北岳


- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.7km
- 登り
- 1,745m
- 下り
- 1,629m
コースタイム
広河原(9:12)-広河原山荘(9:18)-白根御池山荘(10:58)-稜線(12:38)-肩の小屋(12:56)
(2日目)
肩の小屋(7:44)-北岳山頂(8:07)-肩の小屋(9:00)-二股分岐(9:44)-大樺沢(10:23)-広河原(11:50)
天候 | (1日目)雨 (2日目)曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
快速エアポート(南千歳16:58) AIRDO22便(新千歳17:40) こだま687号(品川20:34) 鈍行(熱海) |
コース状況/ 危険箇所等 |
北岳バットレスの崩落により現在二俣から北岳南稜線へのルートは登山の自粛を求められている。 |
写真
感想
札幌でたまたま入った写真展で南アルプス北岳の北岳バットレスを写した山岳写真をみたことがある。なにか心に残る写真だった。
日本2番目の標高を誇る名山であることもあって、それからあこがれに近い気持ちを持っていた。
東京に用事があり休みをつないで北岳まで足を伸ばすことにした。
羽田から品川に出て新幹線。熱海から身延駅行きの普通列車に乗り込むが身延駅に着いたときには私だけを運ぶ専用列車になっていた。
当てにしていた駅前の神社は思った以上に立派な上に交番の前でテントを張るのを躊躇してしまい、近くのビジネスホテルは定休日(ホテルの定休日というのは初めて見た)で、しょうがないので近くを流れる川の公園にテントを張った。
翌日は雨が降り出し、乗り込んだバスは私一人を乗せて広河原に走り出す。
広河原に着いてまあ、行けるところまで行きましょうと雨の中を歩き出す。雨はぬるい感じであまり不快感を感じなかったのだが、北海道にはない大木の横を歩く間に下着が濡れ出す。
御池の白根御池小屋に着いてあまりの立派さに驚いてしまった。
おしっこをして協力金をポストに入れて浅い沢型みたいな登山道を上る。(草すべり)
あっという間に稜線に着く。稜線は風が強く濡れた下着からどんどんと体温が奪われていく。
そのとき、つがいの雷鳥があまり私に驚いた様子もなく歩くのを見て、そのかわいらしい姿に来た甲斐があったとちょっと満足する。
ガスも深く北岳肩の小屋の青い屋根がいきなり目に飛び込んできて驚いた。
中に入って甘酒を注文する。中にはスタッフが6人ぐらいいて「こんな天候の中を・・」と驚かれるが私の方は日高の稜線の様にヤブ漕ぎがあるわけでもなく、なんとなく山小屋に着いてしまった感じなので、「府県の山の場合、登山者の判断としてはちょっとまずかったのかな」とストーブにあたりながら思った。
本当は黒川清輝氏が設計したというモダンな北岳山荘に行くつもりで事前に予約をしていたのだが連絡を入れると「そこで停滞しなさい」とアドバイスを頂く。
更に言うと当初は北岳から中岳・農鳥岳から奈良岡に降りる縦走路を考えていたが、北岳山頂往復に計画を縮小することにした。
客さんは私一人のみの肩の小屋でお世話になることになった。
テレビなんかもあって山荘は非常に快適。暇なので一寝入りして夕食を頂くが、この夕食が誠に豪華絢爛。(テント泊と比較した場合という意味)
おかわり自由で満腹の身をもてあましながらテレビを見て早々に就寝。雨音と風の音がうるさかったが、テントのことを考えると極楽であった。
翌日はゆっくりと天候の回復を待っていたが一面のガスの中をとりあえず山頂に向かって行く。
これもなんとなくあっという間に山頂に着いてしまい、全く眺望のないガスの中でしばしのんびりと過ごす。
肩の小屋に戻って下山は大樺沢に降りるルートをとることにした。
大樺沢に降りるルートの途中で観音岳・薬師岳・地蔵ヶ岳方面が雲海から見えて我慢を重ねた後だったので思いのほか感動してしまった。
本当に拝みたかった北岳バットレスは最後までガスの中だったが少しだけ顔をのぞかしてくれた鳳凰三峰に感謝の念が心にあふれてきた。
沢に降り立つとまた深いガスの中に身を沈めることになる。
広河原から芦安へに行く途中での南アルプス林道のしっとりと濡れた紅葉は見事だった。
白鳳渓谷。これは山岳バスの車中からの眺望に大満足だった。
芦安からの帰りはこれまたたった一人の乗客を乗せた路線バスに乗り甲府駅に向かった。
うちの山岳会では稜線歩きは老後の楽しみにとっておくという言葉が無遠慮に交わされている。
油断はしてはいけないだろうが、府県の山は年をとってからも登れるアクセスの利便性・快適性が山小屋の整備もあいまってあるのは間違いない。
そんな失礼な言葉もある意味、ほめ言葉としても成り立つ気がする。
いつか再訪しあこがれの北岳バットレスを見てできればクライミングし・山頂から富士山を拝みたいと今は思っている。
(北岳バットレスは現在、部分崩落によりクライミングは禁止されている。)
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