高峰山、大辻山、鍋冠山〜過去に遭難しかけたことも振り返る

- GPS
- 07:24
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,066m
- 下り
- 1,069m
コースタイム
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 1:59
- 合計
- 7:02
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
写真
装備
| 個人装備 |
水分1.6L、ツェルト、雨具、防寒着、チェーンスパイク等9.1kg
|
|---|
感想
登山の目的は人それぞれと思いますが、私の場合一番上に来るのは目的とした山頂を踏むことです。
以前白馬岳頂上宿舎の前で話した人に「山頂には行ったのか、それともこれから行くのか」と訊いたところ「モルゲンロートを見たかったからここまで来ただけなので山頂には行かずに降りる」と答えたのでびっくりしたことがあります。
また、自分と時々山に登る知人も山頂を踏むことにはさほどこだわりはないようです。
人により価値観が大きく異なることを知りました。
そんな、ピークを踏みたい私がこれまでの山行268回のうち撤退したことが8回あります。
1.鍋冠山17/10/7 登山道がない山で彷徨って断念
2.高峰山17/10/7 1を諦めたあと心が凹んだ状態で登り始めるがクマと遭遇し、完全に心が折れ断念
3.高峰山18/2/25 雪の時期に目指すが足跡がなく自分らの体力、技量では登れないと断念
4.五竜岳21/10/10 行き帰りともリフト必須の山行で、元々行けないことを覚悟していた。その通りリフト時間に間に合わないと思い断念(翌年成就)
5.白馬岳22/7/3 雨が強くなり断念
6.西穂高岳22/9/25 朝イチではないロープウェイで出発したこともあり時間的に到達できないと判断
7.鉢盛山25/2/23 雪の時期、出発が遅くなり山頂は諦める
8.乗鞍岳25/3/23 雪の時期、強風で山頂は諦める
高峰山、鍋冠山はセットのお山ですが、私に取っては鬼門なんです。
上記の1&2は同日の山行で、登山を初めて半年後のことでした。
昼に仕事を終え、15時半から登山スタート。
…この辺からして問題ありですね。
鍋冠山は登山道がない山ですが、私はある方の山行ログをダウンロードし、それを頼りに登ろうとしたのです。
ところが、どうもおかしいんですね。
そんなところには行けそうにないんです。
仕方なくコースは変更し「創楽さん」という富山では有名なサイトで辿っていたと思われるコースを記憶頼りに進みましたが、ヤブに苦しめられます。
ヤブではモンベルの杖の先の細い部分、paosukeストラップ(フェレットのストラップ)3つをなくしました。
さらに地形図の「おう地(凹地)」で沼にハマったように足が抜けず困難を極めました。
そんな状態で、持っていたiPadが「17時になりました」と言ったんです。
このまま帰れないかも知れないと思いました。
泣きそうな状態でもがき、なんとか脱出し鍋冠山は断念。
高峰山登山道に戻り、高峰山を目指しました(目指すなっ)。
すると今度はクマに出会ったのです。
前方より重低音の獣の咆哮とドタドタという足音が聞こえました。
猪だと思い、こちらも声を出したのですが、見えたのは月輪熊でした。
向こうはかなり焦っているようで、すぐに逃げて行ったのですが、私も完全に心が折れて帰ることにしました。
というか、クマと会って良かったと言えるかも知れません。
帰りは暗くなり、スマホのライトを頼りに歩いたのです。
もしクマと出会わなければ高峰山の山頂まで行っていたに違いなく、だとしたら帰りはもっと遅くなりスマホのライトが切れていたかも知れません。
他に灯りの放つものはiPadを持っていただけです。
なかなか危ない状況でした。
翌週、知人を加えなんとか鍋冠山、高峰山の両方に登りました。
その冬、雪の鍋冠山に二度目のピークハントを達成。
その後高峰山も目指したんですが、足跡がなくラッセルが厳しく、人生三度目のピークハントを断念したのです。
高峰山、鍋冠山はそういう曰く付きの山になります。
初心者の私に登山の厳しさを教えてくれたのがこの二つのお山とも言えると思います。
***
11月30日はこの高峰山、鍋冠山と大辻山に行ってきました。
過去七回、高峰山登山口を目指していますが、いつも県道154号西種極楽寺線を通って向かっていたのです(ナビ任せ)。
ところが今回もナビ任せだったのですが、違う経路を選ばれました。
日石寺、おおかみこどもを経由する県道67号線を走りました。
