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Yamareco

記録ID: 8744645
全員に公開
沢登り
甲信越

【下田・川内】倉谷沢遡行~大川下降~光来出川東又沢遡行~割岩沢下降~広倉沢右俣左沢遡行

2025年09月22日(月) 〜 2025年09月27日(土)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
38:44
距離
53.8km
登り
4,178m
下り
4,390m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:42
休憩
0:00
合計
2:42
距離 4.6km 登り 404m 下り 278m
10:24
162
スタート地点
13:06
宿泊地
2日目
山行
8:48
休憩
0:00
合計
8:48
距離 14.2km 登り 1,322m 下り 1,565m
6:04
528
宿泊地
14:52
宿泊地
3日目
山行
7:13
休憩
0:00
合計
7:13
距離 7.5km 登り 570m 下り 248m
6:35
433
宿泊地
13:48
宿泊地
4日目
山行
7:57
休憩
0:00
合計
7:57
距離 7.2km 登り 592m 下り 669m
5:54
477
宿泊地
13:51
宿泊地
5日目
山行
11:04
休憩
1:02
合計
12:06
距離 20.3km 登り 1,290m 下り 1,630m
6:13
163
宿泊地
8:56
8:57
66
10:03
10:32
220
14:12
14:40
27
15:07
82
16:29
35
17:04
46
17:50
17:54
25
18:19
ゴール地点
天候 9/22 曇り
9/23 曇り
9/24 晴れ
9/25 雨
9/26 雨のち晴れ
9/27 曇り時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
雪渓ナシ。
1日目。合宿スタート
2025年09月22日 10:41撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 10:41
1日目。合宿スタート
美しい渓相の倉谷沢
2025年09月22日 11:28撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 11:28
美しい渓相の倉谷沢
ゴルジュとナメが断続的に続く
2025年09月22日 11:32撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 11:32
ゴルジュとナメが断続的に続く
大釜
2025年09月22日 11:42撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 11:42
大釜
ミニマムゴルジュ多し
2025年09月22日 12:35撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 12:35
ミニマムゴルジュ多し
鮮やかなナメ
2025年09月22日 12:48撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 12:48
鮮やかなナメ
2時間半で行動終了
2025年09月22日 16:10撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/22 16:10
2時間半で行動終了
2日目。いきなりゴルジュ
2025年09月23日 06:20撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 6:20
2日目。いきなりゴルジュ
どん詰まりの5m滝は水流くぐって右から登る
2025年09月23日 06:43撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 6:43
どん詰まりの5m滝は水流くぐって右から登る
詰め
2025年09月23日 07:59撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 7:59
詰め
大ブナ沢の魚止めの滝
2025年09月23日 09:46撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 9:46
大ブナ沢の魚止めの滝
大川を下降して行く
2025年09月23日 10:52撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 10:52
大川を下降して行く
上矢筈沢F1
2025年09月23日 10:55撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 10:55
上矢筈沢F1
ヤナガシュク沢
2025年09月23日 11:50撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 11:50
ヤナガシュク沢
ゴルジュ地形が続く
2025年09月23日 11:58撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 11:58
ゴルジュ地形が続く
素晴らしい
2025年09月23日 12:03撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 12:03
素晴らしい
大川ブルー
2025年09月23日 12:59撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 12:59
大川ブルー
危険なゴルジュ
2025年09月23日 13:47撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 13:47
危険なゴルジュ
音滝
2025年09月23日 14:29撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 14:29
音滝
泳ぎ疲れた
2025年09月23日 14:44撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 14:44
泳ぎ疲れた
笠堀川出合。ここで行動終了
2025年09月23日 14:51撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/23 14:51
笠堀川出合。ここで行動終了
3日目。いきなり光来出川下部の泳ぎからスタート
2025年09月24日 06:59撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 6:59
3日目。いきなり光来出川下部の泳ぎからスタート
圧巻のゴルジュ
2025年09月24日 07:11撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 7:11
圧巻のゴルジュ
神殿のような造形
2025年09月24日 07:19撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 7:19
神殿のような造形
光来出最高っす
2025年09月24日 08:05撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 8:05
光来出最高っす
悠久の流れ
2025年09月24日 09:06撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 9:06
悠久の流れ
東又沢出合
2025年09月24日 09:53撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 9:53
東又沢出合
最初は穏やか
2025年09月24日 10:02撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 10:02
最初は穏やか
ついに始まった
2025年09月24日 10:07撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 10:07
ついに始まった
幅50cmの激ゴル
2025年09月24日 10:09撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 10:09
幅50cmの激ゴル
これは巻き
2025年09月24日 10:18撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 10:18
これは巻き
ゴルジュ地形がずっと続く
2025年09月24日 11:13撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 11:13
ゴルジュ地形がずっと続く
青里沢に入ると面倒な大滝出現。大高巻き
2025年09月24日 11:30撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 11:30
青里沢に入ると面倒な大滝出現。大高巻き
その後も登れない滝に苦しめられる
2025年09月24日 12:50撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 12:50
その後も登れない滝に苦しめられる
疲れたので終わり
