9月の連休前に15人のパーティで上高地に入った。全員検温し体調も確認したうえで横尾山荘、北穂小屋、奥穂岳山荘の3泊の計画だったが予報は連日雨。リーダー雨天決行を決めていたが2日目は前線が日本列島にかかり大雨となった。意を決して横尾山荘を出発する。
歩き出すとすぐに何度か渡渉があったが明らかに増水している。ローカットの登山靴(このパーティにはいなかったが)なら間違いなく水没しただろう。下山してくる登山者から状況を探るリーダー。涸沢まで行って停滞を判断。この判断がとてもクリティカルであったことをこの後のメンバーとの会話で知ることになる。
メンバーの心理状態
大雨での行動は3時間程度。レインの下や靴の中などあまり濡れていなかったのはリーダーを始めわずか。殆どのメンバーは靴の中、下着までびっしょり濡れていたことがわかった。「このまま北穂に向かっていたらきっと低体温になっていたわ」と口々に言う。自分も濡れたメンバーの一人だった。雨の山行は慣れていたし、靴や下着まで濡れることもよくあった。身体を動かしている限り冷えを感じることはなかったが今回は違った。15人という大パーティーであり、また「汗を書かないようにゆっくり歩く」という方針。それでも汗は出る。自分のモンベルのレインの撥水性はとうに失われていて濡れた場合の透湿機能は低下(皆無に等しいか)していた。当然結露するし下着は上下ともにびっしょり濡れた。ゆっくり歩くので体温も上がらない。とても冷えた。北穂まで行くなら一気に湯気を出しながらでも行かないと低体温で倒れると心で思っていた。この心で思っていただけというのが引っかかった。他の濡れたメンバーもこのままでは低体温症になる、と心で思っていたが口にせずリーダーがそう判断するのを願っていた。
結論からいえばリーダーの判断は正しかった。停滞して暖をとり、濡れた衣類を乾かし、装備点検して、ロープワークの練習をして時間を過ごした。リーダーは皆がそんな凍えた状態だったとは知らなかったとも正直に語ってくれた。乾いた衣服に着替て車座になったからこそ皆の本音がでたが大雨のなかでは出なかった会話だ。
自省
・縦走に持ち出すレインはしっかり撥水するものを。
・ゴム長かゴアテックスブーティでなければ靴への浸水はなかなか防げないだろう。厚手のウールの靴下であれば冷えは軽減するが、小屋やテントで乾かすために新聞紙を装備しておく(これは以前の縦走で学んだことだが軽量化とのせめぎ合い、紙の新聞を読まなくなったこともあって最近は装備から落ちていた)
・連泊縦走だとベースレイヤーは臭い対策でどうしてもウールが基本となるが、汗冷はどうしようもなかった。今回の大雨でも威力発揮したかどうかはわからないがファイントラックのドライレイヤーをベースにすべきだったかどうか(今回は悩んだ結果装備しなかった)。
・冷えを感じたらリーダーへ正直に伝える。仲間にも声をかけて我慢していないか確認する。今回のように自分が濡れていたら他のメンバーも濡れている可能性は高い。集団行動していると言いにくいものなのだ。
・ゴム長かゴアテックスブーティでなければ靴への浸水はなかなか防げないだろう。厚手のウールの靴下であれば冷えは軽減するが、小屋やテントで乾かすために新聞紙を装備しておく(これは以前の縦走で学んだことだが軽量化とのせめぎ合い、紙の新聞を読まなくなったこともあって最近は装備から落ちていた)
・連泊縦走だとベースレイヤーは臭い対策でどうしてもウールが基本となるが、汗冷はどうしようもなかった。今回の大雨でも威力発揮したかどうかはわからないがファイントラックのドライレイヤーをベースにすべきだったかどうか(今回は悩んだ結果装備しなかった)。
・冷えを感じたらリーダーへ正直に伝える。仲間にも声をかけて我慢していないか確認する。今回のように自分が濡れていたら他のメンバーも濡れている可能性は高い。集団行動していると言いにくいものなのだ。
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