉
2024年10月01日 14:50撮影 by  iPhone XR, Apple
10/1 14:50
ゴールの新穂高温泉
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 ゲイター 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも ザック ザックカバー サブザック 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック ナイフ カメラ 携帯トイレ

感想

9月30日(1日目)
前日駐車した新穂高温泉第3駐車場(無料駐車場)は起床した朝3時40分には満車、続々と入庫しようとする車のヘッドライトで目が覚める。予報では曇りから好天だったが生憎の雨、しかもかなり強く降っている。当初5時前には出発する予定だったが、天候の回復を待ちながら朝食のお稲荷とバナナを頬張る。外が明るくなり霧雨程度になったので5時に駐車場を出発する。15分ほどで新穂高登山指導センターに、ここで登山届を出し、トイレを済ませ、ザックカバーを広げていよいよ登山開始。水は笠新道入口で補給することにし、荷物を軽くして出発。6時30分に笠新道入口に到着、看板脇のホースを見ると、何と全く水が出ていない。これでは笠新道を登りきることは出来ないので思案、仕方なくワサビ平小屋まで進み水を補給して戻ることにする。ワサビ平小屋には6時40分に到着、水を頂きトイレを済ませて笠新道入口に戻る。6時55分、入口に戻りやっと笠新道の登りに取り付く。霧で湿った石つくりの急な階段状の道をゆっくり登り始める。笠新道入口の標高が1380m、出口の稜線は2800mほどなので1400m強の標高差、焦りは禁物。1時間で300m標高を上げれば良いと思い、いつもよりゆっくり呼吸を整えながら進む。傾斜はかなり急だが、一段一段がそれほど高くならないように石が組まれていて、一定のペースを維持しやすい登山道が続く。樹林の高さが徐々に低くなり、時々日差しも出てくるが、また霧の中に飲み込まれるような目まぐるしい天候が続く。今回は汗ではなく霧で体が濡れる感じで登り続ける。標高2100mの絶景ポイントもガスで全く視界無し。10時30分過ぎ、あたりのガスがサッと消え広々とした杓子平の草原が眼前に広がる。穂高涸沢にも似たカール地形に光が差し込み今日一番の景色が現れる。ここまでですでに3時間半登り続け標高も2400mに達している。あと少しで稜線と思いきや、ここからが長く感じる登りで、ガスが晴れた斜面上の登山道がはるか上まで続いているのが見えてしまう。杓子平を抜け、上部の岩稜帯の急斜面を、足元だけを見ながらひたすら登る。80分かかって11時55分にやっと稜線に出る。笠新道分岐到着だ。足もかなり疲れてエネルギーも切れかかっていたのでランチ休憩。カップ麺と菓子パン+コーヒーを食べゆっくりと寛ぐ。休憩後パッキングの為に立ち上がり足に力を入れたとたん太ももが痙攣しかなり強い痛みと共に足が「ツッた」状態になってしまう。しばらく悶絶しながら太ももを伸ばし続けやっと痛みが取れて歩ける状態に戻る。ここから笠ヶ岳山荘まではまだ1時間以上ある。足がつらないようゆっくりとした動きで稜線歩きを再開。時々ガスが切れて正面の稜線が浮かび上がる。小さなアップダウンの稜線を進み、テント場を通り抜けると白ペンキで「小屋まであと一息」、でもここからが結構つらかった。最後の石段を一歩一歩登り13時35分に笠ヶ岳山荘到着。テラスにザックを置き足を延ばしてから山荘内に入り、受付を済ませる。
一休み後に笠ヶ岳山頂に向かう予定にしていたが、ガスが晴れず夕食の時間(16時30分)が近かったので本日の登頂はあきらめ、体を拭いて服を着替え夕食を頂く。夕食はハンバーグ+カレー、カレーとごはんはお替り自由。美味しいカレーをたくさん食べて満足。食後小屋の窓から夕陽が差し込んできたので、反対側の窓から槍穂高方面を眺めると、急激にガスが切れ始め、あっという間に夕日に照らされた槍穂高全景が眼前に広がる。テラスに出て夕日、笠ヶ岳山頂、槍穂高、今日歩いた抜戸岳から双六岳へと続く稜線を写真に収める。穂先が赤く染まった槍は初めてで、笠ヶ岳山荘の立地場所に感謝。日没後はすぐに就寝。
10月1日(2日目)