2025年09月24日 15:41撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/24 15:41
疲れたので終わり
4日目。山越えして西俣沢に入る
2025年09月25日 07:37撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 7:37
4日目。山越えして西俣沢に入る
10mクラスの滝が連発
2025年09月25日 08:25撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 8:25
10mクラスの滝が連発
捨て縄いくつあっても足りん
2025年09月25日 09:29撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 9:29
捨て縄いくつあっても足りん
後半は巻いて出合に降りた
2025年09月25日 10:13撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 10:13
後半は巻いて出合に降りた
割岩沢下降
2025年09月25日 11:31撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 11:31
割岩沢下降
ゴルゴルしてる
2025年09月25日 11:33撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 11:33
ゴルゴルしてる
すげぇ
2025年09月25日 12:16撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 12:16
すげぇ
ジッピ!
2025年09月25日 12:18撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 12:18
ジッピ!
暗黒空間
2025年09月25日 12:19撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 12:19
暗黒空間
凄まじい迫力
2025年09月25日 12:21撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 12:21
凄まじい迫力
大雨になってきた
2025年09月25日 13:11撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 13:11
大雨になってきた
早めに切り上げ
2025年09月25日 14:17撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/25 14:17
早めに切り上げ
大増水で全てが濡れる。4日目にして錯乱しかけた
2025年09月26日 02:42撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/26 2:42
大増水で全てが濡れる。4日目にして錯乱しかけた
5日目。昼から晴れ
2025年09月26日 11:39撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/26 11:39
5日目。昼から晴れ
のんびり過ごす
2025年09月26日 17:32撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/26 17:32
のんびり過ごす
6日目。割岩沢を下降。泳ぎ多い
2025年09月27日 07:00撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 7:00
6日目。割岩沢を下降。泳ぎ多い
広倉沢出合にワープ
2025年09月27日 08:22撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 8:22
広倉沢出合にワープ
オヒロ
2025年09月27日 08:51撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 8:51
オヒロ
美しい広倉沢
2025年09月27日 08:58撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 8:58
美しい広倉沢
お盆に来たときは雪渓のモヤでほとんど見えなかった
2025年09月27日 09:01撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 9:01
お盆に来たときは雪渓のモヤでほとんど見えなかった
最高
2025年09月27日 09:14撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 9:14
最高
ここも最高
2025年09月27日 09:31撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 9:31
ここも最高
かさね淵
2025年09月27日 09:42撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 9:42
かさね淵
ここだけロープ
2025年09月27日 09:44撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 9:44
ここだけロープ
右俣の12m滝。左岸大高巻き
2025年09月27日 10:04撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 10:04
右俣の12m滝。左岸大高巻き
右俣もゴルゴルしてる
2025年09月27日 11:10撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:10
右俣もゴルゴルしてる
左沢右沢出合
2025年09月27日 11:17撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:17
左沢右沢出合
左沢はクセアリCS滝が連発
2025年09月27日 11:31撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:31
左沢はクセアリCS滝が連発
狭いゴルジュを進む
2025年09月27日 11:36撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:36
狭いゴルジュを進む
この滝は意外と素直に登れる
2025年09月27日 11:38撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:38
この滝は意外と素直に登れる
綺麗だなぁ
2025年09月27日 11:45撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:45
綺麗だなぁ
詰みかと思ったが左から登れた
2025年09月27日 11:49撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:49
詰みかと思ったが左から登れた
ゴルジュのどん詰まりにヤバイやつ出てきた
2025年09月27日 11:54撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:54
ゴルジュのどん詰まりにヤバイやつ出てきた
全景。これは登れん
2025年09月27日 11:57撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 11:57
全景。これは登れん
次の滝も巻いた
2025年09月27日 12:11撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 12:11
次の滝も巻いた
沢に戻って癒しの渓相を進む
2025年09月27日 12:25撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 12:25
沢に戻って癒しの渓相を進む
いよいよ終わりが近い
2025年09月27日 12:58撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 12:58
いよいよ終わりが近い
振り返る
2025年09月27日 13:07撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 13:07
振り返る
クタクタになりながら登山道に抜けた
2025年09月27日 13:58撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 13:58
クタクタになりながら登山道に抜けた
ありがとう下田川内の山々
2025年09月27日 14:10撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
9/27 14:10
ありがとう下田川内の山々
やり切った!次は1ヶ月やろう!
2025年09月27日 14:15撮影 by  TG-7 , OM Digital Solutions
1
9/27 14:15
やり切った!次は1ヶ月やろう!
2025年09月29日 15:10撮影 by  iPhone 12, Apple
9/29 15:10
2025年09月29日 15:11撮影 by  iPhone 12, Apple
9/29 15:11

