南蔵王 屏風岳の樹氷原


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,164m
- 下り
- 1,171m
コースタイム
10:10 水引入道登山口(ジャンボリーコース)
12:55 水引入道
14:10 屏風岳
17:05 白石スキー場
天候 | 晴れ、でしたが… 稜線上は風速30m/s近い強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
本日は強風の為か、車両は少なめでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○白石スキー場〜水引入道 昨年末に訪れた時と比べるとピンクリボンは少なめ。 (風で外れてしまったか?) 眺望の利かない樹林の道で、トレースがある事は殆ど無し。 道迷いに注意を。特に下山時が迷い易いです。 ○水引入道〜南蔵王主稜線 南蔵王主稜線(縦走路)へ続く尾根は急登。 クラストしたらアイゼン無しでは登れないので、準備を怠りなく。 この日は気温が高く(2℃位)クラストはしていませんでしたが、 それでもアイゼンは必要、と思いました。(あとピッケルも) ○水引入道分岐〜屏風岳(縦走路) 樹氷原では踏み抜き注意。 胸の高さまで落ちて、這い上がるのに苦労しました^^; 樹氷原の途絶える東端が歩き易いですが、東面側には雪庇が発達しているので東に寄り過ぎないように。 |
写真
感想
そろそろ樹氷の季節も終わり。
シーズン最後に屏風岳の樹氷原を見たいと思っており、登山を予定していたが…
当日、天気は良く稜線上も晴れそうであるが、生憎風が強い。
朝は風の音で目が覚めたくらいで、下界でも強風が吹き荒れていた。
この強風では、屏風岳登頂のメインルートである南蔵王縦走路はとても歩けない。
そこで、そのルートは避け、風下側の水引入道経由で登るジャンボリーコースを利用し、屏風岳を目指してみた。
登りルートは、12月下旬の南蔵王周回とほぼ同じ。
白石スキー場を出発し、林道歩きを経て、水引入道へと登り始める。
まるで春山のような雪質で、あまり足は沈まない。
樹林帯はほとんど風は無く、水引き入道手前までは快適な雪山歩きであった。
しかし、水引入道の直下に差し掛かると、風は強まる。
時折ピッケルで耐風姿勢を取らざるをえないような状況であり、山頂周辺は辛い登山となった。
水引入道の山頂を通過し、水引平へ下りると風は弱まり、そこでしばらく休憩を取る。
目の前にそびえ立つ南蔵王稜線上からは、大きな風の音がひっきりなしに聞こえてくるが、その風は水引平には届かない。
強風のプレッシャーから解放され、しばらくそこで休憩してから稜線上へと進んだ。
水引平から稜線上へ続く尾根は急登で、厳しい登りが続く。
斜面自体が西風を防ぐバリケードになっているので、斜面に張り付いてしまえば、風はほぼ無風。
しかし、風が無くても辛い登りである事に変わりが無く、今日は気温が高い為、
特に最大傾斜部の通過では雪崩の危険が頭をよぎり、ヒヤヒヤさせられる。
出来るだけ休まず、一気に直登り、稜線上へと到達した。
稜線上に立った途端、強風に煽られ、再び強風の中の登山となる。
しかし、ここは見渡す限りの樹氷原が広がっており、
風を遮る樹氷があるので、煽られはするものの、先に進む事は出来る。
樹氷原の南方へ目を移せば、そこには南屏風岳、不忘山へ続く縦走路が見えるが、
快晴にも関わらず、その稜線上を歩く者は居ない。
不忘山〜南屏風岳間は風を遮るものが一切ないので、強風をまともに受けながら歩かねばならない。
流石に、そのような状況下を歩く猛者はいない様だった。
樹氷を眺めながら、先へと進み、やがて屏風岳山頂(1817m)に到着。
ここからもう少し北へ行けば、1825mピークがあるが…
この強風では、もうそれ以上は進む気が起きない。
帰りの時間も考えて、山頂で引き返す事にした。
帰りは樹氷原の中を通って、樹氷見物をしながらの下山。
樹氷原は踏み抜きが多く、胸くらいまでの落とし穴にハマる事もあったが、そこからの眺めは素晴らしい。
3月ともなれば、樹氷の見頃は終わりであるが、屏風岳の樹氷原は蔵王の中でも最も過酷な環境下にある為か、
遅い時期まで残っており、3月を過ぎたこの時期でも十分見頃と言える状態だった。
蔵王の樹氷、と言えば刈田や地蔵山の樹氷が有名であるが、屏風岳の樹氷はそこの樹氷とは様相が異なる。
厳しい風雪に晒された為か、その表情は極めて険しく、まさにモンスターと呼ぶに相応しい。
個人的には、刈田・地蔵山の樹氷よりも、屏風岳の樹氷の方が見ていて面白く感じる。
相変わらずの強風が続いていたので、あまりゆっくり鑑賞する事はは出来なかったが、
今年も屏風岳の樹氷を見れたことに満足し、稜線上を後にした。
コメント
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樹氷の表情
確かに見慣れた刈田岳の物(実際に見ることはほとんどないですが…)とは様相が違いますね。
険しい表情に見えます。
もともとこの場所は強風が吹き続けるところなのでしょうか。
快晴で写真は見ごたえあります!
