岡山県瀬戸内市 おくの細道アルプス 大雄山〜雀岩〜砥石城跡
岡山県
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 03:55
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 381m
- 下り
- 383m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:58
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 3:55
歩行距離8km、歩行時間3時間、歩行数14,500歩、消費カロリー920Kcal
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
なお、砥石城跡入口＜写真59＞の北にある畠山製菓工場敷地内の直営店吉備の舎の駐車場は、登山のための利用は禁止になりました。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所はありません。雄久山磐座ロータリー＜写真36＞を一周した際、西側のみ少しかき分けました。登山道はササが体に当たる箇所がありますが、かき分けずに歩け足元も見えます。今回はマダニは大丈夫でした。 落羽松の森＜写真26,27＞へは登山道から逸れて下りることになります。湿地帯なので雨天や雨後は避けたほうがいいでしょう。 地形図にはない分岐があるので、マップや地図アプリはあったほうがいいです。マップは以前は砥石城跡入口＜写真59＞の北にある畠山製菓工場敷地内の直営店吉備の舎に置いてありましたが、今回は未確認です。 円張釣り公園駐車場から大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞を経て雀岩＜写真29〜31＞までは、一部ササが体に当たる箇所や滑りやすい箇所があります。 駐車場から舗装道路を少し南下すると大雄山（だいゆうざん）猫の鼻登山口です。最初はササの間の細道で少し急ですが、ササはすぐになくなります。ロープが設置されていますが、岩盤の上を歩くなど、なんとなく階段状になっていることが多く、上りはロープなしでも大丈夫です。標高80m辺りの四合目台にはベンチがあり、ロープはここで終わって比較的緩やかになりました。 標高130m辺りからシダの間道になりましたが、足に当たることはありませんでした。 標高170mを超え「大雄山」の道標から西へ、コンクリート道を下りるとアサギ平＜写真05〜10＞です。ハンググライダーのために整備されたメンバー制のフライトエリアですが、無人のときは登山者も立ち入っていいようです。 大智明権現（だいちみょうごんげん）堂＜写真13〜17＞と大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞境内周辺は石段などで舗装道路が延びてきています。石段を下りてコンクリート道に入り、ヤツデ＜写真21＞を過ぎるとすぐ舗装道路になりました。 右折し舗装道路（地形図の太い白線の道）から地形図の破線の道に入るとまた土道です。 落羽松の森＜写真26,27＞へは登山道から逸れて下りることになります。細道をたどって下りきると、足元には太さ数cmの丸太を転がしただけの道があります。固定されていないのでずれて向きがバラバラの箇所もありますが、これを踏まないとたちまち沈み込むことがあるので要注意です。雨天や雨後は避けたほうがいいでしょう。 坪相（つばい）峠で左折し三角点「坪相」＜写真32＞に向かうと、すぐにササやシダの間道になりました。かき分けずに歩け足元も見えますが、脚にはたびたび当たりました。 三角点「坪相」を過ぎると左（東）側に小さい石がありますが、ここで右折するとすぐヤブになります。もう少し直進すると細道が続いています。石が埋まった間を下りますが、少し急でザレているので気をつけないと滑ります。ササやシダはありません。 雀岩＜写真29〜31＞の左（東側）を巻いて下りると、まだ下に岩場が続いています。