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記録ID: 1625437
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無雪期ピークハント/縦走
道東・知床

羅臼岳(羅臼温泉ルート)撤退寸前!?

2018年10月17日(水) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
16.7km
登り
1,725m
下り
1,714m

コースタイム

日帰り
山行
11:10
休憩
0:00
合計
11:10
6:00
30
7:10
130
9:20
130
11:30
40
12:10
50
13:00
100
14:40
100
16:20
40
17:00
10
17:10
0
17:10
ゴール地点
天候 晴れ(最上部は霧)
過去天気図(気象庁) 2018年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
特になし。
10月中旬以降、羅臼温泉キャンプ場は閉鎖されるため500mほど手前の知床国立公園ビジターセンターの駐車場に止めるしかない。地図では熊の湯前にもPマークがあるが、温泉専用駐車場という認識でいた方がいい。
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10月中旬以降、羅臼温泉キャンプ場は閉鎖されるため500mほど手前の知床国立公園ビジターセンターの駐車場に止めるしかない。地図では熊の湯前にもPマークがあるが、温泉専用駐車場という認識でいた方がいい。
キャンプ場入り口。ここを入る
キャンプ場入り口。ここを入る
キャンプ場の左側から登山口へ向かう。166m先(細かい)
キャンプ場の左側から登山口へ向かう。166m先(細かい)
入山届BOXには熊の出現情報が。圧倒的に宇登呂側の方が多い。「これは羅臼の方が安全!」と錯覚できるので良い。(入山数が桁違いな模様)
入山届BOXには熊の出現情報が。圧倒的に宇登呂側の方が多い。「これは羅臼の方が安全!」と錯覚できるので良い。(入山数が桁違いな模様)
羅臼岳登山口
登山口の周辺からは温泉が湧いているらしく、湯気が上がっていたり、変色した水たまりがあった。
登山口の周辺からは温泉が湧いているらしく、湯気が上がっていたり、変色した水たまりがあった。
木がくれの滝。この辺はいかにもヒグマが潜んで居そうな道…
木がくれの滝。この辺はいかにもヒグマが潜んで居そうな道…
里見台のベンチ
海が見える。さほど大展望というわけでもないので先を急ぐ
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海が見える。さほど大展望というわけでもないので先を急ぐ
ついにヒグマの足跡か…?と思うが、どう見てもシカの足跡です本当にありがとうございました。
ついにヒグマの足跡か…?と思うが、どう見てもシカの足跡です本当にありがとうございました。
羅臼ブルーに映える黄色く色づいた葉
羅臼ブルーに映える黄色く色づいた葉
黄葉の羅臼山麓
ハイマツ原(頂上まで5km)
ハイマツ原(頂上まで5km)
名前の通りハイマツ帯となっている。特に藪漕ぎになるということはない。しっかりと刈り取られている。
名前の通りハイマツ帯となっている。特に藪漕ぎになるということはない。しっかりと刈り取られている。
第一の壁らしき場所。壁シリーズは道標なく、どのあたりまで来ているのか分かりづらい。
第一の壁らしき場所。壁シリーズは道標なく、どのあたりまで来ているのか分かりづらい。
海まで低山がせり出しているのがわかる。
海まで低山がせり出しているのがわかる。
羅臼山頂は一度もその姿を表さないが、雲ではない白いものを戴いた斜面が現れた。
羅臼山頂は一度もその姿を表さないが、雲ではない白いものを戴いた斜面が現れた。
スズラン峠から登山川(直球)に降りる。
スズラン峠から登山川(直球)に降りる。
写真では伝わらないが、地形の効果なのか激しいおろし風が吹き荒れていた。西風が強い日はここはいつも風が強いのだろうか。渡渉するのにも気を使った。
写真では伝わらないが、地形の効果なのか激しいおろし風が吹き荒れていた。西風が強い日はここはいつも風が強いのだろうか。渡渉するのにも気を使った。
栄養分か、地熱か、鮮やかな苔地帯を観察できる
栄養分か、地熱か、鮮やかな苔地帯を観察できる
泊場。ここなら確かにヒグマは出にくい…はず。テントを5張設営することができるらしい。
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泊場。ここなら確かにヒグマは出にくい…はず。テントを5張設営することができるらしい。
温泉成分を多量に含んだ沢水が流れている。とても飲めそうに無いが
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温泉成分を多量に含んだ沢水が流れている。とても飲めそうに無いが
ナナカマドゥが見事
ナナカマドゥが見事
泊場から涸れ沢をせっせと進むと屏風岩にたどり着く
泊場から涸れ沢をせっせと進むと屏風岩にたどり着く
屏風岩付近から残雪が
屏風岩付近から残雪が