強風下でお疲れ様でした。
ラピュタの雲、面白いです。
その場所でピンポイントで上昇気流?まるでかさ雲、目には見えないピークがあるのかしら。
よく知られた刈田岳、地蔵山の樹氷原とは違って
屏風岳は行ける人にしか見られない極道のアイスモンスターがいる。
そして
南屏風岳〜不忘山へのラインは雪山でも素晴らしい〜
Luskeさんのレコは本当に見ごたえあります。
わかん…私もバンドが切れて片足で歩きました。
意外と歩けるものなんですね
ラピュタの雲、つるし雲ですね。
山の風下側にできる気流の山岳波によってつくられる雲らしいです。
よく富士山に見られる雲です。
Luskeさん、こんばんは。
私も『竜の巣』見ました
多分、同じものだと思います。
だいぶ形は崩れてしまいましたが。15:23撮影
思わずカメラをとりに行っちゃいました
つるし雲と言うんですか。
さすがmeikenさん、もの知りですね
私の近所では、何かの前兆かもと騒いでました
屏風岳周辺は、蔵王の中でも最も風の強い領域です。
冬ともなれば、毎日のように強風を受け続ける為、樹氷たちは強面揃い。
愛嬌は期待できませんが、過酷な環境に耐え抜いた彼らの表情は実に逞しく、見ていて元気が湧いてきますよ^^b
ラピュタ雲、とても不思議な眺めでした。
霧氷に、ブロッケン現象、そしてこの雲、と今期の雪山登山は自然現象に恵まれてます。
快晴にはあまり恵まれてませんでしたが、今期も思いで深い積雪期でした
樹氷も素晴らしいですが、南屏風岳〜不忘山のラインも良いですね。
何度見ても、このラインには惚れ惚れさせられます。
ですが、その美しさとは裏腹に、強風ともなれば魔の領域に変貌します。
その強風は、背中に背負ったの15kg近いザックが浮き上がるのを感じる程。
強風時は、要注意の山域であります><
ワカンのバンド、そう言えばmeikenさんも泉ヶ岳で切れてましたね。
あのバンドって、単品で売ってないんですよね。。。
どう修理しようか、悩んでおります
あの雲、つるし雲、と呼ばれるのですね。
教えて下さってありがとうございます。
それにしても、山岳波、ってすごい名前ですね。
まるで必殺技みたいです(笑)
写真、ありがとうございます。
私が見た雲と一緒ですね!
レコに載せた写真の撮影時刻を今調べてみたところ、奇遇な事にmikiさんが撮影した時刻と同じ15時23分でしたので、間違いなく同じ雲だと思います。
見たことが無い雲だったので、私も何かの前兆かと少し不吉な気持ちになりました。
幸い、その日は何事も起こらなかったのですが、その翌日は大荒れの天候になったので、もしかしたらその前兆だったのかもしれませんね。
あ、そういえば下山でワカンバンドが切れてましたが・・・
まぁ、これは関係ないですよね^^;
こんばんは、Luskeさん。
素晴らしい写真の数々にコメントさせて頂きました。
昨日山形側から樹氷を望みに行ったのですが、
強風のためロープウェイ運休により間近に見る事ができませんでした。
いやぁ、これは凄い造形ですね。
樹氷がなぜモンスターと呼ばれるのかが、このLuskeさんの写真でわかった気がしました。
良く見る蔵王の樹氷はこんもりとして樹氷が発達した程度?の認識でしたが、
この数々の写真は違いますね〜
風の通り道で、荒くれだった表情はまさに鬼の顔!
強面揃いというのも納得できます。
来シーズンは仙台側からチャレンジ望んでみたいですね。
素晴らしいレコありがとうございました
日曜日は、私が登った土曜よりも更に風が強かったようで・・・
わざわざ遠くから来られたのに、残念でしたね「
来シーズン、蔵王に訪れた際は、天候に恵まれる事をお祈りします。
屏風岳の樹氷は、中央蔵王の樹氷に比べると知名度は低いですが、私としては蔵王の中でももっとも素晴らしい樹氷原だと思います。
ぜひ、強面だらけの樹氷が立ち並ぶその光景を直に見て頂きたいものです。
今回私が辿ったルートは、利用者が少ない為、樹林帯では迷い易く、稜線直下の急登があるので、あまりオススメできるルートではありません^^;
先週のレコで歩いた不忘山経由の縦走路ルートの方が眺望も良いのでオススメです。
ですが、この水引入道コースは、風が強くてもなんとか行けるところが良いところ。
稜線上で強風に捕まった際のエスケープルートとして覚えておくと良いと思います^^b
強風の中お疲れ様でした。
樹氷リベンジ成功ですね
晴れていると映えますよね!
自分も樹氷原に行ってみたくなりました。
数が違いますもんね!
個々に表情?があって面白いですし。
屏風岳、南屏風岳はとても綺麗。
いつかレベルが上がったら登ってみたいです。
それまではレコで楽しませてもらいます
Luskeさんのレコは週刊なのでチェックし忘れないようにしないと!!!
積雪期に入ってからは山行頻度が増え、最近は週刊になってますね
雪山登山が最も好きなので、夏よりも冬の方が登山回数がどうしても多くなります。
これから残雪期になると雪崩の危険が出てきますので、しぶしぶ見送り、なんて日もあるかと思いますが、しばらくはこのペースで行きたいと思います。
積雪期の屏風岳は往復10km以上のロングルートなので、私は大抵1泊で登ってます。
ですが3月ともなるとラッセルの労力も無くなり、今回のように日帰り登頂も可能になるかと思います。
3月だと樹氷の状態が気になるところですが、運が良ければ立派に育った樹氷が見れると思いますよ^^b
ぜひ、いつかWebberさんにも屏風岳の樹氷原、見て頂きたい!
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