荒船山・立岩縦走周回〜岩稜と紅葉に映える西上州


- GPS
- 08:46
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,648m
- 下り
- 1,633m
コースタイム
- 山行
- 7:07
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 8:46
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・艫岩北端は断崖となっており転落注意。 ・立岩分岐〜威怒牟畿不動下降点までは、踏み跡やマーカー少なく道迷いしやすい。 ・威怒牟畿不動降下点〜立岩、ヤセオネと急坂、鎖場の連続。 ・田口峠分岐〜星尾峠、登山道が崩壊し道迷いしやすい。踏み跡が薄い沢沿いを歩んでいく。 |
写真
感想
平野部は秋晴れが続く。青空のキャンバスには、絵筆で書いたような薄い筋状の上層雲。空が青く高い。一方山間部はまだまだ曇りがちで、ガスに覆われている。紅葉も山麓へ下りてきて、沢沿いや渓谷沿いを染め抜く。あと一か月もすれば白い世界がやってくる。
切明かアヤメ平かで悩んだが、曇り模様。秋以降は晴天率が高い西上州。紅葉も始まっているだろう。今月のヤマレコおすすめルートにもなっている荒船山へ。
荒船山と兜岩山だと午前中で終わってしまいつまらないので、立岩と線ヶ滝まで行って星尾経由で帰ることにした。峻険な岩稜と紅葉が美しい西上州を散策。
自宅を4時30分に出発。254はバイパスが吉井まで通ったので、下仁田へのアクセスが良くなった。神津牧場入口で朝焼けの空、モルゲンの艫岩を眺める。南下して荒船山登山口駐車場へ。一台先行車がいるが、先に6時に出発。気温5℃。
薄暗い樹林帯を黙々と歩いていく。下の紅葉は始まった程度。国道254号を走るトラックが、足下の内山トンネルへ吸い込まれていく。鋏岩修験道場跡の大岩の絶壁を見上げる。
岩稜帯を越えると頂上台地に出る。ブナやミズナラの黄色い紅葉が眩く出迎える。艫岩展望台へ。見晴らしの良いテラスとなっているが、すぐ下は断崖絶壁。毎年転落死者が発生するので要注意。覗き込まない。
噴煙を上げる浅間山が目前にあり、八風山や日暮山、妙義山など西上州山稜が続く。西には北アルプスの白い山並み。上越や頚城、後立山はガスですでに見えなかった。
寂れた休憩所をあとにして、頂上台地を南下していく。雑木林なので黄色い紅葉が多いが、カエデやアカヤシオの木々の赤い紅葉も点在する。荒船山経塚山山頂に到着。八ヶ岳の雪はもう解けてしまったようだ。
ヤセオネの急坂を下りこんで立岩方面へ向かう。二ホンジカの寂しい鳴き声が頻繁に聞こえる。クマの気配はしない。目撃例が多数寄せられているようだが、どうやらまた避けられているようだ。
立岩分岐までは尾根伝いに行けば良いのだが、そこから先は巻き道やコルのような広い場所もあり、踏み跡やマーカーも少なく道迷いしやすい。大きな岩稜を巻くように下った個所も土砂崩れなどで崩壊し、踏み跡が不明瞭。
威怒牟畿不動下降点の案内標をさらに南下する。ここからはヤセオネと鎖場の岩稜帯。目の前には立岩が見える。足場の悪いヤセオネの急下りから、両側が切れ落ちたヤセオネを歩くとジャンダルムを西へ巻く。
西立岩に取り付く。鎖場が連続するが大したことはない。西立岩山頂からは、美しい眺望。青く高い空に峻険な岩稜と彩られた紅葉が素晴らしい。秋の西上州らしい景色。
立岩から下山する。南側も急坂となり下っていく。東立岩が見えると西立岩の西面の岩稜帯をトラバースするような道となる。靴幅程度しかない20mの鎖場トラバース。下は見えているが断崖で切れ落ちており転落注意。その先はルンゼのゴーロ帯。下りきるとスギ林となる。
星尾川のせせらぎが聞こえる。台風の災害で、朽ちた橋すら流されて無くなり、登山口まで二度渡渉する。下って線ヶ滝へ。線状の白い滝が美しい。東屋に戻って昼食。
今日は上州牛のすき焼き。豆腐、春菊、しいたけ、ネギなども入れる。甘辛い割り下で煮込んだ牛肉を溶き卵で食べる。うまい温まる。〆は白米を投入して煮込み、溶き卵で綴じておじやにして食べた。牛肉のだし汁を吸いこんだ白米が卵でコーティングされ最高に美味い。
軽くなったザックを背負い、重くなった腹を抱えて田口峠方面へ。ここから荒船山まではほぼ登り道となる。標高差600m。ほぼ樹林帯の中を歩き、木々のすき間から立岩と高岩が時々覗く。
朽ちた橋や金属の橋を渡り、沢沿いから高度を上げる。大きな岩稜を西へ巻いて行くと開けた場所に出る。ここから踏み跡が不明瞭でマーカーも少なく道迷いしやすい。しかもここから先は、登山道が土砂崩れで完全に崩壊しており、沢沿いをルーファイしながら歩いていく。