海に国後島が浮かぶ。左の方の山は「羅臼山・小羅臼山」、右は泊山だろう。
海に国後島が浮かぶ。左の方の山は「羅臼山・小羅臼山」、右は泊山だろう。
泊山拡大。目と鼻の先にある。こんなに近くに海外の国があるという実感がわかないので、多分あれは日本領なんだろう。
泊山拡大。目と鼻の先にある。こんなに近くに海外の国があるという実感がわかないので、多分あれは日本領なんだろう。
地図だとヒグマ注意の文字のある場所。目を皿の様にしてもヒグマは居ない。
地図だとヒグマ注意の文字のある場所。目を皿の様にしてもヒグマは居ない。
右手の沢を詰める。分岐はこの先だ
右手の沢を詰める。分岐はこの先だ
国後島の北端の方に目を向けると、富士山のような成層火山を見ることができた。爺爺岳だろう。
国後島の北端の方に目を向けると、富士山のような成層火山を見ることができた。爺爺岳だろう。
知床の長い長い稜線に立つと、そこは雪国であった。
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知床の長い長い稜線に立つと、そこは雪国であった。
岩清水分岐。継続的な強風が体温を奪う。
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岩清水分岐。継続的な強風が体温を奪う。
岩清水の水場。さむそう。
岩清水の水場。さむそう。
芸術的な風紋を示す岩に張り付いた雪
芸術的な風紋を示す岩に張り付いた雪
見事な海老の尻尾。知床の稜線では雪は横に積もるもの。
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見事な海老の尻尾。知床の稜線では雪は横に積もるもの。
足が凍傷気味だったため、「岩清水付近の強風に襲われたら引き返そう」と決めて登り、無理をして登りきった。この景色を生涯忘れることはないだろう。
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足が凍傷気味だったため、「岩清水付近の強風に襲われたら引き返そう」と決めて登り、無理をして登りきった。この景色を生涯忘れることはないだろう。
知床峠方面!何も見えない!
知床峠方面!何も見えない!
知床の暴風に打ち勝って踏む山頂は、これまでにない感動的なものだった。
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知床の暴風に打ち勝って踏む山頂は、これまでにない感動的なものだった。
雪を払い、羅臼岳の文字を見た瞬間。安堵した。このスクラッチで「ハズレ」とか書かれた板が出てきたら蹴り飛ばすところだった。
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雪を払い、羅臼岳の文字を見た瞬間。安堵した。このスクラッチで「ハズレ」とか書かれた板が出てきたら蹴り飛ばすところだった。
日本百名山51座目、羅臼岳登頂。寒い。1分とおられない。
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日本百名山51座目、羅臼岳登頂。寒い。1分とおられない。
ウトロ側は懸崖となっており、高度感がある。
ウトロ側は懸崖となっており、高度感がある。
羅臼側も切れ落ちた部分があり、突風に身を剥がされたら一巻のおしまいである。せっかく山頂を踏んだので、生きて帰りたい。
羅臼側も切れ落ちた部分があり、突風に身を剥がされたら一巻のおしまいである。せっかく山頂を踏んだので、生きて帰りたい。
恒温動物の生息できる環境ではないと思われたが、キツネらしき足跡があった。
恒温動物の生息できる環境ではないと思われたが、キツネらしき足跡があった。
岩清水分岐に戻る。ここから先は一気に南国だ
岩清水分岐に戻る。ここから先は一気に南国だ
氷の世界は
ガスの切れ目とともに突然に終わる
ガスの切れ目とともに突然に終わる
このザレ場は下りはそれなりに楽だ。くぼんだ部分は雪で埋まっており、ザクザク下る。
このザレ場は下りはそれなりに楽だ。くぼんだ部分は雪で埋まっており、ザクザク下る。
屏風岩にて
ヒグマと頂上からの景色を撮影するために持ってきた300mの望遠レンズ。出番がないのでしょうがなく突起を撮ることにした。
あの山は未踏なのだろうか・・・
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ヒグマと頂上からの景色を撮影するために持ってきた300mの望遠レンズ。出番がないのでしょうがなく突起を撮ることにした。
あの山は未踏なのだろうか・・・
スズラン峠より。羅臼岳の山頂はついぞ見ることができなかった。
スズラン峠より。羅臼岳の山頂はついぞ見ることができなかった。
日が暮れる
ヘッデン下山寸前で山を脱出!
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ヘッデン下山寸前で山を脱出!
あの風は平均風速11〜12m/sだったようだ。突風ではなく継続して吹く11m/sは強い。
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あの風は平均風速11〜12m/sだったようだ。突風ではなく継続して吹く11m/sは強い。

