記録ID: 5269525
全員に公開
山滑走
白馬・鹿島槍・五竜
八方尾根 押出沢 ↑八方池山荘↓白馬八方温泉おびなたの湯
2023年03月14日(火) [日帰り]


体力度
2
日帰りが可能
- GPS
- 03:20
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 300m
- 下り
- 1,295m
コースタイム
天候 | 晴れ 気温-2〜10℃ 八方池付近の稜線で-2℃ 最大風速は八方池付近の稜線で10m/s |
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過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
八方池山荘では、ビーコンチェッカーがあり、ビーコンをオンにしていないと×の表示が出る。オンにしていれば〇の表示が出るので注意。チケット売り場では、登山計画を出しているかどうか確認される。 一番近い無料駐車場は第6駐車場があるが、多分500m位離れている。トイレあり、車中泊禁止。 車が2台あるならば、1台はゴンドラリフトの駐車場、もう一台は、白馬八方温泉おびなたの湯の付近に路駐するとシートラを2km以上しなくて済むので楽できる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・八方池山荘から八方池までは緩い登り。登山者の凸凹トレースあり。今回は前日に標高の低い所は雨、標高1500m位から上は雪だったが、夜間から朝までは気温が低下したことから、八方池山荘から八方池までの区間もクラストしてカリカリになっている可能性が高いと判断(実際にカリカリだった)し、効率重視で最初からクトー装着した。八方池から第二ケルンあたりは、カリカリの上にシュカブラとなった新雪が吹き溜まっていて比較的滑走しやすい。この区間は雪面の様子を見たが、ウインドクラストでカリカリとなっていても、カチカチやガリガリは無い感じで、雪も緩んできた感じがしたため、押出沢を落していけると判断してドロップを決行した。 ・第二ケルンから標高1850m位までは、緩い斜度にカリカリや薄い新雪があり、今回のコースでは一番快適に滑走できた。 ・標高1850m位からカリカリと斜度が少しきつくなり、まともに滑走できない。ターンをすればエッジが抜けて滑落の危険性があったため、斜滑降やスキッドで高度を落した。また、そのまま谷筋を落していこうとも考えたが、対岸の山肌に茶色の地面が見え、全層崩壊してデブリが谷に落ちている様子がうかがえた。谷がどうなっているかは見えなかったが、デブリや泥などで滑走できない可能性があったため、この区間は避けて、右へトラバースして尾根まで進み、そこから斜面を谷筋へ落として谷へ合流する計画とした。しかし、尾根までのトラバース滑走は滑落の危険性があり、尾根から谷へ合流する区間も斜度がきつく、カリカリ斜面で結構危険だった。多分、今日は滑落したら止まらない。谷まで降りて谷の上部を振り返ると、デブリを避けて通行でき、斜度も緩かった。結果的には、今日はカリカリ斜面を巻くよりも、谷筋を通ってデブリ付近を進む方が安全だっただろう。午前中は気温も低く、新たな雪崩や全層崩壊のリスクも低いだろう。ただし、左側の全層崩壊斜面からは、常時、カラカラと雪や泥、石などが落ちていたので、素早く通過して斜滑降やスキッドで沢付近の斜度が緩くなるところまで降りて行った。よって、標高1850mから沢付近までは、ターンはほぼできず、斜滑降とスキッドのみで落ちてこととなる。谷足が疲れたら、時々、比較的平らな場所でキックターンで谷足の左右を入れ替えて、足の疲労を軽減した。 ・沢との合流点から先は緩い斜度をひたすら進むだけ。1箇所、小さな沢のスノーブリッジがあったが、数日で溶けて雪切れするだろう。その後、渡渉箇所まで進み、適当に浅い所をブーツで浸水しながら歩いて渡り、林道へ合流した林道は所々雪切れしていたが、ゴールの手前800m位前までは、ほぼ板で通した。時々、板で地面を歩いたり、板を担いで進んだ。ゴール800m手前からはシートラで歩いた。 多分、来週末は谷筋も雪切れやかなり雪が薄くなって面倒な箇所やデブリ地帯が増えて、正味期限切れになっていると思う。 |
写真
今日は八方尾根のガラガラ沢です!!昨日、八方尾根スキー場のゲレンデトップから見えた絶景の中へ行けるのだ!楽しみだ!!
