釈迦岳〜ヤケオ <命からがら?中井新道>

コースタイム
- 山行
- 5:42
- 休憩
- 2:35
- 合計
- 8:17
166min 2時間46分 純歩行 152min 2時間32分
周回合計 (釈迦岳〜Sky Line〜ヤケオ)
52min 純歩行 47min
下山合計(ヤケオ〜中井新道〜近江舞子)
181min 3時間01分 純歩行 143min 2時間23分
道迷い(ヤケオ東南尾根P810付近、下斜面)
56min
行動総計 455min 7時間35分 (道迷い含む)
純歩行総計 398min 6時間38分 ( 〃 )
山行総計 497min 8時間17分
| 天候 | 終日快晴、山上気温15℃前後 登高中は暑さを感じましたが 稜線上は時折やや強い風が吹き、体感10℃〜昼食停滞時は防風着着用 保冷水筒900ccを呑みきったが、予備500ccは手つかずで残る |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
所要 1時間54分 \1,940 比良駅 → イン谷口BS (江若バス 比良登山線) 所要約10分 \350 ※運行は11月末まで、土日祝のみ 復路:JR湖西線・近江舞子駅 → 神戸線・芦屋駅(新快速・ここまで乗換なし) → 摂津本山駅 所要 1時間23分 \1,940 ※当日JR事故の遅延あり、+10分弱の延着 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
ご承知の通り、下山路の中井新道(ヤケオ東南尾根道)は目下廃道状態です。 現在の地形図・登山地図には記載がありません。 ○イン谷口BS〜大津ワンゲル新道入り口 登山口の木橋は、BSから旧リフト駅方向へ数十メートル遡った箇所。 道路から川に向かって降りた、やや見えにくい場所にありますが、 バス停から駐車場の縁(止まっているクルマの後ろ)を歩き、 川沿いを注意深く見ればすぐに見つかります。 >最近「大津ワンゲル新道→」標識が木橋の脇に掛けられましたが(写真) >今まで何度も「掛けられては無くなり・・」を繰り返していますので >あまりアテにしないほうが無難だと思います。 ○大津ワンゲル新道〜イチョウガレ〜釈迦岳 傾斜は登りはじめ小一時間はゆったり、北西方向への転向点を過ぎ ややキツくなった箇所を登り詰めると印象的な石積あり(休憩)。 ここから道は急に傾斜を増し、急登〜平坦〜急登を繰り返しながら 東南山麓からの雄松山荘道を合流して(標識あり)一気に高度を稼ぎます。 樹間には結構な高度感で見下ろす琵琶湖畔や、目指す釈迦岳の稜線も グッと近づいて、登りのキツさを和らげてくれました。 石積から(行動食を挟んで)もたもた小一時間でイチョウガレ到着。 ストックは収納、ここから二段になった高さ30m程の(プチ)岩登り、 木の枝も掴みながら攀じ登ります。 高所が少し苦手なので不安もありましたが、登ってみれば愉しかった。 >但し、下を見れば「コレを降りるンは、かなり嫌やなぁ」という感じ(汗) あと田辺新道合流〜釈迦岳までは「すぐ」と認識していましたが 現実はそう甘くなく(笑)バテ気味の脚にはコタえました。頻繁に立ち休み。 なお、合流点(標識あり)付近は小広くなっている上に踏跡も錯綜しており 一瞬方向を誤りそうになりました。 ○釈迦岳〜稜線(フジハゲのPEAK)〜ヤケオ お馴染みの「北比良スカイライン」。 快晴のもと、眼下に広がる琵琶湖と来し方の釈迦岳、カラ岳のアンテナ。 南の彼方には堂満岳、打見山〜蓬莱山から比叡山もちらり。 西に対峙する武奈ヶ岳〜コヤマノ岳には、とくに毎回見惚れてしまいます。 ほか、立ち位置を変えるとナガオ尾根を引いた釣瓶岳も見え これも嬉しい「発見」でした。 黒谷〜鹿ヶ瀬集落を見下ろし、蛇谷ヶ峰を望む平坦地を見つけランチ休憩、 ヤケオに向かう。 ○ヤケオ〜中井新道(廃道扱い)入口〜眺望のピーク(P810) 眺めの良いヤケオ山頂で小休止のあと、標識の背後へ廻り、 真っ二つに割れた「通行止」の標識を越えて尾根線を辿りました。 広い尾根を忠実に下ると、湖畔からもよく見える大ガレを横に見て、 まさに360度、ものすごい眺望のピーク(810m)に到着。 >ところが・・・ここがてっきり地形図のP761だと勘違いしていたため >直後に手厳しい天罰が待ち受けていました。 ○ピーク直下の斜面で道迷い このピーク(810m付近)の脇から下る入口がどうしても見つかりません。 >ピークを一つ手前に間違えているのだからアタリマエ! >ここは一つ下のP761まで、尾根芯をまっすぐ下るのが正解でした。 仕方なくピーク脇の急傾斜を強引に下りましたが、やはり一向に道が見えない。 >見つかる訳がありませんね。 >持参した地形図をしっかり見ず、見た目だけで判断したのが第一のミス。 >「やがてハッキリした古道に出る」という事前情報を鵜呑みにして >「まぁ捜せば見つかるだろう」などと安易に考えたのが第二のミス。 >テキトーな見当を付け、ピーク脇を強引に降りたのが第三のミス。 見方によっては道っぽく見える(進めばすぐ途切れる)場所にも惑わされ、 斜面をどんどん数10mも下ってしまい彷徨、完全ロスト状態に陥りました。 あっという間にヤケオに引き返す(自分で決めた)リミットタイムを過ぎ、 仕方なく緩斜面を斜めに登り返している途中で、偶然ひょっこりと(!) 事前情報で云うところの「ハッキリした古道」に「下から」飛び出しました。 >要するに登山道に出会う、かなり手前の斜面をズルズル下っていたわけです。 >飛び出した瞬間、ホッとするあまり地面にヘタりこんでしまいました(泣笑) ○中井新道(廃道扱い)〜梅ノ木谷 基本は「廃道」ですから、もとより倒木や落石跡はデフォルト覚悟です。 とりわけ倒木の道塞ぎは無数と云ってもよく、乗り越えたり 迂回したり、四つん這いで潜ったりを数限りなく繰り返しました。 しかしながら、いったん登山道に出た後は、長年の間に掘り込まれた道筋が (いくらか不明瞭な箇所はありますが)終点間近までほとんど途切れません。 ピークから下は古くからの作業道だと聞いていましたが、全くその通り、 傾斜一定のつづら折れが基本で、無理な急下りはほとんどなし。 >この点、同じく古道であるダケ道やキタダカ道に似ていました。 やっかいな倒木くぐりを除けば、むしろ歩きやすい道が続きます。 歩行者が希薄な証拠に、全行程に亘って落葉がうず高く堆積していましたが これがかえってスリップを防いでくれ、むしろ歩行はスムーズな印象。 但し、かなり下部に降りるまでテープやマーキングは全くありません。 途中に3箇所ある紛らわしい枝道の分岐は(写真)出発前に収集した 情報がなければ、ずいぶん悩まされていたのではないかと思います。 終点近く、梅ノ木谷の堰堤に近づけば緑・赤のテープ類がチラチラ出始め これを参考に、地形図を見ながら谷沿いを南東へ下って行くと、 いきなりポッカリと広い林道に出ます。 ○梅ノ木谷林道〜南小松 八幡神社〜近江舞子 10分ほど林道を進み、別荘地(?)を通って、ひたすら湖畔方向に下る。 (このあたりから、チラチラ湖西線の高架が見える) やがて突き当たる湖西道路を潜った先のT字路を右折。 民家を過ぎて広い公園に出て、その上の八幡神社で小休止。 >さっそくお詣りして、道迷いから救われた幸運を感謝しました。 神社から脇へ下ったR161の交叉点に「近江舞子駅 0.8km」の標識あり。 直進してイチゴ農園を過ぎると駅までは数分の距離。 |
写真
装備
| 個人装備 |
化繊長袖シャツ(キャプ1)
化繊速乾ポロ
防水ウィンドブレイカー
薄手トレッキングパンツ
サポートタイツ
ウールソックス
防眩キャップ
トレッキングブーツ
荒れ道用の手袋(持って行って大正解)
|
|---|
感想
「展望の尾根」と聞けば、たとえ廃道と聞いても我慢できない性分です。
種々ガイド本やweb情報で見る限り、道はまだ生き残っていて
下りに取れば迷いにくい、との記載もあり、かねて狙っていた中井新道。
さらにヤケオから涼峠経由で北小松に降りる正規道(大石道)は
何度も歩いて食傷気味だったことも、このルートを選んだ理由でした。
なんで迷ったか、振り返ってみればありふれた事柄ばかり。
(1)地形図をじっくり読まず、見た目と思い込みで行動したこと。
(2)「登り返したくない」心理と希望的観測に引っ張られ、
引き返し不能地点(Point of no-return)近くまで下ってしまったこと。
もっと早くピークに引き返せば、間違いにも気づき、
結果的に登山道への発見復帰も早かったはず。
(3)迷っている間に狂ってしまう時間感覚。気がついたら1時間!
