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記録ID: 340337
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ハイキング
東海

金時山〜Tさんが眠る山へ〜

2013年09月02日(月) [日帰り]
情報量の目安: A
都道府県 神奈川県 静岡県
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GPS
--:--
距離
3.7km
登り
390m
下り
390m

コースタイム

林道終点P11:35-12:10遭難現場着12:15-12:25金時山頂上12:35-13:30林道終点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
[往路]東伏見=[青梅街道]=四面道=[環八]=用賀IC=[東名]=大井松田IC=地蔵堂(お供えビール購買)=足柄峠=林道終点P
[復路]林道終点P=足柄峠=Tさん宅=大井松田IC=[東名]=用賀IC=[環八]=四面道=[青梅街道]=東伏見自宅
コース状況/
危険箇所等
■コース状況 全く問題なし。
■地蔵堂の集落を通って以前は足柄峠へと向かっていたが、今は地蔵堂の集落は通らずに足柄峠へと上がっている。トレイルランナーの方々が多く練習をしていた。
足柄峠の林道終点。ゲートがあります。
2013年09月01日 11:37撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:37
足柄峠の林道終点。ゲートがあります。
いい感じの林道をてくてく歩きます。夏の陽差しがあふれて。
2013年09月01日 11:38撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:38
いい感じの林道をてくてく歩きます。夏の陽差しがあふれて。
ここは丸鉢山というのでしょうか。顕著なピークではなくちょっとしたコブですね。猪鼻砦という城があったようです。箱根峠が開かれる前の万葉の時代にはここが東西を分けていた場所。要衝だったのですね。
2013年09月01日 11:53撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 11:53
ここは丸鉢山というのでしょうか。顕著なピークではなくちょっとしたコブですね。猪鼻砦という城があったようです。箱根峠が開かれる前の万葉の時代にはここが東西を分けていた場所。要衝だったのですね。
指導標もあり夕日の滝に下れます。以前夕日の滝から登ってきたことを思い出しました。バテバテで缶コーヒーの甘さで元気を回復しました。
2013年09月01日 11:53撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:53
指導標もあり夕日の滝に下れます。以前夕日の滝から登ってきたことを思い出しました。バテバテで缶コーヒーの甘さで元気を回復しました。
今日は富士山は残念ながら隠れています。
2013年09月01日 11:53撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:53
今日は富士山は残念ながら隠れています。
金時山の雄姿。近づいてきました。
2013年09月01日 11:55撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:55
金時山の雄姿。近づいてきました。
林道の終点です。富士山ナンバーのクルマが止まっていました。金時茶屋のものでしょうか。2軒ある山小屋のうち、金時茶屋(金時娘の方)は駿河小山、金太郎茶屋は、箱根の仙石原の方の経営って聞いたことがあります。
2013年09月01日 11:57撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 11:57
林道の終点です。富士山ナンバーのクルマが止まっていました。金時茶屋のものでしょうか。2軒ある山小屋のうち、金時茶屋(金時娘の方)は駿河小山、金太郎茶屋は、箱根の仙石原の方の経営って聞いたことがあります。
駿河小山の分岐にはこんな指導標がありました。可愛いですネ。
2013年09月01日 12:00撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 12:00
駿河小山の分岐にはこんな指導標がありました。可愛いですネ。
12個あるはしごの下から4つ目の上のベンチが遭難の現場。地蔵堂で買ったキリリと冷えた一本をその場に。そして黙祷。一緒にいた青年もお祈りしてくれました。ありがとうございました。
2013年09月01日 12:11撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 12:11
12個あるはしごの下から4つ目の上のベンチが遭難の現場。地蔵堂で買ったキリリと冷えた一本をその場に。そして黙祷。一緒にいた青年もお祈りしてくれました。ありがとうございました。
そして頂上。ガスの中。富士山は見えない。今の自分にはこれが合っているようなそんな気分。
2013年09月01日 12:29撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 12:29
そして頂上。ガスの中。富士山は見えない。今の自分にはこれが合っているようなそんな気分。
こんな場所に三角点がありました。ちょっと気が付かないでしょう。えっ?どこだって?
2013年09月01日 12:35撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 12:35
こんな場所に三角点がありました。ちょっと気が付かないでしょう。えっ?どこだって?
ここです。山小屋のすぐ前にある。ほとんど誰も気にしていないようでした。満身創痍です。
2013年09月01日 12:35撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 12:35
ここです。山小屋のすぐ前にある。ほとんど誰も気にしていないようでした。満身創痍です。
帰りにもう一回、遭難現場を通りました。ひとりの女性が写真を撮っていました。「遭難された方がいらっしゃるということで」「ワタシの先輩なんです…今日はひとりの追悼登山です」
2013年09月01日 12:56撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 12:56
帰りにもう一回、遭難現場を通りました。ひとりの女性が写真を撮っていました。「遭難された方がいらっしゃるということで」「ワタシの先輩なんです…今日はひとりの追悼登山です」
金時山の雄姿をもう一度。300名山らしい素晴らしい山です。
2013年09月01日 13:11撮影 by  iPhone 5, Apple
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9/1 13:11
金時山の雄姿をもう一度。300名山らしい素晴らしい山です。
林道終点に戻ってきました。
2013年09月01日 13:27撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 13:27
林道終点に戻ってきました。
指導標によるとこの林道終点にも地名があるようです。竹之下稲子場というようです。このあとTさんのご自宅に向かいました。
2013年09月01日 13:27撮影 by  iPhone 5, Apple
9/1 13:27
指導標によるとこの林道終点にも地名があるようです。竹之下稲子場というようです。このあとTさんのご自宅に向かいました。
撮影機器:

