尾瀬ヶ原と水芭蕉


- GPS
- 07:39
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,072m
- 下り
- 528m
コースタイム
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:27
<乗り合いタクシーで移動>
12:00戸倉スキー場手前-12:59富士見下駐車場
天候 | 曇り後晴れ、後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
・鳩待峠から戸倉スキー場の手前までは乗り合いタクシー利用。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・富士見下から富士見小屋跡の林道:最初の1時間くらいは残雪はなかったが、それ以降は雪の上を歩くことが多かった。傾斜は緩いので滑る止めの必要性は感じず。 ・富士見下小屋から長沢新道経由で竜宮:長沢橋までは基本的に残雪の上を歩く。マーキングは各所にあるがない箇所もあり、適宜ルートを見つけながら進まなくてはならなかった。GPSなどがあるとコースミスを防止できるので便利。長沢橋の手前で急に標高が下がり崖のような急斜面を下って長沢沿いを歩くようになる。長沢にかかる橋は利用可能。長沢から先は残雪が少なく、竜宮の手前からは木道になり残雪が消える。長沢橋までは必要に応じて滑り止めの利用が適切と思われる。竜宮の手前では水芭蕉が各所で咲いていた。この区間で出会ったハイカーはゼロ。 竜宮から山の鼻:全行程木道が出ている。各所で水芭蕉が咲いていた。山の鼻付近でツキノワグマを目撃した。人を見ても全く逃げず、人慣れしている印象を受けた。 山の鼻から鳩待峠:木道歩きが多いが、鳩待峠に近くなると残雪の上を歩くことが多かった。必要に応じて滑り止めの利用を。 |
写真
感想
富士見下の駐車場には4:28頃に到着。日の出の早い時期につき、既にライトは不要な明るさ。先客はゼロ。クルマは一台もなかった。準備の後4:37に行動開始。この林道は積雪期にスキーで登高したり、無雪期に歩きや自転車で下ったりと何度も利用していた。地味で面白味もないが、人は少ないので自分のペースで歩けるところが利点だと思う。今日は駐車場にクルマがなかったことからも、静かに歩けることが予想された。あまりに静か過ぎてクマでも出てきたら困るので、2人で熊鈴を鳴らしながら歩く。歩き出しは積雪は全くなかったものの、出発後1時間もすると林道脇の各所に残雪が見られるように。更に進むと林道上にも残雪が出てきた。5月中旬だとこの程度の残雪があるようだ。天気は最初曇りだったものの標高が上がるとガスの中に入ってしまう。視程は100メートルほど。天気が良ければ林道の上部からはアヤメ平の台地も見えるようになるのだが、今日は乳白色の霧に包まれて何も見えなかった。
富士見小屋跡には6:33に到着。残雪も多かったしペースを上げたつもりはなかったが、出発から2時間かからずに到着。小屋は以前に見た時よりも更にあちこち傷んで見えた。小屋から少し離れて休憩する。天候はガスで風もなく、ガスが取れる要素もないように思えた。この後は長沢新道を経由して竜宮へ下降する予定。十分な休憩の後に出発。自分はつぼ足のままだったが、Zさんは念のためチェーンスパイクを装着することに。がしかし、周囲がガスに包まれているのと、積雪により木道やマーキングの類が見えず少し迷走する。困ったときのGPS頼み。GPSを見つつ計器歩行をしてルートを探し無事マーキングも見付ける。最初のマーキングを見付けるまで少し時間がかかり、その間敗退の二文字も脳裏をよぎったし、実際にZさんは帰りたそうだった。自分としてもこれは無理かなと思ったが、まだ7時前で時間も十分あるので、少し進むことにした矢先でマーキングを見付けたのだった。これがあれば何とかなりそうなので、先々を注意深く確認しつつ進む。それでも時折マーキングを見失うことがあり、都度GPSを取り出し確認して進むことに。進むと道標なども見えたし、残雪の薄いところでは木道も見えたので、方角が正しいことに安堵した。Zさんはここを歩いたことがあると言うので、その時の記憶も役だったのかもしれない。長沢の頭を越えると急坂の下りに。相変わらず雪の上を歩くので急坂は滑落注意だったが、雪は緩んでいて恐怖感はなかった。ただ残雪の下から樹木の枝が出てきて、それが歩くのに邪魔なことはあった。急坂を下ると長沢の左岸を歩く。ドボンに注意しながら進む。沢に橋がなかったら渡渉かとも思ったが、立派な橋があり心配は杞憂に終わった。Zさんは橋の手前でチェーンスパイクを外していた。自分は結局滑り止めの類は付けずに降りてきた。