悪路で狭い上に崖を通ります。
泣きそうになりました。
県道154号を使うべきです。
前置きにトラブったことを書きましたが、高峰山は難しい山ではないのです。(鍋冠山は難しいです)
そんな高峰山なので、天気も良いしそれなりに人がいるかと思っていましたが、車は停まってなかったです。
まずは高峰山を目指しました。
左手に毛勝三山、剱岳、大日岳を見ながら進みます。
真っ白に雪化粧した地元の名山を見ながらの登山は本当に気持ちよかったです。
一時間ほどで高峰山に到着。
山頂にはうっすら雪が積もっていましたが、足跡はなかったです。
次は大辻山を目指します。
一旦鳥越峠という車道と交わるところまで下ります。
ここはもう一つの高峰山の登山口であり、また大辻山の登山口でもあります。
ここには車が何台かいるだろうと思っていましたが、こちらにも一台もなかったです。
ここで間違えやすいのは、大辻山方面に車道を歩いてしまうこと。
少しだけ反対側(北方面)に戻ったところに登山口があります。
私も間違えて少し車道を歩いてしまいました。
高峰山から1時間半ほどで大辻山の北尾根分岐に到着。
ここまで誰とも会いませんでした。
北尾根分岐から10数分で山頂に到着。
大辻山は県内で何本かの指に数えられる人気のお山なので、北尾根分岐で合流以降は2名、2名、3名と会い、山頂には2名、2名、1名がおられました。
前述のように登山道からも毛勝三山、剱岳、大日岳は見えたのですが、大辻山山頂からの景色は圧巻でした。
大日岳に隠れていた立山も見え、また木の枝に邪魔され気味ではありましたが、薬師岳、鍬崎山も見えました。
そもそも大辻山から見える立山連峰の景色は自宅から見える景色と近いのです。
でも圧巻度合いが全然違いますね。
山頂では食事もしたのですが、それでも1時間17分も山頂にいたことからも、どれだけ景色が素晴らしかったか分かるでしょう!
さて、再び高峰山に戻ります。
さらに高峰山から駐車場までの間の西側に鍋冠山があるのです。
鍋冠山は登山道がありません。
未踏の一回を含め、これまで6回登っていますが、冠雪していた2月が最も簡単に登れました。
夏山は毎回ヤブに苦労しているのです。
ただ、前々回、前回の22年11月、24年7月にはピンクテープを数ヶ所見かけ、やや踏み跡らしきものが見えてそれ以前より登りやすくなっていました。
今回は去年登ったことを忘れていたため前々回22年11月の自分のログを頼りに登りました。
これまでで一番登りやすかったですね。
数年間で、先人の足跡が徐々に目立ってきている感じです。
山頂近くの方が分かりやすいです。
下の方がヤブをかき分けて進む感じ。
高峰山登山道から西に逸れてから26分で鍋冠山に到着しました。
展望はないです。
でもここに着くと「やれやれ」と言うなんとも言えない感覚に浸れます。
大辻山で長く休んだために、暗くなってしまいました。
この日の日の入りは16時36分で、駐車場には17時少し前に着きました。
今年は県外の名山に登ることが多かったですが、今回は大辻山からの景色が最高で、鍋冠山にもさほどの苦労なく登れ、県外の名山に負けないくらい大満足の一日でした。
*****
出会った方は2名、2名、3名、2名、2名、1名の計12名。
おそらくみなさん長尾峠方面からいらしたんだと思われます。
鍋冠山以外は危険な部分、迷う箇所はないです。
鍋冠山は足元やヤブの状態を見て、先人が通ったのはここだろうと見定めて登ります。
山頂付近は急登ですが、当然鎖やロープはないです。
適宜枝や草を掴んで登る感じになります。
動物は見ませんでした。
虫は全く気になりませんでした。
水場はないです。
水分は1.6L用意し850ml飲みました。
樹木や太枝に頭や顔を叩かれた回数は4回。
優しく3回、昭和の小学校教諭くらい強く1回。
この日の上市町の平均気温は7.0℃、最高気温は18.6℃という暖かい日でした。
服装は半袖網シャツの上に薄い長袖シャツ、その上にTシャツを着たり脱いだりでした。
チェーンスパイクは履いた方が良かったかも知れませんが、履かなくても問題ないレペルでした。
自分が停めた駐車場は7台ほど停められそうです。
林道は悪路です。
県道から林道に入り2.9km進みますが、11分かけてゆっくり走りました。
車体を草に叩かれたりします。
それが嫌なら県道と林道の境界辺りに停め、2.9km歩くと良いでしょう。
以前は通行止めだったので、2.9km歩いてました。
雪シーズンはもっと手前に停めて歩く必要があります。
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