記録ID: 149295
全員に公開
ハイキング
塩見・赤石・聖
びく石（静岡百山）〜ハチに刺されマムシ焼酎で直しとほほ〜
2011年11月13日(日) [日帰り]
静岡県
Junjapa
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.0km
- 登り
- 435m
- 下り
- 429m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
上大沢集落10:25-10:35笹川峠分岐-[剣ヶ峰]-11:35びく石頂上着12:00-12:40上大沢集落着
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
びく石---本名は石谷(いしたに)山といいますが、地元ではこの名前で親しまれています。 びくとは竹で編んだ籠のこと。 魚を入れるものが普通ですが、ここ静岡では茶摘みに使うかごのことを指します。 遠くから見ると山頂がびくを伏せたように見えることから名づけられたとか。 簡単に登れるわりに頂上からの展望がよいので人気の山となっています。 頂上には名まえがつけられた石が点在していて山水画的な雰囲気を醸し出している点も人気の秘密です。 散在する石は侵蝕に取り残された硬い角礫石ということですが、地質学的な”堅い”話よりダイダラボッチ伝説に夢があります。 昔むかしダイダラボッチという巨人がいて、空腹にたえかねて村に食べ物をあさりに来た。 村人が困って神様に訴えたところ、神様はダイダラボッチに西国の石を運んできて東国に高い山をつくる罰をお与えになった。 ダイダラボッチは石を籠(ビク)に入れて運びましたが大井川でつまづき、その一部をこぼしてしまった。 そのこぼした石が、このビク石山の石となった・・・・という話です。 西国で石を掘った穴は琵琶湖となり東国で築いた山が富士山ということになっています。 現在の地形ともきちんと符牒していてスケールが大きくていいですね。 ちなみにびく石の麓を流れる朝比奈川の向こう側にはダイラボウという山がありますが、ダイラボウとは、いくつかあるダイダラボッチのひとつの呼び名です。 頂上には大きな窪地がありますが、これはダイダラボッチの左の足跡だと言い伝えられてきています。 日本全国にダイダラボッチ伝説はあるそうですが、一説には「大太郎法師」が訛(なま)ったもので「一寸法師」の伝説と対比されて語り継がれてきたということです。 びく石の登山口まではクルマでアクセスし上大沢の集落の駐車場に何とかたどりつきました。 「この林道の奥に登山口あるの?」と思いながら運転してきたのでほっとしました。 角には閉店?している小売店があって外壁に周辺を示した大きな地図があります。 結構シンセツな地図です。 それにクルマはここに止めろと書いてありますので、それでここが登山口であることがわかりました。 言うとおりにします(笑) 10:35 上大沢駐車場発。 駐車場にはふと見るとお地蔵さんがあったのでプチお参りをしてから出発。 すぐに軒先でスギの小枝を整理しているおばあさんに会いました。 「おはようございます」 「おはようございます」とお婆さん。 「なにをなさっているんですか?」 「いや、台風で小枝がいっぱい落ちたので拾ってきて焚き木にでもしようと思ってさ」 「へー、囲炉裏か何かに使うんですか」 「ま、そんなもんだね。あとは、風呂の焚き付けにも使うだだよ」 「あー、そうなんですか。スギの枝で焚いた風呂なんていいですね」 「きょうはナンだね。びく石かね」 「道はどうですか」 「このあたりのもんで刈り払いはしているから、もんでーはねぇだよ」 「あ、そうですか、良かった。道が悪いというような記録もあったもんで…」 地元の人との語らいはいいもんですね。 山登りの味わいにジモティーとの思い出のトッピングが載るような気がします。 10分ほどで、林道は段違いに分岐し、そのすぐ上に右から流れ込む支沢ぞいに笹川峠への分岐があります。 藤枝ライオンズクラブの指導標がばっちりありますので迷う心配はないでしょう。 分岐から入ると急に山の匂いが充満してきます。 しばらくは支沢沿いに登りやがて沢を離れ、斜面をジグザグに登るとやがて道は笹川峠へと導かれます。 それにしてもクモノ巣があちらこちらに・・・・。 最近人が通っていないのでしょうかね? 笹川峠(標高305m)で登山道は乗り越えて逆側の笹川集落の方に下りて行きますが、指導標に従い、尾根沿いに剣ヶ峰に入ります。 