感想

海外沢登り前のトレーニングで放浪者A氏と下田川内でロングな遡下降を実施。

■1日目 倉谷沢遡行
忘れ物や買い足し、車回しなどでバタついていたらいつの間にか入渓が1030。微妙な時間なので予定だった山越えはせず適当に良い場所があったら泊まることにする。
倉谷沢は下降でよく使われる沢であまり期待していなかったが、普通に美渓。なんなら近くの駒形沢よりも綺麗な気がする。13時過ぎに良い幕営地があったので、2時間しか動いていないがこれ以上先に良い場所が無さそうなので行動終了。

■2日目 倉谷沢遡行〜大川下降
明るくなってから出発。いきなりゴルジュ地形になり、奥に面倒くさそうな滝。空身で登ってスリングで荷揚げ。それ以降は特に何もなく乗越すコル目がけて黙々と登る。さすがに1週間分の食料を積んでいるのでザックが重い。休み休み登ってコルに到着。そこから大川の本流である大ブナ沢に向けて下降して行く。
何とか巻き降りれそうな5mくらいの滝と魚止めの滝20mで懸垂した。
大川上部は平穏な流れが続く沢だが、上矢筈沢近辺から断続的にゴルジュ帯となり、流されたりしながら下る。途中ヤバイ水流があるゴルジュに突っ込んでA氏が溺れかけた。ここは巻いたほうが無難。音滝を見送ると大川は終わる。
光来出との出合でいい時間になったので行動終了。
なんとKCは両足の沢靴が崩壊。マジで帰ろうかと思ったが、気合で持ちこたえる。

■3日目 光来出川東又沢遡行
朝イチから泳ぎの連続。光来出川の下部は予想よりも凄いゴルジュで朝から泳ぎ疲れる。
A氏は泳ぎの最中にビレイ器、アブミ、捨て縄、ゴープロを紛失し、すっかり意気消沈。
敗退条件が揃ってきたので、日が当たるところで敗退会議を行う。
まぁ、とりあえず東又沢出合だけ覗いてみましょと言うことで出合に到着すると2人ともやる気が回復。
予定通り東又沢を進む。東又沢は50cm幅の激狭ゴルジュから始まり、その後もゴルジュチックな渓相が続く。青里沢に入るとゴーロとなったのも束の間、2段20m級のヤバそうな大滝が現れ、灼熱の中大高巻き。
沢に戻るとさらに登れない滝が続いていて、巻きに徹する。暑さと荷物の重さでクタクタ。
微妙な時間になったので、山越えせずに手前の二俣で無理矢理寝る。ラジオで天気予報を確認すると明日は雨予報らしい。割岩沢下降はどうなることやら…。

