初めての槍ヶ岳


- GPS
- 29:36
- 距離
- 41.3km
- 登り
- 2,951m
- 下り
- 2,791m
コースタイム
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 2:38
- 合計
- 8:02
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 8:58
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:31
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 6:28
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
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アクセス | |
予約できる山小屋 |
|
写真
ようやくスタート地点に到着。
燕岳自体は急登と言われていますが、自分にとっては普通レベルでした。
普段は名も無き山をメインに登っていますが、そう言った山の方が道も整備されていないし、ヤバい道も多いので圧倒的にキツかったりします。
やはり待っていてはくれませんでした。
登る人も頂上も誰もいない、槍ヶ岳独り占め状態でした。
天候はみぞれ。
冬用手袋持ってきてなかったので、手が死にそうに冷たい。
槍自体はさほど難しいコースではなく、空身ならサクサク上り下りできます。
因みにこの写真の後、寒さでiPhoneはシャットダウンしました。
感想
山をやり始めた人なら誰しも憧れる槍ヶ岳。
私もそうで、今回ポイントをひとつクリアしました。
もう歳なのでゆっくり3泊4日の行程です。
荷物も20kg近くとなり(一応冬装備)、老人にはちょっときつい山行です。
今回のために色々とトレーニングはしました。
9月はテン泊を3回したのですが、全て雨。
内1回は暴風雨で小屋に避難と言う惨状でした。
果たして今回はどうなるのでしょうか。
スタートはやはり雨ですが、初日の天気予報はのち晴れなので頑張っていきましょう。
中房温泉出発時は雨具全装備で出発。
雨も止んできたので途中で脱ぎましたが、しまうのも面倒なのでザックに引っ掛けたままのうざったい登山です。
燕岳のことは色々な方がおそらくあげているでしょうから詳細は省きます。
大まかな印象としては、急登と言われていますが、自分にとっては別にきつくは感じませんでした。
普段戸隠近辺の名も無き山をメインに登っているんですが、こっちの方がきついルートが多く、相対的にはきつくなく感じました。
と言ってもザックは20kg近くあり、ペースはあまりあがりません。
淡々と歩いていればおのずと燕山荘は近づいてきます。
ようやく今回のスタート地点に到着です。
小屋に泊まる上級民を横目に、庶民はコソコソとテントを張ります。
空身で燕岳へ。
身体が軽くて、サクサク行けます。
さて、今回色々と書きますが、山のインバウンドオーバーツーリズムの弊害です。
燕岳頂上は中国人団体が占領、写真大会となっていました。
その他にも話し声がうるさかったり、ロープの外の立ち入り禁止に出て写真を撮ったりと、イラッとする行為が目立ちます。
夜は晴天だったのですが、大町付近の光が相まって、満天の星空と言うわけではありませんでした。
もう氷が張ったと言う話を聞いていたのですが、そこまで気温は下がらず、余力を2段階残した状態で寝られました。
因みに寒さ対策としては、次のレベルはダウン着用、その次の最終段階ではエアマットとハードシェルをプラスします(場合によってはカイロ又は湯たんぽをプラス)。
今回のシュラフはモンベルのダウン#1を持参しました。
食事に関しては、朝食がパスタかカレー飯、昼食は基本食べずに行動食(菓子パン、柿ピー、自家製ナッツバー、ラムネ、グミ、シリアルなど)、夕飯は米1.5合、ミートボールかイシイのハンバーグとサラミ、青汁。
アミノバイタルとアリナミンをドーピングします。
2日目は快晴。
ゴールの槍ヶ岳のモルゲンロートを見て気合を入れます。
稜線歩きは快適です。
少しずつですが槍が近づいてくるのが気持ちを高揚するのですが、明日は荒天予想なのが気持ちを曇らせます。
せめて今日は楽しみましょう。
大天井分岐まできました。
ここで自分は大天井ヒュッテルートを選択。
理由は大天井岳は常念ルートに残しておきたい、ヒュッテルートはほとんどの人が行かないため行ってみたかったからです。
実際分岐までは結構な人が歩いていたのですが、こっちのルートを選ぶ人は自分1人だけ。
マジで誰も来ないし誰ともすれ違わないままヒュッテまで到着しました。
ちょっとスリルのある部分もあり自分的には楽しく歩けました。
ここから先はめっきり人が少ないルートです。
ですが、なんと歩いているのは外国人ばかり。
表銀座は日本で山をやっている人なら中級者以上の人が行くコースだと誰でも知っているルートです。