しばらく登りやがて展望もないP1(370m)、そして少したわんでP2(・385)です。 道は良いのですが、突然のクモの巣攻撃にびびります。 気が付かないと全展開のクモの巣が顔にべたーっ! 一瞬ですがぞーっとしてしまいますよー。 尾根は比較的細く、縦走気分が味わえます。 いったん大きく下って、再び登り肩のような地形を過ぎてP3(410m)です。 目の前にびく石の尾根が見えてきます。 P4(385m)とP5(385m)は、尾根の上り下りのうちに通りすぎてはっきりしません。 P6(470m)が、△487.5とびく石とを結ぶ尾根にたどり着く最後の小こぶとなり、そこを下ったところに尾根への分岐があり、しっかり指導標もあります。 そこからは一投足で頂上直下の広場になります。 東側の景色が素晴らしい! 高草山〜丸子富士〜満観峰〜などがばっちりです。 たくさんの人がオニギリなどをほおばっています。 なかには、BBQセットをもってきて、ジャージャー焼いている人もいる。 子供たちが頂上から走り下ってきて…なかなかにぎやかです。 びく石頂上(・526)はびく石という名前の巨岩がありますが、展望はありません。 岩石が散在していて、その合い間にスギの木々が立ち並んでいるといったおもしろい風景です。 びく石は南側から取りつけば岩の突端に行けますが、岩にはコケが付いていて非常に滑りやすい。 チャレンジしましたが最高点から1m下でツルツルすべるので諦めました。 厳密にはびく石は未踏の山になってしまいました(苦笑)。 12:00 オニギリを食べたら出発です。 さきほどの分岐まで戻り、尾根上をいくとやがて尾根から離れ左側(東側)に下り始めます。 ところが、先日の台風でスギの枝が山ほど積もっていて道をわからなくしています。 注意ふかく道を外さないようにしながら下るとやがて沢の合流点に降り立ちます。 右の沢をわたりしばらく行くとやがて林道の終点にでました。 そこからは鼻唄交じりで歩いていたら、突然、じーっというハチの羽音が頭の上に! こりゃいかんっ! 姿は見えないけど、とにかく頭の上でじーじー言っているので必死で頭の上をジャケットでぶんぶんまわしながら(コンサートじゃないけど)、一目散に走り出しました。 いつまでたってもブンブンの音が耳に聞こえている! ナンでよー? と思ったら、突然、頭の上がチクッ!と来た。 いつまでもブンブンしてたのは髪の毛の中にいたからだったんだぁ! それからは頭がチクチク痛くて仕方がない。 歩いていると頭全体がぼーっとしてきた。 まずいなー... でも気を失うことなく歩けてるから大問題ではない!!なんて無理に言い聞かせながら・・・・。 駐車場に着くとそばの地元の人にすぐに病院に行きたいと行ったら、ここから20分ほどはかかるけど、それなら家に「まむし焼酎」ならあると。。。。 えっ? ま、ま、ま・む・し しょーちゅーっすか? 「そうだよ」 「孫がこの前、やっぱりハチに刺されたけんど、これを付けたら医者に行かなくてすんだだよ」 「うんとクセーけどな」 あ、そーなんですかぁ・・・・ 「ありがとうございます」と言いつつ、”マムシ焼酎”をうんと染み込ませた脱脂綿で頭の刺された場所に押し付ける。 「なんなら、この焼酎の小瓶もってくか?」とおばあさん。 「いやいや、結構です、お宅の大事な薬ですから」 「いんや、こんなもん、いくらでもマムシをつかまえたらできるからなー」 しばらくナデナデしていたら、だんだん効いてきた気がした。 マムシ脱脂綿をもうひとつ頂いて丁重にお礼を申し上げて山を下りました。 先日、恵那山の避難小屋に落ちていた手帳を持ち主に送ってあげたら「手帳が目の前にあるなんて信じられない・・・・」ととっても感謝されたけど、今度は自分が親切にされて… ナンだか山では持ちつ持たれつかなーなんて思っちゃいました。 おじいさん、おばあさん、本当にありがとう! PS、その後、大病院に行ったら日曜日ということで急患はナンと90分待ち! 看護師さんからはハチの刺されなら、2時間近く待つ必要はない、薬局で軟膏でも買ってつけておいてと言われてしまいました。 「ただし2度刺されたらダメですよ、アレルギーで・・・・」とクギをさされました。 そうは言ったって山ではハチの方から襲って来るんですが…(苦笑)。 今はとにかく痛みは小康状態です。 |
写真
拍手
駐車場全景。
写っているお店の外壁にハイキングコースのマップがあります。
写っているお店の外壁にハイキングコースのマップがあります。
林道を上がります。過疎化の影響がここにも。かなりの家々が廃屋となっていました。
