称名滝(大日坂)から大日岳へ【手強い登りの連続だった】


- GPS
- --:--
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,596m
- 下り
- 1,596m
コースタイム
最後の水場(12:55)〜大日平山荘(14:00/14:30)〜登山口(15:55)
下山後、 称名滝展望台(16:10)
天候 | 曇り☁ 時々小雨 追伸: 7/22 近畿に次いで、関東甲信越・東海地方も梅雨明け宣言。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
称名滝駐車場へ駐車。(約260km 4時間半の道のり) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【称名滝駐車場】 称名道路の通行時間帯は、7〜8月の間は6:00〜19:00になります。 早朝出発の場合は、前日の19:00までに駐車して下さい。 トイレ・水道は完備。周辺の食堂も18:00頃閉るようです。 大日岳登山口から大日岳の標高差は約1500m 【登山口〜大日平入口】 牛ノ首上部まで500mの標高差を急登します。 苔生した岩、滑りやすい木の根、梯子等の道は、 登りより下りをより慎重に。 【大日平上部〜大日小屋】 大日平の木道が尽きた上部からは谷筋を稜線鞍部まで一気に600m程 登ります。 何度も沢を横切るので水場には事欠きませんが、岩ゴロの谷底を辿るので 足元は不安定です。 【大日小屋〜大日岳】 展望と花の楽しい稜線歩きになります。 残雪が有りますが、登降には問題有りません。 |
写真
感想
行動時間の情報がまちまちで躊躇っていたが、地図のコースタイムを信用すると、
6時過ぎに出発しても何とか往復できそうなので、12:00を限度に引返す事にして
計画を実行する事に。
早朝の桂台のゲートから見ると、山沿いに雲がかかっているが空には僅かに
明るさが覗いている。
雨は降りそうにに無いので、予定通り称名道路が開くのを待って
称名滝駐車場に向かう。
500mほどの落差が有ると言われるハンノキ滝を正面に見ながら称名道路を
行くと左側に大日岳登山口の案内が現れ、石段が樹林へ登っている。
資料によると大日坂は急登らしい。ゆっくり行こう。
展望の無い樹林中に付けられたコースは急だが時々登りが緩み、
疲れが溜まらないうまい道の付け方をされている。
振り返るとハンノキ滝や悪城の壁が望まれる。
しかしそんな登りも猿ヶ馬場までだ。
滑りやすい砂地の急斜面を行くと、やがて工事用のレールが現れ更に傾斜を増して
牛ノ首となる。
やがて両側が切れ落ちた道に、木の根が張り出し、苔生した岩は更に滑りやすい。
馬の背尾根と呼ばれる細い尾根だ。特に下りは慎重さを要するだろう。
足元に咲くゴゼンタチバナに癒されてひたすら頑張り、
固定ロープや梯子を登って急登を凌ぐと傾斜が緩み、木道が現れると一転して
なだらかな湿地帯が広がる。(この辺りはまだボタン平と呼ばれるようだが?)
緩やかに延びる木道をしばらく行くと右手の谷(称名廊下)を隔てて
建物が見られる。弥陀ヶ原に建つ弥陀ヶ原ホテルだ。
そうだ。称名廊下は左岸には弥陀ヶ原を・右岸には大日平と、二つの湿地帯を
構成しているのだ。
そして共に「ラムサール条約登録湿地」に指定されているんだ。
天気が良ければハイキング気分が味わえるんだろうが、今日は雲が低く垂れこめ
眺望は悪い。木道を外さないように注意しながらしばらく行くと小高い台地に建つ
大日平山荘に出る。行程のほぼ半分だ。ベンチに腰を降ろして小休止して行こう。
西方に霞む山は鍬崎山だろう。
煙草を吸い、ミカンで喉を潤した後腰を上げる。
池塘やワタスゲ眺めながら僅かに下り沢を横切ると、再び緩やかな
登り勾配になる。
ザクロ谷上流の浅い流れを渡り、しばらくすると木道が尽きて凹面のような
谷筋になる。 いよいよ高度差600mを登りつめるつらい登りの始まりだ。
谷底の岩は不規則で浮き石も多い。
時々思い出したように陽が射すが長くは続かない。
足元に咲く花に目をやりながら一歩一歩標高を稼ぐ。
幸い何度も沢を横切るので、水には事欠かない。
つらい登りに負けて何度も大日平を振り返って足を止める。
岩にペンキで「サイゴ」と書かれた水場で顔を洗い、一口含むと冷たくて
美味しい! 水筒に水を補給して行こう。
やがて谷を離れて山腹に絡むと大きな岩壁を廻り込むようなる。鏡岩だろうか?
右手に大日連山の稜線らしき斜面が現れる頃、鞍部に建つ大日小屋を捉える。
岩を踏んで登りつめると分岐となり、つらい登りが終わりやっと大日小屋に出た。
大日岳と中大日岳の鞍部に建つ小屋からは剱岳が見られるはずだ。
大日岳まで残す標高はわずか100m。ガスの切れるの待って昼食にしよう。
小屋前のテーブルに陣取ってパンとコーヒーで空腹を満たしていると、
斜面に沿ってガスが切れてきた。いよいよ剱岳と対面か!
