養老渓谷〜石尊山〜梅ヶ瀬渓谷

- GPS
- 11:01
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 1,097m
- 下り
- 1,096m
コースタイム
- 山行
- 9:48
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 11:07
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨年,見事な紅葉を見られた梅ヶ瀬渓谷を再訪しようと考えたが,それだけでは物足りないので,未訪問の石尊山を含めた周回コースを計画した。明るくなってから歩きだすことを考え,自宅を3時45分に出る。下道を走って6時前には養老渓谷駅に到着。きれいなトイレを利用させてもらった後,夕木駐車場に。他に車はおらず,街灯の下以外は未だ暗い。気温は0℃で予想していたよりも低く,少し寒かった。
明るくなってきたところで出発。車道を少し進んで,「出世観音」の大きな看板の所で左折。裏参道になるらしい。小さな「牛頭観音」の石碑を過ぎると立国寺(出世観音)に着く。源頼朝に端を発し,由緒があるらしい。観音橋から養老渓谷を眺め,県道を少し進んだ後,「中瀬遊歩道」への標識で右折する。直ぐに大きな共栄・向山トンネルに出るが,上下2層が一部でつながった不思議な構造だった。養老川沿いの中瀬遊歩道に寄り道するが,お目当ての弘文洞跡の少し手前で通行止めになっており,残念であった。
車道を進むと「房総ふれあいの道」の標識がある。養老渓谷駅から麻綿原高原までの20kmほどらしく,石尊山には途中までこの道を辿ることになる。「養老渓谷駅から4.3km」の標識が建っている処から少し進むと,左は斜面,右は夕木川で,落ち葉が積もった少し細い道になった。そして手掘り感のあるトンネルが三つ続き,急に山中に入った感覚になる。トンネル内でライトを当てると地層の縞模様が見て取れ面白かった。夕木川と付いたり離れたりしながら道は続き,盛りを過ぎた紅葉を愛でたりしながら快調に歩く。突然,路を黒っぽい獣が走り抜ける。一瞬だったので良く分からないが,アナグマのように見えた。この後,大福山の近くでも似たような獣と遭遇した。
やがて山間を過ぎて集落が現れると,その向こうに三つの電波塔が見えてきた。恐らく,あれが石尊山だろうと目星をつけるが,思っていた以上に低いなと感じる。立派な車道を少し進むと新筒森トンネル手前の国道に突き当たる。700mばかり南西に進み,「筒森もみじ谷」の看板がある分岐で左の車道に入る。左右に色付いた樹を眺めながら15分も歩くともみじ谷に到着するが,少し遅かったようで,裸木が目に付いた。それでも車はほとんど通らないし,気持ちの良い車道歩きではあった。
道を1kmほど戻り,石尊山を目指して緩やかな車道を登って行く。20分ほどで電波塔の処まで辿り着いた。一番,奥にある電波塔の脇に赤布があり,フェエンスに沿って路が続いていた。ここまではずっと車道だったのが,今日,初めての山道である。直ぐに「大多喜方面」と書かれた分岐があり,なお直進すると山頂に到着した。草の生えた小空き地で,手作り感のある山名標と三角点があり,腰を下して休憩する。ここまでは予定よりも30分ほど早かった。停まっていると寒くなってきたので,腰を上げる。
さて,ここからが本日のメインコースと思い,一寸進むと幾つかの石の祠とベンチがあった。こちらの方が居心地が良かったなと思いながら,急で幅の狭い滑り易そうな石段を降る。下りついた処には赤テープの目印がついているが,目指す方角とは違うようで,七里川温泉に降るようだ。逆の北東に続く踏み跡を辿ると次第に道も明瞭になり,目印も出てきた。時折,車の音が聞こえてくるなと思っていたら,国道のトンネル入り口付近に降る分岐に出るが,ここは直進する。少し進んだ所で斜面にシカが現れ,こちらを凝視したかと思ったら,駆け下って行ってしまった。
行政界に沿って,ほぼ尾根を拾いながら進もうとするが,見通しが良くなく尾根の見極めが難しいし,踏み跡もあちらこちらに広がっている。小さな引返しを何度かしながら進んだが,分岐から400m程進んだ辺りで,現在地に自信が持てなくなりGPSを使う。これで目指す尾根の一つ東寄りであることが分かったので,軌道修正する。その後,238mの標高点の東側で進行方向を北から東に変える地点を探し,ここは無事クリアできた。
