別世界 ... 宝川の源流ナルミズ沢(東黒沢から周回)


- GPS
- 17:10
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,873m
- 下り
- 1,870m
コースタイム
- 山行
- 6:42
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 6:51
天候 | 9/21 午前: 曇り時々霧雨 午後: 曇り時々晴れ 13C°|16C° 9/22 群馬側: 曇り 新潟側: 晴れ 13C°前後 https://tenki.jp/past/2020/09/21/chart/ ↑秋雨前線が南下し北の高気圧圏内。ただ台風(反時計回りに回転)が押してる横縞ラインは東風で、日本海の空気とぶつかる谷川周辺は弱い収束線エリア。大きく崩れはしないです。 --- 国交省 川の防災情報 - 群馬県利根郡みなかみ町 雨量レーダー http://www.river.go.jp/kawabou/html/map/gk/1001/1001449/ipGaikyoMap_tc1001449_fw0.html 地図より宝川(雨量)を選択すると、直近1週間分の数値データも見れます。 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
土合橋の横から入ります。車を前夜泊めて仮眠。翌21日の早朝には満車でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
東黒沢は入門、ナルミズ沢は「日本3大デート沢」と呼ばれていますが、いずれも水量によって難易度は大きく変わります。振り返った詳細はページ下の感想に書きました。 |
写真
感想
9/21、9/22ともに平水〜やや少なめでの単独遡行です。実に変化に富んだ景色に恵まれた遡行でした。
<東黒沢>
ハナゲの滝は右岸を登り、途中から巻き登山道(キャニオニングツアーでも使用)に入れました。
標高870m二俣手前のゴルジュは倒木は流されて無くなった模様。進むと一気に深くなったので左岸から高巻き道に入ったのですが、下降が悪かったです。セルフビレイは取って探りましたが、最善手はそもそも小さく巻けたと思います。
2段7mヒョングリ滝右壁のトラロープは引き上げられており、下降時に使って下さい的な印象。右壁からは易しい登りでした。
2段10x20m滝の下段は右から釜をへつって取り付きます。その上は傾斜が緩いので、登るというよりは歩くイメージ。長大なナメへと続きました。
源流に近づくと小滝が四つあり順に、2条2m滝(右から)→ 倒木のかかった3m滝(丸太渡りし正面から)→ おにぎり岩4m滝(流芯左横から)→ ハング3m滝(右から高巻きして)登りました。
詰めは丸山乗越直下まで踏み跡濃く、藪は多少かき分けるも戦うような感じではないです。密藪だった場合は手前どこかでルートロスしてるはず。全体を振り返っても、大きな蛇行と連続する二俣でのナビゲーションが鍵。曇天でも明るく大きなナメが印象に残った沢でした。
<ウツボギ沢支沢下降>
東黒沢は易しいのですが、下降も沢という点は注意。丸山乗越からすぐ明瞭な踏み跡となり、そのまま小沢へ。後半に高低差2-3mの小滝のクライムダウンが数箇所出てきました。そのうちの1本はスタンスが微妙で、立木に残置シュリンゲあり。片手補助が欲しかったので、自分のテープシュリンゲをダブル掛けで延長して使用。ウツボギ沢を合わせると広河原となり、ナルミズ沢合流点にはテン場がありました。ここから登山道を下ると宝川温泉へと下山できます(その場合、車の回収は土合橋まで路線バスで戻る必要あり)。
<ナルミズ沢(広河原〜大石沢出合)>
右岸の登山道を分け、せせらぎを進むと急に渓相が変わって最初のゴルジュが現れます。巻き道は左岸に明瞭な道があるのですが、私は巻き始めが手前過ぎて余計に深藪を漕ぐ羽目に(反省)。
ゴルジュを通過した先がハイライトで、エメラルドグリーンの大釜と小滝が交互に続く、どこかの特別名勝にいるような別世界でした。石灰岩質や温泉水という訳でもなくこんな色なのは、滝壺の水深が異常に深い=増水すれば凄い鉄砲水と想像。ただ浅瀬も透明度が半端なく、時々水深を見誤って腰までちゃぷんと浸かることも。谷川岳の天然水と云われるだけあるな。。。と本当に実感しました。
黒茶2色の幅広ナメ滝はヌメるかどうか不安だったので、右岸を小さく巻きました。他は川岸の左右をへつったり、少し登っては長く歩いての繰り返しなのでサクサク進みます。