田口峠の作業道に出るが、再び平坦な地となりルーファイしながら星尾峠まで歩んで行く。木階段や土留めが散乱した沢沿いを北上して行けば目印になる。巻くように星尾峠に到着。見上げる紅葉が美しい。さらに登り経塚分岐から頂上台地に戻る。
西に傾いた日差しで紅葉の彩も変わる。登山道を外れ西側の紅葉地帯を歩く。見上げる色彩の美しさに佇む。東側にも行きカエデやミズナラの紅葉を楽しむ。艫岩展望台へは寄らずに下山。
午後1時を過ぎ、やはり紅葉時期なので登山者が多く、そそくさと抜いて行く。内山峠までは緩いアップダウンが多いので、下山は何気に足に来るのだろう。皆さんゆっくりだった。
15時前に内山峠駐車場に到着。マイクロバスが停まっていた。登山会だろう。抜いていった登山者がマイクロバスに乗りこんでいた。着替えて帰路へ。
帰りは254の渋滞を考慮して下仁田ICから高速。高崎まで20分以上短縮できるのだ。なけなしの金で時間を買う、タイムイズマネー。金は天下の回り物と言うが、私の目の前を過ぎ去って行くのは、回っている証なのだろう。留まることを知らない。
16時30分には帰宅し荷物を片づけ、部屋から荒船山を見た。黄昏時の良い景色が見えたので、近くの陸橋から景色を眺めた。黄昏色に染まる艫岩を見ながら、今日の美しい景色を思い出していた。
コメント
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growmonoさん
こんばんは
一日で2回分の荒船山登山!
growmonoさんでないとできませんね。
さすがです。
お疲れさまでした。
おはようございます、iiyuさん。
少し早いかなと思っておりましたが、上の方は最盛期手前くらいで良かったです。11月上旬がベストですね。せっかくなので立岩と線ヶ滝も併せていきました。荒船山以外は人と会う事がなく、静かに一人で楽しめました。
こんにちは、growmonoさん!
西上州の紅葉が綺麗ですね!岩山と紅葉の様子がとても素敵でした。自分は岩山に苦手意識が有るのですが、レコを拝見させて頂くとやはり西上州の渋い景色も実際に自分で見てみたくなります。特に荒船山はそろそろ紅葉が見頃かなと考えておりました。growmonoさんとニアミスだった三ッ岩岳の紅葉も気になる所です!
最後にiiyuさん、yasioさんと同じ事を言ってしまいますが、growmonoさん凄いパワーですね!恐れ入ります・・・
こんばんは、JMSさん。
上越県境方面へ行きたかったのですが、ガスで止めました。晴天確実の西へと思い、直ぐに荒船山が浮かびました。少し早いかなと思いましたが、下の方はまだまだでしたが、上の方は良かったですね。頂上台地は来週あたりがベストです。
JMSさんとニアミスした三ッ岩方面はまだ標高が低いので、11月上旬以降ですね。時折り黒いジムニーを見るとJMSさんかな?と思ったりしています。岩山が苦手意識ですか?私も身体が重いので、岩稜帯はいまいち好きではないですが、妙義山の稜線縦走もまだまだ行けます。
このコースは立岩からの景色が好きなので、お気に入りです。ただ線ヶ滝からの緩い登りは、景観の少ない樹林帯と獣の気配を感じながら延々と続くので、強固なメンタルが必要です。
growmonoさん、こんにちは!紅葉、きれいですね。そして、鍋がうまそう。下山して食べたのかと思いきや、東屋でこんなの食えたら下山がイヤになりそうです。紅葉はどんどん南下&下界に移ってますね。街路樹のイチョウも黄色くなり、街の紅葉もあと少しですね。
こんばんは、yamaonseさん。
赤城山レコ拝見しました。良さそうですね。私もバスで箕輪まで行ったことがありますが、最近は金欠で自転車デポですね。昨年も行きました。もう少ししたら、姫百合から不動大滝経由で調子の伽藍へ行き横引き峰で小沼へ至る、得意の縦走コースでも歩いてみたくなりました。
上越県境がガスでしたので、安定した快晴の西上州にしました。荒船山は標高が高いので、紅葉しているだろうと期待していました。頂上台地は最盛期少し前で良かったです。立岩方面も紅葉彩る眺めが素晴らしかったです。
鍋は、近所のJAファーマーズで上州牛の薄切りが安かったので、すき焼きにしようと色々と買い込みました。線ヶ滝の東屋で食べました。下山というのは概ね当たってますよ。ただそこから内山峠に帰らなくてはなりません。食後で緩い登りが7km続きます。
市街地のハナミズキが赤茶色できれいですよね。ケヤキウォーク周りのイチョウもそろそろ黄色になりますね。銀杏が・・・。
growmonoさん、こんにちは😃
いい山行でしたね〜
荒船山はもちろん、その先の山々の紅葉も美しく、独特な山容も面白いです。
西上州の山は岩岩していて特徴がありますね。
荒船山は前から興味があり、なかなか行けずにいますが、紅葉は来月の初旬まで大丈夫ですか?もし、お休みとお天気が重なったらラストチャンスに行ってみたいと思います。
夕陽の中の艫岩が素晴らしい!
