比良山/雨が止むのを待って武奈ヶ岳@秋がやってきた


- GPS
- 05:14
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,134m
- 下り
- 1,134m
コースタイム
- 山行
- 5:02
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 5:13
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨日までの天気予報では雨は降らないはずだったのに、朝起きて出発の支度をしていると雨が落ちてきた。窓越しに空を見上げながら、雨雲レーダーを確認する。どうやら4時間ほどは降り続くらしい。しかし夜明けとともに雲は衰えていくだろう。そう読んで、早朝からの仕事を片づけながら2時間ほど様子を見ることにした。
やがて予想どおりに雨脚は弱まり、路面の水も引いてきた。予定していた急坂のバリエーションルートは濡れた地面は滑りやすく危険と判断し、無理をせずいつものイン谷口へ向かうことにする。正面谷の駐車場には、朝方の雨にもかかわらず多くの車が並んでいた。武奈ヶ岳まで行けるだろうか、と半ば流れに任せて登り始める。
登山道はしっとりと濡れ、苔が息を吹き返したように鮮やかだった。隠れ滝や金糞滝を「また来ました」と心の中で挨拶しながら今日は寄らずに通り過ぎる。帰路に同じ道を辿ることになったら挨拶していこう。
青ガレの近くでミヤマウズラを探すが、特徴的な葉も見当たらない。花の季節はとっくに過ぎているとはいえ、少し寂しい。
足は軽く、金糞峠でも立ち止まらずにそのまま進む。
空は明るくなり、雨の気配はもうない。調子も上々という事もあり、中峠ワサビ峠から西南稜を経て武奈ヶ岳へ向かうことにする。中峠手前ではサワフタギの青い実についた水滴が点々と光り、ワサビ平ではキタヤマブシの咲き残りが一輪だけ私を待っていてくれた。
ワサビ峠へと向かう谷筋の水はいつもより多く、しっとりとした空気の中に秋の匂いが混じる。
正面谷から三舞谷まで谷や峠が一直線に並ぶ地形を見ていると、ここが断層の上なのではないかと想像する。
ワサビ峠から灌木帯を抜けると、緩やかな尾根の西南稜に出た。中峠では少々風があったのでここでの風は覚悟していたのだが、不思議と穏やかだ。大陸の高気圧が停滞前線を日本の南に押し下げていて、等圧線が混み合い北寄りの強風が吹いてもおかしくないのだが、日本海に低気圧でも発生したのだろうか。帰ってから天気図を見るとこの予想はズバリ的中であった。
山頂へ向かう道は静かで、行き交う人もわずか。ここではたくさんの秋の花が咲いてた。リンドウは今年は当たり年なのか、例年より随分と多く見られる。曇り空の下では花は閉じたままだが、それもまた控えめな美しさだ。
アキノキリンソウ、オトギリソウ、ホツツジなど、秋の花がまだ咲き残っていたのもまた嬉しいことだった。さらに晩春から初夏にかけて咲くアカモノがポツリポツリと咲いていた。足元を注意深く見ると小さなセンブリも結構咲いていた。
振り返ると、北山や蓬莱山に纏わりついていた雲が溶けるように消えていく。
武奈ヶ岳の山頂に立った瞬間、北からガスが湧き上がり、琵琶湖の景色があっという間に白に沈んだ。少し肌寒く感じるので、山頂に止まる事なくコヤマノ岳方面へ下る。旧スキー場の上部まで来ると、再び視界が開けた。琵琶湖の向こうに横山岳、伊吹山、鈴鹿の山々、さらにくっきり白山、目を凝らすと御嶽、中央アルプス、恵那山まで見渡せる。曇ってはいるが、空気は澄み渡っている。朝、雨を見て山を諦めかけたことを思い出し、「やっぱり来てよかった」と小さくつぶやいた。
八雲ヶ原で遅めの昼食をとっていると、池の対岸を白装束の一団が歩いていく。比良は霊山だったか、と頭をよぎる。比良明神で神事でもあるのか。
湿原ではウメバチソウやミミカキグサが咲き、アカハラが近くまで寄ってくる。池ではオオルリボシヤンマが静かに産卵していた。
北比良峠へ向かう途中、群れ咲くセンブリを見つけ、つい夢中でシャッターを切る。峠からは琵琶湖と湖西線、小松沼まで見渡せた。
ダケ道はよく整備されていて、キノコの写真を撮りながら軽快に下る。大山口に着き冷たい沢水で顔を洗い、洗濯まで済ませて正面に琵琶湖を眺めながら駐車場まで戻るのだった。
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