西側を登って戻りましたが、ザックが木の枝に引っ掛かりました。 雀岩＜写真29〜31＞から長谷峠（長谷越）＜写真38＞までは、足元は見えますがササが当たる箇所が断続的にあります。 雀岩＜写真29〜31＞から三角点「坪相」＜写真32＞までの登りは、石埋まりの間道です。少し急でザレていますが上りは大丈夫です。ササやシダはありません。 三角点「坪相」＜写真32＞から雄久山（おくやま）＜写真35＞までは、足元は見えますがササが当たる箇所が断続的にあります。 雄久山磐座（おくやまいわくら）ロータリー＜写真36＞へは、前方はササヤブになっています。左（東）から突っ込むとなんとなく踏み跡があり、高さ1m少々のササをかき分けずにギリギリ歩けました。一周してみましたが、西側はさらにひどく、少しかき分けました。東側をピストンしたほうがいいです。ここから長谷峠（長谷越）＜写真38＞までは問題ありません。 長谷峠（長谷越）＜写真38＞から砥石（といし）城本丸跡＜写真50〜56＞を経て円張釣り公園駐車場まではよく整備されています。 長谷峠（長谷越）＜写真38＞から北に延びる尾根を進みました。桜坂の道標で右折するとすぐに松山＜写真45＞です。道はまだ続きますが引き返しました。ここから北が躑躅の小径です。コバノミツバツツジが両サイドにびっしりでした。 笠松神社＜写真47〜49＞の少し南からシダやアカマツ、コバノミツバツツジなどの間の細道になりました。体にはほとんど当たらず気になりません。 笠松神社の北に延びる尾根上標高100mのピークに砥石（といし）城出丸跡があります。分岐を見落としたようでそのまま砥石城本丸跡＜写真50〜56＞に向かいました。石段が出てくると砥石城までもうすぐです。 砥石城本丸跡＜写真50〜56＞からは金比羅宮＜写真53＞の参道のような石段や石埋まりを下り、最後は墓地のコンクリートの階段を下りて砥石城跡入口＜写真59＞で舗装道路に出ました。 |
| その他周辺情報 | 砥石城跡入口＜写真59＞の北に畠山製菓工場敷地内の直営店吉備の舎があります。営業時間は9〜17時、年末年始は12月29日から翌1月4日まで休み、それ以外にも12月からは時々休業するかもしれないとのことです。14時前に入店すると、商品は4種類のみですが数はそれなりにありました。入店が遅かったためたまたま種類が少なかったのかもしれません。 なお、おくの細道アルプスの地図は今でもいただけるかどうか未確認です。レジ前の目立つ所にはありませんでした。 |
写真
02ソヨゴ実…直径7mm程の実は1つずつぶら下がります。つるんとして主脈だけが目立つ葉が特徴です。この辺りが「馬のせ」ですが、プレートの文字はもう消えていました。
1
03ホトケノザ…春の七草ではないほうのホトケノザです。花には虫に受粉してもらう開放花と、つぼみのまま自家受粉する閉鎖花があります。つぼみは開放花のものかもしれません。群生を動画にも撮りました。
1
05マリーゴールド…コンクリート道を下りるとアサギ平に出ました。小さな花壇があり、株数は少ないのですが、マリーゴールドが満開でした。オレンジ色もありました。
1
07アサギ平…ハンググライダーのために整備されたメンバー制のフライトエリアで、メンバー登録をすればパラグライダーも利用可能なようです。ここから撮った動画には熊山や金山などが映っています。
1
08大雄山ハンググライダーランチャー台より砥石城跡＆千町川＆芥子山＆龍ノ口山＆金山…北西方面です。手前の尾根のてっぺんに見える白っぽいのが砥石（といし）城本丸跡＜写真50〜56＞、そのすぐ奥は千町川、その奥の山塊の住宅街の少し左が餘慶寺（よけいじ）、左最奥は芥子山（けしごやま）、中央は雨乞山と奥が笠井山、そのすぐ右手前は龍ノ口山、右最奥は金山です。
1
09大雄山ハンググライダーランチャー台より甲山＆経盛山＆熊山＆尺八山…北方面少し東寄りです。手前は瀬戸内市邑久（おく）町山田庄地区、すぐ奥の大きな山塊は高砂山西の81m峰、そのすぐ左奥が甲山（こうやま）で左手前の小さいのが我城山（がきやま）、左最奥は経盛山（きょうもりやま）、その右（甲山の奥）が熊山、81m峰の最奥が尺八山です。
