【丹後山・兎岳】Mission失敗:iPhone救出作戦!(十字峡⇔丹後山⇔兎岳⇔携帯電話救出現場)


- GPS
- 13:26
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,960m
- 下り
- 1,942m
コースタイム
- 山行
- 8:09
- 休憩
- 5:17
- 合計
- 13:26
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
石打塩沢SAから駐車場まで約40分。 平日ということもあり、先着なし。下山時もほかの駐車はなし。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・全体的によく整備されており、歩きやすい道です。 ・林道は最初、折り畳みチャリも使えるんじゃね?と思っていました。過去レコを見てもまったく自転車でのアクセスがなかったため、おとなしく歩きでのアプローチ。結果、倒木が道をふさいでいたりで、自転車は厳しかっただろうな、という印象。 ・登山道からしばらく登ったところと、八合目の直下にクサリがありますが、なくてもよいレベル。雨で滑るときには補助で合った方がいいかな、という印象です。 ・二合目までが急登。そこから先は、ところどころに急なところはありますが、普通の登山道です。 ・四合目は開けた展望地。ここで中ノ岳から兎岳への至る稜線全体を眺めることができます。 ・八合目から兎岳までは、気持ちのよい稜線歩き♪アップダウンも多くなく、最高の縦走路です😁稜線上の雪もほとんどなく、10mほどのフラットな雪渓を横断するのが一ヶ所だけ。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック(26ℓ)
ザックカバー
昼ご飯
非常食
ハイドレーション
水
レインウェア
帽子
手袋
ストック
ヘッドランプ
ライター
サングラス
地図
カメラ
ロールペーパー
救急用品
予備靴ひも
携帯簡易トイレ
保険証
タオル
携帯バッテリー
|
---|---|
備考 | 水5.5ℓ持参。下山までにすべて消費。 |
感想
iPhoneが家出した。
裏越後三山の縦走中、ちょっとコースを外れて激ヤブの中を歩いていたら、スマホケースから飛び出してしまっていた。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5626815.html
今年中に買い替えるかという話をしていたのを聞かれて、スネてしまっていたようだ。
ストラップはつけていたが、ストラップも引きちぎって家出してしまったので、よほど嫌気がさしていたのだろう。
家出に気がついたのは、しばらく経ってから。
すぐに迎えに行こうとしたが、電波の届かない山域であるため、同行者に電話をかけてもらって音を頼りに捜索することもできない。
すでに日没ギリギリの時間だったため、迎えに行くと我々も遭難案件となってしまう可能性がある。
その日は諦めて、泣く泣く先に進むことにした。
iPhoneの家出から数日は、梅雨時にもかかわらず晴天続き。
迎えに行くならチャンスは今しかないと、急遽、休暇を取得して迎えに行くことにした。
救出現場はどこの登山口からの遠く、一番近い十字峡からでも標準CTで往復15時間近く。
歩く時間をできるだけ短縮して、できるだけ捜索時間を確保したい。
天気もよく、素晴らしい稜線を越えて捜索現場に到着したのは10時前。
想定していたよりもいいペースで登ることができたため、到着は予定していたよりも1時間半ほど早い。
登山時間から考えると下山は4時間前後を要する見込みとなる。
いくら陽の長い時期とは言え、携帯電話を持っていないということは、何かあったのときの連絡手段もない。
多少の余裕をもって、18時には下山できるようにしておきたい。
逆算して14時をリミットとして、携帯電話の捜索を開始した。
ヤブへの取り付き地点と、ヤブから出た地点ははっきりしている。
だが、当時、ヤブに入ったところで気がつかないうちにGARMINがストップしていてしまっており、詳細ログは拾えていなかった。
iPhoneの位置情報も、捜索開始前に特定ができなかった。
そのため、詳細位置はわからない状態での捜索開始となった。
激ヤブの中だったため、ヤブの中のルートは覚えていないが、自然に行動すれば同じようなルートをたどるはずだとの考えにより、まずは当時の気持ちになってヤブの中を歩いてみることにした。
何度かヤブの中を歩いておおよそのルートのあたりをつけ、そのルートの中でも胸にあるスマホケースが引っかかりそうな位置を絞り込んだ。
かなり注意深く足元を探していたが、なかなか見つからない。
昼食を取るのも忘れて探しており、気がついたらリミットの14時が近くなっていた。
捜索時間は約4時間におよんだが、結局、見つけ出すことはできなかった。
おそらくは、捜索した地点のすぐそばにはいたのだろう。
それでも出てこなかったということは、「もうお前のところに帰るつもりはない」という意思表示に違いない。
リミット時間も来たため、その意思を尊重して泣く泣く下山することにした。
下山時の4合目で最後の小兎岳の姿を見た時に、iPhoneにこれまでの感謝を伝えるとともに、安らかに眠りにつくように祈りをささげた。
下山は予定通りの18時ちょうど。
標高差2,000m近くに加えて4時間もヤブ歩きをしており、下山時には疲労困憊であった。
19時までは明るい時期なので、もう1時間くらい捜索できていたかもしれないという思いは残るが、無事の下山までがセットと考えると、これで正解だったのだろう。
それにしても普段の生活はもちろんのこと、登山中でもスマホでの地図参照が当たり前で、何かあったときにも(電波が通じることを前提に)スマホで連絡。
自然に帰るはずの登山でも、文明の利器に頼り過ぎているということを痛感した数日でもあった。
スマホがない中での登山は緊張を強いられたが、これが本来あるべきなのかもしれない、とも思う。
なお、捜索日は天気もよく遠望もきき、素晴らしい稜線歩きだった。
携帯探索というミッションを除外して考えれば、本当に最高の登山だった。
ここまでの長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
※かなり久しぶりにコンデジを使ったので、息が絶えていました。充電して息は吹き返したものの、年月設定時に「年」設定を忘れたため、2013年の写真扱いになってしまっています。実際には2023年の写真で間違いありません。
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