八ヶ岳南部をバリルート三昧で周回、三ツ頭〜権現岳〜ツルネ東稜〜出合小屋〜天狗尾根〜阿弥陀岳中央稜


- GPS
- 14:49
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 2,844m
- 下り
- 2,480m
コースタイム
- 山行
- 12:43
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 14:49
天候 | 朝と午後少し過ぎから晴れ、その間は曇りとガス |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
<お勧め>八ヶ岳PAで仮眠すると、トイレの心配が無い、深夜割引になる(休日割引よりレートが良い、更に圏央道は休日割引が無い)、舟山十字路まで35分ほどでいけるので、舟山十字路で寝るのとあまり変わらないというメリットが有ります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<コース概要> ツルネ東稜、天狗尾根、阿弥陀岳中央稜の3つのバリルートを繋げて、八ヶ岳南部を周回する変化に富んだ周回コースです。本来は舟山十字路と権現岳間は、広河原〜西岳〜青年小屋と繋げるのが妥当です。ただそのルート取りは過去に夜間を含めて歩いているので、未踏の三ツ頭登山口から三ツ頭間を歩くため、無理矢理MTBで舟山十字路から三ツ頭登山口と繋げました。こちらの方がMTB(自転車)が必要で、かつ時間が余分にかかる為にお勧めしません。よってもしこのルートを歩かれるなら、舟山十字路と権現岳間は、広河原〜西岳〜青年小屋経由を推薦します。ただその場合、舟山十字路〜広河原〜千枚岩間は道が分かり難い為、この区間が初めての人は、夜間に歩くのはやめた方が良いです。私を含め、何人かの人がこの区間でルートロスしています。 <三ツ頭登山口〜三ツ頭〜権現岳〜ツルネ> 車一台を置けるスペースが有ります。道は明瞭で夜間でも迷わないと思うので、三ツ頭や権現でのご来光登山が可能です。 <ツルネ〜東稜〜出合小屋> 出だしは藪が深く心配ですが、藪漕ぎは直ぐに終わります。この様にたまに分かり難い区間が有りますが、その区間はどれも短く、全般的には分かり易い踏み跡が有ります。赤いテープや錆びた黄色の道標がかなり頻繁に有ります。もし5分歩いてもそれらが無い場合、道を間違っていると思います。だいたいは左端の尾根を歩くので、もしすぐ左側に別の尾根が見えたら、分岐を間違った可能性が大です。道は樹林帯の中を歩くので、見晴らしの良いポイントは有りません。沢に出てから少し道が分かり難くい所が有りますが、右岸に沿ってだいたい歩きますので右岸を注意して下さい。 <出合小屋〜天狗尾根〜赤岳への一般道> ツルネ、赤岳沢、出合小屋の分岐の道標に着いたら赤岳沢に向かいます。直ぐ沢ですが、本流に注いでいる側が赤岳沢ですから、この沢に沿って登ります。暫く登ると左側に赤テープが有ります。石のケルンの少し先です。天狗尾根は左側の尾根なので、常に左側の右岸を注意して下さい。 登り始めは急登で、笹薮も有る難路です。その後も藪が有ったり無かったりですが、ずっと急登できつい道を登ります。薄い踏み跡が有るのと、一旦尾根筋に登ってからは、だいたい道は天狗尾根に沿っているので、迷う事は無いと思います。カニのハサミまでがきついですが、そこまで行けば後は一般道まで距離的には直ぐです。しかし本格的な岩稜帯はここからです。カニのハサミは左から巻きます。写真を撮っていないので、他の人のレコの方が詳しいです。大天狗が一番の難所ですが、ここは右に巻けば乗り越えられます。ここには残置ビレイが幾つか有りますが、これを使って直登したグループが、残置ビレイピンが抜けた為に滑落して怪我をしました。救援要請してヘリコプターが来ていました。残置ビレイには過度に頼らない方が良いです。 巻く場合、大天狗を正面に見て、右側のハイマツに踏み跡が有り、それを通って大天狗に取り付きます。よく見ると正面上に残置スリングが見えますので、それを目指して直登します。残置スリングの位置からほぼ平行に少し巻くと安全地帯です。そこには鎖が輪っかになって有るので、ロープで確保する場合は、先ほどの残置スリングとこの鎖を使うのが良いと思います。ただこの残置スリングのボルトもいつ抜けるか分かりません。基本的にはこれらに全く触らずに登れる事が望ましいと思います。 <赤岳への一般道〜阿弥陀岳> 一般道なので省略します。 <阿弥陀岳〜中央稜〜舟山十字路> 御小屋尾根に進みます。ちょっと歩くと中央稜の分岐の道標が有ります。