大御影山☆天空の雪稜に


- GPS
- 04:29
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 880m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地蔵大権現の手前で夏道は斜面をトラバースするが積雪期は尾根芯を辿る方がいいと思われる。 能登又谷へのコースはかなりの急下降、最後は能登又谷の渡渉点を探すのが核心 |
写真
感想
この日は久しぶりに北陸方面まで広く晴天が期待できそうだ。雪の好展望の山を目指したいところだが、家内が子供を学校に送り出してからの出発となるので、山行先が限られる。遅い出発でも到達可能な山ということでノロ尾の高からの大御影山に至るルートを選ぶ。
ノロ尾の高は昨年の積雪期に家内と次男と共に訪れているのだが、昨年の寡雪の状態でも積雪が期待できる山ということでこの大御影山を選んだのだった。前回は白谷コースからノロ尾に登ったので、今回は松屋から地蔵大権現を経てノロ尾を目指すことにする。
この数日間、四月中旬並みの暖かい日が続いているので雪がかなり融けたことだろう。福井県に入っても道路の周囲には積雪は見られない。FM福井が福井県各地の気温を告げている。越前大野のあたりは氷点下らしいが、小浜は8度もある。積雪量は九頭竜では1m20cm以上、越前大野で1mの積雪とのこと。大野のあたりとこの嶺南地方の気候の違いに改めて驚く。
美浜でR27を右折し、新庄に向かって南下すると途端に道路の周囲に雪が増える。登山口となる松屋に至ると、県道の終点となる折戸谷川にかかる橋の手前で除雪は終わっている。折戸谷林道の入口は除雪による雪が積み上げられ、林道はそれなりに積雪しているようだ。
橋を渡ると神社の裏手から雪がつながっているので、早速にもスノーシューを履いて、尾根に取り付く。勿論、夏道は雪に埋もれてわからないが、赤紫色の美浜トレイルのテープが頻繁につけられている。
尾根は取付きこそ急登ではあるもののすぐに傾斜は緩やかになる。馬酔木などの下生もまばらであり、樹々の間隔の広い疎林を緩やかに登ってゆく。林の中には立派な大樹が目立つが朴の木のようだ。
やがて尾根の左側から植林が登ってくるが、尾根芯から右側は自然林となっている。松屋大権現が近づくと再び自然林の尾根となる。樹々の間からは背後に庄部谷山、左手には大谷山から寒風、三国岳へと続く江若国境の稜線の展望が開ける。
松屋大権現は開放感のある広々とした山頂台地が広がっている。樹木もまばらな雪原からは正面に大御影山が姿を現す。広々とした尾根は次第に二重尾根となるが、西側の尾根を辿る。暗部が近づくにつれて大御影山のシルエットが壁のように大きく立ちはだかるように思われる。
登り返しに入ると実際には尾根はそれほどの急斜面ではない。尾根には杉の樹に混じって山毛欅の大樹が次々と現れる。p812が近づき、尾根が西向きに方向を転じると尾根の樹々は疎らになり、展望が開ける。尾根の右手には雲谷山を眺めながら緩やかに高度を上げてゆく。
p812からは尾根の左手には大きな雪庇が張り出すが、尾根芯の上には草木のない尾根が続いている。雪庇に近づかないように注意しながら好展望の尾根を辿る。
振り返ると庄部谷山の彼方には野坂岳が姿を見せる。しかし、空気が霞んでおり、遠方の見晴らしが非常に悪い。山麓では霞が褐色を帯びているので黄砂の影響のように思われる。
前方にはノロ尾の高の台地状のピークに山毛欅の樹林が目に入る。この一角だけ樹高の高い山毛欅による壮麗な樹林が広がっており不思議な空間となっている。
ノロ尾の樹林を出ると大御影山までは雪庇の発達したたおやかな稜線を辿る。前回、ここを歩いた時には露出した低木が随所にあったが、今回はそのような低木の類は一切、見当たらない。
山頂の手前ではスキーによる二つのシュプールがあった。帰宅後に確認すると1/3に山スキーによるレコがあったので、その時のシュプールが残っているようだ。
そ大谷山から赤坂山を経て、三国岳、野坂岳と続いてゆく野坂の山々のパノラマはその中心に位置するこの山ならではのものである。しかし登山口からわずか二時間程度、標高1000mに満たない山にしてはあまりにも贅沢な雪稜の光景である。唯一惜しむらくはこの稜線からは本来は琵琶湖とその対岸に伊吹山が見える筈なのだが、空が霞んでいるせいで伊吹山も琵琶湖の眺望が全く見えない。
