寒霞渓〜星ヶ城山☆小豆島の山岳霊場巡り


- GPS
- 03:15
- 距離
- 9.7km
- 登り
- 702m
- 下り
- 701m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
小豆島を代表する名所といえば寒霞渓ではないだろうか。寒霞渓の紅葉には少し早いかもしれないが、寒霞渓と島山百選にも選ばれている小豆島最高峰の星ヶ城山を組み合わせて歩きたいものだと思っていた。
土庄の港の近くでレンタカーを借り、寒霞渓の標識に従って車を走らせると、車はまもなく小豆島スカイラインと呼ばれるパノラマ・ロードに入る。島の南側には動物の前足のように海に向かって伸びる三都半島が見える。その先に広がる瀬戸内海の対岸には高松から徳島に至るまでの四国の陸地が見えている。鳴門海峡に反射する朝日が淡路島との間にかかる大きな吊り橋を海の上に浮かび上がらせていた。
寒霞渓といえばロープウェイ乗り場のある紅雲亭にたどり着くものとばかり思っていたが、車を駐車場に停めて登山道を探すもどうも様子がおかしい。どうやら山頂にたどり着いてしまったようだった。
再び車に乗り込むと星ヶ城山を東から回り込んで、寒霞渓の下にあるロープウェイの山麓駅のある紅雲亭までドライブすることにする。星ヶ城山の南側斜面を下降して行くと、斜面の展望が大きく広がり、山肌には色づき始めた紅葉の木々が散見する。
登山口からは早速にも展望のない樹林の中へと入ってゆく。登山道は意外なことにコンクリートで舗装された道が延々と続いている。両側の斜面には奇岩が次々と現れる。そのたびには岩を説明する案内板が設けられている。
地形からは急峻な急登を覚悟していたが、道が九十九折りにうまくつけられているせいか意外にも急登もなく、四望頂と呼ばれる稜線上の展望地までそれほど労することなく登ることが出来る。
すぐに展望台があり、これまで寒霞渓の全体を俯瞰することが出来る。さすがに景勝地、両側には岩壁や奇岩に囲まれが広々とした谷の光景は壮観という他はない。
まずは稜線を辿り、寒霞渓の山頂駅に向かう。大人数からなるサイクリングのパーティーが出発するところであったが、大型の観光バスが続々と到着する。大勢の人で賑わう展望台はバスして
まずは三笠山へと登る。
広々とした登山道に入ると途端に静かな雰囲気だ。すぐにも広々とした芝生の広場のある三笠山の山頂に到着する。広場の南西の一角からは辿ってきた稜線の展望が広がる。三笠山という名称がついてはいるが、ここは星ヶ城山へと続く尾根の中腹に過ぎない。それでも敢えて山名がつけられているのはこの展望のせいなのだろう。
星ヶ城山へと進むとそれまでとは雰囲気は一転し、自然林の高木からなる樹林の中を緩やかに登ってゆく。西峰山頂には星ヶ城神社がある。山頂とはいえ平坦な場所なので、山頂であることを示す案内標がなければ山頂と認識することは難しかっただろう。
さらに東に進むと道が二俣に分かれる。右の道を進むとすぐにも小さな神社があり、南側に大きく展望が広がる。神社は阿豆枳(あずき)神社というらしい。かねてより小豆島は、なぜ「しょうどしま」と呼ぶのかと思っていたが、古代においては「あずき島」と呼ばれていたらしい。神社を過ぎるとかつての星ヶ城の跡となり、井戸や土塁の跡が現れる。
この星ヶ城は南北朝時代に備前の児島、飽浦の住人であった佐々木信胤によって築城された山城らしい。その後、貞和3年(1347年)に細川師氏の軍勢に攻め入られ、あえ無く降伏することになったらしい。
鞍部を経て東峰に至るとここにも木立の中に神社がある。山頂の東側からは大きく東側に展望が広がる。かつての狼煙を上げるための烽火台があったらしい。山頂には石積みのパゴダが作られている。果たして何故、このようなものがここにと思うが、後で調べてみると地元の宗教団体が山頂の石材を利用して作ったもののようだ。周辺には多くの石が散在するが、古代の時代には何からの祭祀が行われた遺構らしい。
東峰の山頂から引き返すと復路は城址の北側をトラバースする道を辿る。ほぼ水平な道を歩いて先ほどの分岐まで戻ることができる。三笠山に戻ると寒霞渓の山頂駅までは芝生の斜面を降る。
下山は裏八景と呼ばれる谷の左岸を辿る道を下る。道は延々と石段が続いている。往路で辿った道は表十二景と呼ばれるそうだが、ここもおそらくかつては石段が続いていたのだろう。マツタケ岩と呼ばれる奇岩の前に出ると、寒霞渓の展望が広がった。
石の間に大きな穴が開いている石門を潜ると石門洞と呼ばれる霊場に至る。岩壁の中に嵌め込まれるように社殿が作られている。ここは小豆島の八十八ヶ所霊場の十八番目となっている。急峻な石段を登って社殿の中に入ると、寺の僧侶が般若心経を唱え、祈祷が始まる。
石門洞からは舗装路を歩いて車道に出る。車道の東側にはやはり洞窟寺院のある霊場の一つ、仏ヶ滝を訪れる。紅雲亭に戻ると車で山岳霊場を巡る。
まずは栂尾山(とがのおさん)を訪れる。途中の中山の千枚田がある県道からの分岐にはこまめ食堂という古民家のカフェがあり、多くの人が訪れているようだった。千枚田を眺めながら細い道を登っていく。駐車場からは山道を歩いて行くと忽然と岩壁が現れる。その岩壁に穿たれた洞窟の中に十一面観音が祀られているのだった。
最後は笠ヶ滝を目指す。麓の到着すると岩壁の高いところに嵌め込まれたお堂が見える。駐車場にたどり着いたのは13時55分。駐車場には数多くの猫がいる。女性が一人おられ「急いでください」と急かされる。なんと驚いたことにここの拝観時間は14時までである。
駐車場からは急峻な崖を登ってゆく。最後は人が一人通れるだけの洞窟の中を歩くと忽然とお堂の中に入ることが出来た。中には女性が一人おられ「早いですね」と仰る。下の女性から連絡があったらしい。登山の経験の無い方は岩壁を登るのに時間がかかるのだろう。「よかったらお土産に好きなだけ持って行ってください」と柿を頂戴する。
土庄の港に戻り、車を返すと岡山行きのフェリーが出発するまでのわずかな時間、15時に開店する港の居酒屋に立ち寄る。もちうおやべいかといった瀬戸内ならでは魚介に舌鼓を打つのであった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する