出だしは少し分かり難いですが、中央稜の稜線が見えているので分かると思います。後は頻繁に赤テープや黄色テープが有ります。今回の3つのバリルートでは一番テープが多く、3分歩いて次のテープが無ければ、道を間違えたと思って良い位です。踏み跡も結構明瞭で、破線の登山道並です。ただ沢に下りてからが長く、色々な道が交差しており、登りだと間違いそうです。下りだと、沢の右岸を気にしていれば林道に出るので、分かり易いです。 <舟山十字路〜三ツ頭登山口> 484号までダートが多いですが、現在舗装工事中です。これが完成すれば普通の自転車でも楽になるでしょう。484号はゆるい登りと下り坂を繰り返しますが、八ヶ岳横断道路に入ってからはずっと登りでMTBだと苦しいです。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘルメット
雨具
ダブルストック
ザックカバー
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感想
先月の天狗尾根がガスってあまり見えず、折角持って行ったGoProも使えなかったので、天狗尾根を含めたバリルート3つで八ヶ岳南部を周回する事にしました。最初の計画では、舟山十字路に車を置き、最初にMTBで三ツ頭登山口まで行く予定でした。所が舟山十字路への道が途中から通行止めになっているではないですか。迂回路を探して左の別荘地を進み、右に戻ろうとしたらダートの下りの先に通行止めのバー。Uターンして戻ろうとしたら、ダートでタイヤが空回りして登れません。真っ青になってバックで少し下って、勢いを付けて登り返したりを何度かやり、やっと戻れました。結局通行止めのバーの近くにMTBをデポし、当初の逆にして車を三ツ頭登山口にデポして出発しました。舟山十字路から通行止めのバーまでかなり歩かないといけないし、ダートでの脱出に時間がかかり、この時点で1時間程の遅れです。計画したルートの何所かを削らないと駄目そうです。
変形性ひざ関節症になってからのトレーニング不足のせいか、権現岳までも当初の計画より余計に時間がかかりました。ここで膝サポーターを付け、名物の梯子を下った所でダブルストックを120センチにし、下りに備えました。先月の県界尾根の鎖場でもこのスタイルだったので、かなりの急傾斜でもダブルストックで下れる様になりました。ツルネ東稜は、思っていたより分かり易く、かなり膝の負担にならない様に抑えて下ったので、それ程膝は痛みませんでした。4月のshigetoshiさんと歩いた、丹沢のバリでの周回ペースなら、40分位で下れそうです。
赤岳沢の出合いで長めの食事休憩をし、1リットルを空かして沢の水と入れ替えて出発です。先月も歩いたので天狗尾根は流石に迷いませんでしたが、やっぱりカニのハサミまでの、急登と時々の藪漕ぎが大変でした。先月も遅かったですが道迷いのロスタイムが有りました。今回はロスタイム無しなのに更に遅いので、明らかにトレーニング不足ですね。樹林帯から出た所でいつの間にか天気も曇りに変わっています。前回と同様にガスも出て来ました。ここでヘリコプターが飛んできました。何かスピーカーで呼んでいます。事故でもあったのでしょうか。
大天狗の前に来た時に理由が分かりました。ここに男性1名、女性2名がいたのですが、直登ルートを登攀中、残置ビレイを利用したところ、それが抜けて(ボルトの所から抜けた?)滑落、怪我をしたので救助を要請したそうです。しかしヘリコプターが飛んできましたが、ガスの為に接近できずに引き返したそうで、ガスが午後3時までに晴れなければ今日は飛べないとの事でした。女性二人は無傷で、怪我人をヘリで搬送して貰ったら、今日はキレット小屋に泊まる予定だそうです。巻道を通った事は無いそうなので、一緒に来て貰い、巻道とその越え方を実演して見せました。そこでそのまま3人を残して先に進んだのですが、後でちょっと冷たかったかな〜と思えて来ました。自分はロープとか登攀用具は持っていませんが、彼女らは持っていたので、そのロープを持ってこちらの残置スリングにかけておいてあげるとか。。。まあちゃんとした登攀用具を持っていたし、自分よりは岩をやっていそうなので、おこがましい気はしますが。。。
舟山十字路の通行止めの件で1時間以上遅れているし、赤岳はまたガスっているので登らずに巻くつもりでしたが、取りあえず赤岳頂上小屋にこの事故と状況を知らせる事にしました。一般登山道に出てから携帯電話の電源を入れたのですが、auなので電波がたっていません。取りあえず電波をチェックしながら巻道を進み、赤岳と阿弥陀の分岐の手前で立ったので電話して状況を伝えました。それともし3時までにガスが晴れないとヘリが飛べないので、その際はそちらからの救助も検討して下さいと。
