釈迦ヶ岳(岩ヶ峰尾根↑〜大平尾根↓)☆薄紅色の花々の咲く尾根に


- GPS
- 03:46
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 788m
- 下り
- 771m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
岩ヶ峰尾根、大平尾根はいずれもバリエーション・ルートであり、急登・急下降が続くが、尾根上の踏み跡は明瞭であり、危険箇所は少ないと思われる。 |
写真
感想
昨年の新緑の季節は赤坂谷を遡って釈迦ヶ岳に登ったのだが、今回は東麓の八風キャンプ場から岩ヶ峰尾根を辿ることにする。今回の山行の目当てはアカヤシオ・ツツジだ。最近は温暖化の影響が春の花が早いようだ。数年前、奥秩父にアカヤシオで知られる両神山の八丁尾根を訪れた時は花が完全に終わっていて残念な思いをした経験がある。
八日市ICで名神高速を下りる。竜ヶ岳は辛うじて雲の下ではあるもの、山々の上には重苦しく雲がかかっている。釈迦ヶ岳を諦めて鎌掛谷のシャクナゲを見に行くことも考えたが、家内がこちらがいいというのもあり、午後からは天気が好転する予報を信じて釈迦ヶ岳に向かうことにする。
石榑トンネルを潜って三重県側にたどり着くと山々の上に青空が広がり始める。新名神を使うと遥かに早く到着することが出来たことに気がつくが、到着が遅れたことは天気に関しては怪我の功名だったかもしれない。
登山口となる八風キャンプ場近くの駐車場は多くの車が停められ、駐車できるスペースを探すのに手間取る。既に下山して来られる方々もおられ、丁度一台の車が出られたところだったので林道の入口の格好の場所に駐車することが出来た。
尾根の取付きには沢を渡渉して対岸に渡ることになるが、沢は水量は少なく難なく渡渉することが出来る。すぐに急登となり、高度を上げてゆく。
登山道の周囲では落下したツツジの花が目立つ。落下した花の上を見ると枝先からは五葉の新緑からアカヤシオ・ツツジであることが判る。足元にはイワカガミの花の群生が次々と現れる。
尾根の傾斜が緩くなったあたりからアカヤシオの花が現われ始める。既に変色し始めているものが多く、花期の盛りを過ぎたものが多い。しかし、高度が上がるにつれて綺麗な花をつけたアカヤシオの樹が多くなる。アカヤシオの魅力、白とピンク色が混じった半透明の花弁だろう。時にコバノミツバツツジの紅紫色も混ざるのだが、さすがにコバノミツバツツジは終盤だ。
岩場が所々で現れるが、周囲の好展望が開け、三池岳にかけての鈴鹿主稜線を右手に望む。目の前には岩ヶ峰の険阻な鋭鋒が聳り立つが、その山肌を薄紅色の花々が華やかに飾り立てている。
岩ヶ峰が近ずくとまだ蕾をつけた花も多く見られるが、丁度花の盛りだ。尾根にはシャクナゲも多く見られるが、深紅の蕾が一つ見られてだけである。滋賀県の鎌掛谷は満開らしいが、鈴鹿のこちら側では花期にはまだまだのようだ。
岩ヶ峰を過ぎると急にアカヤシオが少なくなる。鞍部を過ぎると釈迦ヶ岳へと至る鈴鹿の主稜線への急登となると、今度は足元にイワウチワの花々の群落が現れる。主稜線が近づいたところで今度はショウジョウバカマが数多く咲いている。淡紅色のものや濃紅紫色、薄紫色と様々な色の花が見られる。近所の里山で見かけたのはおよそひと月ほど前であったが、標高の低いところから高いところまでこの花の環境適応力の高さに今更ながらに感心する。
稜線に出ると、わずかに南に下るとすぐに釈迦ヶ岳の山頂だ。山頂からは三重県側の展望が広がり、アカヤシオが岩ヶ峰を華やかに彩っているのが見える。残念ながら伊勢湾のあるあたりは白く霞んでいて、海は全く見えない。
釈迦ヶ岳の山頂では親子連れが到着されたところだった。鈴の音が聞こえたかと思うと柴犬を連れた若い単独行の男性が現れる。
縦走路を北に辿る。すぐ左手の赤坂谷の源頭から沢音が聞こえる。主稜線を縦走する場合にはここは貴重な水場となりそうだ。稜線はリョウブやシロヤシオツツジの低木の樹林が続くが、ここでは新緑はまだまだである。午後の柔らかい日差しが差し込む樹林の中は非常に明るい。足元にはチラホラとバイカオウレンの小さな花が咲いているが、注意深く見ないと見過ごしてしまいそうだ。
随所で再び三重県側の好展望が開ける。尾根から岩ヶ峰を見下ろすと尾根は北側斜面にアカヤシオの花が目立つ。
下山は大平尾根へと入る。尾根の分岐では南に大きく展望が開け、釈迦岳と岩ヶ峰を大きく望むことが出来る。尾根は急下降ではあるが、明瞭な踏み跡が尾根上に続いている。尾根を下り始めるとこちらでもまずはイワウチワの大群落が現れる。やがて高度が下がるにつれ、アカヤシオの花が次々と現れるようになった。こちらの尾根でも北側の斜面にアカヤシオが目立つようだ。
主稜線から眺めている時には岩ヶ峰の方がアカヤシオが多いように見えたが、こちらの尾根でも勝らずとも劣らぬほどにアカヤシオが咲いているように思われた。しかし、岩ヶ峰尾根は標高が600m〜800mあたりの区間が長いのに対し、こちらの大平尾根は高度が下がるのが早く、アカヤシオの花が見られる区間が短いようだ。その代わり、高度が下がると今度は足元にイワカガミの花が続く。
花が多く咲いているせいか、距離があまり感じられない。気がつくと尾根の左手から沢音が聞こえてくる。尾根の取付きに下降するとすぐに車が見えた。駐車場には下山された方々が数組おられた。
帰りは菰野ICから新名神経由で帰る。こちらのルートは石榑トンネルを経由するよりも自宅までは1時間以上、早く帰りつくことが出来る。夕方18時前の時点でも京都の北山では気温が25℃もあるのだった。
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