唐櫃越〜沓掛山〜みすぎ山☆名残りの秋を愉しみに


- GPS
- 03:26
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 582m
- 下り
- 507m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山はJR嵯峨野線(山陰本線)の馬堀駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備された一般登山道 |
写真
感想
この日は朝から雲ひとつない晴天が続いている。午前中は市内で用事があったので午後から出かけることにした。阪急上桂の駅で下車すると駅前のパンドルフという小さなパン屋でピザパン、白あんぱんとベーコンとポテトを挟んだ小さなフランスパンを調達する。かなり小さなパン屋ではあったがひっきりなしに人が訪れているようであるのと、プレートがあるにもかかわらず既に売り切れているパンが多く、人気の店であることが窺われる。
青山音楽堂の瀟洒なホールの前を通り、住宅地を過ぎると墓地の中へと入ってゆく。墓地の奥の細い小径が唐櫃越えへの道となる。ところでこの唐櫃越え、長いこと「からびつ」と読んでいたが、「からと」と読むのが正しいらしい。
小径は竹林の中を緩やかに登ってゆく。左手の竹林は厳重に柵で囲われているのは筍を採るための林なのだろう。上から降ってくるハイカーと頻繁にすれ違う。
竹林を過ぎると自然林となり、すぐ左手には樹間から桂坂の住宅街が見える。住宅街と高低差がほとんどないのでほとんど登っていないように思えるが、やがて右手には京都市街の展望が見えると市街とはそれなりの高低差があるように見える。桂坂の住宅地がかなり高いところまであるということなのだろう。
京都の市街を眺める展望地でベンチに腰掛けて先ほどのパン屋さんで調達したパンを紅茶と共に頂く。いずれも美味しかったが、白餡のパンは変わった味だ。機会があればまた味わいたいと思う味だった。
尾根の左側をトラバース気味に進む箇所が多いが、斜面にはコナラやタカノツメなどの広葉樹が綺麗な黄葉を見せている。折しも午後の日差しに照らされた樹々の梢からは黄色い透過光が登山道にふんだんに降り注ぐ。
登山道からは随所に京都南部の市街の展望が広がり、南西には山頂部に電波塔を戴いた小塩山が近くに大きく見える。前方から来たトレラン・スタイルの若い男性が「この先に猿がようけおって、威嚇してくるんですよ。気をつけて通って下さい」とご忠告いただく。確かに林の中からしきりと妙な叫び声が聞こえているのは猿のものなのだろう。猿との遭遇を懸念しながら先に進むが、猿を一匹も見かけないままに沓掛山に到着する。
沓掛山の山頂を過ぎると急に道が細くなる。道には頻繁に倒木が頻繁に現れる。数年前の台風による被害だろうか?鋸で処理されてあるので無事に通過することが出来るが、そうでなければこの尾根の通過はかなり大変だっただろう。沓掛山に至るまでの尾根とは雰囲気が一転し、黄葉した樹々は少なく、常緑の照葉樹の多い地味な林相となる。目の前の樹が揺れたかと思うと大きな猿が一匹、樹から降りてそのまま林の中に消えていった。
老の坂分岐に至ると尾根上に広い舗装林道が現れる。この山上で林道を歩くとは思っていなかったがしばらくは林道歩きが続く。沓掛山までは頻繁にハイカーとすれ違ったが、沓掛山以西では全く人とすれ違わない。
P404まで舗装林道が終わるが、その先も非舗装の林道が続いている。案内板による造林のための林道らしい。p412の手前で林道を外れて、植林の中を歩いて送電線鉄塔のあるピークに登る。ピークを越えたところで再び林道と合流するが、みすぎ山の山頂に至る登山道が分岐する。正確には送電線鉄塔をめぐる巡視路だろう。
斜面にはススキの原が広がり、正面には夕陽を浴びた愛宕山の展望が大きく広がる。左手でなだらかな山容を広げているのは牛松山だろう。眼下には保津峡の深い渓谷に青緑色の桂川が流れているのが見える。渓谷を渡る嵯峨野線の列車が時折、静寂を破る。
みすぎ山は南に展望が広がり、夕陽を浴びて黄金色に輝くススキが微風にそよいでいた。山頂から西に細い登山道を辿る。まもなく登山路は植林の中に入り、急にあたりは薄暗く感じられる。
獣避けの柵の扉を開くとすぐに住宅街に出る。住宅地の坂を降って行くと前方から来られたご老人が立ち止まって「からと越えをしはったん?」と声をかけられる。「最近では珍しいな。最後の坂が大変やったやろ」と仰る。私は大した急坂ではないように思ったが、下山後、ヤマレコの高低表をみると、みすぎ山から登山口にかけては確かに急に高度を下げるのだった。
霊仙ヶ岳と思われる亀岡の西の山に夕陽が沈んでゆくところであった。時間は16時20分前。日が暮れるのが早くなったのを感じる。馬堀の駅に到着すると嵯峨野線の列車が出発した後であり、次の列車まで20分近く待つ必要がある。
ホームで列車を待っていると急にあたりは暮色が濃くなってゆく。閑散としていたホームは列車の時刻が近づくと急に大勢の人が現れる。若いカップルや小さい子供を連れてた家族連れもいるが、大きな声で会話が聞こえるのは大概は中国語だ。トロッコ列車の観光客が駅に到着したことを理解する。いまだにコロナの感染者は増え続けているが、京都も海外からの観光客が多くなったようだ。
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