阿弥陀岳に向かって下り始めるとガスが取れてきました。阿弥陀岳への急登が始まった頃には晴れ間も見えてきました。これならヘリが飛べそうです。と思ったらヘリが飛んできました。風もあまり無いので大天狗にかなり接近していました。暫く上空にとどまった後に飛んでいったので、良く見えなかったのですが救助したのだと思います。取りあえずはこれで一安心して、今度は自分の心配をします。
阿弥陀岳への登りは完全にバテていて、コースタイム以上に時間がかかりました。かなりまずい状況です。MTBで三ツ頭登山口までがとっても辛そうです。
初めての中央稜は意外なほどリボンが多く、道迷いの心配がなくって助かりました。でもダブルストックを120センチにして、ゆっくり下っても膝は悲鳴を上げています。途中で一組の男女のカップルに追いついたのですが、二人も舟山十字路の通行止めには苦労したそうです。迂廻路のサインを見つけて何とか辿り着けたそうなので、僕よりましですね。段々と二人と距離が離れ、また一人で先を急ぎました。どんどん晴れてきて辺りの景色が良くなった所で、急に草原の様な場所に出ました。阿弥陀岳南陵や権現岳とその稜線も綺麗に見えます。この景色を見れただけで今までのアンラッキーも全て帳消しですね。
さらにラッキーな事に、林道まで下りて途中で少し止っていたら、男性が後ろからきました。その人と歩きながらいろいろな事を教えてもらいました。地元の人でキノコ狩りに来たそうですが、山も良く知っており、南陵には旭小屋から行くと立場山までが遠いので、こちら側から登った方が楽だとかです。更に軽トラで、舟山十字路からMTBをデポした通行止めのバーまで乗せてくれました。これで30分位は短縮できたと思います。しかしそれから三ツ頭登山口までが辛かった。八ヶ岳横断道路までは何とかMTBをこいで行けましたが、そこから3キロはずっと登りです。流石におりて押して歩きました。更に中央高速の渋滞が大変でした。勝沼と大月間で事故渋滞24キロ。双葉SAで仮眠して渋滞を避けようとしたら、双葉SAが大混雑で入るのに15分。仮眠して0時30分に起きたら、今度は大月の先で事故渋滞22キロ。どうりで駐車場の車が減っていないわけだ。もう一度仮眠すると朝の7時前。大慌てで出発してやっと戻って来れました。長い一日でした。
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9月16日の9時現在で、この事故はweb検索で出てこないので、多分無事に救助され、大事に至らなかったのだと思います。良かった。
レコ、拝見しました。当日、私も天狗尾根に挑戦していたのですが、Ftarosaさんの会った遭難者って通過時間から推測すると男性二人、女性二人の年輩者のパーティでしょうか?私はその方達をカニのハサミ付近で追い越して、大天狗の直登にチャレンジしたのですが、上部の垂直の岩場が危険そうなので、一度降りて右側にトラバースしました。振り向いて彼らに直登は難しいですよと言ったのですが、、、。
その方々だと思います。滑落した人は見えていなかったのでしょう。トップで登られた男性が落ちたのだと思います。年配の方々で、男女の構成も合っていますので。今朝がた感想の最後に追記した様に、事故の遭難で引っかから無いので、滑落した人も大事に至らなかった様です。ヘリの救助隊の人もこの3連休は大変だったのではないでしょうか。今回のが引っかから無いという事は、この様なケースで救助に向かったケースが、もっと有ると思われますので。お互いに改めて事故には気をつけないといけないですね。。。
Futaroさん、こんにちは。
道路の不通、事故との遭遇、体力不足、膝痛、そして最後の渋滞、等々いろいろありましたが、計画を完遂できて何よりでした
というか、変形性ひざ関節症が完治していない中で、この計画自体がちょっと信じられませんでしたが
途中でお会いできるかもしれないとお話していましたが、私の方が予定が変わってしまい、この連休は八ヶ岳へはいけませんでした
八ヶ岳はFUtaroさんのレコを参考にさせていただき、私もそのうちバリを絡めて行ってみようとルートを検討中です。
この連休は、代わりに最終日に、急遽谷川連峰へ行ってきました
shigetoshiさん、こんばんは。
MTBの部分も含めての計画だし(舟山十字路と通行止めのバー間をMTBで走っていない)、ガスっていて赤岳の頂上はスルーしたので貫徹率は90%くらいです。まあメインの3つのバリルートは全て歩けたし、この状況では良くやれたほうでしょうか
