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Yamareco

記録ID: 65388
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
東海

黒部五郎・鷲羽岳・雲ノ平

2008年07月17日(木) 〜 2008年07月18日(金)
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県 岐阜県
 - 拍手
GPS
32:00
距離
44.4km
登り
3,695m
下り
3,697m

コースタイム

7月17日

飛越トンネル4:00
寺地山6:15-6:20
北ノ俣岳9:05-9:25
黒部五郎岳11:55-12:25
黒部五郎小屋13:55
三俣蓮華岳15:20
三俣山荘(泊)15:45

7月18日
三俣山荘5:00
鷲羽岳6:00
祖父岳8:00
雲ノ平山荘8:55-9:30
薬師沢小屋11:30
太郎平小屋13:30-14:10
北ノ俣分岐16:00
寺地山17:30
飛越トンネル19:30
天候 7月17日晴れのち曇り
7月18日雨のち曇り
過去天気図(気象庁) 2008年07月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
雨の薬師沢は谷川そのもの
朝焼けの北ノ俣
水でグチャグチャの道。ニッコウキスゲの群生地
水でグチャグチャの道。ニッコウキスゲの群生地
綿毛の植物
木道で歩きやすい
木道で歩きやすい
黒部五郎、笠、乗鞍、御岳
黒部五郎、笠、乗鞍、御岳
槍が先っちょだけ見える
槍が先っちょだけ見える
黒部五郎
黒部五郎のカール
黒部五郎のカール
黒部源流
鷲羽岳と三俣山荘
鷲羽岳と三俣山荘
三俣山荘の夕食
雲ノ平山荘
薬師沢の水
薬師小屋
雷鳥の親子
今回のルート。グーグルアース
今回のルート。グーグルアース

感想

黒部五郎、鷲羽岳、雲ノ平

7月17、18日

2時間弱で自宅から飛越トンネルに到着。
身支度を済ませ、まずは寺地山を目指して歩く
最初はヘッドライトを点けたが、すぐに明るくなっきて必要なくなった。

最初の30分くらいは、朝露に濡れながらも快適だった。。。。。。が
この神岡新道は、ものすごく厄介な道だった。
ミズバショウが普通に生えてる湿地というか沼が登山道。
足がはまったり、丸太の埋め込みですべったりで
かなりストレスがたまった。

途中ニッコウキスゲの群生地などを経て寺地山。
休憩もそこそこに歩いていくと見晴らしの良い笹原に出た。
ここからは木道が整備されていて歩きやすい。

水場の北ノ俣非難小屋に立ち寄るが、水が出てない・・・・・最悪である。
後で知ったんだけど、この水場はあまりあてにならないそうだ。

その後もひたすら見通しの良い登山道を登っていき高度を稼ぐ!
有峰湖、白山、笠、乗鞍、御岳が綺麗に見えました。

登山口から5時間歩くとやっと稜線!
そこは別世界でした。正面には水晶岳、鷲羽岳、左手には薬師岳が
ドーンと鎮座し右のはるか稜線の先には黒部五郎岳。

このようなすばらしい景色が見えると疲れも吹っ飛びます。
北ノ俣分岐から、北ノ俣岳のピークはすぐそこ。
まず、一つ目の大きな中継点が北ノ俣岳。
4時に出発しここに着いたのが9時。およそ5時間歩いてきて
やっと手に入れた絶景ポイントです。
黒部五郎岳、笠ヶ岳、乗鞍岳、御岳と
日本百名山が四連に見えます。こんな景色初めて。


北ノ俣岳山頂で、すこしの休憩。
おにぎり一個とピーナッツを食べる。
ピーナッツに含まれるビタミンB1は炭水化物を効率よく
エネルギーにかえる作用があるので
最近の山行でパターピーナッツは必需品になってます。
事実、ピーナッツを携行するようになってからは、調子が良い!

そして汗で失った水分の補給にスポーツドリンクを
がぶ飲みしたい所だけど、さっきの水場で水を得られなかったので
次の水場までの補給の配分を考えねば。

20分ほど休憩後、黒部五郎岳に向けて一歩を踏み出す。
ここまで来ると、絶景を眺めながらの稜線歩きで
疲労はたまっているけど気分的に足取りは軽い!

高山植物を時々見たりしながら
はるか向こうにそびえ立つ黒部五郎岳へ向かう。

あの向こうには頂上から抉れている
黒部五郎岳の代名詞ともいえる立派なカールがあるのだ。

北ノ俣岳2661mから
すこし下り中俣乗越2450mまで約200mの高さの下り。
今までずーっと登りだったので久々の下りは気持ちが良い!