朝3時40分起床、窓から外を眺めると満天の星、今日は期待が出来る。4時30分からの朝食を速攻でいただき、パッキングを済ませてから、笠ヶ岳山頂ピストンに空身で出発。15分ほどで山頂に到着、5時40分日の出に間に合った。山頂社近くでオコジョを発見、写真に収めようとしたがすばしっこく失敗。三角点の場所に移動して槍穂高連峰から登る日の出を拝む。周囲360°の大絶景、朝日を受けシルエットになった槍穂高の稜線、双六岳へと続く抜戸岳の稜線とその先には黒部五郎から薬師・立山・剣が広がり、右側には南アルプスの端にちょこんと頭を出している富士山、南アは甲斐駒から白峰三山・塩見・悪沢・荒川・赤石・聖と全てはっきりと視認出来、その右には中央アルプス、焼岳・乗鞍・御岳と日本アルプスオンパレードといった感じ。朝日に背を向けると高山方面に広がる雲海に笠ヶ岳山頂の影が映る、影笠とその向こうに白山が優美な裾野を広げている。しばらくはこれら360°の景色に見とれ、写真に収め過ごし、しばし時を忘れる。6時になり去りがたい山頂を後にして山荘に戻りザックを回収、トイレを済ませて6時35分に出発。今日の行程は結構長い。まずは抜戸岳を目指す。昨日歩いた稜線も快晴で絶景を楽しみながらなので気分も盛り上がる。7時38分に笠新道分岐に到着、ここから抜戸岳山頂への道を探し、ガレた岩場とハイマツ帯の踏み跡を追いながら山頂に向かう。抜戸岳山頂標識は大きな石の間に挟まっているようでぐらついている。しかし景色は素晴らしい。笠ヶ岳よりも槍が近づき、正面は北穂の滝谷で逆光でも垂直の岩壁である事がうかがえる。抜戸岳山頂からの下りはちょっと道迷いの要素がある岩とハイマツ帯を通る。無事双六岳への登山道に合流し、大ノマ岳・弓折岳へと縦走は続く。その後しばらくは稜線の西側のハイマツ帯を進むので槍穂高はお預け、しかし振り返ると笠ヶ岳が端正な姿を誇示している。秩父岩を過ぎたあたりから道は稜線東側に移り秩父平への下りになる。素人目にもカール地形であることが分かる岩と草原が広がり後方には秩父岩の大岩壁が青空を切り裂いて直立している。秩父平からは広葉樹林の中を進む。色づくはずの木々の葉も今年は枯れた茶色が多くちょっと残念。しかし穂高連峰西側の大岩壁を背景に写真映えする構図になっている。次のピークは大ノマ岳、山頂は目印が無さそうで、登山道からちょっと外れたヤブの中にある。このピークを踏んで、登山道に戻る。槍の穂先がさらに近づき、西鎌尾根とその奥の北鎌尾根が力強い稜線となって目に飛び込む。一旦大ノマ乗越まで下り、弓折岳の登りに入る。今山行の最後の登り、汗をかきつつ登りきると休憩に都合の良い広場に出る。この裏手が弓折岳山頂、今山行最後のピークからの眺めも素晴らしい。槍ヶ岳は小槍が大槍に合体し綺麗な三角錐になり、その大きさもさらに大きくなっている。南側に続く稜線も斜めから眺めるので大喰岳や中岳も締まって見え、大キレットから北穂・奥穂のダイナミックな姿が素晴らしい。この景色を眺めながらちょっと早めのランチタイム。カップうどんと菓子パン+コーヒー、デザートの桃のシロップ漬けを頂く。休憩後は弓折岳分岐(乗越)から鏡平に向け急降下、途中薄紫のリンドウを見つける。この分岐もちょっとした広場になっていて、槍穂高の素晴らしい展望台になっている。11時30分、鏡平山荘に到着、快晴で体感はかなり暑く、名物のかき氷を注文、体を冷やして11時48分に小池新道の下りに入る。山荘から数分歩いたところが、鏡池の展望台になっている。ここで池に映る逆さ槍と穂高の写真を収め、後は新穂高温泉に向け下るだけ。真っ白な岩で覆われた涸沢を2つ通り抜け、13時7分に秩父沢を通過、13時39分に林道に出て、あとはワサビ平小屋を経て新穂高登山口まではのんびりと林道歩き。14時42分に登山口のゲートに到着、14時50分に新穂高登山指導センターに戻り、下山カードを提出して駐車場に戻る。15時5分に無事駐車場着、汗をぬぐいソフトドリンクで喉を潤してから後片付け。下山後の温泉は「ひがくの湯」、錫杖岳を眺めながら大露天風呂にゆっくり浸かり、入浴後は登山食堂で定食を頂く。暗くなる前に安房トンネルを通過し、信州側に戻ってこれた。当初の山行計画では双六岳から3日目には西鎌尾根を通り槍ヶ岳を登る事も考えていたが、2日間で笠新道での笠ヶ岳登頂と弓折岳までの縦走、小池新道歩きと充実した山行だった。

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