でも事故に対する対応はちょっとまずかったと反省しています。結果的にはあれで良かった様ですが、結果オーライではまずいですよね。どうするのがベストだったか、昨日も随分考えていました。
ところで来月の丹沢24、黄信号です
Futaro さん
八ヶ岳お疲れ様でした。
早朝から夕方までの歩き、何時もなら流石です。
斜度がきついので後半がきついでしょうね。
それ以上に帰路の渋滞の方が大変そう・・・
双葉SAに居たのですね(私も巻き込まれました)
kankotoさん、こんばんは。
今回は流石に疲れました。八ヶ岳PAで、携帯のアラームを0:50分にセットして仮眠をしたので、行動時間は長かったですよ。確かに距離より累積標高差が大きかったので、そのぶん斜度はきつかったです。
ところでkankotoさんも同じ日に帰路の渋滞に巻き込まれていたのですか
長距離ルートお疲れ様でした。体調不良にならなければ、水曜日に中央陵を歩いているはずでした(笑)Futaroさんの計画を見て「あら!?」と思ってました
Tambaさん、おはようございます。
そうだったんですか。残念でした。中央稜、写真のとおり良いルートですよ。因みに上り下りが有りません。下りはひたすら下り、登りはその逆なので効率が良いですね。最短で阿弥陀岳に登れる気がします
Futaroさん、こんばんは。
shigetoshiさんもコメントしていますが、膝の状態が
悪い方のレコとは思えません
なってきたと考えていればよいのでしょうか。
また、ツルネから一度下って、同じ稜線に戻るところなど
Futaroさん、ならではですね。なかなか普通の人は
考えないと思います
SAは仮眠ではなく、普通に寝た感じになってしまった
ようですね。早帰りの一泊山行のようです
阿弥陀岳の中央稜、いつか歩いてみたいと思います。
youtaroさん、こんばんは。
膝は随分と良くなってきています。6月の妙義山の表・裏をダブルヘッダーで歩いた時は、準備運動の膝の屈伸で既に痛かったのですが、今回は休憩毎に膝の屈伸をしても、最後までほとんど痛く無かったです。ただトレーニング不足で、最初の三ツ頭への登りさえ、CTの90%もかかっています
渋滞は予想外でした。おかげで月曜日の朝食が作れなくって、代わりに洗濯をしました
阿弥陀岳の中央稜と南陵、どちらも良いですよ。違った角度から見える、権現岳方面や阿弥陀岳、赤岳が新鮮です。南陵で登って中央稜で下るのをヤマレコでも良く見かけますが、人気なだけあって、近いのに全く違っていて面白いですから是非
お疲れ様でした〜。
最初から最後まで、大変でしたね。。。
ですが、写真だけ見てるととっても良い写真ばかりで感想読んでてびっくりしました。
お怪我等無くて良かったです。
丹沢24時間も気をつけて下さいね!
mocambo さん、ありがとうございます。
本当に最初から最後までトラブルの連続でした
まあ過ぎた事なので次回は悔いの無い対応をします。何となく二度あることは三度あるという気がするのですよね〜。幸いまだ一度ですが。
丹沢24H、膝を悪くしない程度に頑張ります
バリルートを自在に歩くことができるっていうのは憧れます。
膝の調子は悪くなさそうで少し安心しました。
マー君も肘の手術なく復活できそうですし、
Futaroさんも少しづつよくなればいいですね。
次の冬は赤岳や阿弥陀岳、硫黄岳などに挑戦してみたいです。
何でもそうですが慣れです。今はGPSとヤマレコが有るので、他の人のレコのトラックデータをダウンロードして、GPSにアップロードしておけば大きく迷いません。ただ岩場はGPSの誤差の範囲で随分と変わりますから過信はできませんが。
因みに今回は地図を見ず、GPSもツルネ東稜を下り切って沢に出てから、残りの距離を確認する為に1度見たきりです。GPSに頼ってしまうとルーファイ力が付きませんから。あくまでも保険ですね。バリルートは調べる楽しさも有るし、ルート作りが楽しくなりますのでtubataroさんも少しづつどうぞ
冬の八ヶ岳、良いですよね〜。ただ風がとっても強いので気をつけて下さい。自分も良く強風で撤退する事が多いです。大阪からだとこちらからより遠いので、撤退し辛いかもしれませんが、安全第一です。無理せずに北八に転身するとか、温泉巡りをするとかのバックアッププランを用意しておくと良いですよ
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tubataroさん、後で見返したらもう随分とバリルート歩いているではないですか
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