しかし自分が見る限り、いかにも初心者の外国人ばかりなのです。
装備は不十分、ルールもマナーも知らない外国人が大変多いです。
外国人全てを否定する訳ではありませんが、明らかな軽装、ヘルメット無し、雨具はポンチョや傘のみ、靴もスニーカーと言う人までいました。
がれ場や梯子ですぐ後ろをついてくる、道の真ん中で写真大会をして他の登山者の通行を妨げる、道の途中で火を使って調理している者さえいました。
他の場所ですが、チップ制のトイレを勝手に使う、有料の水を多人数が汲むなど非常識な外国人が多いのにイラッとします。
マナーもそうですが、遭難や怪我につながることも多そうで、こんな事でレスキュー出動して税金が使われると思うと、長野県民としてはやるせない気持ちでいっぱいでした。
自分は中国語が少しできるので、香港の人と少し話したのですが、なんでこんな道を知っているのか?と聞いたら、海外ではこのコースはとても有名で道も整備されていて誰でも行ける。
もし何かあっても日本は無料で助けが来てくれる。
山小屋も沢山あり、誰でも予約なしで泊まれる。
日本通を語れる。
などの情報が多く出回っているとのことでした。
特に中国では他人が行ったことない場所に行くのがステータスになるらしく、動画再生でお金も儲かるらしいです。
それが更に初心者を惹きつける悪循環になっているようでした。
もちろん登山アプリなどは使っていず、難しいと言われる山でも有名ならば道もしっかりしているので問題ないと言っていました。
こう言う行為を放っておいて良いとは思いません。
日本人向けの遭難対策などはYoutubeにたくさんありますが、外国人に向けての日本の山のルールやマナー、遭難に対する知識などの啓蒙はあるのでしょうか?
せっかくの縦走も暗い気持ちになってきます。
そうこうしているうちに西岳に到着。
テントは4張りだけ、上級民と外国人は全て小屋泊です。
3日目はいよいよ槍ヶ岳です。
悪天予報でしたが、朝はなんとか持ちこたえてテントをたためました。
しかし槍に近づくにつれて天気は下り坂、東鎌尾根で雨になりました。
急いで雨具を着るも、かなり濡れてしまって不快です。
雨はみぞれに変わり、冬用手袋とオーバーグローブを持って来なかったことが悔やまれます。
テムレスだけでなんとか我慢して槍ヶ岳山荘到着。
Youtubeでよく見る風景ですが、悪天とガスで全く見えず、誰も槍に登ろうとはしません。
自分だけが頂上目指して出発。
手の冷えが厳しいですが、ちょっと無理して登ります。
槍の最終ルートに関してはさほど難しくも怖くもなく、空身でしたら簡単に登り降りできました。
ルートも頂上も誰もいない槍独り占め状態でした。
そりゃ全く何も見えないみぞれ混じりの強風吹き荒れる槍なんか誰も行きません。
頂上でセルフで写真を撮った後、iPhoneが寒さでシャットダウンしました。
まずは第一の目標だった槍ヶ岳を制覇しただけで自分は満足です。
槍のテン場は悪天で無理なのでババ平まで下ります。
すでに時間は14時近く。
自分の足で17時までに着けるかギリギリですが、寒くて高度を下げたいので頑張ります。
途中で何人かとすれ違うのですが、日本人なのかアジア人なのかがよくわかりません。
情報を得ようとしても外国人ばかりでストレスです。
小屋の近くや休憩ポイントでしたら「日本人ですか?」と聞く余裕もありますが、すれ違いでわざわざそう言う質問から入るのはあり得ないですし、もう超高齢と見られる方は十中八九日本人なので、そう言う人からしか情報を得られませんでした。
中でもかっこいい人がいて、おそらく何度も通っている雰囲気だったので「今日は何度目の槍ですか?」と聞くと、今日は大曲から水俣乗越に登るとのこと、つまり北鎌ルートに行くんですよ、と言うポーズが人と違っているでしょと言う先輩でした。
かなりのご高齢に見えましたので、北鎌は絶対無理なんですが、人と違ったことをやるのがかっこいいですよね。
最終日はババ平をゆっくり出発。
ここを拠点にピストンする人も多く、テントデポしてアタックザックでみなさん行かれるようです。
下りは自分1人。
14:40のバス なのでゆっくり下っても間に合うでしょう。
横尾から見る穂高は最高にカッコいい。
今度はあそこを縦走するぞと心に誓い河童橋を目指します。
13:30バス ターミナル着。
今回の山行もこれで終わりです。
せっかくの槍は展望0でしたが、それはそれで良しとします。
腰は痛いですが、体力的には余裕が残せた山行でした。
60超えの老人にはこのくらいのペースがいいですね。
確かにテン泊装備の縦走はきついものがありますが、まだもう少し行けそうです。
無理はせずに楽しみたいと思います。
因みに最終ゴールの穂高駐車場に着いたのは17:15でした。
家まで1時間半、ニコチン入れて気を抜かずに帰りましょう。
すき焼きが食いたい!
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