TOKYO100(2025)―去年の宿題を果たしに

- GPS
- 21:58
- 距離
- 98.8km
- 登り
- 6,885m
- 下り
- 6,747m
コースタイム
- 山行
- 13:25
- 休憩
- 1:37
- 合計
- 15:02
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:52
| 天候 | 晴れ→曇り→鷹ノ巣山山頂付近で雨(みぞれ?)→曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
去年は腸脛靭帯の痛みでリタイアして宿題になっちゃってたTOKYO100。
今年はこの完走を一大目標にトレーニングを積んできて順調にきてたつもりだったけど、最終調整がてら参加した1ヶ月前のハセツネで再度腸脛靭帯炎に。
スタートに立たないことも考えたものの、
「今は痛みもひいてるし、また腸脛靭帯炎対策を試せる良い機会や!それに高い参加費も払っちゃってるし(←コレが一番デカい。お値段なんと\27,000円)」
まぁまだ起こってもない未来のことを考えてそんなに不安になるのもなんだか馬鹿げてるよな。
ということで参戦してまいりました。
で、結果の方は無事完走・・・しかも24時間切りで、自分では出来過ぎな結果に。(いや、ほんとやってみんとわからんもんだ)
何が良かったのかは正直わからないけど、この1年(レース前から)のことはもちろん、レース中も本当に色んな人に助けてもらっての結果なのは間違いなし。
本当にすべてに感謝したい気持ちでお腹いっぱいです。楽しかった!
◆腸脛靭帯対策
・膝周りにしっかりテーピングした
・痛くなった時は毎回同じ靴だったので靴を変えた
・ニーイン(膝が内側に入ること)を防ぐために着地時の足先を若干外に向けた。
・足は股関節からあげる意識。
・舗装路や硬いサーフェスの下りは飛ばさない(何だったら歩く)
◆暗いライトの良さ
ライトが明るいと遠くまで見えちゃう分、上を見上げると「あんな所まで登るんか・・・」なんて考えちゃうけど、暗いと数歩先までしか見えないから目の前の一歩に集中できる。
「ライトは明るきゃ明るいほどいい」って思ってたけど、登りに関しては暗い方が自分にはいいのかも。
もちろん先の事を考えるのは大事。
でも、先に行くには目の前の一歩しかないんだよね。
(と、何だかそれっぽい事を申しておりますが、先が見えな過ぎて何度かロストしかけたんだけどね)
◆ワークマンすげぇ
今回の上半身のレイヤリングは、
・メッシュインナー(おたふく手袋)
・メリノウールTシャツ(ワークマン)
・サーモライトトレックハーフジップ(ワークマン)
の3枚重ね。
この2日間は奥多摩の平地だと最低気温が4.7度、最高13度。
山の上はもちろんもっと寒かったハズだったけど、動いてれば寒さは全く問題なかった。
(ダウンやらレインも一度も羽織ることなく終わった)
特に良かったのは一番上に着たワークマンの "サーモライト" 。
寒さに敏感な長野の友人が「バカたけぇ山用フリースと同じぐらい使える」と言ってたけどマジだった。
ちゃんと暖かいし汗抜けも悪くないしで寒い季節にはもってこい。
(これでお値段1500円ってワークマンすごくない?)
◆レース備忘録(おそろしく長いので注意)
※自分の場合はTOKYO100はざっくり「5回登る」って考えて5セクションに分割
★レース前
会場にはスタート1時間前の8時頃に到着。
知り合いで出走するAさん、Iさん、応援に来てくれてたSさんらとお喋りしたり写真を撮ったりしながら準備を整えてスタート待ち。
(誰か知ってる人がいると緊張が和らぐからホントありがてぇ)
★青梅丘陵~高水山~古里中学校(スタート~A1)
1セクション目。
スタート地点に並んだら、近くに7月の中央アルプススカイラインジャパンで知り合ったKさんがいたので(超人の強さの秘訣を探るべく)ついて行かせてもらうことに。
Kさんはウルトラのレースが主戦場で200kmを越えるトレイルのレースに出たり普段から24時間山練をやってるようなウルトラマン。
(そして何より相当のお喋りである。前世は漫談師か何かだったに違いない)
結局この区間は最初から最後までずっと口が止まらないKさんと楽しくお喋りTimeだった。
Kさん曰く「話してるとちゃんと息を吸うから体中に酸素が行き渡るんだよ」とのこと。
彼の強さの秘訣はやはりこのトーク力なのであろう・・・。
ちなみにChatGPTによると、『人は話すことで呼吸がより意識的・深くなる傾向があります。つまり、「話す=呼吸をちゃんとする」ことにつながることが多いです』とのこと。
なるほど、話すことがちゃんと一定の効果に繋がる可能性はあるようだ。
(いや、もちろんやっぱり積んでるトレーニングが半端じゃないんだけども)
Kさんのおかげであっという間に古里中学校のエイドに。
相変わらずフルーツポンチのサイダー割が美味しかった。
(そして相変わらずトイレが遠かった)
★川苔山~鳩ノ巣渓谷~奥多摩エイド~むかし道~水根エイド(A1~A3)
2セクション目。
登りは補給のためにペースを落とすまでは引き続きKさんとお喋りしたり、Kさんのトークに加わってきた(巻き込まれた?)人との会話をラジオに黙々と登る。
途中TJAR戦士の牧野さんが応援ランでやってきたり、この尾根は今の時期紅葉もなかなかキレイで目で見る楽しみもあって辛さはほとんどなく登り終える。
下りは段差が大きかったり硬いサーフェスの所もあるので足のダメージを最小限にするべく意識してとにかくスピードは抑えめで。
途中から同じぐらいのペースになった二人のお姉様らとお喋り。
お一人はTokyoGroundTrailの100mileを完走してる人で、もう一方の方も彩の国100mileに出てるようなマイラーの方達だった・・・。強い・・・!
