黒部川赤木沢(無人島脱出後の沢登り)



- GPS
- 56:00
- 距離
- 26.0km
- 登り
- 1,839m
- 下り
- 1,839m
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
装備
個人装備 |
沢基本装備
登攀具基本装備
|
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共同装備 |
ツェルト
ロープ(8mm×40m)
|
感想
赤木沢が初めての沢泊だった。ここに来る前日まで兵庫の無人島に1週間籠って原始人生活をしていたため、折立からのアプローチが身体に堪えた。おまけにその日は天気が悪く、薬師平小屋から黒部本流に入渓する頃には割と本降りの雨が降っていた。這々の体で赤木沢出合に辿り着いてビバークを始めた頃には雨は弱まったが、テンバはぬかるみ、挙句テントの骨を忘れてくるという失敗をおかしたため、潰れたテントの下敷きになりベチャベチャのシュラフに包まって不快極まりない夜を過ごした。
翌朝、9月下旬の北アルプスの朝は寒く、しっとりしたシュラフの外に出ると、なんと快晴ではないか。予報ではこの日もよろしくない天気のはずだったが、空は真っ青に晴れ渡り、黒部の水面に陽光をキラキラと反射させていた。
快晴の知らせで皆を叩き起こし、嬉々として準備をすませ寒さも気にせずザブザブと入渓した。
秋の快晴の赤木沢は想像以上に美しかった。晴れているというだけで相当美しいのだが、紅葉がこれに輪をかけて美しさを演出している。我ながら無人島サバイバル後とは思えないはしゃぎようで天国的なナメと滝を登って行くと、この沢の唯一の難所と言える40m大滝が現れた。左岸のブッシュ帯をよじ登り、それなりに怖いトラバースで落ち口に辿り着く。大滝から先も快晴と紅葉と清廉な水が作り出す極楽浄土を心地よく進み、次第に詰めの様相を呈してくると、沢はそれまでの天国的渓相から姿を変え、両岸からボサの被るヤブ沢となってきた。イージーな藪漕ぎを続けるとやがて沢は枯れ、赤木岳まで続く長く急な尾根に入った。赤木岳直下の斜面はスゴイ角度でそそり立っているように見え(多分実際はそうでもない)、あれを登るのは非常に面倒だねと束の間話し合った結果、隣に見える北ノ俣岳の斜面の方が緩そうだということでそちらを目指すことになった。しかしこれが失敗だった。北ノ俣岳までの道のりが思ったより長く、途中で谷を迂回したり藪を漕いだり全裸になったりしてるうちにすっかり日没間近になってしまったのだ。だが山頂に辿り着いた瞬間、どこまでも続く雲海とそこに沈もうとしている夕陽を見て思わず感激の叫びを上げた。初めての沢泊で登ってきたことも相まって、その時の雲海と夕陽は強く印象に残った。暫く雲海に沈む夕陽を眺めて疲れを癒した後は、ガスと風で凍える山道を5時間かけてヘッデン下山で下り、日付も変わろうかという時間にようやく下山完了。しかしゲートが開いてないので、車中泊となった。
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