風越山☆森の妖精を訪ねて


- GPS
- 04:54
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 611m
- 下り
- 979m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
日中の予想最高気温が38℃から35℃ほどになると朝はそれなりに涼しく感じられる。家内の都合がつくというので久しぶりに一緒に出かけることにする。当初、若狭の雲谷山か野坂岳を考えていたが、家内が涼しいところがいいというので、少し遠いが思い切って風越山に出かけることにする。蓮華升麻が見られることで以前より気になっていた山である。
上松の駅にはしなの号の始発だけは停車する。特急の車外に降りると空気がひんやりしている。
駅前には一台のみタクシーがいた。タクシーで登山口に向かう。風越山の上の方は雲の中だ。この日は午後から雨の予報なので、午前中のうちに早いところ下山したいところである。
タクシーで登山口が近づくと、濃い霧の中に入って行く。登山口には既に一台の車が停められていた。登り始めると霧がみるみるうちに晴れてゆく。林の中に差し込む朝陽の霧の中に薄明光線を投射するが、霧が薄れるにつれて薄明光線の光の筋の幻影のように消えてゆく。
足元にはヤマジノホトトギスが数多く咲いている。中心部の花が薄紫色の紫陽花も数多く見かける。玉紫陽花らしい。いざ花々の写真を撮ろうと思ってカメラを取り出すと、何と「カードがありません」と表示が出る。前日にPCに取り込んだまま、カメラに戻していなかったのだ。この日はもう一台のコンデジを用意していたので、そのSDカードを使うことが出来る。
登山道から少し離れた斜面に一株、小さな薄紫色の花を家内が見つける。近づいてみると、蓮華升麻であった。斜面に咲いているので、程よく下から花を覗き込むことが出来る。外からみると薄紫色の花に見えるが、下から見上げると中心部に濃紫の部分と外側の白い半透明の花弁のコントラストが鮮やかであり、白から紫へのグラデーションも幻想的である。さすがに森の妖精の異名をとる花だ。この花に出遭えただけでも京都から足を運んだ甲斐があったと思えるのだった。
ところでヤマレコの情報では花の周りには虻が多いということであったが、確かにすぐにも虻が現れる。最近の数回の比良への山行ではいずれもブヨかアブに咬まれて大変な目にあっているので今回はskin vapeとアロマ(perfect potion)の二種類の虫除けを用意してきた。果たしていずれに効果があったのかは分からないが、私の周りに群がる虫の数は急に少なくなったようだ。
意外にも早々と蓮華升麻が登場したので、その後も花に出遭えるかと期待したが、花は一向に見当たらない。急登が続くが、ヤマジノホトトギスに替わって足元には節黒仙翁が多く現れる。赤橙色の花はよく目立つ。
尾根がなだらかになると好展望地が現れる。カヤトの丘と呼ばれるところのようだ。晴天の予報ではなかったが、遠くまで青空が広がっている。すぐ近くの御嶽山には山頂部にはしっかりと雲がかかっている。
少し登ると好展望のピークに小屋が建っており、その前でトレラン・スタイルのマダム達とすれ違う。既に下山されるところらしい。ここも南側に好展望が広がり、彼方に南木曽岳を望む。手前にある山は地図で確認すると糸瀬山という山に思われる。これから進む稜線の先には蕎麦粒岳の姿が見える。
小ピークは風越の頭という場所だったのだろうか。ここからは尾根は急になだらかになり、足元には小さな白い花が咲いている。蟹蝙蝠(カニコウモリ)や奥紅葉白熊(オクモミジハグマ)の花のようだ。山頂が近づくと樹林の中には半ば枯れかけた笹原が広がり、花は全く期待できない。風越山の山頂は山名標がなければ通過してしまいそうな地味なところであった。
相変わらず空は晴れているようだ。アルプス展望台と記された道標があったので訪ねてみる。小さなピークの上に上がると正面に宝剣岳を望み、左に木曽駒ヶ岳、右に三沢岳と壮麗な稜線を展望する
