常念岳-蝶ヶ岳周回〜壮大な北アルプスを臨む稜線歩き


- GPS
- 33:16
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 2,566m
- 下り
- 2,556m
コースタイム
- 山行
- 6:47
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:26
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 8:48
天候 | 両日ともに晴れ 4日の夕刻にわか霰 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・三股から反時計回り、常念小屋テント泊周回。 ・樹林帯内から標高を上げると徐々に残雪が増す。前常念岳南東稜からは岩稜帯と急斜面残雪のミックスがありアイゼンの換装。また常念岳山頂まではアイゼン必須。 ・常念小屋テン場1000円トイレ使用料込、水1ℓ200円。 ・常念岳〜蝶ヶ岳、岩稜帯と残雪の樹林帯歩き、アイゼンは非装着。美しい景色を見ながらアップダウンを繰り返す。 ・蝶ヶ岳〜まめうち平、急斜面と樹林帯に残雪、アイゼン装着。ステップ切ってあるが滑落注意。樹林帯内も急斜面、木の根にアイゼン引っ掛け、踏み抜き注意。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
遠く残雪の白い山並みが広がっている。山麓の鮮やかな花々や新緑とは対照的な白い世界。春の訪れはゆっくりと山を登ってくる。西上州でアカヤシオを見た翌日に、冬を惜しむように壮大な残雪の北アルプスを眺めに行く。春に追いつかれてもいいように、ゆったりと。
5月の連休は毎年寒気が入り込み非常に不安定。ひと時の晴れ間のチャンスを逃さずに4日5日とテント泊計画。前橋を2時30分に出発。安曇野市で日の出を迎える。市内から見る常念岳は雄大でピラミダルな山容を見せつけている。
5時30分に三股駐車場へ。奥の方にスペースを見つけ停める。ほぼ満車。装備して出発。気温5℃それほど寒くはない。ゲートを抜け林道を歩いていく。15分ほどで三股登山口。登山指導所で登山届を記載し提出。
指導員の方から、20分ほど前にチェスパのみで軽装備のソロ男性が出発した。前常念の手前で、危なそうだったら引き返すように言ってくれとお願いがあった。
今回の装備もムダに重い25kg。この重量級で軽装備の男性にはとても追いつかないと言ったのだが、ベテランそうだから大丈夫でしょうと、全く聞き耳持たなかった。雪焼け日焼けしたツラがそうさせる。結局遅くて追いつかなかったのだが・・・。
鉄橋を渡り三叉路を右へ、常念岳方面へ。シヨウジョウバカマが咲く九十九折の登山道を登って行く。標高を上げて行くと残雪も増え始める。笹に積雪した直登もあるので滑りやすい。
退屈な樹林帯内の急坂を行くと、尾根に取り付くように西へ向かう。再び樹林帯の急坂。森林限界を超えると岩稜帯が現れる。ハシゴがあり夏道、残雪の冬道にトレースが有る。
ここでアイゼンを装着。急坂を登って行く。テン泊装備で重く、体が振られないように注意する。この荷物で滑落したら止めるのに苦労する。たしかにチェーンスパイクでは条件が悪いと滑落しやすい。
途中から岩稜帯となりアイゼンを外す。面倒だが仕方ない。赤い屋根のある石室は積雪で埋没していた。これを過ぎると前常念岳山頂。小さな山頂標のみ。ここでまたアイゼンを装着。
常念岳まで続く開放的な白い稜線を歩んでいく。微風で青空のもと、右手には横通岳、大天井岳などが見える。左手には蝶ヶ岳への稜線と穂高岳が悠然と姿を現す。
前常念の稜線から常念岳北面へ、ビクトリーロードを歩んでいく。山頂には7.8名の登山者。360度見渡せる素晴らしい眺望。西側は梓川を挟んで穂高岳槍ヶ岳を目前にする。北側は北アルプスの縦走路、大天井岳、水晶岳、立山などが見える。南側は明日歩く蝶ヶ岳への稜線。美しい景色をしばらく堪能する。
常念小屋までの下り込みは岩場の急坂。足元が悪く積雪もミックスで滑りやすい。雪のトンネルが入り口と化した常念小屋へ。テン場料金1000円を支払う。トイレ料込み。
二か所あるテン場は、まだ13時過ぎなのでガラガラ。携帯電波と撮影のため北側の一番高い常念ヒルズに幕営。槍ヶ岳が目の前で景観も良い。auの電波はアンテナがある小屋東側の開けた場所以外は入らない。20mほど歩いて電波を拾いに行く。