しかし山頂にまつわりついたガスはなかなか切れない。
下山時間と決めた12時も近いので、大日岳山頂での展望を期待して山頂へ向かう。
分岐からたっぷり残った雪渓を踏んで稜線下を登る。
大岩を見て途中で這い松を漕いで稜線上に上がるとそこはお花畑だった。
ハクサンイチゲやツガサクラの間を抜けて大岩を捲くと三角点の立つ
無人の大日岳山頂だ。
岩屋に祀られた「大日如来像」を拝み、山頂でガスが切れるのを待っていると、
這い松の中を散歩するライチョウが現れた。
残念ながら早月尾根や大日連山の稜線を従えた剱岳を望む事は叶わなかったが、
山頂も踏んだし、花にもライチョウにも出逢えた。
下山時間と決めた12時になったので下ろう。
懸念していた雨にも逢わず下山の途に着く。
我慢の登りが続いた谷筋も下りは速い。大日平の湿地帯はのんびりと花を愛でながら下る。
大日平山荘のベンチでゆっくり休んでいると突然の激しい雨に。
幸い濡れずに雨をやり過ごし、念の為雨具に身を固めて山荘を後にする。
木道からの牛ノ首への急降下、更に登山口までスリップ、つまずき等に気を付け
慎重に時間をかけて下り、無事下山を終了する。
登山口から称名滝まではわずかな時間なので、滝展望台まで往復して
今回の山行を締めくくろう。
大日連山の西に位置する大日岳は富山の名峰を一望できる展望の山だが、
梅雨の時期では仕方がない。雨に降られず登り終える事が出来てよかった。
登山口からの急登をめげる事なく、ほぼ標準コースタイムで歩く事が出来、
多くの花やライチョウとの出逢いを含め、ほぼ計画通り歩けた達成感で
充実した遠征山行だった。
コメント
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onetotaniさん
こんばんは
私にとっては夢の舞台みたいなもので
羨ましい限りです❗
剣岳の雄姿は残念でしたね✨
しかし色々な花たちに出会え良かったですね。
さて?は私のポケット図鑑では
判明しません。
名前のついた?は間違いないと思われます。詳しくはkomakiさんにお任せします。
kazu97さん 今晩は。
予報では富山のみ晴天が望めそうだったので決行しましたが、山の天気は
むつかしいです。
広大な湿地帯や稜線に見られる多くのお花に癒されましたが、
稜線までの長くつらいアルバイトで、少々疲れました。
今度は素晴らしいパノラマを楽しみたいな・・・。
onetotaniさん
ここのところの遠征振りはビックリするものがあります。
立山の日帰りですか?凄すぎます。ついつい、遠征すると実力以上の行動をして何かしらのトラブルを起こしがちですが流石onetotani先輩、ご自分で登山時間を決めての冷静な行動は非常に参考になります。
それにしても、「苦しさに負け、大日平を振り返る。」この一言がこのコースの苦しさ
でも、その御褒美にライチョウと綺麗なお花そして大日如来さん、もう一つハンノキ滝までもが待っていてくれて何かこちらまで癒されました。
立山は我が憧れの山。いつかは雄山〜大汝、別山、そして剱岳、奥大日、大日と何日もかけて縦走したいです。それまでは体力を温存していかなければ・・・
sugi-chanさん 今晩は。
昨年から計画していましたが、スタートが6時を過ぎるので
躊躇していましたが、下山時間を設定する事で決行しました。
結果は、山頂を踏んで往復できたので満足しています。
花と残雪、これに山頂の展望が加われば大満足だったのですが・・・。
室堂から大日連山を縦走してくる方と多くすれ違いました。
sugi-chanさんも大展望の稜線歩きを味わえると良いですね。
おはようございます。
随分遠くの山に感じますが,お疲れ様でした。
さすがに,ここまで行くと,山のスケールが違いますね。
滝は大きいし,雪まで残っているし
これで快晴なら言うことなしですね。
剣岳も見たい気もしますが,
見事な遠征計画を達成され,素晴らしいです
totokさん 今晩は。 このコースは昨年から狙っていました。
道路の通行時間が制限され、少々ロングになる。山行記録が乏しい。
等の理由で躊躇していましたが、この時期を外すと通行時間が
更に短くなるので、出掛ける事にしました。
あいにくのガスで展望は残念でしたが、
計画通りの時間で歩き切る事ができて満足行く山行でした。
totokさんも、あせらず山に戻れる身体を取り戻して下さい。
微妙な天気予報の中、剱岳の展望は、残念でしたが
雄大な滝、湿地の花々、雷鳥と
充実の登山でしたね。先回、雨飾山からも
見えるはずだった、立山方面の山、スケールが
でかいです。ぜひ、行ってみたいエリアです。
komakiさん 今晩は。予報では9〜15時頃は晴れそうだったので
出掛けましたが、残念でした。
急な登りを終え、湿地帯の長い木道歩き、そして沢を何度も渡って
やっと稜線に出る今回のコースは歩きごたえ充分でした。
称名滝からバスで一旦室堂に出て、大日の稜線を縦走してくるなんて
コースも楽しそうです。
Onetotaniさん、こんにちは
どこにある山か、地図をズームアウトしていくのが楽しみになってしまいました。
かなり北の方にある山ですね。
雷鳥にもお会いしてラッキーでしたね。
最近何気に花の写真増えてません?
higurasiさん 今晩は。 聖岳山行はお疲れ様でした。
この山は以前から狙っていたコースです。
立山連峰の西端に位置する少しマイナーな感じがする山ですが、
最近は訪れる人も増えているようです。
それだけに必要以上に手の入っていない道を、静かに歩けました。
最近は山座同定出来るような天気に恵まれていない事も有りますが、
高山植物に出逢えるのも夏山の魅力ですね。
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