10フジバカマ？実…フジバカマは岡山県では準絶滅危惧種で瀬戸内市には分布していないので、園芸品種（コバノフジバカマ）の可能性があります。園芸品種らしく茎は赤かったような気がします。ただし、葉は浅めに3裂しますが上のほうは裂けていませんでした。これはフジバカマの特徴です。この花の蜜を求めて秋にはアサギマダラがやってくるそうです。
1
11御旅所の地蔵尊…毎年4月29日に行われる大智明権現（だいちみょうごんげん）堂＜写真13〜16＞の権現祭では、各地区のだんじりがしゃぎり（お囃子）に合わせて大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞とここの間を往復します。
1
12宇喜多一門供養之塔…大賀島寺（おおがしまじ）は、和泉守であった宇喜多能家（よしいえ）が住んでいた砥石城＜写真50〜57＞の近くにあったため、宇喜多家の菩提寺となりました。そのため、宇喜多一門の墓碑をここに集めて祀っています。歩きながら動画も撮りました。
1
13大智明権現堂…大智明権現（だいちみょうごんげん）は、大山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神であり、地蔵菩薩を本地仏とします。ここから歩きながら撮った動画には右に大きな地蔵菩薩像も映っています。
1
14大智明権現堂本殿…実は、これを見るまで大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞だと思っていました😅コロナ禍の直前に訪問したのが最後で、今回は急遽下調べなしで行ったので、記憶が・・・。
1
17大智明権現堂鳥居＆タイワンフウ…鳥居の左右にタイワンフウが植えられており、オレンジ色に色づいていました。写っていない左側のほうが色づきが進んでいました。
1
18タイワンフウ…3裂する葉はトウカエデに似ていますが、ほぼT字型になります。また、直径2cm程の球体の実がなります。色づき半ばの葉を動画にも撮りました。
1
20イチョウじゅうたん越しに大賀島寺本堂…報恩大師により創建された備前四十八ヶ寺の一つです。安永10年（1781年）再建の本堂は瀬戸内市の重要文化財です。左手前のイチョウはほぼ坊主でイチョウじゅうたんになっていたので動画も撮りました。また、この南から境内を歩きながら動画を撮りました。
1
25ハゼノキ…ヤマハゼに似ていますが、葉の先端は急に細くなります。また、小葉は1枝に4〜8対と少し多めです。もっと赤くなりますが、これでも十分きれいだったので、見上げて動画も撮りました。
1
26ラクウショウ気根…長さ15cm程です。動画も撮りました。水田跡にラクウショウを植え湿性植物園として開発中とのことですが、これはもう完成形かもしれません。足元には太さ数cmの丸太を転がしただけの道があります。これを踏まないとたちまち沈み込むことがあるので要注意です。
1
30モチツツジ…直径数cmの花はさすがに1輪だけでした。萼などが毛深く触るとベタベタするのが特徴です。岡山県の旭川が西限となっており、旭川を渡ると見られなくなるそうです。寒さにも比較的強いのか、冬でもたまにちらほら咲いていることがあります。
1
31雀岩見上げて…岩の左（東側）を巻いて下りました。まだ下に岩場が続いていますが、いつもこの辺りで振り返りてっぺんを見上げてから引き返しています。動画も撮りました。
1
33おくの細道アルプスヤマザクラ・マップ…おくの細道アルプスのマップはこれが最新版ではないかと思います。手元のは2018年版です。山行後に畠山製菓の工場敷地内にあるお店に行ってみましたが、ききそびれて入手できませんでした。もしかすると、もう置いていないのかもしれません。
1
34雄久峠…道が多く道標の向きをよく見ないと間違えます。うっかりしていると眼鏡池に進みそうになりますが、雄久山（おくやま）＜写真35＞へは少し上りになります。
1