雪をレジ袋に詰め込み簡易冷蔵庫、水作りを兼ねる。遅めの昼食をとって少し寛ぐ。他の人たちはすでにビールを買い込み酒盛りしている。私は飲酒しないので、ヒマとなり横通岳まで散策に行くことにした。
左手に槍ヶ岳を見ながら登って行く。上空は段々と怪しい雲が接近。上からぽつぽつと霰。大した量ではないのでそのまま標高を上げて行くと、本降りとなり白い小さな玉が落ちてくる。視界も悪くなったので引き返すことにした。
テン場に戻るとテントに霰が堆積。払って落とした。霰はこの辺りだけで、槍ヶ岳上空にも雲がかかり、薄明光線が照らされていた。神々しい尖がりに感動すら覚える。燕岳からの縦走者が到着し始め、気が付けば2/3は埋まっていた。
18時にカレーの夕食をとり天体撮影に備えて就寝。23時過ぎに起床して星空を観察撮影。星空や星座は不勉強で良く分からない。天の川はまだ現れずまた仮眠。
日が変わり3時過ぎに起床。常念岳上空から天頂に向けて天の川。カメラも技術が無いので適当に撮影。数を撮影すればいずれか当たる。新しいカメラで初の天体撮影は不慣れで設定に苦労した。
降ってきそうな星空。常念岳から天空に向けて美しい天の川が流れている。見上げていると流れ星が次から次へと現れる。星の一生は長いようで短い。自然に存在する元素は超新星とビッグバンから始まった。私たちの身体は星屑で出来ている。
そのまま夜明け日の出撮影へ。下界を見下ろせる開けた電波が入る場所へ移動。山頂で日の出を見ようとする登山者のヘッドライトが光る。安曇野市の街明かりが眩い。正面には浅間山。噴煙を上げている。東の空がブルーモーメントから茜色へ。地平線を染めている。
計算上の日の出は4時43分より6分遅れてご来光。四阿山と根子岳間のお隙間付近から登ってくる。ダイヤモンド四阿山は美しかった。常念岳や槍ヶ岳も紅に染まる。知らぬ間に日の出とモルゲンをみる宿泊者たちが集まっていた。
テントを撤収しつつ朝食つくり。中華丼にウズラの卵でパワーを貯め込む。若干軽くなったザックを背負い、常念小屋との別れ。二日目の山行に入る。
ガレ地を登る途中で雷鳥と遭遇。番いと白い雷鳥。繁殖期で縄張り争いだろう、白い雷鳥が仕掛けていた。人は危害を加えないことがDNAとして刷り込まれているのだろう、ゆっくり近づけば逃げない。1mほどの距離まで接近。可愛らしい姿に癒された。
再び常念岳山頂へ。前日と異なり霞もない素晴らしい眺望。北は白馬の方まで、南は富士山も良く見えていた。蝶ヶ岳への縦走路を眺める。岩稜帯と積雪樹林帯のアップダウン。アイゼンは必要ないと判断。山頂で外した。
急な岩稜帯を下って行く。見通しが良く、槍ヶ岳と穂高岳が常に右手に見えている。壮大な景色を見ながらの開放感ある稜線歩き。重い荷物だけでなく、素晴らしい景観で歩みが遅くなってしまう。過ぎ去ることへのためらい。
アップダウンを繰り返し蝶槍に到着。狭い場所だが景観は素晴らしい。ケルンが積まれる旧山頂を素通りすると横尾方面との三叉路。荷物をデポして蝶槍や2462ポイントへ行かれたのだろう。
瞑想の丘手前で雷鳥と遭遇、オス一羽だけだった。そのまま進み蝶ヶ岳ヒュッテへ。屋根で布団を干していた。ベンチをお借りして昼食。常念を出る前に仕込んでおいた水漬けパスタを茹でて、ボロネーゼを作った。ミートボール、チーズ添え。絶景を見ながらの昼食は素晴らしいの一言。
再装備して出発。蝶ヶ岳山頂で記念撮影して下山。砂礫地から残雪の急斜面へ。途中でアイゼンを履く。ステップ切ってあるが、緩んで踏み抜きや滑りやすい。樹林帯内はさらにひどく、踏み抜くことが多かった。身体が重い影響もあるだろう。
まめうち平でアイゼンを外す。木階段が現れ残雪も減ってくる。力水でのどを潤し雪解け水を集めた小滝沢に架かる吊り橋を渡る。カラマツ並木をゆったりと歩み、ゴジラみたいな木を眺める。沢沿いにはキクザキイチゲの群生。
再び鉄橋を渡ると登山指導所。林道800mを下って行く。ゲートを抜けるとガラガラの駐車場にパジェロがあった。着替えて帰路へ。
安曇野市街地は混雑していた。高速に乗りゆったりと車を流す。旧車なので速度が出せないだけなのだが・・・。左手を眺めると常念岳が凛々しくそびえていた。緩く右にカーブしてトンネル内へ。いつまでも惜しむようにバックミラーを覗いていた。
growmonoさん おはようございます。
連休皆勤賞は狙っていたのでしょうか、
ほぼ皆勤賞(精勤)、もう一日あるのでまたどこか行ってましたか?