等高線1240m付近には登山道へ上がれる道がありました。
大石沢出合には美しい釜を持った滝があり、左岸の草付き斜面にはミニサイズの展望一等地があります。空いていたのでそこに投宿。その手前の草原に1箇所と、滝を登った先にも2箇所、数人パーティでの宴に良さげなテン場がありました。
<ナルミズ沢(大石沢出合〜1460m二俣)>
易しい小滝のあと左右に分かれたトイ状を通過。その先に大釜を持った黒い滝。反時計回りが近づきやすいものの、時計回りにへつって左から越す方が簡単でした。
次に穏やかな小ゴルジュ。左岸側の水深が腿程度だったのでそのまま難なく歩いて通過。
次はS字ゴルジュ手前の2段滝。1段目を左から登って落ち口を対岸へジャンプし、へつって少し制約のあるホールドで直登。ボルダリング課題と似てました。
S字ゴルジュは迷わず左岸の明瞭な巻き道に入りました。道は確かにどろ沼状態でしたがフラットで、出口も安全です。
魚止の滝8mはステップ状で、垂直ではなく三角定規を立てた感じ。右壁凹角から拍子抜けするほどあっさり登れました。
その後はしばらく小滝&小釜が続いてゴーロとなり、小さな幕営跡を過ぎて二俣手前の10mナメ滝。ここは釜の左からへつって近づく際にスタンスが遠く、体重移動の際に気をつけたいムーブが1箇所あります。取り付いたら流芯左に沿って登りきるとすぐ二俣。右へと進みました。
<ナルミズ沢(1460m二俣〜稜線)>
いよいよ源流へ。小滝 → 小ナメ → 小滝のあとナメ滝が何段も延々と続き、上には越後烏帽子が立ちはだかりアルペン的な雰囲気に。標高1500でもやっぱり越後山脈は違うなあ。その先に8m滝がありヌメっていたので左岸の巻き道へ。急登してザレ場に出たら左方向へ笹藪を慎重にトラバースすると落ち口に着地します。
さらに明るいナメが続いたあと、ラストに三つ滝が出てきます。全部巻けると書いてる方いますが、急な草付なのでむしろ滑落しそう。一本目は長い3段トイ状で1段目はパス。右岸の踏跡を登り隣の小沢を使って沢床に降り、2段目から直登。次のニ本目は左から楽々。三本目は落差3m位ですが、慎重に慎重を重ねたラストムーブで流芯の左側をクリア。そして天国の詰めへ。広大な草原が秋風にそよぐ。こんな素晴らしい沢詰めもあるんだ…と感動しました。
<大烏帽子山〜越後烏帽子〜朝日岳>
大烏帽子山へは道らしき道はないのですが東斜面が草原なので、ナルミズ沢源頭から素直に真っ直ぐ目指すのが気持ちよくて楽です。私は何故か県境を藪漕ぎで登ってしまいました。
朝日岳方面へは腰か胸丈ほどの笹薮の下にしっかりした踏跡があり、外すと足運びが重くなる(茎が引っ掛かる)のですぐに分かります。越後烏帽子の頂上から主稜線は南西に曲がるので注意。大烏帽子山の往復を含めて、この藪漕ぎ区間は2時間くらいかかりました。
<朝日岳〜笠ヶ岳〜白毛門〜土合橋>
馬蹄形縦走路の整備された登山道。一般登山でも長丁場とされるコースで、ラストは標高差の大きな急坂。底のしっかりしたアプローチシューズを用意するのが賢明と思います(mont-bellのサワタビで全部通したところ足裏が痛たたたw)
…ということで、無事遡行することが出来ました。シルバーウィークでしたが、大石沢出合で泊まってたパーティは私入れて4組くらいだったと思います。思ったより静かでした。
今回は普段以上に周到に下調べしたので、いつも希少な情報アップいただいてる方々への感謝の意もこめて、本レコも誰かの役に立てたら幸いです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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こんにちは!
夏の南アルプス大縦走もそうですが、ほんとにたまーにあがるレコの一つ一つが珠玉の内容でいつも本当に素晴らしいと感じます。私みたいに、毎週、手当たり次第に簡単なハイキングで山に行くのと違って、このように計画を丹念に練って実行に移される実力や経験は一朝一夕には身に付きませんね。
私もこの山域は、冬は厳しそうですが、一度、スキーで滑りたいと思っています。
ご一緒にいかがですか笑。
こんばんは。
いつもコメントありがとうございます!四季を通じて毎週山に通うバイタリティ、羨ましいです。私は出不精で、自分で上げたレコのうち無雪期を数えたら引退に向かってるという…汗
スキーは別腹なので、沢詰めから眺めた布引山は頭から離れずに少し調べちゃってます。笑
来春行けてもし日程あえば良いかと
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