家から見える、贅沢な景色ですね。
お疲れ様でした✨😊✨
こんばんは、grindelさん。
西上州や浅間などは、秋以降の季節は晴天率が高いんですよ。厳冬期は八ヶ岳や浅間山がいつも第二候補です。碓氷峠や内山峠は、標高差のある長野から雲海や滝雲も良く出現します。
群馬側長野側から見ても戦艦のような形をしているので、直ぐに同定できます。ただ、山頂台地以外は峻険な岩稜帯が占めます。表裏妙義が良い例ですね。またメジャー以外はあまり整備されていない登山道でもあります。道迷いが多いです。
荒船山の頂上台地の紅葉は11月初週がベストです。今年は例年と比べ少し遅い印象です。ですので、中腹の岩稜帯や沢、尾根も色付いてきてると思います。立岩までは厳しいと思いますが、荒船不動から行けば短時間で艫岩や山頂に行けてます。
grindelさんは山梨からお越しになるので、アクセスもそちら側からの方が良いと思います。星尾峠は素晴らしい紅葉でしたよ。兜岩山やローソク岩もあり、高岩や立岩も眺められるので良いです。カエデやアカヤシオが多いので赤い紅葉が美しいです。
自宅は前橋市の平野部ですので、赤城榛名妙義浅間はもちろん、秩父奥武蔵山稜、八ヶ岳連峰、草津志賀、仙ノ倉や谷川岳、日光連山などほぼ目視で見ることが出来ます。部屋の窓からは浅間山がいつも見えています。
今日の上信越県境山稜は降雪しており、平野部は冬型のからっ風が吹いています。今週末行かれるとなると、艫岩展望台から冠雪した浅間山や志賀草津、谷川武尊が良く見えると思います。土日の予想では晴れですので、紅葉と相まって美しい景色になりそうです。
線ヶ滝から立岩〜経塚山ー艫岩〜星尾峠〜威怒牟畿不動ー線ヶ滝までは、何度か歩きました。昨年の11月に同じコースを歩いたときは、田口峠分岐から線ヶ滝までの右岸コースを歩いた方と下山後話す時間があり、かなりの荒れ方だと言う部分だけ覚えていました。倒木・沢の洗掘をサッと乗り越えられたのでしょう。私は、そういう難しい場所の通過は時間がかかりすぎ、技術的にできかねるので、いつも反対回りで威怒牟畿不動経由の周回しかしてません。立岩への上りも、そうです。ゴーロ帯や鎖場の通過も、下りでは私ならケガするでしょう。それで上りで使っています。立岩からの展望はとても好きなので、新緑か紅葉に時期にまた歩きたいと、もう来年の候補にいれてます。
レポ、楽しませて頂きましたし、予備知識が増えました。
※、 荒船から兜岩山までの県境稜線も、紅葉がきれいです。
こんばんは、suro-ninさん。
今年も行ってきました。私の歩いたコースが右岸コースですね。倒木と土砂崩れがいくつかあります。ただ普通に迂回できたり、地図と小さな勇気さえあれば行けますよ。立岩のトラバースは曲者ですよね。登りなら高度感もそれほど感じないですよね。私も立岩からの景色が好きですね。紅葉時期がやはり良いと思います。ぜひ来年訪れて下さいね。
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