男も惚れる山〜谷川岳・西黒尾根〜
群馬県
新潟県
makasio
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 1,385m
- 下り
- 738m
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| 天候 | 晴れ。春の陽気。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
復路:天神平ロープウェーバス停‐上越新幹線・上毛高原‐東京 天神平ロープウェイ最終は16時20分でした。ご確認ください。 水上、上毛高原駅行きバス最終は17時でした。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
除雪されているのは、天神平のロープウェーから登山指導センターまで。その先はトレースのみ。 西黒尾根登山口の標識は雪に埋もれ見当たらない。登山指導センターの上、赤テープ付近から鉄塔の左側を目指し トレース頼りに登る。いきなり急登。始めからピッケル、アイゼン使用すべき。 ラクダのコブ手前で雪崩の残骸デブリに遭遇。クレバス(落とし穴)だらけ。 ラクダのコルからザンゲ岩まで気を抜けない。右側斜面に落ちれば滑落必至。 肩の小屋見えれば、天神尾根と合流。頂上を目指すのみ。 |
写真
お詫び(写真は全て去年4月13日に登ったものです)
ラクダのコブあたりで雪崩の残骸、デブリに遭遇。トレースが消えている。トラバースするもクレバスにハマり、左大腿筋に強烈な痛みを起こす。
1
感想
お詫び
途中、SDカードが故障。写真データが全て消失しました。
写真は去年登った時のものです。
ご了承くださいませ。
ただし、状態、景色、今回と比べても違和感ありませんでしたので掲載したいと思いました。
本編
2週連続、花を見るために山に行った。
節分草、福寿草。素晴らしかった。
2月に痛めた右膝はもう、大丈夫。そろそろ、本気で山登りしたい。
日帰りで行けるいい山、そうだ、谷川岳に行こう。
天気は終日、晴れ予報。行くっきゃない。ルートは、西黒尾根だ。
去年も4月に登った西黒尾根。本気度、満足度は八ヶ岳にも匹敵するだろう。
高崎から上越線に乗り換え、土合駅へ。
日本一地下にある駅。462段の階段を上がる。
先にスキーを担いで上がる人がいた。ベテランだろう。
確実にお孫さんがいらっしゃる年齢の方だ。
この階段地獄、大丈夫だろうか。
何かお持ちしましょうか?なんて思ったら・・・。
追いつけない。
早い、早すぎる。
確実に俺より早い。追いつけないまま、地上へ出る。
聞けば、ロープウェイで天神平に上がり、
頂上からスキーで、滑降するとのこと。恐るべし。
山を始めて、年齢なんてただの偏見にすぎないということが分かる。
若くていいね、なんていう諸先輩方に騙されてはいけない。
痛い目にあう。
頂上で会えたらと思ったが、口にはせず、お互いの健闘を祈り別れた。
マチガ沢付近まで歩いて一ノ倉沢を眺める。
大迫力である。ここまで来る甲斐があるものだ。
少し戻り西黒尾根へ取りつく。
道標は完全に雪に埋もれているため、記憶に頼って探す。
それらしいところに赤テープと数人のトレースがある。
登山指導センターの裏あたりから鉄塔左側を目指し、ひたすら登る。
急登である。
一歩前に足を出せば半歩ずり落ちる。雪はシャーベット状だ。
途中、やや緩斜面のところを見つけ、12本爪アイゼンを装着する。
始めから着ければよかったと後悔する。
鉄塔の左側へ向かい、さらにひたすら、急登、急登。
急登マニア、垂涎のルートである。
汗が落ちてくる。温かいというより、暑い。
遠くで雷のような音がする。
雪崩だ。
去年もこの音を聞きながらここを登ったことを思い出す。
一ノ倉沢が見えてきた。下から見る姿と違い、
近くで見るとより、神々しい。
この岩にとりつかれたクライマーが一体、どれだけいたのだろう。
男たちが、我先にと土合の階段を
ロープを担いで駆け上がった時代があった。
命も省みずに。
合掌する。
しかし、それにしても、なんてきれいなラインだろう。
まっすぐに頂上に向かい、尾根が伸びている。
右手には一ノ倉沢。
左には天神平スキー場が見える。ああ、人がいる。
アリのように小さく見えるスキーヤ‐やボーダーの姿になんだか癒された。
はるか前方に単独者1名がいるほか、西黒尾根、ほぼ貸し切り状態。
雪はぐずぐずだが、天気は申し分ない。
このまま行けるはずだ。
SDカードが壊れたようだが、意外と素直に諦めることができた。
写真を撮りに来たんじゃない。山に登りに来たんだ。
トレースを忠実に辿る。
「!?」
ラクダのコブ手前付近でトレースが消えた。
消えたというより、流れたのだ。
雪崩の跡、デブリだ。
日本有数の急坂、この暖かさで雪が崩れたのだ。
まるで悪魔が雪面をひっかきまわしたようになっている。
どこがルートだ?
