南八幡平 曲崎山 (渇水の玉川ダム湖側より)


- GPS
- --:--
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 1,388m
- 下り
- 1,388m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
宝仙湖(玉川ダム湖)にかかる男神橋を渡って対岸へ。小和瀬川沿いの林道を遡っていく。大沢と小和瀬川の林道分岐に車を止めた。地形図に載っている大沢沿いの林道は、初めは良かったが、やがて下草をかき分けて進む道となり、右手の沢へ崩れている個所もあって要注意。踏み跡ははっきりしているが、足元は草で見え辛い。 大沢が二股となる、その間の尾根を急登する。道はしっかりしており、藪もない。999mピーク付近で南八幡平縦走路と合流する。 南八幡平縦走路は少し藪っぽい所もあるが、しっかりした道。 |
写真
感想
例年お盆も過ぎる頃になると、日中は暑くても朝晩は涼しくなって秋の気配を感じるものだが、今年のこの暑さはどうしたことだろう。雨も少なく、玉川ダムでは水位低下のため1990年の運転開始以来初めて、発電を止めたという。玉川ダム湖(宝仙湖)が干上がってきていることが報道され、ダム湖に掛けられた男神橋には、ダムに沈む前の道路などが浮かび上がった姿を見ようと、夕暮れでも結構な人が訪れていた。私も車から降りて、めったに見ることのない光景を眺めた。はるか上流へ続く谷底が夕日に照らされる。そこにまるで砂漠の中を流れる泥の川のような流れがうねって延びている。昔、ダムに沈む前にこの寂しい谷を車で走ったことを思い出した。
tooleさんの八幡平から裏岩手縦走路のすばらしいレコの中で、大沢森を過ぎて999mピークから下山しそうになったという記載があった。もしかしたら、玉川ダム湖方面から道が作られているのではないだろうか?そう思ってネットを探してみると、1件記録を見つけた。私は裏岩手縦走路やこの南八幡平も歩いたことがない。玉川ダム湖も見たいし、この機会に歩いてみることにした。
暑い時期は早立ちするに限るが、林道を間違えて戻ったのと、車中で仮眠したことで出発は遅くなった。まあ、適当なところで引き返すピストンだからあわてることはないか。林道はやがて背丈ほどもある下草をかき分けて進む道となったが、この夏も何人かに歩かれている気配だ。
大沢を左岸に渡り、二俣に分かれる、その間の尾根に取り付いた。驚いたことに、かなり踏み込まれた、しっかりした道が付いている。どうやら自分が知らなかっただけのようだ。左下の沢から鈴の音が聞こえ、下ってきたパーティの姿が見えた。
急登を終えると南八幡平の縦走路に合流。深い森が続き、展望を楽しめたのは曲崎山への登りと下りだけだった。お会いしたのは女性2人パーティのみ。「初めて人に会った」なんて、顔を見ながら言われてしまった(笑)。
八瀬森山荘そばの湿原で大休止。静かだけど風もなく暑かった。帰りの曲崎山への登りで大展望を楽しむ。八幡平の長〜く平らな稜線に向かって緑の波が広がっている。ただただ広い。
先日痛めた膝をかばいながら、再び深い森に入って下りていく。すっきりした稜線の展望を眺めるのが好きな私は、もうここを歩くことはないかもしれないと思う。若い頃にこの山域の地図を見て、山が深すぎて自分には歩くのは無理だと思っていた。深いのは間違いない。だが林道を奥へ入っても山に囲まれる感じはなく、空が広く明るい、不思議な山域だ。東北でも異色の山岳空間と言えるのではないだろうか。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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地図にない道、初めて知りました。tooleさんが誘導されたのはここでしたか。
いちばんコアなところですね。深いなだらかな森。誰一人歩かないブナの道…
一般道を歩いていて、突然どこからともなくソロの登山者が現れたりして、どこからきたんだろうって思うことがたまにありますが、kamadamさんみたいな人なんだね