結局下りは昨年のタイムより+20分(約80分)のペースで下山。
鳩ノ巣の住宅地に降りてきたら応援の元気な声が。
「応援に行くよ」って言ってくれてた友人のMさんとYさんらがおりました。
そのまましばらく歩行区間なのもあってお喋りしながらこれまた紅葉がキレイな鳩ノ巣渓谷を楽しみながらのんびり一緒に奥多摩エイドへ。
話してたら「明日のゴールも見るからね?」って言われて、キョトンとしてたら「車中泊で2日間応援入りする」って話を聞いて驚愕。
いやいや、ありがたいけどいくらなんでも気合入り過ぎでしょ。
とにかくまた一つここまで帰ってこなきゃいけない理由ができちゃった瞬間だった。
エイドは焼きそばをおかわりしてたらふく食べる。
やっぱしょっぱい物は美味しい。塩分は正義。
思ったより気温は低くないし、汗もそこまでかいてなかったので、一番上の服だけ着替え&行動食を入れ替えて再出発。
奥多摩のエイドを出てむかし道に入る頃には辺りはだいぶ暗くなってた。
むかし道は今年は前後に全然人がいなくて、真っ暗な中終始一人旅。
途中唯一会った人といえば、道の向こうからすげぇ勢いで走ってきたおっちゃん(?)。
クマでも出て引き返して来た選手かと思ったら、ただのジョギングの人だった。
こんなケモノしか出なさそうな所を真っ暗な中ジョギングしてる人がいるんだなぁ・・・世界は広い。
水根のエイドのスープは今年は牛スジ(?)煮込みのスープだった。
去年のミネストローネも美味しかったけど、これはこれで具沢山でウマシ。
お団子も一本食べて、おやつにクリームパンを一ついただいてささっと出発。
★惣岳山~月夜見~風張林道~藤倉(A3~A4)
3セクション目。奥多摩湖から惣岳山までが、約3km、800mUPとパンチのある登りで本当にツライ。
直登気味に登っていくから上を見上げてしまうと先を行く人達のライトが遥か高い位置に見えて「あんなとこまで登るんか・・・」と辛くなるエリア。
とにかく上は見ずに目の前の一歩に集中して進むのがオススメ。
今回のレースで足が止まったり苦しんでる選手を一番見かけたのはこの区間かな?