装備

備考 手袋と保温材入り登山靴があれば良かった。スマホを温めるカイロはあって良かった。

感想

反省点の見受けられる山行だった。

MSMやGFSの演算では一切下層雲が計算されておらず、
晴天を想定して、多少の強風は気にしていなかった。
(前日の斜里岳がそこまで風が強くなかったのもある)

夏山装備(アイゼン無し、軽登山靴、夏用のトレッキングパンツ、ユニクロのフリース+モンベル雨具上下)で入山したことを後悔した。
毛糸の手袋は車に置いてきてしまった。今日使わなくていつ使うというのだ。

知床連山の稜線に着いた時は、1分暴風に晒されただけで手袋をした指がちぎれそうなほど冷たくなった(雨具の手袋しか持ってなかったせいだが)
そこから羅臼岳までのコースタイムは35分。凍りついた岩場をこの暴風の中登るのは不可能かと思い、「引き返す勇気」という言葉がちらついた。

岩清水で暴風をやり過ごして指先を温めても、今度は足の指が冷たくなった。保温材のない夏用の登山靴だからだ。寒さか、恐怖か。そのうちガタガタ体が震えだした。北海道じゃなきゃ引き返す。あれで進んで何かあったら死ぬ。

手袋が飛ばされれば凍傷確実だし、凍った岩場で足を滑らせて行動不能になれば助けが来ない限り死ぬ。トレースはなく、登山者は期待できそうにない。足を捻って行動が遅くなっただけでも凍傷のリスクが出る。残り標高160mがあそこまで遠く感じたことはない。

何もトラブルが無ければ、強風に晒され続けることが無ければ、おそらく無事に登頂・下山できるのだろうが… 賭けだったが、羅臼岳直下の地形は僕に味方した。
北東から上り詰めるあのルートは、西北西の季節風を見事にかわし、僕を山頂に運んでくれた。
日本百名山51/100

懸念していたヒグマは、影すら見えなかった。
地元の人は「昨日も街中に出てきた」と言うが、おそらく
山に食べ物がなくなり、下におりてきているのだろう。

それにしてもなかなか長いコースだった。
泊場から先が普通の登山の長さで、
泊場から羅臼温泉までが余計なのだ。

標高差1600mは伊達ではなかった。
そういうコースは自分は好きだ。
次は硫黄からの縦走しに来ようと思う。

撤退しなかった山の中では最も。
いや、撤退した御座山よりもハードな山行になった。
体力をつけ、きちんとした装備を背負えるようになろう。

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