お地蔵さんのアップ。いい顔をしています。しっかりお祈りをさせて頂きました。お地蔵さんの脇には文政元寅…の文字が。1818年のこと、徳川家斉の時代です。あの地図を残した伊能忠敬が78歳でこの世を去った年です。そう思うと何だかすーっとその時代に連れていかれるような気分です。
11/13 10:55
お地蔵さんのアップ。いい顔をしています。しっかりお祈りをさせて頂きました。お地蔵さんの脇には文政元寅…の文字が。1818年のこと、徳川家斉の時代です。あの地図を残した伊能忠敬が78歳でこの世を去った年です。そう思うと何だかすーっとその時代に連れていかれるような気分です。
頂上部についた…なにコレ?休憩所の真ん中に木が生えている・・・・というかそれを意識して作った休憩舎?初めてみました。
頂上部にあった看板…ワンダーランド? そんな安直な名前をつけないで欲しいなー。
一番右が高草山…真ん中左の尖った山が丸子富士…形は良いのですが、頂上はナンにも展望がないそうだ・・・・。
P6の下にある分岐。まっすぐいたら剣尾根の下り、右がこれからたどる下山路
林道の終点に出ました。このあとハチに刺されてとほほの状態になりました。
撮影機器：
感想
・秋の日とは思えない日和・・・・長袖で出かけましたが、すぐに半袖になって登りました。何だか、長い冬が明けてやっと陽光あふれる春の陽がやってきた・・そんな雰囲気すら陽射しから感じました。
・剣ヶ峰とは大げさな命名ですが、縦走気分の味わえる素晴らしい尾根でした。
・びく石頂上直下の広場は東側が刈り払われていて素晴らしい展望が待っていました。そこまで実は林道が通じていてクルマでBBQセットを持ち込んで楽しんでおファミリーもいました。
・びく石山の頂上にあるびく石は大きな岩塊ですが、コケが生えていてビブラム靴ではツルツル滑りました。そういう意味では厳密には岩の頂上には登れずその1m下で諦めました。ということは未踏?(苦笑)
・下りの道は先日の台風でスギの枝や葉が散乱していて登山道を隠しています。山に慣れない人や、小さな子供がいるファミリーにはお奨めしません。しばらく道が整理されるまでは剣ヶ峰ルートの方がよいと思いました。
・記録に書いたとおり、鼻唄まじり(歌っていませんが(笑))で下っていたらハチの襲撃を受けました。あっという間でした。上大沢のPに作業場を持っている方から「まむし焼酎」のお薬を分けてもらいました。本当にありがたかったです。いま、刺されてから12時間が経過しましたが、ほとんど痛みはありません。ヨカッタ!
それにしてもハチ恐るべし!
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数：2571人
拍手
コメント
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山登りをみんなが安全・安心に楽しむために、あなたの貴重な情報が役立ちます。
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
びく石の最新記録
石谷山(びく石)
2025年07月05日 (日帰り) [C]
びく石
2025年06月22日 (日帰り) [B]
びく石
2025年06月21日 (日帰り) [B]
びく石 、ツチアケビ
2025年06月20日 (日帰り) [C]
びく石(笹川八十八石ハイキングコース)
2025年06月15日 (日帰り) [C]
P1の最新記録
びく石(笹川八十八石ハイキングコース)
2025年06月15日 (日帰り) [C]
びく石（峠駐車場から8の字周回）
2025年05月24日 (日帰り) [A]
びく石でびっくり
2025年05月21日 (日帰り) [B]
玉露の里からびく石周回
2025年05月16日 (日帰り) [C]
びく石（クマガイソウを見に）
2025年04月29日 (日帰り) [B]
P2の最新記録
びく石(笹川八十八石ハイキングコース)
2025年06月15日 (日帰り) [C]
びく石（峠駐車場から8の字周回）
2025年05月24日 (日帰り) [A]
びく石でびっくり
2025年05月21日 (日帰り) [B]
玉露の里からびく石周回
2025年05月16日 (日帰り) [C]
びく石（クマガイソウを見に）
2025年04月29日 (日帰り) [B]
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する