そして、ちょっと怖い。どの程度の斜面なのか?ガリガリやカチカチがあるのだろうか・・・。今日もビビりながら行く。
まずはゴンドラアダムに乗る。
そして、ちょっと怖い。どの程度の斜面なのか?ガリガリやカチカチがあるのだろうか・・・。今日もビビりながら行く。
まずはゴンドラアダムに乗る。
気が付くと10人程度、ボーダーや山スキーヤーがいたので、「今日のガラガラ沢、どうですかねえ・・・」と情報収集すると、皆、一様に「今日はカチカチなので行かない」とか、「気温が下がって風で昨日の雪が飛ばされているからやめときます」と言うではないか。
ここで、ある方が自分に言った。「今日はカリカリで自分はやめときます。でも貴方、私より顔黒いから、多分、大丈夫!!結構行ってますもんね」
・・・顔黒、ガングロは山では強そうに見えるらしい・・・(笑)。
実際は修行中で黒いだけなんです。偽物ですm(__)m。
・・・顔黒、ガングロは山では強そうに見えるらしい・・・(笑)。
実際は修行中で黒いだけなんです。偽物ですm(__)m。
この辺、多分、1850m位からはカリカリのクラスト斜面。ターンが失敗すると滑落しそうなので、スキッド、斜滑降で降りて行くが、小さなデブリやクラスト層がエッジで削られてカラカラと落ちていく。中央の谷筋が等高線的には一番斜度が緩いのだが、対岸の斜面は全層崩壊しており、谷にデブリが溜まっている可能性が高い。そう考えて、右へトラバースして尾根に進み、さらに斜面を谷へ降りて行くことで、デブリ地帯を回避する計画とした。
ここから谷へ落とすのだが、結構、斜度がきつく、しかもカリカリ・・・。ちょっとまずかったかも。ターンはできないし、エッジが抜けたら下まで滑落するだろう。まず止まらない・・・。先行者のトレースは、ここからシールハイクに切り替えて登り返したように見える。きっと、リスク回避して戻ったのだろう。さてどうするか・・・。ちょっと考えたが、とりあえず、エッジは効くし、自分の技術でも斜滑降やスキッドでなんとか降りて行けそうなので進むことにした。慎重にエッジだけで横滑りで落ちていく。
安全地帯まできて振り返る。
左の岩の向こう側の急斜面から降りて、左側の押出沢へ合流してここまで来た。その右側のガラガラ沢は大規模なデブリーランドだ。あそこはやばそうだ。皆さん、ガラガラ沢は避けた方が良いですよ。
左の岩の向こう側の急斜面から降りて、左側の押出沢へ合流してここまで来た。その右側のガラガラ沢は大規模なデブリーランドだ。あそこはやばそうだ。皆さん、ガラガラ沢は避けた方が良いですよ。
撮影機器:
装備
個人装備 |
ジオラインMW上1枚
スーパーメリノウールMW下1枚
ミレードライナメッシュのシャツ上とハーフパンツ下
モンベルウィックロンジオサーマルロング
モンベルのジオラインバラクラバ1枚(使用せず)
防寒テムレス2セット
インナー手袋(使用せず)
ハードシェル上下
スキー板(dpsワイラー168cm)
スキーブーツ(マエストラーレ)
ザック(オルトボックスオートルート40)
パン1袋(消費せず)
非常食(柿の種)
ヘッドランプ(レッドレンザーMH5を2個)
GPS(ガーミンmap66sを2個)
スマホ
BDウィペット(直径12cmのスノーバスケット)
ココヘリ
防寒着(ダウン)
ツェルト(juza)
4mmロープ10m1本とカラビナ
ゾンデ(モンベル240cm)
スコップ
自作スノーソー
ヘルメット
ゴーグル
シール(ポモカ)
マムートビーコンBarryvox
クトー(使用)
BCAA入り水0.5L(0.3L消費)
お茶0.6L(消費せず)
ドライバー
アイゼン
合計11.5kg(板
ブーツ
シール
ウィペット
ヘルメット除く)
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感想
いつも思う。下山後に。
今回の山行は、自分の総合力と比較して、リスクが上回るものでなかったかどうか・・・。総合力が上がっても、リスクがそれを上回ってしまっては、やればやるほど、どんどん死に近づくだけだ。
結果的に下山できたのと、計画通り下山できたのとは、結果は同じでもその経過や中身、リスクは大きく異なるものだと思う。
今後も、リスクが総合力を上回らないように自戒していこうと思う。
ちなみに、今回は想定より現場の状況はよかったが、往路で通過していないコースへの進入は、もっと慎重に考え、尾根沿いに下山しても良かったのではないかと反省すべきだろう。
今後も小さなリスク、見落としやすいリスクにもアンテナを張って、1つ1つチェックしながら、自身の恐怖を認めつつ謙虚に進んで行こうと思う。
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