感想

 Tさんのお葬式に出られなかったのが気になっていた。
http://www.yamareco.com/modules/diary/7510-detail-56563
 金時山の遭難現場をお参りし、そして彼の自宅に立ち寄ろうと思った。

 久々の金時山---こんな形での再訪になるとは思わなかった。
 林道終点にはたくさんのクルマが停まっている。
 透き通るような青空。強い夏の陽射し。頬をなでる風。
 たくさんの人が親しむ山、そう、これこそが金時山だ。

 林道の両側からは梢がさしこみ、てきとうな木蔭を作ってくれている。
 出かけたのが遅かったせいでで、三々五々下ってくる人たちに出会う。
 黄色い声だったり、クマよけの鈴だったり。
 この光景はまさしく平和そのもの。

 Tさんの奥様からは、12個あるハシゴの下から4つ目のハシゴの上のベンチと聞いていた。
 以前の金時にはこんなにハシゴがなかった。
 安全な登山道をということでしつらえたのだろうが、たしかに久しぶりに登ってみて、こんなに急な山だったんだと感じた。
 
 ハシゴは12個あり、下から十二支の子・丑・寅・兎・・・・の名前が付されている。

 ウサギが終わったところにベンチはあった。
 急斜面にしつらえられた小さな平地。
 滑落したあとなのか、救助のときにつくられたのか痕跡が見える。
 その先の下のほうの斜面に花束が見えた。
 
 キリリと冷えたビールをひと缶置き、目を閉じ黙祷。
 ちょうどベンチにはコンロで湯を沸かしている青年がいた。
 ボクがお祈りを始めたら、一緒になってお祈りしてくれた。
 ホントにありがとう。
 
 以前、前黒法師岳で捜索隊をしり目に登る平和な自分たちとの複雑な心情をヤマレコしたことがある。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-237115.html

 ここでもそうだ。
 遭難してしまったT氏と、それを知らずにその場で平和に山を楽しんでいる人たちと。
 
 どこかに透明な壁があってあの世とこの世が境を接している。
 何かのきっかけで誰かが向こうに行く。
 戻ってくることはない。
 こちらの世界では、その壁がすぐそばにあることに気付かない。
 透明だからこちらから、向こうは見えない。 
 
 むこうからこちらは見える。
 次はあの人だねと向こう側の人たちは話をしている。
 そんなことを考えたりした。

 頂上はあいかわらずの混雑だ。
 ガスに包まれ展望は全くない。
 今日の自分はナニも見えない頂上がいい。
 何することなくぼーっと15分ほどいた。

 帰りは同じ道を戻った。
 もう一度遭難現場を通ると、カメラを向けている女性がいた。
 「ここで遭難された方がいると聞いて」と。
 「実は今日、追悼登山なんです。」
 しばし、会話を交わす。

 駐車場でこれから登ろうとする人にもあった。
 「遭難した方がいらっしゃるらしいですね」
 新聞で読んだという。

 足柄峠のあたりは自殺がけっこうあるらしい。
 自分が発見者になったこともあったという。
 「鉄道の人身事故もやたら多いし、世の中ちょっとおかしくなっていますね」
 
 悩みや悔しさ、理不尽さを感じながらあの世に旅立っていく人は多い。
 山の遭難を肯定するつもりはないけれどTさんは倖せだったと思いたい。
 なぜならそんな悩みやくやしさなどは、持っていなかったと信じているから。
 持っていたとしても、この世に置いていったと思うから。
 
 帰りにご自宅に立ち寄った。
 立派な祭壇と多くのお供えもの。
 額ぶちの中で、ふくよかな顔が笑っていた。

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