■4日目 光来出川東又沢遡行〜割岩沢西俣沢下降〜割岩沢下降

朝イチから山越えで平凡な沢を詰めていく。コルからは青里岳の堂々とした姿が見えた。反対側の西俣沢を下降して行く。本流筋までは特に何もないが、ここから滝地獄だった。捨て縄たくさんあるし〜と余裕こいて懸垂連発していたら10m級の滝が出てくる出てくる。もうキリがないので途中からほぼほぼ巻いて沢には戻らず出合に着いた。
さて、次は割岩沢の下降だが、ここで雨が強くなる。通り雨っぽい感じで降ったり止んだりを繰り返している。周りのスラブ帯は滝になっていないので、とりあえず足早に下って行く。割岩沢は超美渓でこちらも下降の記録が多いが、遡行も楽しそう。魚影も濃い。
北俣沢を過ぎるとゴルジュが本気を出してきて、ついにジッピとご対面。何も情報がない状態で来たら小便漏らしそうなくらいエグい見た目をしている。
恐怖を消すように吠えながら暗闇に突っ込み流され、30秒くらいで終わった。
ジッピが終わった頃にいよいよ大雨となってきたので、良さげな河原を見つけたこともあり行動終了。
タープの下でゴロゴロしていると目の前が瞬く間に増水し濁流となる。早めに行動終了して正解だった。
雨のピークはもう終わっただろうと眠りについたら、深夜2時に大雨の音で起こされる。日中のやつよりも明らかに強い降りっぷりでしかも全然止む気配がない。
避難しましょう!というA氏に対し、KCは大丈夫っしょーと余裕をこいていたら、ふと外を見ると音もなく濁流が目の前に迫っていた。これはヤバイと高台に避難。タープを被ってお座りビバークをするが、地面が水路になっており、雨具の下に着ていた防寒着も全て濡れる。雨が止んだので元の河原に戻ってタープを張り直して再び寝る。乾いた服が一着も無くて全裸で寝袋にくるまった。

■5日目 停滞
朝から晴れると思っていたが、中々雨が止まない。沢も水は引いたが濁流のまま。仕方ないので今日は停滞とする。昼から晴れてきたので全ての衣類を完璧に乾かし、各々好きな時間を過ごし翌日に備える。

■6日目 割岩沢下降〜広倉沢右俣左沢遡行
昨日まったりした分、少し早めに出発。
平水で濁りの取れた割岩沢を下降して行く。断続的に泳ぎとなり体が震える。
今出から今年2回目となる本流を下降して広倉沢へ。
荷物が軽くなったのか2人ともかなりハイスピード。
もう1泊する予定だったが、今日中に帰れそう?
前回少し大きく巻いたオヒロ淵をコンパクトに巻き、敗退した区間へ。雪渓は無く滝も無い見せかけゴルジュを進む。二俣手前でかさね淵と呼ばれる2段の大きな釜を持った滝が現れる。2段目は煮えくり返っていたので、念の為ロープを出して突破。ここを越えると二俣となる。左俣はまた今度行く予定なので右俣に入る。
すぐに登れない12m滝。ここは左岸から高巻き、ゴルジュに戻るのも面倒なので何個か滝を越えたところで沢に降りた。ゴルジュ地形を進むと左沢/右沢の二俣。ここは左沢へ。いきなり小難しいCS滝が続き、アクロバティックなムーブで越える。ゴルジュ最後に絶望的なトイ状の滝が2つあったのでまとめて巻いた。
そこからは平凡な渓相となり、水の流れるゴーロをひたすら詰めてクタクタになりながら登山道に抜けた。
山頂で寝ようかなとも思ったが、町が見えてしまうとすっかり下界が恋しくなり、今日中に下ることにする。ここを歩いた人なら分かる、アップダウンの連続するデスロードをひたすら進み、最後はヒルまみれになってチャレンジランド杉川に降り立った。
管理人さんがWiFiを貸してくれて中澤さんにラインしてタクシーを手配してもらい、早出川ダムに帰還。中澤さんがいなかったらさらに10kmを歩くことになり、マジで死ぬところだった。とても助かった。