36雄久山磐座ロータリー…古いプレートが見えたので思い出しました。岩がサークル状に並べられているのですが、岡山県の埋蔵文化財地図には載っていません。今回はなぜか前方はササヤブ😅左（東）から突っ込むとなんとなく踏み跡があり、高さ1m少々のササをかき分けずにギリギリ歩けました。この下に石があるはずですが、ササでほとんど見えず😅一周してみましたが、東側をピストンしたほうがいいです。
1
37雨乞塚…これも磐座（いわくら）だろうかと写真を撮り、後日、以前の記録を確認して思い出しました。奥の木の幹にプレートらしきものが写っています。これも岡山県の埋蔵文化財地図には載っていません。
1
39マンリョウ実…プレート＜写真38＞の下にベンチとこれがありました。直径7mm程の実はセンリョウなどに似ていますが、葉の鋸歯が丸みを帯び波打つように見えることで見分けられます。
1
40黄色い小菊…直径2.5cm程の花です。おそらく、植栽でしょう。ここは個人の持ち山で、山野草なども植えてあることがあります。植物採集などは全域禁止です。
1
42白い小菊…直径3cm程の花です。おそらく、これも植栽でしょう。念のため総苞片を確認してみましたが、総苞片は2列で外片と内片の幅はほぼ同じ、外片のほうが短かったです。ノジギクとリュウノウギクは3列、後者は総苞外片が細いです。
1
44長谷山北西尾根より砥石城跡＆甲山＆熊山…北方面少し東寄りです。左手前は忘れており行き損ねた砥石（といし）城出丸跡、中央手前は砥石城本丸跡＜写真50〜56＞、中央の小さいのは我城山（がきやま）でその右は甲山（こうやま）、中央最奥の尖ったのが経盛山（きょうもりやま）、その右が熊山です。動画も撮りました。
1
45松山…桜坂の道標に惹かれて右折すると、すぐにこれがありました。展望は効かず、またしても通過点のようなピークでした。10年前には吹上峠のプレートがありましたが・・・。道はまだ続きますが引き返しました。
1
50砥石城本丸跡北端…少し南からここまで歩きながら動画を撮りました。周辺は開けており、北方面の展望が効きます。ベンチやテーブルもあり、ゆっくり休憩できます。
1
51砥石城本丸跡北端より千町川＆高山＆四辻山…東北東方面です。手前の左のほうは木で見えませんが、出発点の円張釣り公園駐車場辺り、中央は千町川、左奥は高山ですぐ右奥が四辻山、中央の茶色い木の奥が88m峰で左の麓に竹久夢二の生家があります。
1
52砥石城本丸跡北端より千町古川＆芥子山＆雨乞山…北西方面です。手前は千町古川、中央最奥は芥子山（けしごやま）で手前が餘慶寺（よけいじ）、右端は雨乞山です。
1
54砥石山頂上三角点「砥石城」＆野面積みの石垣…標高100.5m頂上三角点「砥石城」の奥に自然石を加工せずそのまま積み上げた野面（のづら）積みの石垣の上のほうが見えています。
1
55砥石城跡切石積み＆野面積みの石垣…野面（のづら）積みの石垣の説明板＜写真54＞から下りてみました。左は金毘羅宮＜写真53＞のものと思われる切石積みの石垣です。右は野面積みの石垣ですが、制作年代も砥石城のものかどうかも不明です。動画も撮りました。
1
57砥石城曲輪…岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」に記載の縄張り図から判断すると、道は砥石城本丸跡＜写真50〜56＞から曲輪（くるわ）を避けるように北東に延びており、ここは曲輪�犬遼姪賣戮龍蔑慂佞蠅任呂覆い�と思います。それほど広くはなく、これがなければ遺構だと思わずにスルーしたでしょう。さらに少し下った所にも曲輪の説明板があり、そちらのほうがわかりやすかったです。
1
59砥石城跡入口…舗装道路に出て振り返りました。石灯篭があるので、金毘羅宮＜写真53＞の参道を下りてきたのかもしれません。確かに、石埋まりや石段がありました。
1
61千町川カワウ成鳥…山行後、駐車場から少し東に水鳥がいるのが見えたので近づいてみました。カワウはウミウとは違い、くちばし基部の黄色い部分の縁がきつい「く」の字に曲がりません。動画を撮りました。
1
