記録ID: 1811272
全員に公開
トレイルラン
富士・御坂
UTMF2019(MF_OSHINO114k)
2019年04月26日(金) 〜
2019年04月27日(土)


体力度
10
2〜3泊以上が適当
- GPS
- 29:00
- 距離
- 109km
- 登り
- 4,540m
- 下り
- 4,435m
コースタイム
1日目
- 山行
- 12:01
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 12:04
距離 51.2km
登り 2,001m
下り 2,018m
2日目
- 山行
- 14:42
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 15:37
距離 58.1km
登り 2,540m
下り 2,428m
16:56
ゴール地点
仮眠はしましたが、ほぼ寝てません。
天候 | 70%雨、25%曇、5%晴(目安。そのくらいの実感。) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
天候が天候なだけに、本来は山に入るべきタイミングではない。27日15時過ぎに、大会本部から出場者の携帯電話にコース短縮の連絡があったが、これは適切な判断だったと思われる。そのまま大会を続行していたら、低体温症や滑落等による最悪な事態が発生した可能性は否定できない。 |
その他周辺情報 | 終了後は「山中湖温泉 紅富士の湯」へ。夕食もそこで。 |
写真
必携品チェック。チェックが終わるとこのように腕輪を付けられる。一つ一つしっかりとチェックされた。正直「面倒くせーなぁー」と思ったし、チェックのピーク時間は、チェックを受けるための大行列ができてもいた。しかし、この後天気予報が真逆に外れた為、必携品は命をつなぐ重要なものであることを実感。サバイバルブランケットは、二重曲峠から降りてきた多くのランナーが使用していた。
スタート、富士山こどもの国。11時くらいまでは大雨だったが、スタート前、雨は一旦やんだ。スタート位置は比較的前の方を確保。スタート前、MCや鏑木氏が我々の気持ちを煽る。これから地獄の夜が始まるというのに・・・。12:00スタート。ゲートを乗車率250%の満員電車のようなギューギュー感で潜り抜けた。我々はスタート後40秒くらいでゲートを抜けたが、全ランナーが出発したのは12:03前くらいらしい。やはりスタート位置は重要。
天子ケ岳。時刻は17:47。ここに至る登山道は、ところどころぬかるみ、滑った。天気は霧雨から少雨へ。完走者のブログでは、天子ケ岳の登りは前半の山場とか言ってる人が多かったが、今回のレース全体感で見れば、そんなことはない。本当にきつくなるのは、天候が悪化の一途をたどる天子ケ岳以降だった。
長者ケ岳。時刻は18:22。天気が良ければ、富士山の展望台となっている山。しかし、雨はやむ気配なく(寧ろ強くなり)、霧は晴れず、展望は全くない。体も冷えるので、カッパを着用。トレランの大会では初めての使用となる。熊森山に至る登山道は、日の入りで暗い中、土はぬかるみ、木の根や石は滑る。体のバランスを取る為、余計な歩数を必要とし、結果的に体力を大幅に消耗する。
熊森山の下山の大渋滞。大渋滞の直前、H氏が登山道を踏み外し、2〜3メートル程滑落するアクシデント発生。咄嗟に草木につかまったから2〜3メートルで済んだものの、草木をつかめなかったら、本当にヤバかったかもしれない。H氏、泥だらけになったうえに、左足に軽傷(擦り傷など)を負う。
A2_麓(51K)。想定IN22:00→OUT22:30に対し、22:50IN→23:40OUT。天子ケ岳から熊森山下山に至る複数渋滞で、何度も停滞を余儀なくされ、想定から1時間10分も時間が狂うとともに、体温を奪われる。ここで、サポートのH氏妻から暖かいそうめんと蜂蜜入り紅茶の提供があった他、濡れたアンダーシャツを取り換えることができ、生き返った。サポート有無の違いを実感。
A3_本栖湖(66K)。想定IN01:30→OUT01:45に対し、IN04:09→OUT04:53。竜ケ岳が地獄だった。雨、風、低温、暗闇、ぬかるみ、渋滞、睡魔。竜ケ岳の下山で、先行していたはずのH氏をいつのまにか抜いていて、それに気付かず。寝ながら下山した。低体温症の可能性もあり、エイド到着時はここでリタイヤ濃厚と感じていたが、仮眠10分とH氏の「行くぞ」的な雰囲気もあり、不安を持ちつつ出発。単独参加だったら、ここで終わったな。