今回初の長期遡下降ということで
1−3日目くらいはマジで下界が恋しかったが、4日目くらいから山にいる方が心地よく感じてきた。沢靴と日数が確保出来ればもっと他の沢と繋げてみたかった。
今後は他の山域やさらに長期で沢に入ってみたい。

付き合ってくれたA氏、そして温かく時には厳しく?迎え入れてくれた下田・川内の山々に感謝。

○経緯
 今シーズンの海外遡行のプレと位置付けて、長期での継続遡下降を行った。候補地には、白山、南アルプス、北アルプス、朝日、飯豊、川内と複数のプランを用意。今年は雨が少なく、雪渓が多く残っているため、候補は絞られていき、川内となった。
ある人が言うには一般登山者は川内では1泊で悲鳴をあげ、沢ヤは2日で根を上げるとか‥
そんな山域で1週間にも及ぶ沢旅が始まろうとしている。一度、入ると電波も通じず、街も見えず、文明の力からおさらばとなる。

・1日目
7時10分にセブンに集合。思っていたよりも寒い。早出川ダムで荷造りし、1台デポして、室谷川へ。どんつき手前には数台の釣り師らしい車が。いよいよ、秘境川塊の旅が始まる。1週間分の荷物は流石に重い。10時ごろに遡行開始。倉谷沢は前評判は平凡だったが、実際に遡行してみると変化に富んでいて良き。魚影も少し。数年前に下降に使ったが記憶はなし。初日に山越をしようか迷ったが初日から飛ばすとバテるのでやめた。遡行開始から2時間ほどで良さげなテンバを発見したので終了。薪も豊富で快適だった。道の駅で買った枝豆も旨し。明日からハードな1日になりそうだ。

・2日目
今日は長い1日になりそうだ。5時に起きて、ガス缶でお湯を沸かし、朝食を済まして、6時には出発。稜線への詰めは藪漕ぎも少なく問題なく、簡単に行けた。行動開始から2時間ほどで、稜線にでて、オオブナ沢の下降に入る。懸垂2回ほどした。大ブナ沢出合いからはしばらくは快適な河原歩きが続く。魚影も何度かみた。しばらくするとゴルジュ帯が始まり、そこからは怒涛のゴルジュ。基本流されながら進む。途中で反転流の釜があり、飲まれそうになり危なかった。水に使っている時間が長くて、体力が消耗が激しい。15時ごろに笠堀谷出合へ。良い河原を見つけたので終了。2日目にして、K氏さんのサワタビが両足とも壊れた。なんでこんな時に。とりあえず、気合いで乗り切るしかない。まぁ、なんとかするしかない。長い行動時間でとても疲れた。でも、その後に食べるカレーメシは最高。特にニンニク入りはおすすめ。今日は水に使っている時間が長かったのでザックの中がかなり浸水していた。防水バックにも水が入っている。長い泳ぎは危険だ。今日は星空はとても綺麗な夜だ。

・3日目
 朝起きると風が吹いていて寒い。笠堀谷下部ゴルジュは思ったよりも泳ぎが多く、疲れる。水量も少し多め。途中で下降器とgoproを無くしたことに気づくが遅し。一気にやる気が失せた。東俣沢はやめて、光来出を詰めて、抜けるルート選択(日帰り~1泊)案も出たがなんとか気持ちを切り替えて、先へ進む。東俣沢もゴルジュ帯での泳ぎを何回か強いられた。そして、二俣の分岐を過ぎると、登れない滝が連続。しかも、両岸とも立ってくるので大高巻きを2度を強いられ、疲労困憊。荷物の重さがじわじわとくる。予定では山越して、西俣沢に行こうとしたが山越えで時間切れしそうなので、なんとか2人寝れる場所を見つけたので14時ごろに活動終了。また、ザック中が濡れていた。確認したところ、蓋の締めが甘いため、上から入ったようだ。明日からは濡れていいものは出して、蓋をしっかり閉めることにしよう。長期山行はいろいろと学びも多いが代償も大きい。