もう普通の道じゃ満足できなくなってるでしょ
膝気を付けて、大事にしてくださいね。秋山でどこか知らない道に連れていってくださいな
地図を辿りながらじっくりと読んで行かなければならないほどマニアック
写真がその“歩き”を物語ります。
ただ緑の山と青い空と雲の影だけで美しい広い世界が表現できます。
“緑の海が大深岳へせり上がる”…詩的で素敵な言葉です
どこか知らない道に連れてって・・なんて
初めてお目にかかった神室の小又山で、私の知らないコースを三つも四つも教えてくれたkiyoshiさんの口からそんなことを言われると、笑って誤魔化すしかありませんよ
下草がうるさかったものの、「普通の道」でしたよ。でも道標などはないから、これらかも登山道として整備されることはないのかもしれませんね。
広く深い森が目の前に広がっている、ちょっと不思議な光景を楽しめました
本当に海のようでしたよ
険しい渓谷や鋭い山がほとんどないせいでしょうか。葛根田や大深沢の流域は、曲崎山から眺める限りは険しい谷には見えず、波が静かにうねっているようにも見えました。緑の波が八幡平から大深岳へ続く平らな稜線までずっと続いているのです。
いつも詩的な表現にあふれるレコを書かれているmeikenさんにおホメをいただいてうれしいですネ〜
まさにここ(写真7)ですよ。
僕が縦走路をロストしたのは
kamadamさんは僕と反対方向から写真を撮られているから、鈍角の右方向で見やすいですが、岩手側から来ると鋭角の左折になるので、全くわかりませんでしたね
標識もありませんしね
やっぱりP999まではしっかりした道がついているのですね。
もともと縦走路のエスケープ道なんでしょうけど、初夏にタケノコ取りの人たちが利用するから道はしっかりしているのでは?と推測します
kamadamさんの記録を見ていたら、また小屋目当てで歩きたくなってきましたよ
それにしてもkamadamさん、こういう深い森が苦手だったとはちょっと意外でした。
地図に記載のないもっと深そうな森のコースを最近見つけたので、kamadamさんをお誘いしようかと思っていましたが、単独の方がよさそうですね。
一応、あとでメールしますね
そう、地形の判別ができなくて自分がどこを歩いているのかわからなくなるような平らな森は、ちょっと苦手です
私は地図上のどこに自分がいるのか把握できていないと不安なのですよ
タケノコ採りの人たちはよく歩けるものだな〜と感心しますよ。八幡平周辺のような、深くて広い山に地図も持たずに入るのですからねえ
tooleさんの千年クロベのレコを見て、すごいなと
この記録にも触発されて、同じコースを歩いて来ましたが、本当に、この部分は、森というかジャングルの海に迷い込んだ世界ですよね。
kamadamさんの知らない「南ア」の話(笑)をして恐縮ですが、白根南嶺の笹山〜白剝山の間で一度リングワンデリングをやってしまったことがありました。天気も良かったのですが、ジャングルっぽいところでした。まったくもってきつねにつつまれた感じで、「ぞっ〜ぅ」と背筋が凍ったのを覚えています。
nomoshinさんの今回の南八幡平大周回、本当に素晴らしい、貴重なレコですね
tooleさんからのコメントにお返事されていた内容、私が歩いた時に感じたことをうまく表現してくださって、「そうそう
マイナールート中心に500回を超える登山をされているnomoshinさんのリングワンデリング経験、ぜひ読んでみたいナ
おはようございます。
分水嶺は確かに藪系が含まれていますが、マイナー系にシフトしだしたのはごく最近からですので、買いかぶらないでくださぁ〜い
リングワンデリングもどきのお恥ずかしい経験は、下記にレコしてあります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-106397.html
(但し、山レコを始める前の山行でして、後から入力していますから、臨場感が不足気味です・・・)
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