乗鞍岳(青屋古道―千町ヶ原―剣が峰―平湯温泉)


- GPS
- --:--
- 距離
- 29.8km
- 登り
- 2,713m
- 下り
- 2,352m
コースタイム
5/3 駒の鞍 5:00―5:30奥千町ヶ原―7:30畳石原(2700m)7:50−8:40 大日岳 8:50 ― 9:05 剣が峰 9:20 ― 10:00 肩の小屋 10:10 ― 10:40 畳平付近 11:30 ― 11:55 大丹生岳肩 12:00 ― 12:40 硫黄岳肩 12:50 ― 14:10 乗鞍権現 14:25 − 17:10 1870m峰 17:15−18:00 平湯温泉
天候 | 5月2日 快晴 5月3日 晴れのち時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2009年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
スカイライン開通前の乗鞍岳に、西側の標高差の大きいコースから登り、北側の平湯温泉に下った。 久々野駅からタクシーで昔の朝日村、現在の高山市青屋地区九蔵集落まで入り、林道を30―40分歩き、小俣谷橋を渡った先から登山道になる。 九蔵ノ尾根の道は、明治時代に開かれた道を最近復興したもので、比較的整備は行き届いていた。但し雪の下がどうなっているかはわからず、歩く時期によっては笹がうるさい個所もありそうだ。4月下旬に雪が降ったこともあり、雪線は1300−1500mと予測していたが、最初に雪を見たのは1550m付近で、完全な雪道になったのは1900m近くなってからだった。雪の状態はよく、たまに沈み込むのを除けば問題なく歩けた。残雪の下の夏道の場所はわからなかったが、大体尾根の高いところを歩いた。 九蔵ノ尾根から千町ヶ原にかけては緩やかな登りが続き、距離があるので思ったより時間がかかった。特に、千町ヶ原の登りは、いい加減疲れていたせいかことさらに長く感じた。 二日目は雪もよく締まっていたので朝からアイゼンを装着した。駒の鞍から先は尾根がはっきりする。夏道は、一旦2730mほどのピークに登ってから岩井谷本谷源頭の小さな鞍部に降り、そこから一段上がって屏風岳南側の皿石原に達するようになっているが、尾根の登りの途中から適宜トラバースして直接岩井谷本谷源頭の鞍部(2700m)に上がった。大日岳へは、屏風岳に向かう尾根の脇の雪田を登り、最後斜面を巻いて屏風岳と大日岳との鞍部に出た。大日岳から剣が峰との鞍部への下りは快適な雪の斜面で、剣が峰への登りはかなり夏道が出ていた。 頂上から少し尾根を歩き、朝日岳手前から肩の小屋にかけては雪の大斜面を快適に下った。そこから畳平へは、車道沿いに摩利支天岳の東側を巻いたが、斜度40度ほどの斜面のトラバースとなり、少し気を使った。摩利支天岳へ直登して尾根伝いに行くのが正攻法かもしれない(実際、5月9日にスキーに登った記録によれば、この斜面では雪崩が発生している。私が通った後、急激に暖かくなった日に崩れたのだろう)。乗鞍スカイラインの開通は5月15日だが、除雪はすでに畳平まで完了していて、畳平から大丹生岳の肩までは坦々とした車道歩きだった。 大丹生岳肩から先の道は、歩かれてないだろうと思ったが、平湯まで、当日か前日のものと思われるトレースがあった。まず土俵ヶ原にむけて雪の斜面を快適に下り、硫黄岳へ60mほど登り返す。硫黄岳の西側を巻く箇所は、斜面のトラバースを嫌って途中から尾根上に登った。硫黄岳からの下りで多少尾根を巻く箇所は、歩いていて足元でシュルシュルと雪が動くような音がして気分が悪かった。雪崩の危険を避けるため、尾根の上を歩くのが正解だっただろう。硫黄岳と金山岩の鞍部から先の登り返しは、一見きつく見えるが、取りかかってみると大したことはなく、乗鞍権現に出た。 今回のコースの最大の問題個所は乗鞍権現から金山尾根の下りで、夏道が残雪に隠れているときはどこを下ればよいのかわかりにくい。私も先行者のトレースについて調子に乗って下っていたら、2100m付近で尾根を西側に外したことに気が付き、多少登り返す羽目になった。2100m付近から先ははっきりした尾根になり、多少の上下はあるが1871m峰へと下っていく。 1871m峰から先は平湯スキー場のゲレンデの中をコース通りに下っていく。これが意外に急で脚や膝に負担がかかる。しかし時間的には1871m峰から平湯温泉まで、45分ほどで下ってしまった。 平湯温泉には日帰り入浴ができる宿も多いが、私はバスセンターの3階にある温泉に入った。風情には乏しいが、露天風呂からは笠ヶ岳がよく見えた。 ゴールデンウィークだったので平湯温泉や新穂高の宿は満杯で、平湯のキャンプ場もオートキャンパーであふれていた。平湯峠をトンネルでぬけて下った先の久手集落の安宿に泊まった。平湯温泉から町へ出る最終バスは比較的早く、18時40分の高山行きが最終となる。 |
写真
感想
乗鞍岳はバスが通じて、登山者には興味の薄い山と思われがちですが、西側からは登り応えのあるコースが通じています。込み合いがちなゴールデンウィーク、人のいないきれいな残雪の山を求めて登ってみました。
最初は2泊3日の予定で、二日目は剣が峰だけでなく乗鞍の峰々を登りながらゆっくり歩き、土俵ヶ原近辺で幕営の予定でしたが、マットを通し、寝袋の中まで浸透してくる雪の冷たさと、雪を溶かす燃料が乏しくなってきたのに負けて、二日目に強行軍で降りてしまいました。
一日目は高山駅から野麦方面へ向かうバスに乗り、上ヶ見橋(あげみばし)のバス停から九蔵集落まで、8−9kmの道を歩くつもりでしたが、日ごろの運動不足と重荷を考慮して久々野駅からタクシーに乗りました。運転手氏は、「このあたりで11年間タクシーやってるけど、九蔵に行くのはあんたで3回目だね」と言っていました。あまり登られないコースなのでしょう。上ヶ見橋から先の道は、車も少なく、乗鞍岳を仰ぎながらの素晴らしい田舎道で、歩かなかったのをちょっと後悔。でも歩いていたら恐らく一日目は千町ヶ原の下の方での泊まりとなったことでしょう。九蔵ノ尾根コースは天候が良ければ問題ないコースですが、距離が長く緩やかな登りが多いので、時間の割に標高が稼げず疲れました。その代りテントで止まる場所には苦労しません。
私が頂上に登った日は、雪は適度に緩んでしかも緩み過ぎず、快適に歩けました。二日目の朝から畳平までアイゼンを付けたほか、持っていったピッケルは一切使わず、スキーストックで歩きました。しかし、雪ががちがちに凍ったり、グスグスに緩んでいたりすると、同じルートでも状況はかなり違ってくるものと思います。位ヶ原の方からは登ってくる登山者もいましたが、それほどの数ではなく、全体に静かな山でした。
乗鞍岳は南から北へ、多くの峰々が連なっていて、頂上部分の大きさは御嶽よりもむしろ大きいくらい。また登る機会があったら、今度は四ッ岳や恵比須岳、摩利支天岳などを回ってみたいと思いました。
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