・4日目
 朝起きると空は雲がどんより。6時ごろに出発。再び悪い滝が出ないかビビっていたが、特に難所はなく、稜線に2時間くらいに到着。いよいよ記録のない中俣沢の下降へ。沢までは簡単に降りられたがそこからが地獄の始まり。滝に次ぐ滝で懸垂数回と大高巻きを数回と3時間ほどかかってしまった。谷の中にいたのは30分だろうか。この谷は下降向きではなさそうだ。割悪沢に合流し、一息つく。ここからは長い河原と泳ぎの下降だ。今が1番川内の最奥地になるかな。途中のジッピは神秘的な空間で35mの泳ぎ。以降はイワナ天国。ちなみに10時ごろから雨が降ったり、止んだりの繰り返し。14時ごろによいテンパを見つけたので活動終了。しばらくすると雨がいきなり強まり、30分ほどの強い雨でテンバ手前まで水が増水。恐るべし川内の水量。地獄のビバークが頭をよぎる。ラジオによると今晩にかけて40~50%降るそうだ。無事、明日を迎えることができるのか。そして、広倉沢を越えられるのだろうか。緊急時の避難場所を確保して、眠りについた。

・5日目
 運命というものはとても儚い。2時ごろに目が覚めると雨がパラパラ。増水はまだ大丈夫だろうと思っていたらあっという間にテンバ前まで広がってきた。やむなしで雨の中、脱出。一段上がった場所に緊急避難して、タープを被り、1時間ほど耐える。最悪のシナリオ通りに物事は進むのものだ。寒さで目が覚めるとK氏さんはタープの水が溜まった場所で寝ていて、服はびちょぬれ。睡眠は諦めて、元のテンバに戻るとかろうじて、浸水はしてなかった。再び、テンバを設置して、眠りについた。目が覚めると雨は止み、水量も平水に戻っていた。あれは夢だったのか。今日は増水も懸念して、停滞日とした。天気は晴れ、陽が出てきたので濡れた衣類や我々のやる気も戻ってきた。行くぞ、広倉沢!

・6日目
 朝一は寒い。4時半の起床予定は気づけば5時に。
棒ラーメンをかき込み、いざ広倉沢へ。広倉沢出合までは2時間半ほどで到着。思ったよりも早くついてしまった。広倉沢出合いからすぐはひらけた景色でこれからゴルジュが始まるようには思えない。そんなこんなで歩いていると次第に両岸が立ってきて、ゴルジュ帯が始まる。ただ、難所はなく、ほとんど水線沿いに登れる。二俣手前の滝で一度だけロープを出した。二俣で右俣に入ると、すぐに滝が現れる。しかものぼれそうにない。その後も滝は続きそうで左岸から一気に巻くことに。開けたところに出るとゴルジュはまだ続きそうだ。再び、大高巻きを続け、懸垂なしでゴルジュ内へ。しばらく歩くと奥の二俣へ。計画では右沢を遡行して、中杉川を下降予定だったが、増水の停滞やサワタビの限界で変更ふることに。左沢を詰めて、稜線に出て、チャレンジランドへ下山するプランへ。今日はこの辺で幕営予定だったが、時計を見ると昼前。2人の中で本日下山の気持ちが高まる。左沢は入り口からCSゴルジュがお出迎え。その後も微妙に悪い滝が続き、屈曲箇所で3段20mの大滝が出てきて、終わりとなる。稜線手前の詰めの滝が苔マックで非常に悪かった。ヘロヘロになりながら、稜線へ。我々の継続遡下降は無事終えた。ここからながーい登山道歩きで最後の力を振り絞り、ヘッデン下山でチャレンジランド杉川についた。手前の林道で最後にヒルの洗礼を浴びながら。

○総括
 終わってしまえば、あっという間。初めから最後までいろいろありながらも、粘り強く行動し、納得いける山行となった。9月だったので虫の猛攻は受けなかったが、もし受けていたら2日で根を上げていたことは間違いないだろう。長期山行を成功させるためには、どんなことが起きても、やり遂げると言う気持ちが不可欠なのかもしれない。
 

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