秋晴れの高尾山。紅葉と人とビールの漫ろ歩き。

- GPS
- 05:07
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 693m
- 下り
- 716m
コースタイム
- 山行
- 4:04
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 5:07
| 天候 | 晴時々くもり |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
稲荷山コース。
最近よく耳にするようになった。かの高尾山へのコースの1つの様で、最近、復旧(?)したということで開通したみたい。いつもと違う高尾山が見られるかも知れない。
高尾山だけを目的地として歩いたのは、もう何年も昔のことで、「登山」が目的と言うわけではなかっと思う。数あるアクティビティの中の1つとして、遊びに行っただけだった。
高尾山って。
山歩きを本格的にする様になり、どうも高尾山は「ついで」の通り道となっていて、それは特に「帰り道」が多く、最後に1号路か、リフトに揺られて下ってくるだけになっていた。
そんなこんなで、〇〇コースという知識はないのだけど、最近、話題(?)の稲荷山コースから高尾山を歩いてみることした。そして少し足を伸ばして、一丁平までのルートを引いてみた。
今日は身も心も身軽に。
先週の八ヶ岳からの、気分のコントラストが少し可笑しくて、でも山は山、歩いている最中は、何処の山を歩いていても、やっていることはたぶん同じで、足元を見つめながら、ただ一歩一歩と足を運び、時々、顔を上げては、景色を見ながら一息つく。ただそれだけ。
何となく、いつもの重たいカメラは置いていくことにした。カメラを持っていると、なんか記録しておかなきゃ、という、何にも役に立たない使命感に縛られる。気持ちも身軽になろう。
でも、帰ってからももう一度、山歩きを楽しめる「楽しみ」がないのは、ちょっともったいないのだけど。
必要最小限の荷物と、ビールを冷やしているクーラーバッグだけはザックに詰めた。
なかなか遠出ができない日が続き、大一番を欲していたのに、今は身も心を軽くなりたいと思っている。そんな移ろう気分が可笑しい。
気ままに起きて、気ままに出掛ける。
目覚ましも掛けずに、目が覚めるままに起きて、のんびり準備をして、電車に乗った。いつもの山歩きの出発より、随分と遅い時間。電車はいつもの通勤時間帯の様に人が行き交っていて、あまり席にも座れず、立ち尽くしていた。
9時半に高尾山口駅に着いた。遠方の山だとこんな時間からのスタートは普通であるけど、高尾山だと、ずいぶんと遅発になってしまった。
ここは夢と魔法の国か。
この時間はこんなに人が多いん、、というか、人が溢れている。始発で来た時もそれなりに人が多いなぁ、という印象だったけど、これほどまでとは思わなかった。ぞろぞろとした人の波に飲まれていく。
お目当ての稲荷山コースは、ケーブルカー乗り場の左脇にあった。 あ、ここか、ここなんだ。見たことあるわ。と、ここは前は閉まってたんだっけ、と、曖昧な記憶。暖簾、ではないけど、山火事に注意の旗を潜って、稲荷山コースが始まる。
階段尽くし。でも、かの丹沢の大倉尾根の階段に比べれば、どってことない。舗装のされていない登山道ぽいのだけど、このコースも人が多い。観光客はみんな1号路を歩いているのだと、勝手に思っていた。
また、普段着の人も多いからなのか、まるでショッピングモールを歩いているみたいで、ぞろぞろと、人の波について歩いた。
割とみなさん歩く速度は早い。
「紅葉まつり」というのが開催中のようだ。お天気の良さそうな週末。木々の間から山肌の紅葉が、ちら、ちら、と見えて、麓の秋を楽しむ、森歩き。
流石に世界で1番登山する人が多い高尾山。女も男も日本人も外国人も、地球の全ての種類の人種がここに集結している様にも感じる。くらい、人が多い。
ぶらぶらと歩いていると、稲荷山に着いた407m。
ベンチには沢山の人が休憩している。眺望が開けていて、八王子らしき街と、その先に都心のビル群が、東京都心ビル主稜線の山脈の様に霞んで見えた。
そのまま先へ進むと分岐に出た。あら。ここは、来たことあるぞ、と、思ったら、少し前に歩いた高尾林道の分岐だった。ここに繋がってるのかぁと発見。歩きやすい段差の階段ルート、ここからは割と直ぐに高尾山山頂の脇に出た。
山頂は大盛況の大繁盛。
あまりの人の多さに閉口、すぐに立ち去る様に、裏高尾、一丁平への分岐へ急ぐ。少し下った、もみじ台、という所を最後に、観光客的な感じの人は、急に息をひそめ、登山者的な人が多く占める様になった。もみじ台が最後の砦の様である。
いつもの山歩きの感じになってきた。木段を登り下りして、時々現れる、抜けの良い景色では紅葉の木が、緑の山肌に彩りを添えているのが見える。立ち止まってはスマートホンで写真を撮ってしまう。やっぱり撮ってしまう。
一丁平へ至る道には、登山者が広場に溜まりつつなってきて、今日のゴール、一丁平の展望台に着いた。残念ながら、霞が強くて、富士山は見えなかったけど、暫し景色を眺めていたら、お腹が減った。少し早いけど、少し先のベンチとテーブルが空いていたので、お昼ごはんにする。