このあたり、クレバスというには大げさだが、恐怖の落とし穴地帯。
誤ってルートをはずせば、バラエティ番組のようにドボンと落ちる。
ただ、テレビと違うのは、
命の保証なし。やらせなし。
50度以上の斜面を慎重にトラバースしながら、経路を探す。
はるか前方に一名通過した人がいる。
デブリはその前からあったはずだ。
行けるはずだ。
そのときだった。バランスを崩し、雪面を踏み抜いた。
そのまま身体が下に流れたと思いきや、止まる。
左足首が雪にはまっていた。
ただ、おかしな方向にねじれている。
アイゼンをはめた足が全く動かない。
自分に冷静だ、大丈夫だと言い聞かす。
ピッケルで足首の周囲を削り、少しずつ動かす。
以前にヤマレコで見た状況にそっくりだ。
そのレコが参考になった。感謝。
抜けた。が、強烈な痛みが大腿筋を襲う。
やってしまった。
最悪、救助かと頭を過ったが、足が動くなら、行ける。
急斜面を上がる時に強い痛みが走る。
だが、斜面が緩くなれば痛みは和らぐ。
あと500メートル、根性で上がれば、なんとかなる。
ピッケルを根元まで突き刺し、右腕の腕力で身体を持ち上げる。
壁のような急坂を膝をついて、四つん這いで登る。
数歩登って、休む。太腿を揉む。数歩登って休む。太腿を揉む。
永遠、その繰り返しで、核心を超えた。
そしてラクダのコルを超え、ザンゲ岩まで来た。
最後の雪壁を乗り上げ、天神尾根と合流した。
上がれた。
痛みを追い越して喜びが身体に流れてくる。
前方に肩の小屋が見えた。頂上は目と鼻の先だ。
やった。
「おーい」
そのとき、声が聞こえた。
男性スキーヤーが少し離れた場所から呼んでいる。
「あっ」
土合駅で会った男性だった。
駅ではジャージ姿だったのですぐに分からなかった。
会えたらとは思っていた。でも、まさか・・・。
山って、こんなことが本当に起きる。
「会えましたねー」
「よくやったなー」
男性はテレマークスキーで華麗にターンを描き、降りて行った。
ナイス、テレマーク。
言葉にできない。谷川岳山頂独り占める。
諦めずたどり着いた頂上。
景色は心で撮った。(あと携帯で数枚・・・)
昨年秋に縦走した縦走路を眺めながら、おにぎりをほおばる。
コンビニでも、うまかった。
苗場山がはっきり見えた。マナイタグラも美しい。
ニコンはただの重しになってしまったが、
そんなこともまあいいさ。
尻セードを駆使し、ダブルストックにて1時間足らずで天神平に降りた。
スキー場ではスキーヤーやボーダー達が休日を楽しんでいた。
足の痛みはもう、なかった。
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こんばんは、yamaheroです。
ボチボチ西黒のレコが出始めていたと思ったら、
こんなとこに出没していたんですね。
豪快ですよね西黒は、いやホントにここは凄いですよ！
甲斐駒の黒戸尾根に匹敵するかな？ 八ツよりすごい。
この時期は、年によって全然様子が違うし、日や天候によっても違うので、大変ですよね。
私もいま一度、春の西黒尾根を登りたいと思っていましたが、
この体力では、ムム… ちょっと無理 という感じです。
makasioさん、西黒尾根日帰りですか？
益々行きたくなってしまいました。
来シーズンの目標にしますね。
話は変わりますが、丹沢でのボッカ、いつでもoK!
アレンジします。ただし、無報酬。
ではでは。
谷川岳、お疲れさまでした！
SDカードや踏み抜き等のアクシデントがあったようですが
無事に登頂・帰還できて何よりです。
根性で頑張られましたね、足の方も思ったほど酷くなかったようで不幸中の幸いですね。
下山後のビール、さぞや美味しかったことでしょう！
山の大先輩様からコメント、感涙してます。
積雪期の西黒尾根。
半端ないです。難しいです。
だからこそ、本気になれるルートです。
花の撮影も本気の登山。
西黒尾根、積雪期単独、これも本気の登山。
ああ、やっぱり山っていいです。
yamaheroさんなら、絶対、行けますよ。
乗鞍、お疲れさまでした。
感動しました。
西黒尾根。ぜひぜひ、奥さまと挑戦してみてください。
登頂の感動、絶対、お約束いたします。
ボッカ、本気でしてみたいです。
資材、どこで調達するのでしょう。
僕はマイカーがないので・・・。
（山のためだけに本当に車がほしい）
いつか、御一緒したいです
本当にお仕事と登山でお忙しい中、
僕みたいな若輩者に
コメントありがとうございます！
僕のレコに目を
留めてくださっただけでも感激ですよ！
でも、なんで僕が下山後、ビール飲んだことまで
知っているんですか？
そりゃ、うまかったですよ。
（ちなみに日本酒「谷川岳」これもおいしかったです。）
やっぱり、神です！
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