頻繁に時計を見る習慣が完全にスッ飛んでいた(これがパニック心理?)
(4)「六甲で枝道や悪路の経験は積んでいる」という自惚れと過信。
今さらながら、六甲と比良ではヤマのスケールが違う。
偶然に恵まれず、14:20の時点でヤケオへ登り返したと仮定しても
暗くなる前に正規ルートから北小松に辿り着けたかどうか
はなはだ心許ない限りで、加えて緊急装備も貧弱だったことから
(非常食・ヘッデンは持参も、防寒着やツェルトなし)
やはり「遭難一歩手前」であったことは間違いありません。ただ反省です。
以下、迷った者が書く資格はないのですが・・・
中井新道は、迷った地点を除いてよく掘り込まれ、ほぼ道筋明瞭。
結構な斜度の尾根を、一定の傾斜を保って続くつづら折れの道筋は
いかにも昔の作業道という趣きでした。
この点、北比良峠のダケ道や、蓬莱山のキタダカ道に共通しています。
もし倒木や落石跡が少なく、分岐にマーキングが完備されていれば
むしろ歩きやすい部類の登山道だと感じました。
P761まで出れば、素ン晴らしい眺望も存分に楽しめます。
※但し下部〜中盤は枝道が多いので、事前情報の収集は必須です※
懲りずに、もっと経験を積み実力を付け、装備も完備して(!)
次回はじっくりと登ってみたいと思う次第。
守って下さった南小松の八幡さまに感謝。
notung











前回、中井新道と聞いて、はて?と思っていましたが
こんな道があるんですね。
そして、今回のレコは他人事と思えず、
ドキドキハラハラしながら拝見させていただきました。
体を張ったレコ恐縮です。って笑い事ではないですよね
というのも、私はビバーク経験者だったので
(1)〜(4)自分もどれも当てはまりました。
もう少し行ったら道に出るやろ。となんの根拠もない都合の良い判断、
そしてそのうち引き返すのがしんどくなって、いちかばちか賭けてみようと
大胆な行動に出てしまい。遭難。
でも、私がいうのもなんですが、始めから怪しいとこに行く時は
せめて、非常食やヘッデンなどビバークできる体制で望みたいところですね。
いや〜、本当ご無事でお疲れさまでした。
見てる私も疲れました
tamu-chanさん
>ドキドキハラハラしながら
>見てる私も疲れました
ご心配をおかけして申し訳ございません
いや、ホント
もちろん登山届はwebで提出していましたし、
携帯(au)のアンテナもずっと2本立っていたのですが、
「迷ったんで今日はヤマで寝るわ」なんて云おうモンなら、
インドア派の家人に超絶過剰反応を呼び起こすことは間違いなく、
そっちの心配も結構ありました。
(いよいよになったら、そんなこたァ言ってられませんが・・)
tamu-chanさんが迷われたのは烏谷山あたりだったですね?
元からテン泊装備ご持参だったのが幸いされたと記憶しています。
ところが此方は日帰り予定ですから「何とかなるサ」などと下ったのは
無謀と云われれば全くその通りで、本当に反省しています。
>怪しいとこに行く時は・・ビバークできる体制
今度の休みに長らく使ってないツェルトを引っ張りだし
ひさびさに庭で拡げて訓練し直すことにしました(遅ぇよ!)
>本当ご無事でお疲れさまでした
お言葉、身に染みます。ありがとうございました。
準備して臨むのが前提ですが
むしろ愉しいバリルートですので、誤解のございませんよう・・
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