本栖湖エイドは、ほぼ日の出の時間に出た。雨は止んでいて、登山道のぬかるみはほぼなく、10分の仮眠で睡魔も去り、さっきまでの地獄のような環境が一変。間もなく体は温まった。本栖湖周回は、比較的アップダウンの少ないトレイル。渋滞もなく、本来の我々のペースで進めた。新緑の木々の間から太陽の光を感じ、新鮮な朝の空気は気持ち良かった。
A4_精進湖民宿村(78K)。想定IN04:45→OUT06:15に対し、IN07:54→OUT08:40。一応預けておいたドロップバックを受け取る。バックに入れておいた豚骨味のカップラーメンと、エイドのインスタント粥を食べる。幸いなことに、胃腸の状態は良好で、食欲はあるし、大きい方のトイレも正常。ここでは、靴下を交換。ドロップバックは大会側に返さず、サポートのH氏妻に渡す。
勝山へのロード。くっきりと日陰が出来る程に晴れた。練習しておいた、50歩走って30歩歩くという「50−30走行」を実践。固いアスファルトを足に負担をかけずに、そこそこのペースを作って進んだ。「50−30走行」は、「数える」からなのか、睡魔を飛ばすという、良い副作用があることを発見した。
足和田山。この山頂に至る林道は、急登個所はないがために単調で、睡魔が襲ってきた。よって、ここで5分程仮眠を取った。空は完全に曇ってきた。富士山の展望を期待していたが、ここでも顔を出してくれなかった。
A5_勝山(95K)。想定IN10:00→OUT10:15に対し、IN12:08→OUT12:49。施設内のエイドで、暖かい。かき玉汁を食べ、5分程仮眠を取った。H氏は、マッサージを受け、その最中眠りに落ちたとのこと。このエイドを出る直前、雨が降ってきたとの情報が。カッパを着用し、出発する。
勝山→忍野は、その半分以上がロード。「50−30走法」でペースを作って進む。だが、天候は悪化の一途。雨が強くなってきた。気温も低下してきた。暖と眠気覚ましを求め、コンビニに寄って、コーヒーを飲む。選手によっては、100円ショップによって、ポンチョを購入していた。その作戦は見習ってもよかったかもしれない。
富士浅間神社。この後、小倉山に向かう。なだらかな山容の山だが、直登なので、短いながらもそれなりの急登だった。この頃、H氏とは、雨がやまないようなら、山中湖きらら以降のレース続行はやめようという申し合わせをした。「登山者」としての観点から、この天候下での夜のきらら以降の登山が、極めて危険であることは、試走している経験から明らかであるからだ。
小倉山下山後のロードで、レース中断との情報を得る。気温は低下しつづけ、忍野へ向かうトレイルでは、雨が雪に変わった。わずかに見えた富士山の麓や、周囲の山は白くなっており、かなりの降雪であることが分かった。
忍野前、下山のトレイル。前日の天子ケ岳→熊森山→竜ケ岳は、基本こんな道だったが、この写真は水が浮いてないからまだいい方。本当に果てしなく続く、ぐっちゃんぐっちゃんトレイルだったんだからっ!
A6_忍野(114K)。想定IN14:30→OUT14:45に対し、IN16:53。残念ながら、ここでレース終了となった。皮肉なもので、中止という発表の後、晴れてきた。ただ、気温は低下しており、極寒といってもいいくらい。二重曲峠から降ろされてきたランナー達の一時待機所にもなっており、建物内の選手待機所に、我々の入る余地はなかった。
気温。28日早朝の最低気温は、エイドでマイナス2度だから、杓子山はえらいことになっていたんだろうな。こんな悪天候の中、大きな事故が発生していないんだから、UTMF参加の人達って、手前味噌ではありますが、それなりなんだなぁと思います。
大会HPの選手位置情報。ビブナンバーで検索をかけると、選手一人一人の位置情報がわかる。概ね、1500〜1800位/2400中くらいで進んでいたこととなる。リタイヤも多かっただろうから、いつも通り、最下位グループだったのでしょう。
撮影機器:
装備
個人装備 |
■■■必須装備■■■
(1)詳細コースマップ。大会公式サイトに掲載されている詳細図を紙にプリントしてください。⇒A4で印刷した
(2)エントリーの際に番号を届け出た携帯電話。救護本部の電話番号(ナンバーカードに明記してあります)を登録し番号非通知にせず十分に充電し主催者からのSMSによる緊急連絡を受けられる状態にしておいてください。⇒普段使いのスマホを電話・SNS・GPS計測に利用。以前使用していたソニーのスマホを写真撮影用に利用。これら充電の為10800mAhのモバイルバッテリーを装備
(3)携帯コップ(150cc以上)。エイドステーションに紙コップの用意はありません。⇒100均で調達