途中、黒部五郎小屋からという方が、中俣乗越で黒部五郎岳を
撮影していた。今日初めてすれ違った人でした。
やはり、この時期の登山客って少ないな。
すれ違った方も、『今の山は静かで良いな。』とご満悦の様子。
登山客同士お決まりの、どちらから、どちらまでの会話をして別れる。


中俣乗越からは高さ約400mの高さを3km弱の距離で登る
かなり急登だ!でも、私には急な登りの方が合ってるようです。
ダブルストック+なんば歩きが功を奏したか!?

特に辛いわけでもなく
振り返ると、大きな薬師岳が背中を押してくれるようで
あっという間に日本100名山の黒部五郎岳2839mに登頂!

おおおおお!

すごい!360°大パノラマ!!

槍も綺麗に見える!この角度から見る槍ヶ岳の姿は一番好きかな

黒部五郎岳の代名詞ともいえるカールも上からすり鉢上に見える!
黒部五郎小屋も小さく見えるなぁ〜
一度あそこに下って、また三俣蓮華岳に登ってその向こうに下って
やっと今日のゴールの三俣小屋かぁ〜遠いなぁ。
本当に16:00までに三俣小屋に着けるんだろうか・・・・・・・
ちょっと弱気になりつつも。

ここで、絶景を望みながら30分休憩。

黒部五郎岳の頂上に、ずーっと居たかったけど
今日の目的地はずーっと先!

まずは、頂上から『遠いなぁ〜』と感じた黒部五郎小屋まで降りなきゃ!

一旦、この深くえぐれたカールに下る。
カール中央部には黒部五郎岳のシンボルともいえる雷岩が鎮座している。

カールには雪がたまりやすいのか、残雪が沢山残ってる。

その残雪から、すこしずつ融けだした雪解け水が
集まり、カールにはいくつもの水の流れる小川が出来ていた。
ペットボトルの飲料水も飲みつくし枯れてたので、ここで補充!

本当に冷たくて美味しい。
ここまで汗が出ては乾きのくりかえしで
たまった顔の塩分を洗って流した。

水を得たところで、足どりも軽くなった。
カール内の登山道は、この雪解け水の影響で、ほとんどが
小川になっている。
まぁ、道がわからなくなったところで、この晴天時には迷う事はないので
歩けそうな場所を見つけては、少しずつ下って行った。

そして、やっと黒部五郎小屋に到着〜
電話を借りて、三俣小屋に少し遅くなるむねを伝えようと思ったけど
電話がないということで断念。
休む時間をカットして、三俣小屋に急ぐ!

ここから、三俣小屋へは残雪の影響で巻き道を使えないので
三俣蓮華岳の頂上を越えていかねばならない!
黒部五郎小屋から、三俣蓮華岳へはかなりの急登。
約500mを登らなければならない状況に気が遠くなったが
ぜえぜえと息はあがったけど、2時間20分のところを1時間25分で行けました。
私は、平坦な道より急登の方が、力がだせるようだ。

途中には、綺麗なお花畑も!
晴れてたらもっと綺麗に見えたかな?

途中、ガスが出てきて黒部五郎岳のカールは
なんとか見ることが出来ましたが、その後はガスで見通しが効かなくなった。

三俣蓮華岳の頂上は立ち止まらず通過点として
鷲羽岳直下にある三俣山荘へ下る。

三俣山荘は昨年、この三俣蓮華岳の頂上に立って
鷲羽岳の直下にある三俣小屋を見たとき
ココに泊まってみたいなと思ったのです。

三俣蓮華岳への登りを頑張ったおかげで
小屋の人が電話で言ってた『遅くても16:00までには到着して下さい』との
16:00前になんとか滑り込むことが出来た。

夕食までは、時間がるので
雪解けの小川に足をっ突っ込み足を洗う。さすが、雪解け水!
冷たくて5秒も入れていられない。でも、気持ち良い〜い!!
周りに人も居ないから上半身裸になって、汗も拭けて快適でした。

夕食は、ハンバーグ定食!
ご飯、味噌汁食べ放題でお腹も満足!!!