橋を過ぎてからは積雪はほぼなく土の登山道を歩く。ここまで既に3時間以上経過していたし、途中マーキングを探しながらの歩きだったので、2人ともそこそこ疲労していた。尾瀬ヶ原の末端付近に到着するとそこには多くの水芭蕉が咲いていた。いきなりの景色の変化に2人戸惑う。木道の両脇にこれでもか、とばかりに咲いており、写真を撮りながらとなるので先へ進めなくなってしまう。これほど多くの水芭蕉はこれまで見たことがなかったように思う。しかも周囲は我々以外に誰もいない。貸し切り状態。天候は曇りから晴れに代わり、周囲は水芭蕉の大群落。ここに来て良かった、と思える瞬間だった。写真を撮りつつ進み竜宮の十字路に到着。少し風があって涼しさを感じるが、小屋跡の前で休憩していらい飲まず食わずだったので、ベンチに腰掛けて大休止とした。尾瀬ヶ原から見えるはずの燧ヶ岳と至仏山は、どちらも雲に隠れていて姿は見えなかった。
大休止の後山の鼻に向けて出発。ハイカーの数は例年と比較して多いのか少ないのか分からないが、数珠つなぎの状態からはほど遠かった。トップシーズンの前であることも影響しているかもしれない。木道は既に完全に出ていて、その下やすぐそばにも水芭蕉があちこちで咲いていた。黄色い花のリュウキンカも一部で見られた。池塘はほぼ池になっているものの、一部ではまだ雪が残っているところもあった。高山植物の季節はこれからだろうが、周りの景色が変わるので、歩いていて退屈しなかった。これで両端に燧ヶ岳と至仏山が見えていれば文句なしだったがなかなか上手くはいかないものだ。山の鼻へ向けて歩いていると、すれ違いの時にクマの目撃情報を聞く。少し不安を覚えつつも、ハイカーや観光客の多い場所なので、すぐに逃げていなくなるだろうと安易に考えて進む。しかし山の鼻の小屋の建物が見えたあたりで黒く動くものを発見。間違いなくクマだった。距離としては数百メートル程度しか離れていない。向こうもこちらの存在に気付いていそうなものだが、えさの物色に忙しいのか、全く逃げる気配はなかった。今まで見聞きしていたクマの性質とは異なり面食らう。ただクマの前にずっといるのも気が引けるというか、不測のことも考えられるので、写真を何枚か撮った後に山の鼻へ向けて移動する。小屋までわずかな距離に出没しており、山の鼻のキャンプ場が閉鎖中なのも致し方ないと思われた。
山の鼻にて大休止後に鳩待峠へ向けて行動再開。ここまで来ると観光地の趣だがまだ残雪も多く、スニーカーで歩いて来る観光客も多く見たが、足下が悪くて大変そうだった。鳩待峠に向けては緩い登りが続く。最後にここを歩いたのは山スキーでムジナ沢を滑った時で、その時はシールを付けて歩行していた。途中途中で残雪の上を歩いたが、2人とも滑り止めは付けずに11:10に鳩待峠に到着。山の鼻までは晴れていた空だったが、ここにきて再びガスに包まれた。今日はこの先鳩待ち通りを歩いてアヤメ平方面に至り、再度長い林道を歩いて富士見下の駐車場へ戻る予定だったが、Zさんは既に疲労が濃い状態。幸い戸倉まで降りるバスの時刻に近かったので、ここから山中の行動は取りやめて一旦下界へ下ることに。チケットを買い11:40に乗り合いタクシーは出発。20分ほどで戸倉スキー場手前の三叉路で下車。12時頃より駐車場へ向けて歩行開始。アスファルトが熱を持っていて暑かったが、まだ5月なので熱中症注意の状態ではなかった。もう見るべき物はないと思っていたが、八重桜が咲いていたり、黄色のキケマンも咲いていた。1時間ほど歩いて富士見下の駐車場へ無事到着。クルマは自分を含めて3台になっていたが、それでもガラガラなのは変わらずだった。
今日の尾瀬は天気も今ひとつだったが、目当ての水芭蕉が見られたので良しとしたい。次回訪問時はニッコウキスゲの咲く時期か。
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