11時半。そういえば、ここまで3時間、一度も休む事なく歩いてきた。
テーブルでお店を開く。持ち上がった缶ビールをちびちびやりながら、お湯を沸かして、チキンラーメンを待つ。
いいお天気。日が差すとぽかぽかして、目を細めてまどろんでしまうほど。お尻に根がはりそうだった。
澄んだチキンラーメンのスープが沁みる。
ひとしきり、ボケっとしていたら1時間くらい経っていた。
こういう過ごし方も良い。久しぶりの良いお天気の、時間も気にしない、久しぶりの、のんびり山歩き。長閑な時間が流れていた。
帰りは、そぞろ歩き。
さて、引き返す。高尾山の山頂は巻いたら(たぶん5号路)、舗装された1号路に出た。再び、ぞろぞろとした人の列に合流した。このまま1号路で下山すると、いつもと変わり映えしないなぁ、と、思っていたら、4号路、が現れる。そちらに舵を切る。普通に登山道なのだけど、普通に、普通の靴の観光客が連なって歩いている。普通に歩きにくそうではある。
吊り橋を渡る。へぇ、こんなのがあったんだ。と、とても新鮮な気持ちで歩いている。吊り橋は揺れつつ、揺られつつ、渡っていった。あまり得意ではない。
どんどんと下っていくと、再び、1号路と合流した。舗装された道=1号路、とだけ記憶していた。
と、直ぐに2号路の分岐があり、そちらを選ぶ。
今日は意地でも1号路を歩かない、ぐらいな気概である。
分岐を琵琶滝という道標べの方へ進む。今、高尾山コースマップを見ながら、書いているけど、Bad Trail、とあった。確かに、悪路注意。という看板があった。
そんなBad Trailを下っていると、下の方からお経の様なものが聞こえてきていた。滝行をしているのかな、と、琵琶滝に着く前に、そのお経も終わってしまった。残念。
もうこの頃には、人は疎となって、普通の淋しい登山道を歩いている様だった。
さらに下っていくと、ケーブルカーに沿うように6号路に合流した。舗装道に変わり、ぶらぶらと、歩いているとケーブルカーの駅の脇に、朝入った稲荷山コースの入り口に出た。一周した!
まだ少し歩けそう。
高尾山口駅前までの間にあるオシャレショップ。ちょっと寄ってみたりと、下山後、直ぐにショッピングも楽しめる、何かと整っている。整い過ぎ、でもある。
高尾山口駅を過ぎた。今日は高尾駅まで歩こうっと、まだ少し歩き足りなかったのかも知れない。ぶらぶらと、身軽に気軽に、ただ歩きながら、どこで飲もうとかな、なんて考えながら。そういえば高尾駅の駅前にちょっとオシャレなビルがあったはず。そこにしよう。と、今日はそんなオシャレ気分になっていた。
と、間違えて、JR高尾駅の方へ来てしまい、ぐるっと線路を迂回して、京王線の方へ回った。
KO52。
京王のKOだった。山歩きの後は、あまりオシャレカフェ的なところより、どちらか言えば、地元の、味のあるご飯を好んでいたのだけど、今日はオシャレスポット的なKO52 TAKAOに寄ってみた。クラフトビールの専門店が入っていた事を思い出した。
「山と渓谷」コラボ・ビール。
というのが目に入った。どちらかと言えば、クラフトビールより、普通の生、キンキンに冷えたスーパードライとか一番搾りみたいな、普通のビールの方が好きだ。
なぜこのお店にしたのかは謎、なのだけど、東京のお山の、オシャレな雰囲気のお店も軒を連ねる高尾山に刺激を受けたに違いない。すぐに影響されやすい。いや、感受性が豊か、という事にしておこう。
おつまみは、何とかフリットというオシャレな名前だったけど、覚えられなかった。ようはポテトフライだった。
例のヤマケイコラボ・ビールは、いわゆるクラフトビールらしい、クラフトビールで、別の名前が付いていても、何も問題がないくらい、あまり山とか渓谷な感じはなかった。
この刺激が薄いクラフトビールは、割とゴクゴクといけてるけど、歩き疲れた喉を潤すには少し足りなかった。
もう一杯、トマト風味(?)+ハーブのオシャレビール。
ほんのりトマトが、レッドアイの様な感じで、美味しかった。
お家になかなか辿り着けない。
ビールを2杯飲んだからなのか、お尻がぽかぽかする季節になったからなのか、すやすやと眠りに落ちてしまい、降りるはずの駅を乗り過ごしてしまう。
引き返して、乗り換えをして、次は寝るまい。としていたの、気がついたら、またしても3駅ほど乗り過ごしていた。
なぜか、なかなか帰れない。また引き返して、最後の乗り換えを、次こそは寝るまい。と、目を開いてスマートホンを見続けた。
ようやく。家に着いた。
最後に。
いろいろ道を選べる登山道。都心から1番近い高尾山。高尾山でしょ?なんて、思う事もありますが、やはり初めて歩く「道」はやっぱり楽しいです。
また、安全も担保されて、初めての道でも、のんびりと歩いて、もちろん地図はチラチラと確認しますが、たぶんこの辺かなっと、感覚で歩けてしまう気軽さがある高尾山でした。
母数が大きいため遭難の件数も全国1位とのことですが、決して無理をして歩かない、のは、どこの山でも同じ事だと思います。
霞んでいたものの、晴天のもと、今日はのんびり山歩きを楽しめました。よく知っているはずの人なのに、いつもと違った側面を垣間見た様な、高尾の山歩きでした。
しみじみ山歩き











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