62カワウ幼鳥…若いうちは胸部は茶色です。なぜか水に入って翼を広げていましたが、動画を撮っているとそのうちやめました。何のつもりだったのでしょうか。
1
63コガモ♂…カモの仲間ではかなり小さいほうで、大きなカルガモの3分の2から半分近い大きさです。オスはこのように頭部がえんじ色とくすんだ緑色なのでわかりやすいです。羽繕いする様子を動画に撮りました。
1
64カイツブリ冬羽…夏羽よりも全体的に色が薄くなります。2羽で仲良く泳いでいたので動画を撮りました。そろそろバードウォッチングにはいい季節になりました😊
1
65畠山製菓の米菓…山行後、畠山製菓工場敷地内にある吉備の舎で購入しました。14時頃には商品はこのサイズ4種類（もう1種類はザラメ）のみで1袋475円、3袋だと1,188円でした。昆布おかきはとろろ昆布のようなほのかな酸味、紫芋せんべいは芋のほのかな甘みとたまにごまの風味、ごぼう大角はごぼうの風味がしっかりしておりほのかな甘みとたまに唐辛子のピリッとした辛みがありました。
1
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
手袋（防水加工）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子（フード付き）
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
ザックカバー（防水用）
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
|
|---|
感想
【岡山市と瀬戸内市の境に広がる「おくの細道アルプス」へ】
この日の訪問山域はおくの細道アルプス、瀬戸内市邑久町（おくちょう）と岡山市東区邑久郷（おくのごう）にまたがる東西5km、南北3kmの山塊です。地域の子どもたちは、戦前から「邑久（おく）アルプス」と呼び慣れ親しんできました。邑久自然教育の森キャンプ場が整備された際に、おくの細道ハイキングコースとして整備され、平成17年頃から瀬戸内市や岡山市、備前市の有志の手で古道を再生・整備して現在に至ります。ちなみに、我々が中学、高校で学んだ松尾芭蕉の紀行文及び俳諧『奥の細道』は、現在の教科書では「おくのほそ道」と表記されているようです。写本のタイトル表記に合わせたのでしょう。
今回は円張釣り公園駐車場を出発点とし、大雄山（だいゆうざん）、雀岩、雄久山（おくやま）、松山、砥石（といし）城跡と、おくの細道アルプスの中心部を周回しました。最高点は大雄山の標高175mで、尾根上はあまり高低差がない道が続きますので、散策気分で山行ができます。東西南北どの方向からもアプローチができ、いろいろなコース設定ができますので、何度訪問しても常に新しい発見があります。ヤマザクラやコバノミツバツツジの花が咲く春や、紅葉が映えアサギマダラが飛び交う秋は特に魅力的な山となります。
【宇喜多家の足跡をたどって】
円張釣り公園駐車場から舗装道路を少し南下すると大雄山（だいゆうざん）猫の鼻登山口です。最初はササの間の細道で少し急ですが、ササはすぐになくなります。いつの間にかロープが設置されていました。
標高170mを超え「大雄山」の道標が見えてくると、頂上にあった展望台がなくなっていました。気を取り直し、コンクリート道を下りてアサギ平＜写真05〜10＞へ。実は、ここはお初で、どこだろうとずっと思っていました。ハンググライダーのために整備されたメンバー制のフライトエリアですが、無人のときは登山者も立ち入っていいようです。フジバカマ？＜写真10＞が植えられているので、秋にはアサギマダラが見られるそうです。小さな花壇ではマリーゴールドなどが満開で、側からは北方面の展望も楽しめました。
地形図上の大雄山（だいゆうざん）頂上付近には宇喜多一門供養之塔＜写真12＞があります。この南西にある大賀島寺（おおがしまじ）は宇喜多家の菩提寺です。供養塔から北上すると大賀島寺の僧侶の墓地らしき箇所があり、さらに北には比較的新しそうな墓石が並んでいました。