次は235mの三角点を過ぎて100mほどの所で方向を変えるポイントを目指すが,小さなアップダウンを繰り返すうちに距離感が無くなり,2度,3度と枝尾根に誘い込まれる。その都度,情けないがGPSの助けを借りて,元の尾根上に戻る。この時点で三角点を既に通り過ぎてしまっていると思い込んでいた。このため,本来の位置より50mほど手前で西方向に折れてしまう。少し荒れてはいたが,人の通過した形跡があり,暫くすると石積みが現れ,少し広い空き地には建物や脱穀機の残骸が転がっていた。踏み跡もそれなりに続いており,壊れた堤防や手掘りのトンネルも現れるなどしたので,車道に這い上がった時には予定通りのルートを歩き,林道大福線と蔵玉林道の交差点付近に居ると思い込んでいた。途中で方角を確認していれば,そんなことはなかったのだろうが・・。
そのまま,車道の対向斜面を登り始める。少し登った辺りから手掛かりが少なくなり,足許がグズグズと崩れやすい所に出くわす。草の根や細い枝を掴み,肘や膝を押し付けながら何とか這い上がった。そのまま,左側に車道があるのを確認しながら少し進むと,いきなり伐採された空地に材木が集積されている場所に出る。人は誰も居ないようだが,その周囲にはハンモックやベンチ,少し深い溝に渡された丸木橋やテントを張れそうな足場が造られている。何かのプレイランドかとも思うが,それにしては,不便なところに在るものだと思いつつ,通過する。更に進むと車道脇の擁壁の上部になり,その先で急傾斜となっており,降れそうにない。ここに来て流石にまずいと考え,GPSを頼る。思いもよらず,想定していた位置から600mもかけ離れた場所に居た。先ほどのプレイランドみたいな所から車道に降りるルートがあるのではと思い,引返してそれらしい所を探すが,見つからない。かといって,必死で登ったところを降るのも危険だと考え,地形図で傾斜の比較的緩そうなルートを辿って大福線に出ようと北上する。踏み跡もあり,それほど苦労せずに林道に出ることが出来た。
大福線の先には埋め立て処理施設があり,そこに向かうトラックが往来しているようだ。10分ほど歩いて,林道加茂線に入るまでの間に数台とすれ違った。加茂線は車両通行止めになっていたが,それ程荒れてはおらず,気持ち良い歩きができた。30分ほど続いたが,急に道が無くなり前方が薮になる。近づくと踏み跡があるので,これを辿ると梅ヶ瀬渓谷が見えてきた。最後は急な斜面を草に掴まりながら降り,細い水流を石伝いに対岸に渡る。
梅ヶ瀬渓谷の沢ルートに出て,倒木に腰掛けて一休みしていると,多くの人達が下に向かって通り過ぎて行く。この時点で15時近くになっており,17時前には暗くなることを考えると日高邸跡は断念しようかと思った。しかし,ここまで来てという思いと,林道に出てしまえば,暗くても大丈夫と考え直し,先を急ぐことにする。昨秋に通っているので,大体の勝手は覚えている。大壁を見上げたり,濡れた壁を眺めたりしながらも急ぎ足で歩く。やがてすれ違う人も居なくなった頃に尾根ルートの登り口に着き,そのまま邸跡まで進む。誰も居ない広場は静かで,地面には赤や黄の葉が散らばっていたが,盛りは少し過ぎており枯れ枝も多かった。1週間遅かったのかもしれない。
少しうろついた後,来た路を戻り,尾根ルートを登る。ここも盛りは過ぎていたものの,路の落ち葉と所々に残っている紅葉とが相まって,本日一番の見どころだった。気分を良くして登っていると,頭上で音がするので暫く見上げていると,一匹の猿が枝を渡っているのが見えた。その後も,数匹の猿が移動しているのに遭遇した。落日の斜光が差して紅葉が映える中を過ぎ,傾斜の緩んだ所を少し歩くと日高誠実顕彰碑脇の車道に出る。偶々,犬の散歩中の女性と出くわす。あまり家屋はないようだけれど近所に住んでいるのかな?
しばし,ベンチで休憩した後,駐車場までのラスト5kmを歩き始める。幅広の車道だが車は全く通らないので,のんびりと歩ける。めがくら橋手前までを「見晴らしの路」と名付けているようで,道の両側にモミジが並んでいた。薄暗くなっていたので,些か煌めきが足りないのは残念であったが。橋の上からは,丁度昇り始めた満月を眺めることが出来た。未だ空に少しの赤みが残り,手前の谷は深く沈み始めている。一幅の絵を見るようで暫く見入ってしまった。その後,急速に暗さが増してき,女ヶ倉の分岐に着く頃には真っ暗けだった。しかし,間隔は開いていたが,街灯が灯っていたのでヘッドランプを出さずに歩けた。予想はしていたが駐車場には誰も居らず,ポツンと灯った街灯が侘しげだった。帰りは下道だけで戻ったが,国道16号で少し渋滞があった他は順調で,実質3時間ほどのドライブで21時に帰宅できた。
今回はルートファインディングで大ポカをやらかし,GPSに頼ってしまった。低山特有の至る所に踏み跡がある状態で,目的のルートを正確に辿る力が未だ未だ不十分だ。特に今回は,方角を取り違えたり,谷と尾根を読み違えたりという初歩ミスをしているので,現場でもたつかないように事前の準備をもっと入念にすべきだろう。とは言え,久々に30キロ近くを歩き,紅葉もそれなりに楽しめたので,面白い山行ではあった。
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