(4)水。スタートおよび各エイドステーション・ウォーターステーションを出発するときには1ℓ以上持っていなければいけません。⇒ジョー〇アの450m空きlペットボトルを2本。ふたまで満タンにすると1リットルを軽く超える
(5)食料。⇒行動用に羊羹10コ・粉飴・ゼリー・アミノ酸など
(6)ライト2個・それぞれの予備電池。低温では電池の寿命が短くなります。⇒ヘッドライトと手持ち用にロードバイク用のスポットライトで対応
(7)点滅ライト。夜間の一般公道で後方からの走行車輌に認識されやすいようザックなどにつけてください。⇒100均で調達
(8)サバイバルブランケット(130cm以上×200cm以上)。⇒100均で調達
(9)ホイッスル。⇒100均で調達
(10)テーピング用テープ(80cm以上×3cm以上)。⇒100CMくらいの長さで対応
(11)携帯トイレ。⇒犬の散歩用&漏れ防止にジップロックで対応
(12)雨天に備えてフードつきレインジャケットとレインパンツ。どちらも〈ゴアテックス〉あるいはそれと同等の防水・透湿機能を持ち縫い目をシームテープで防水加工してあるもの。⇒ワー〇マンで調達。今回の悪天候でも十分対応した
(13)保温のためのフリースなどの長袖シャツ。綿素材は認められません。⇒ロードバイク用の長袖ジャージで対応。ロードバイク用ジャージ独特の背中ポケットが重宝する
(14)保温のための足首までを覆うズボンあるいはタイツ。または膝までを覆うタイツと膝までを覆うハイソックスの組み合わせ。いずれも綿素材は認められません。⇒タイツ&半ジャージで対応
(15)保温のための手袋・耳までを隠す帽子。⇒フリース素材のネックウォーマーで対応。片方に絞り紐があり絞ると帽子になる
(16)ファーストエイドキット(絆創膏・消毒薬など)。⇒絆創膏・どこかで貰ったおしぼり等
(17)保険証(コピーは不可です)。⇒保険証・免許証・電子マネー付きクレジットカード・現金3千円を透明ケースに纏めて対応
(18)配布されるナンバーカード・ICタグ。⇒100均のウェストポーチに安全ピンでセット。ウェストポーチには粉飴等を装備
(19)以上の必携品と下記にて紹介する「特に勧める携帯品」を収納できるザックまたはバック
■■■特に薦める携帯品■■■
(1)トレイルランニングシューズ⇒念の為大会前に右のつま先を樹脂で修理した
(2)コンパス⇒娘の学習教材のオフルで対応
(3)熊鈴⇒100均の鈴で対応
(4)着替え⇒事前にH氏の妻に渡しておいた
(5)日焼け止め⇒レース前に塗ったが結局意味はなかった
(6)ワセリン⇒対応せず
(7)筆記用具⇒ボールペン1本
(8)現金⇒先述の通り。
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---|---|
備考 | ■■■作戦会議■■■ 事前に2回試走を行った。1回目は天子ケ岳入り口からA2麓まで。2回目はA5忍野から杓子山下山まで。いづれも過去の完走者の記録からUTMFでも特に厳しいといわれている個所。ここを試走することで全体的な時間配分(各エイドの想定IN&OUT時間・仮眠タイミングと仮眠時間)・装備等の戦略を練った。 ■■■チーム■■■ 単独参加では忍野までたどりつけなかったと思われる。同じような体力の2名の走者・サポート1名。この3名でチームを構成。今回の厳しい環境下であっても114kmまで来ることが出来たのはこのチーム構成の結果だろうと思われる。 |
感想
トレイルランナー憧れのUTMF。この日の為に、ポイント獲得の為、3年をかけた。この抽選が当たってからの約5か月間はあっという間で、高い目標をいかにクリアするか、頭を悩ませ戦略を練り、体を作った。また、元号変更に伴う10連休直前の月末に休みを入れ(つまり職場の中で自分だけが11連休)、職場にも迷惑をかけてしまった。
事前の綿密な戦略とそれなりのトレーニングにもかかわらず、残念ながら「ヒャクマイラー」にはなれなかったけど、「ヒャッキラー」にはなれたのかな。
UTMFは、エントリー基準が高いうえ(ITRAポイント最大3レースで12以上)、その倍率(優先・海外・寄付エントリー控除後の空枠1608人に対し、一般エントリーが2700人なので計算上1.69倍のはず)から抽選となる為、今回H氏と揃って参加できたことに幸運と意義を感じた。平成の最後を飾る、人生の節目とも言えるこの大会で、165kのゴール後の景色を見たかったな。
今回のレースでITRA4ポイントが入る予定(後日5ポイントであると発表された)なので、来年のUTMF参加基準も満たすと思われるが、どうするかはしばらく悩んで(♪)みることにしよう!
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