南下して牛馬の守護神をお祀りしている大智明権現（だいちみょうごんげん）堂＜写真13〜17＞に参拝し、鳥居をくぐって大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞へ。ここは報恩大師により創建された備前四十八ヶ寺の一つです。戦国時代には宇喜多氏の庇護を受け、砥石城＜写真50〜57＞城主だった能家（よしいえ）の時代に菩提寺となりました。安永10年（1781年）再建の本堂は瀬戸内市の重要文化財です。また、本尊の木造千手観音立像は平安時代初期の作といわれ、国指定重要文化財です。秘仏で33年に1度のご開帳となっています。ちなみに、最近では2018年11月17日・18日でしたので、次は2051年となる予定です。
石段を下りてコンクリート道に入り、ヤツデ＜写真21＞を過ぎるとすぐ舗装道路になりました。イロハモミジやハゼノキなど、まだ紅葉も楽しめました。
右折し地形図の破線の道に入るとまた土道です。落羽松の森＜写真26,27＞へは登山道から逸れて下りることになります。細道をたどって下りきると、足元には太さ数cmの丸太を転がしただけの道があります。固定されていないのでずれて向きがバラバラの箇所もありますが、これを踏まないとたちまち沈み込むことがあるので要注意です。雨天や雨後は避けたほうがいいでしょう。杉の葉に似た形のやわらかい葉は明るい茶色で、日に透かして見るときれいです。
坪相（つばい）峠で左折し三角点「坪相」＜写真32＞は往路ではスルーしてしまいました😅雀岩＜写真29〜31＞てっぺんは狭く、名無しの山が見えるくらいですが、展望地が少ないこの山域ではほっとできる場所です。岩の左（東側）を巻いて下りると、まだ下に岩場が続いていますが、いつも振り返りてっぺんを見上げてから引き返しています。西側を登って戻りましたが、ザックが木の枝に引っ掛かります。前回と同じことをやってしまいました😅
引き返し、坪相（つばい）峠から今度は雄久峠＜写真34＞へ。雄久峠西の鞍部からは足元は見えますがササが当たる箇所が断続的にありました。今までササの印象はなかったので少し気になっていましたが、ショックだったのは雄久山磐座（おくやまいわくら）ロータリー＜写真36＞です。岩がサークル状に並べられているのですが、岡山県の埋蔵文化財地図には載っていません。今回はなぜか前方はササヤブ😅左（東）から突っ込むとなんとなく踏み跡があり、高さ1m少々のササをかき分けずにギリギリ歩けました。雄久山（おくやま）の頂上プレートの下に石があるはずですが、ササでほとんど見えず😅一周してみましたが、西側はさらにひどく、少しかき分けました。東側をピストンしたほうがいいです。整備をやめてしまわれたようで、代わりに新しい雄久山の道標＜写真35＞ができたのでしょう。
長谷峠（長谷越）＜写真38＞は古いプレートのままでなぜか少しほっとしました。
長谷峠（長谷越）＜写真38＞から北に延びる尾根を進みました。ここはなんと10年ぶりです。いつの間にかできていた展望地＜写真44＞からは目指す砥石（といし）城本丸跡＜写真50〜56＞などが見えました。
桜坂の道標に惹かれて右折すると、すぐに松山＜写真45＞のプレートがありました。10年前には吹上峠のプレートが・・・。道はまだ続きますが引き返しました。ここから北が躑躅の小径です。コバノミツバツツジが両サイドにびっしりでした。ほとんど落葉しており紅葉は見られませんでしたが、満開の花を想像しながら歩けたので十分です。
笠松神社＜写真47〜49＞の北に延びる尾根上標高100mのピークに砥石（といし）城出丸跡があります。分岐を見落としたようでそのまま砥石城本丸跡＜写真50〜56＞に向かいました。石段が出てくると砥石城までもうすぐです。これは金毘羅宮＜写真53＞の参道かもしれません。
砥石城本丸跡＜写真50〜56＞は広々としており、北端にはテーブルやベンチがありゆっくり休憩できます。また、特に北方面の展望が楽しめます。
政治・経済の拠点だった備前福岡（現長船町福岡）や千町（せんちょう）平野を見下ろす砥石城は、備前国を掌握するための重要な城の一つでした。築城時期は不明ですが、浦上則国が文明17年（1485年）にここで戦死したという記録があるので、それ以前だろうと考えられています。