惣岳山に着いたらエイドでもらったクリームパンを食べがてらちょい休憩。
(いくらレースでも固形物はやっぱ落ち着いて止まって食べたい派)
山頂には10分もいなかったと思うけど、その間だけでも2,3人、間違った方向に行っちゃいそうな人がいたので、ここもロストしやすいポイントなんだろうなぁ。
惣岳山から先、風張峠まではまだ登らなきゃいけないけど、惣岳山までの登りに比べたらカワイイもん。
1ヶ月前のハセツネの想い出に浸りながらさくっと風張峠着。
風張峠からは下り基調。
脚の調子もここまではほぼ問題なしで、全く走れない脚で半べそになりながら下った去年とは大違い。
ココまでくるとゴールできそうな気がしてきてた。
藤倉のエイドに到着すると、先に来てた選手に
「あれ、去年ここで腸脛痛めたって言ってた人じゃないですか?」って声を掛けられてビックリ。
さらには、エイドのスタッフにも去年と同じ顔ぶれの方々がいて、
「あれ、去年の人じゃないですか!ここで4時間悩んでから出てったのはスタッフの間で伝説になったんですよ」って言われる始末。
なんだかちょっと恥ずかしかった・・・が、人に覚えててもらえることは嬉しい。
相変わらず人があったけぇエイドで長居したくなっちゃったけど、調子がいい時にいけるだけ行っときたい気分だったので、山もりの美味しいうどんを2杯とミルクティをいただいて出発。
「今年は随分早い出発だねぇ」と笑いながら見送られて藤倉を後に。
★湯久保山~御前山~奥多摩エイド(A4~A5)
4セクション目。
最初の舗装路の登りが相変わらずとんでもねぇ斜度。
真っ直ぐ登るにはしんどすぎて、ひたすら斜めにジグザグ登った。
(ここだけでも真っ直ぐ歩いた人より数百メートル余分に歩いてるに違いない)
トレイルに入っちゃえば、段差の少ない(脚を上げる必要の少ない)トレイルで個人的にはめっちゃ登りやすい方。
急なことは急なんだろうけど、惣岳山までの登りに比べたらこれまたカワイイもんで。
このパートで問題なのは下り。
奥多摩エイドまで約8km近く舗装路&林道で軟弱な膝の持ち主の自分には拷問に近い。もちろん急な所は無理せずジグザグに早歩き。
(そんな傾斜をもろともせず駆け抜けてく選手がいたけど、あの人の足は鋼鉄か何かでできてるんか?)
下ってるうちに電波が入る所もちょこちょこ出てきたので、知り合いからのLINEの応援メッセージを読んだりIBUKIでAさんとIさんらも頑張ってることを確認して心の補給食を摂取。
平らな所と緩やかな登りはちゃんと走って奥多摩エイドへ。
奥多摩エイドの手前でMさんとUさんがお出迎え。
「応援し甲斐があって楽しいよ!」と言ってくれても、こんなド深夜まで応援なんて・・・ほんと頭があがらんです。。ありがたい。
エイドで少しお喋り&補給をしたら、自前で持ってきたレッドブルをキメて翼を授けてもらってラストセクションへ。
★石尾根~フィニッシュ
5セクション目。TOKYO100で一番登る(約2000mアップ)セクション。
ラストに一番高い山(鷹ノ巣山/1736m)に登らせるっていうなかなか鬼畜なコース設定。
(でも、いかにもラスボスっぽくてコレはコレで燃える)
この区間は三ノ木戸林道分岐~狩倉山がまーじできつかった。
(比較的緩やかな石尾根だけど、ここだけ見ると約1km300mUPみたい)。
鷹ノ巣山周辺までくると少し雨(みぞれ?)がパラついたり、強い風も吹いて、霧も出てるような悪天候だった。
でも、ここを登れば登りはほぼ終わると思えば、ちょっとした悪天候なんてなんのその。
そういえば、鷹ノ巣山の手前の窪地(平らな場所?)にライトをつけて何やら作業(テンとの片付け?)をしてる集団がいたけど、あれは何だったんだろう。
この悪天候の中テント泊してたハイカー集団?(まさか幻覚じゃないよね?)
チェックポイントの鷹ノ巣避難小屋で悪天候の中、外で待機してくれてたスタッフさんらと少しお喋りして復路へ。
(天気が悪かったら中にいても全然良いと思うんだけど・・・本当にご苦労様です)
鷹ノ巣山からの帰りは、往路の尾根道とは違って、巻き道なので走れる所も多め。
「さっきまでの雨風はなんだったん?」ってぐらい快適な暗闇の山の中をひたすら下ってく。
あまりの静けさにふと頭上を見上げたら木々の上からコッチを見てくる無数の動物の目にギョッとしたぐらいで、特にトラブルもなく順調に進む。
(もちろんちょこちょこ痛い所はあるにはあったけど、心配してた腸脛は全く問題なく脚もウソみたいに残ってた)
そこそこに下ってくるとこれから鷹ノ巣山にアタックする選手らともかなりすれ違って、もうみんな戦友かの如くお互いに声を掛け合う。
(こういうすれ違える所があるといいよね。一言二言でもちょっと喋るだけで元気が出るし)
民家のあるエリアまで降りてきたら、相も変わらずMさんとUさんがお出迎え。
「22時間切れるよー!!」ってお尻を叩かれる。(鬼だね)
そんなこんなで最後の最後まで走らされてゴールへ。
あきらめないで挑戦して本当に良かった!
また一つ一生の中で幸せな思い出が増えた2日間でした。
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T.Saku


















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