デンマークから来た家族、関西の登山グループ、東京からの単独登山者と
会話も弾み、楽しい一時を過ごせました。

外は、生憎の曇り空。
前日の天気予報では、曇りの予報でしたが
夜の天気予報では、沖縄に停滞する熱帯的気圧から吹き込む
湿った空気の影響で、日本の広い範囲で、雷を伴う強い雨との事。

明日、薬師沢を渡ることは出来るのだろうか?
無事帰ることが出来るのだろうか?

不安を抱えながら、眠りについた。




翌朝、携帯の3時30分の目覚ましバイブで目が覚める

しかし・・・・・・雨の屋根の鉄板を叩く音が・・・・・・
昨日の予報では、昼から崩れる予報でしたが朝から雨。

水晶はあきらめて遅く出よう。。。。。。

布団の中で、そう決めた。

重い体を、布団の外に出して、身支度し
薄暗い雨の中に飛び出した。

目の前には、鷲羽岳が見えるはずが見えない。

ただただ、目の前の岩場の急登をこなしていって
あっけなく、鷲羽岳頂上に。
ここからは、すばらしい絶景のはずなのに・・・・・



今日は、もう飛越トンネルまで、早く帰りたいの一日でした。

濃霧の為ワリモ分岐付近で、おかしい!おかしい?と思いつつ
道を見失い、2度も上り返し・・・・・・
どこまで歩いても雨!!!

日本庭園、ギリシャ庭園など色々素晴しいところがあるらしいけど
すべて雨と霧の中。

雲ノ平山荘に着いたときは、雨の降雨量はピーク
水につかっている木道まであった。

雲ノ平山荘は、天国みたいでした。
濡れたレインウェアを、乾燥室に置かせてもらって
温かいカップラーメンをたのむと、お疲れさんでしたと
山荘の若いご主人が、お茶と、柿の種一袋をサービスしてくれた。
物資輸送コストのかかるこの山深い山荘で、こんなサービスを
してくださるとは・・・・・感激でした。嬉しかった。

もっと、ここでゆっくりしたかったけど
薬師沢が待っている・・・・・
雲ノ平山荘2550mから薬師沢小屋1912mまで一気に下るのだ。
山荘のご主人が、無線で薬師沢小屋に道の状況を聞いたところ
太郎平まで、今の状態ならなんとかいけるとの事。
その情報を、信じ重い腰をあげて薬師沢を下る事に。

雨は、まだまだ降り続ける。
木道を下ると、どんどんと水が谷に流れ込んでくる
そして、完全に谷すじの道に入った時には、そこは谷川でした。

本当に、コレは道なのか?と、どれだけ自問したことか。。。。。。

かなり降りたところで、登りの登山者何人かとすれ違った時は本当にホッとしました。

この山道は雨が降ると本当に危険だ。。。。。
何度転倒した事か。どれだけ転びそうになって木の枝に
しがみついたことか・・・・・おかげでストックが一本破損しました。

薬師沢小屋が見えたときは、おおお!!!って雄たけびをあげたくなる気分でした。

今降りてきた谷みたいな登山道から流れてきた水かな?
滝のように流れてました。

今でギリギリ?もう少し、雨が降ってたらこの道は渡れなかっただろうな。

この道を下流に下る大東新道は、増水で通行止めでした。

通常なら、岩魚釣りが楽しめるであろう本流の激流を眺め
つり橋のある薬師沢小屋を通過。
ここで、気が付いた時は雨はほとんどあがっていた。

一気に谷底に下った分、太郎平の稜線まで上り返し。
雲ノ平までの高さではないが
雨の降った道を登る。しかも、雨があがったので、湿度もあって蒸し暑い!!!

道自体は、綺麗だったので薬師沢のような辛さはなかった。

再び森林限界を越えて太郎平に到着。折立からの登山客で賑わっていた。
いまココにいる人たちは、小屋泊まりでしょう。
折立にはバスも何台か来ていて、どうやら今日の太郎平小屋は混雑らしい。

太郎平では、水を補給して北ノ俣分岐まで長い稜線を登った。

途中、お花畑で遊んでる雷鳥親子や、孤独な雷鳥の雄を
沢山見かけました。天候が悪いと雷鳥との遭遇率が高いですね。


1日ぶり北ノ俣分岐に戻ってくると、帰りは見通しがつくのでホッとしました。
あとは、どろんこ道。
もう、帰るだけだし車に行けばサンダルに履きかえられるから
沼にはまってもお構いなしで、帰りました。

飛越トンネルに着いたときは、もう暗くなっていた。
とにかく北ノ俣〜飛越トンネルは長く感じた。

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体力レベル
5/5

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