越後三山縦走 反時計回り


- GPS
- 17:13
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,973m
- 下り
- 3,080m
コースタイム
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 11:08
- 山行
- 5:54
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 6:01
天候 | 9/6(水) 晴れ(風強い) 9/7(木) 霧のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
行き:六日町駅~屏風道二合目(5,860円) 帰り:千之沢小屋~浦佐駅(4,150円) |
写真
感想
3年目にしてやっと挑戦できた越後三山。20年はコロナ、21年は天候不順で中止となっていた。
ルートは反時計回り。理由は越後駒ヶ岳を最後にするため&核心部の稜線を行程の前半に持ってくるため。結果として正解だった。
5日の終電で六日町駅に到着。青春18きっぷか学割かで迷ったが、2人の最寄駅が離れていたため後者を選択。駅西口の地下道入口の裏で就寝。屋根はないが、近くに24h営業のセブンイレブンがある。
翌日は3:30に起き、4:30に駅東口からタクシーに乗る。会社は行き帰り共に「うらさタクシー」を利用。元々バスとロープウェイを利用する予定だったが、最速でも8:00登山開始になるので却下し、登ってアプローチすることにした。ルートはせっかくなので岩場鎖場で有名な屏風道を選択。このルートは下山禁止らしい。
30分ほどで屏風道・新開道2合目に到着。スタートから3方向に登山道が伸びているが、屏風道は看板の左側が正解。少々暗い中をヘドランをつけて行動する。熊が出そうな雰囲気。岩場に出るまでは荒れ気味な樹林帯の登山道を進む。一部藪漕ぎに近い場所もある。あと沢に何回か降りるが、登り返し地点がわかりづらい。沢沿いを登るのは間違い。
しばらくすると岩場・鎖場に取り付く。岩場自体の難易度はそこまで高くない。自分は高度感で身体がすくむタイプだが、全工程を通して2-3箇所しか怖いと感じた場面はなかった。ただ鎖のついた(一部ついてないものもあるが)岩場が延々と続くため、身が休まらない。
岩場を越え、たおやかな尾根が現れると千本檜小屋が近づいてきた証拠。アンテナが真っ先に見え、少し歩くと到着する。この日は平日かつ朝だったので誰もいなかった。
薬師岳までは空身で往復。薬師岳から小屋方面を見ると美しい。薬師岳手前のコルの水場は確認していないが、電話で小屋番の方に聞いたところによると、「晴れの日が続くと枯れる」らしい。
本来は八海山避難小屋に泊まる予定だったのだが、まだ8:00であること、明日は雨予報であることから中ノ岳避難小屋まで歩みを進めることにした。結果的にこの判断が大当たりした。
八ッ峰は1つだけ登り(名前は忘れた)、それ以外は巻いた。地蔵岳への登り口は見つけられなかった。巻道はよく整備されているが、等高線に現れない登り降りが続くのでペースが上がらない。
続く入道岳への道は、中ノ岳へ伸びる稜線が最も美しく見える区間。景色に見惚れているといつの間にか山頂に到着する。それとは対照的に、下りには鎖のついたガレ場があり、足元に気を使いながら下った。
五竜岳以降は『山と高原地図』の破線区間。たしかに道が荒れ、左右の草木の主張が激しくなる。特に1,442mの手前と荒山〜オカメノゾキは藪が濃かった。とは言うものの完全な藪漕ぎではなく、足元の踏み跡は明瞭なので道迷いの心配は少ない。ただ道中2-3箇所ほど、稜線の東側に降りようとする謎の道らしきものがある。あと1,442mの先にほぼ垂直の鎖場が1箇所ある。
オカメノゾキには12:00に到着。良いペースで来れてるので一安心。オカメノゾキから見上げると、目の前に巨岩がある。到底登れなさそうに見えるが、右手に巻くと鎖場があるので何とかよじ登る。
以降は岩のやせ尾根。普通に歩けば落ちるような所ではないが、風が強いとなんだか不安になる。左右に手掛かりがない箇所は手足をつき身を低くして通過した。
出雲先手前は樹林帯の超急登。手足を使ってよじ登る。鎖でも枝でも笹でも掴めるものはなんでも掴む。急登の区間がとても長く、出雲先に到着する頃にはかなり体力を奪われていた。