最後?の締めは常念から蝶までの展望尾根歩きでしたか、
ライチョウとも数多くバッタリ、又珍しい飛び立つ姿いいですね、重い荷を背負っての歩きが癒されたのではないですか。
こんばんは、yasioさん。
連休は1日から6日までで、4月下旬に予め山行計画を立てておりました。好天時プランを2通りと悪天時の3パターンです。多少変更しましたが、楽しく行動できました。
常念岳蝶ヶ岳周回は装備を軽くして1日で行くか、燕岳から縦走するか迷いましたが、三股からの帰りの足を考え、また両日は快晴となる予想でしたので、ゆったりとテン泊にしました。
このコースは、谷川馬蹄形に挑戦する人にとって良い練習となりますね。距離は短いですが、急坂と岩稜、アップダウンの多さが似ています。眺望は谷川も良いですが、常念蝶の方がさらに良いと思います。
今回の装備は25kgでしたが、帰宅して測ってみると19kgでした。水3ℓと食料とガソリンを消費して6kgもあったのですね。びっくりしました。
雷鳥は1日目は見られず、残念に思いましたが、2日目は常念と蝶ヶ岳両方で見られました。繁殖期だったのが良かったです。
こんにちは。
夕焼け、星空、日の出と見られ、最高の常念岳〜蝶ケ岳周回楽しまれましたね。
天の川、綺麗ですね。
日にちは違いますが、私も燕岳で天の川見ました。✴️
燕岳は小屋もテント場も満員でした。
常念岳の混みは、やはり凄かったですか?
こんばんは、yasubeさん。
yasubeさんは3日4日と燕岳へ行かれたのですよね。レコ拝見しました。
私も新しいカメラで初天体撮影でしたので、戸惑いましたね。AFが合わずに苦労しました。ライブビュー使えばいいんですよね。うっかりしてました。
そもそも固定撮影はあまりしないので不慣れです。手振れ補正も止めないし、雲台回したのにAF合わせなかったり、ミスばかりでした。腕も悪く不勉強のせいもありますね。いろいろ詳しい方にご指導願おうと思っています。
レコを拝見すると燕山荘周辺は混雑してましたね。常念は最初ガラガラでびっくりしました。好きなようにテントを横向きに張りました。それでも夕方までには半分しか埋まりませんでした。小屋泊りの人も多くはなかったですよ。槍ヶ岳が真正面で最高のテン場でした。
growmonoさんこんばんは。
レコを読み様子がよくわかりました。
いつも豪華な食事ですね。調理するのがすごいです。shilokoさんからのカレー、お土産いつも一緒ですね。先日マルのふもとで覗いた素晴らしい食事以上ですね。
ライチョウが見られたのはうらやましいです。
素晴らしいレコありがとうございました。
こんばんは、yamayuriさん。
常念のテン場からメッセージお送りした時に見ていた夕日です。前日にお二人にお会いしたことを思い出しながら見ていました。
食事はアルファ米、パンやパスタを主食に、副菜はレトルトです。きれいに美味しそうに盛り付けは出来ませんが、トッピングで味を工夫して作っています。軽量化も重要ですが、食は登山をするためのエネルギーの源です。とても大事だと思います。画像にはありませんが、食物繊維やミネラルを補給する軽食も行動食で食べています。
テン場では14時過ぎから、みなさんビールを飲んでいて、夕方は酒盛りしていましたね。私は飲まないのですが、美しい槍ヶ岳を目の前に、飲んでしまう誘惑にかられました。
雷鳥はちょうど繁殖期でしたから幸運でしたね、しかもこの時期に、白い雷鳥がまだ見られました。今度は燕岳から縦走したいと思います。
growmonoさん おはようございます
三股からの周回コースは夏に日帰りしたことがあるのですが、
この時期に自分が行くことは…不可能です!でも、残雪の景色
は最高ですね。とても憧れます。それに、冬毛の雷鳥さんには
ぜひお会いしたいものです。次回は、パノラマルートで縦走を
予定しているとのこと、レコを楽しみにしています。
埼玉のchii
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