大御影山の山頂に至ると三重獄の展望が大きく視界に飛び込む。彼方に見える比良山地のシルエットも朧げに霞の上に浮かび上がっている。
下山はca820mから能登又谷の出合に向かって一気に尾根を下降する。最初は山毛欅の疎林の中、かなりの急下降ではある、北斜面のせいか雪はそれほど腐っておらず、斜面を下るのはそれほど難しくはない。高度が下がるにつれ尾根には杉の大きな樹が混ざるようになる。
問題は尾根の末端部である。末端部は明らかに崖になっているので、左右のどちらかの谷にトラバースして谷に下降しなければならない。ピンクテープがつけられている左俣に下降する。沢の周囲には雪がかなり積雪しているので沢に下降することが出来る地点が非常に限られる。前回は渡渉に苦労した覚えがないのだが、このあたりは積雪も全くなかったことを思い出す。
対岸のピンクテープを目指して無事、渡渉すると、すぐに林道の終点に到達することが出来た。林道もまだ30cmは雪がありそうだ。大日岳登山口に至る林道と合流すると途端に雪の上には多数のトレースが現れる。松屋に向かって林道を辿るとすぐに除雪終了地点となり、左手の広場には数台の作業車が集まっている。
林道の除雪終了地点に停められている車には送電線巡視中とのプレートがある。林道のトレースは送電線巡視のためのものなのだろう。あとはスノーシューを外して林道を10分ほど歩いたところで松屋の駐車地に戻った。
コメント
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山のチョイスだけでyamanekoさんとわかりました。
さすがです。
deekdeekさん コメント有難うございます。
過分なご評価、恐縮です。この日は福井の方まで晴天が広がるようであり、時間の制限がなければ嶺北や奥美濃を訪れたいところでした。これまで大御影山は何度も訪れているのですが、今回のコースは非常に魅力的だと思います。
deekdeekさんのあたりではまだ結構、積雪が残っているのではないでしょうか?
嶺南嶺北は気候が違うとは聞いていましたが、FM福井の放送を聞いて痛感しました。
yamaneko0922さん、今日は
何時もながら素晴らしいスピ−ドで歩かれていますね。今年は雪が多そうですので、雪が締まって日が長くなった頃を見計らって、久しぶりに松屋からの往復でも良いですから歩いて見たいと思っていますが、体力的に心配ですね。
この大御影山では山頂でばったりとshikakuraさんに再開した時のことを思い出さずにはおられないところです。同時にあの時、積雪期のノロ尾の話をしたことも。shikakuraさんが訪れられたのは12月の新雪の時期だったのではないでしょうか?新雪ではラッセルが大変なところですね。
今回は寒い日と暖かい日が繰り返されたせいか、雪は意外にも締まっていたように思います。周回ルートを選んでしまいましたが、おそらくピストンでも時間はほとんど変わらないと思います。安全性の点でも展望の点でもノロ尾を経由するルートの方がよいでしょうね。
地形図を見ると結構等高線が蜜ですけど積雪期ならではの歩きもできる場所なのかな。尾根も稜線もいい感じのルートですね。
道路には積雪が無く、山に入ると結構な積雪っていいですね。アプローチで不安で苦労するルートは苦手ですが、普段は松屋までの道路って雪いっぱいなんじゃ??
このお山の西側、アプローチが優しそうな三十三間山へは行ってみたいです。
ののさん コメント有難うございます。
ここは美浜トレイルとして登山道が整備されているところです。実に素晴らしい好展望の尾根であり、人気がないのが不思議なくらいです。積雪期でも松屋には集落があり、ここまではしっかりと除雪されるので、アプローチにも全く問題はありません。おそらく数年のうちには情報が広まって人気のコースになるのでしょう。
三十三間山も笹原の風衝草原が広がっているので、積雪期はパノラマ尾根となりますが、天候が荒れると暴風が吹きますし、雪の状態を見誤ると踏み抜き地獄となります。この尾根もその点は同じですが
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