出雲先〜御月山は易しい登り。御月山に登ると眼下にたおやかな笹原が広がっている。これまで荒々しい稜線と格闘していたので心が癒される。
祓川の水場について、千本檜小屋の小屋番の方から「あそこは水溜りとして残るから枯れることはない」と言われていた。ただここ数日は晴天が続いていたので正直かなり不安。もし枯れていたら、もし水が腐っていたら、、等々。しかしこの心配は杞憂で、水はしっかり流れていた。冷たいしとても美味しい。美しい黄緑の景色と美味しい水、ついつい長居してしまった。
水を一気に汲み重くなったザックを背負って最後の250mアップに挑む。普段ならなんでもない標高差だが、このときは体力的精神的に限界を迎えており、身体が全然動かない。数10m毎に立ち止まりながら何とか上を目指す。そして16:00手前にやっと避難小屋に到着。新人の錬成合宿を思い出した。その後は空身で中ノ岳に登り、写真撮影に勤しんだ。
避難小屋はこれまでで一番快適。広くて清潔でウレタンや銀マットも用意されている。トイレも全く汚れていない。小屋裏のポリタンクには天水が満タンまで溜まっており、蛇口を捻ると勢いよく水が出てきた。ぱっと見キレイで匂いもしないが、怖いので飲まなかった。
夕ご飯は大量の米を炊き、腹一杯に食べた。満腹と清潔な小屋のおかげで快眠だった。
翌朝起きると、小屋の外は白くなっていた。霧雨で草木も濡れている。過酷な1日になる予感しかない。
檜廊下までの道はやや荒れている。登山道が狭く、かつ微妙に東側に傾いているのでとても歩きづらい。この日は露で濡れていたのでズルズル滑った。雨の日に通る道ではない。
檜廊下は見た目には非常に危険に見えるが、実際通るとよく整備されており、そんなに危険ではない。ただ左右が切れているので油断は禁物。1箇所ステップがほぼない岩場があり、ずり落ちるように下った。
檜廊下を通過しても天狗平まではいやらしい道が続く。稜線の右斜面をトラバースのように歩く道が多いので、左の登山靴が浸水した。繰り返すが、雨の日に来る道ではない。
天狗平以降は登り返して越後駒ヶ岳は向かう。グシガハナ分岐以降は大変よく整備されていて、百名山の威光を感じた。越後駒ヶ岳の山頂では雲の切間から若干景色が見えたが、あまり盛り上がらずすぐに撤退した。
下りは大きく4エリアに分けられる(主観)。①グシガハナまで②グシガハナ以降の上部③下部④登山口〜千之沢小屋。
①百名山の威光が残る。階段が続いて下りやすい。ただ笹で段差が見えづらい。階段が終わってもしばらく整備された道が続く。
②グシガハナ辺りから過酷な道へと変貌する。路面は岩と砂に刈られた笹が覆いかぶさっており、急登も相まって非常に滑る。左右も樹木と笹が茂っているので雨露に濡れて全身がびちょびちょになる。登山靴も気付けば両方浸水していた。草木を掴む度に露が落ちてきて、大雨の中を下っているかのような感覚に襲われる。激渋。雨の日に来てはいけない(3回目)。
③後半は次第に草木が薄くなり、段々と下りやすくなる。比例してペースも上がる。ただ足元が滑るのは変わらない。
④やっとの思いで登山口まで下りても、舗装路ではなく草っ原の道が待っている。頭を垂れた草を通ると種が身体中にくっつく。草と泥で登山靴は無惨な姿に。途中沼みたいな場所や上部を水が流れる堰堤もあり、足元は濡れる一方。
そんな状態に辟易していると、巨大な雪渓が現れる。斜面から雪崩れた様な形で、もちろん林道上は通過できない。雪渓を登るわけにもいかず彷徨いていると、斜面と設計の間に狭い隙間を発見する。明らかに全身汚れそうだが、他に通れる場所もないのでその隙間を進むことに。SASUKEならスパイダーウォークの要領で壁と雪渓を突っ張りながら進む。どんどん狭くなっていったが、何とか出口まで到達できた。一安心。以降は段々と道が良くなっていき、千之沢小屋に到着した。
千之沢小屋には沢水の水道があり、身体を洗い流すのに大いに役立った。その後はタクシーを待ち、浦佐駅まで移動。近くの小玉屋で食事をし、帰京した。
やっと成功した越後三山。1泊とは思えないほどの充実感と不快感を味わった。とても楽しかったが、もう一度行きたいかと言われればNOである。
※動画は屏風道2合目〜オカメノゾキまでで撮影したもののまとめ。良ければ参考に。
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