近世の記録によれば、この城は宇喜多能家（よしいえ）の居城でした。そして享禄2年(1529年)、ここで生まれたとされているのが、後に備前・美作（みまさか）を統一して現在の岡山の礎を築く戦国大名、宇喜多直家です。直家が6歳の時、祖父・能家が西隣の高取山城主・島村観阿弥に責められて自害すると、直家は父・興家（おきいえ）とともに砥石城を脱出し、備後鞆（とも）や備前福岡などを転々としました。弘治2年（1556年）に城主であった宇喜多大和守を直家が討ち取ったのは確かなようです。本丸跡＜写真50〜56＞の南東には能家（よしいえ）の代に宇喜多家の菩提寺となった大賀島寺（おおがしまじ）＜写真20＞があり、宇喜多氏にとって重要な場所であったのは明白です。
石垣跡＜写真55＞もありますが、切石積みのほうは天保年間（1830〜1844年）にはあったとされている金比羅宮＜写真53＞のものと思われます。野面積みのほうはそれよりも明らかに古そうですが、制作年代も砥石城のものかどうかも不明です。
道は砥石城本丸跡＜写真50〜56＞から曲輪（くるわ）を避けるように北東に延びており、本丸跡北東の遺構はヤブに入らなければよくわかりません。金比羅宮＜写真53＞の参道のような石段や石埋まりを下り、最後は墓地のコンクリートの階段を下りて舗装道路に出ました。
今回は急遽下調べもマップもなしで行ったのですが、地図アプリで迷うことなく歩け、このコースで改めて宇喜多家の歴史を振り返ることができました。
12月6日（土）、岡山コンベンションセンターにて「宇喜多直家・秀家と豊臣秀吉」というタイトルでイベントが実施されました。
豊臣政権下の五大老（徳川家康・前田利家・毛利輝元・小早川隆景・宇喜多秀家）で唯一、大河ドラマに取り上げられていないのが宇喜多家です。「戦国宇喜多家を顕彰する会」が2023年11月に立ち上がり、特設サイトでドラマ実現に向けた署名を集めた結果、その数が遂に6万を超えました👏最終的にそれらの声がNHKに届くかどうかはわかりませんが、生まれ故郷の瀬戸内市から岡山城がある岡山市にかけての地域を中心に当面は宇喜多フィーバーが続くでしょう。主君など目の上のたんこぶをことごとく殺害し戦国の梟雄（きょうゆう）といわれた直家のイメージも最近は見直されつつあります。さあ、真の宇喜多像を全国へ😊
【どうなる畠山製菓の工場直営店】
山行後、砥石城跡入口＜写真59＞の北にある畠山製菓工場敷地内の直営店吉備の舎に立ち寄りました。14時前に入店すると、商品は「ふりかけ昆布おかきわれ250g」、「紫芋小丸せんべい200g」、「ごぼう大角われ250g」、ザラメ（詳細は未確認）の4種類のみで1袋475円、3袋だと1,188円でした。数はそれなりにあるのですが、種類があまりにも少なく、壁際の棚はすべて空っぽだったので驚きました。入店が遅かったためたまたま種類が少なかったのかもしれませんし、元々、12月は休みが多いので心配は無用かもしれませんが、少しドキドキしてしまいました。
入口には店に用のない方の駐車はご遠慮くださいなどの張り紙もありました。以前はご厚意で登山者にも駐車場利用を許可してくださっていましたが、近年は登山者が増えたのでさすがに断っておられるようです。また、おくの細道アルプスの地図もレジ前の目立つ所にはなく、もしかすると、もう置いていないのかもしれません。このようなことから登山者の足が遠のき営業に影響しているのではと、連れは失礼なことを考えて不安になったようですが、岡山では人気の米菓メーカーでスーパーでは商品を見かけるので、大丈夫でしょう。
3種類＜写真65＞購入し後日、じっくり味わいました。素材の風味が基本の薄味で岡山県民好みのやさしい味は相変わらずです。福袋、発売にならないかな😊
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
大雄山の最新記録
砥石城址の最新記録
松山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する