再び風越山に戻ると蓮華升麻の群生地として知られるp1486を目指して尾根を下降する。檜の樹林を下るが、さすがは木曽の山、檜の木々が非常に立派だ。しかし、意外と急下降が続く。
群生地が近づくとラジオと熊鈴の音がする。一人の男性の方が蓮華升麻の花の写真を撮っておられた。男性はこの尾根を下から登ってきたらしい。滑川の渡渉は如何でしたと聞くと、靴を脱いで渡ったとのこと。
近くにもう一株、蓮華升麻を見つける。ヤマレコでもこの蓮華升麻の写真を撮るのが難しいとのコメントがあるが、登りで見かけた花は斜面で下から見上げることが出来たら良かったが、ここは斜面ではないので下から花を見上げて写真を撮るのが実に難しい。一眼レフのモニターを反転することが出来るのでカメラを花の下から差し込んで焦点を合わせることが出来るが、さなくば地面に寝転んで撮るしかないのではないだろうか。
写真を撮っているうちに靴下の上のところをブヨに噛まれたようだ。虫除けが効いているせいか虫が少ないように思っていたが、ズボンの裾から入り込んだらしい。
写真もカードの残量がなくなってしまったところなので、そろそろ引き上げる潮時だろうか。気がついら家内も額をブヨに咬まれていた。
下山のコースは家内が風越山への急登をもう一度登り返すのは嫌だというので、このまま尾根を下ることにする。先に降りて行かれた男性の後を追いかける。
尾根は下生えのほとんどない自然林が続く。踏み跡はあってなきが如しではあるが、オレンジ色のテープがついているのと尾根筋が明瞭なので、ルート・ファインディングに苦心することはない。
尾根が下部になるとテープは左手の植林の斜面へと下ってゆく。最後は小さな谷を降り、滑川の河原に降り立つ。渡渉しやすいところがないかと思って上流に向かって河原を歩くがやはり靴を脱がなければ渡渉するのは難しい。
無事、渡渉して林道に出ると上松Aコースの登山口のすぐ近くであった。時間は12時過ぎ、次の中央線の列車は14時08分までないので、急いでも仕方がない。寝覚の床を目指して歩く。日向は日差しが強く、さすがに暑さが押し寄せてくるが、日陰に入ることが出来ると涼しさを感じることが出来る。目の前には青空が広がっているが、背後の中央アルプスの稜線には厚く雲がかかり、明らかに雨が降っている気配だ。
寝覚の床の手前R19と平行に走る道はかつての木曽路の旧街道のようだ。レトロな家並みが立ち並ぶ。今は営業している風はないが、寿命そばとのある古い建物の上には旅館「越前屋」と看板があり、古い旅籠の雰囲気だ。その角を曲がり、R19に出ると目指す蕎麦屋「越前屋」がある。
店内に入ると木曽川の方から涼しい風が間断なく吹き込む。古風な店内にはエアコンがない。ここは冷房は必要がないところのようだ。盛り蕎麦に蕎麦寿司、蕎麦がきと蕎麦三昧を楽しんだ後、上松の駅に向かう。駅前の酒屋で木曽路の特別純米と七笑の純米生原酒を手に入れて、駅に到着すると、すぐに中津川行きの各駅停車が到着する。
空は限りなく晴れているように思われたが、途中、大桑の駅を過ぎると急に空が曇り、大粒の雨が車窓を叩く。やはり山から早く降りてきて正解だったようだ。
蓮華升麻、見たいです。けど四国には咲かないのでしょうね⁉️
ついでに、私の虫除け対策です。
当然虫除けスプレーはしますが、帽子は白、上衣も白系にしています。
以前に子持権現のホンガケ道に行った時、黒い帽子の山友さんな頭の回りは虫がいっぱい飛んでいて、白い帽子をかぶっていた私の回りは少ないのです。
それで夏は白系にしています。
先日の大登岐山山頂もアブの大群でしたが、思った以上に、しつこく寄って来なかった気がします。
当たり前のことで、対策済みならごめんなさい。
sea1020さん コメント有難うございます。
四国には黄蓮華升麻が咲くじゃないですか
私は植物園以外では関西では黄蓮華升麻を見たことがありません。
虫対策のコメント有難うございます。さすが四国霊場巡りをされておられたsea1020さんですね。アブが黒を好むということは知っておりましたが、虫の多いところは服装に気をつけるように致します。
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