矢筈岳(和歌山 アマゴ釣場から)

- GPS
- 04:23
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 678m
- 下り
- 681m
コースタイム
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 道の駅SanPin |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
---|
感想
近畿地方の山はかなり登っているが、自宅から遠い和歌山県は北部を除いてほとんどが未踏だ。この土曜日は日本海に低気圧が進んできて、北寄りの地域は天気が悪い。和歌山県は相対的に天気はいい予想で、ならば、ということで、和歌山としてはアクセスしやすい矢筈岳に行ってみた。
下調べでは、小釜本の集落からアマゴ釣り場に行く道が狭隘で神経を使うということで、ある程度は覚悟して向かった。
湯浅御坊道路を川辺ICで降り、日高川に沿って車を走らせる。川はゆっくりと蛇行しながら流れ、今では希少になった川砂利を豊かに蓄えて心安らぐ眺めだ。和歌山県にはこんな河川が多く残っていると感じる。かまきりトンネルを抜けるところで、車のナビは川の西岸の道へと誘導したが、ヤマレコのアクセス機能は下田原橋を渡って川の東岸の道を指示していた。ヤマレコのアクセスに従ったがこれはwrong choiceであった。東岸に道は狭隘で整備も不十分だ。帰りに西岸の道路を使ったところ、こちらは立派な道!アマゴ釣り場への林道の分岐点にドンピシャの位置で橋がついているから、文句なしである。
アマゴ釣り場への道に入ると、すぐにその狭さを実感する。ただ、釣り場があるおかげで路面の障害物は少なく、そこは不幸中の幸いだ。ゆっくりと慎重に走らせるが、すれ違い可能なスペースがわずかで、対向車が来た時のことを考えるとさらに不安が募るので、そのことは忘れようと努める。そうして何とか進んでいったが、一か所、右の山側が金属ネットのかかった岩の壁、左が谷底の右カーブがあり、ここの通過では心拍数の激増を感じるのだった。これを越えて少し進むと橋があり、そのたもとに道の広がった場所があって、ここに停める。正直、さらに奥まで車で行きたくない、というのが本音であった。DELICAでここまで入るというのがそもそも無茶なのだ。
ここで準備をしていると、3台の軽自動車が超スピードでアマゴ釣り場のほうへと走り抜けていった。続いて一台の軽が上ってきてすぐわきにとまった。ここで作業をするということで、気を付けていってくださいね。とお声をかけていただく。矢筈岳からは白浜が眺められると教えていただいて、楽しみになる一方、見上げる空の怪しさが一層気になるのであった。雨粒もパラパラと落ちてくる。
駐車点から少し林道を登ると、左にセメント舗装の林道が分岐し、そちらには矢筈岳登山口との標識、右のアスファルト道路には鷲の川の滝と記されている。この滝の周りではヤマビル被害が出ているので、左の矢筈岳方向へと進む。以前は登山口手前までここを車で入っている記録があるが、ますます狭隘、路面には落石、枯れ枝、枯葉が散乱し、普通車で侵入する気にはならないだろう。オフロードタイヤ装着のジムニーなら、奥まで入れそうではある。
それにしても左手の山の斜面は絶壁のような急傾斜で、何本かの小沢はずっと上から岩盤の露出した滝が続いている。落石はしょっちゅうあるだろう。入口に通行注意の看板が立っているので通行可とみなされているわけだが、そのほうが不思議に思えるようなところだ。
ちょっと上がると、右手の鷲の川に件の大滝が落ちている。観覧用の太鼓橋風や東屋などが見える。まあ、観光でここに来る者はいないだろうが。山行記録からは、滝を見てこちらの林道に上がる道があるはずだが、見つけられなかった。我々は天気が怪しいのでとにかく先を急ぐとする。ただひたすら足元を見て進むが、横を流れる鷲の川の見下ろすと、その清冽な流れに思わず立ち止まって見入ってしまう。深い淵を流れる水の透明感は圧倒的である。時折差し込む日の光が川底の石の色彩を増強してきらめきを発している。
無心に歩を進めていると、周囲が開けて左に広い草地が現れる。ここから道は崩壊状態で草がかぶさり、落石や枯れ枝にふさがれる。歩きにくくなった林道跡を少々進むと、右手に「矢筈山」と記された金属看板があり、その地点で古い木橋を対岸に渡る。ここは、左からの小沢の出合であり、小沢の左岸につけられた木製階段をジグザグに登っていく。周囲はヒノキ植林で眺めはほとんど得られない。いつまで続くのかという木製階段。上を見るとまだまだ続いている。数日前から気温が一気に下がったとはいえ、この一本調子の登りでとめどなく汗が噴き出す。アップダウンがなく上り一方なので無駄がないといえばその通りであるが、実際の時間よりもずっと長く上っている感じに襲われる。ようやく傾斜が緩い場所が出てくると、上位の尾根に乗る。植林と自然林との混交となる。地図上で左に湾曲して登っているのがわかるが、実地に歩きながらこの湾曲を感じるのがこのあたりである。木の間越しに矢筈岳の輪郭が見え、その方向へと自分が方向を変えていっているのだ。やがて、ほとんど平らなところに出る。この先、矢筈岳に向かって急な登りとなるはずなので、ここで小休止を入れる。出発するとすぐ、両手を使った登りに転ずる。山行記録には岩稜登りとしているものがあるが、実感としては土の急傾斜に岩が頭を出しているといったところだ。ただ、両側が切れ落ちているところもあり、雨などでぬれた場合は要注意だろう。傾斜が急で下生えもなく、落ちたら一発昇天だ。
ここまでくると、まず右手の対面の山並みが眺められるようになる。続いて左側の眺望も得られるようになる。左手遠くには確かに海が見えている。あれが白浜なのだろう。足元にはシロバナシコクママコナがあちこちに花をつけている。薄黄色の花もあり、最初はこれもママコナと思ったが、どうも違う。その同定は後日に持ち越しだ。岩の出た稜線をしばしたどると、いくつもの山名板がぶら下げられたピークが見えてきた。どうやら矢筈岳の山頂に着いたようだ。ここで昼飯とする。
食べている間にぽつりぽつりと雨が落ちてきた。早々に切り上げて下山を開始する。登って来た時には、帰路の登り返しを想像した鞍部も、実際の下山時には気づかずに過ぎ、あの苦しかった登りもぐんぐん高度を下げてやがて沢音が聞こえるところまできた。木橋を渡って林道跡に降り立つと、再び雲の切れ間から陽が降り注ぐのだった。途中、急な小沢から流れ落ちた水をポリタンに詰め、駐車地へと戻ってきた。
時間があれば寄っていこうと思っていた白馬山、kinuasaが行こうという。ならばと、ヤマレコのアクセスで白馬山へのナビを開始する。往路で幅ギリギリにドキドキした地点も帰路ではするりと抜け、里に出た。ナビに従って進むと、三十井川という水線にそった道へと入った。最後の集落を抜けると次第に道は狭く、落石や枯れ枝、落ち葉の散乱となる。時々停車して障害物を取り除き上っていく。最近はろくに通るものがない状態のように見える。目前に土砂の崩落地点が現れる。ギリギリで何とか超えるが、この先、どうなっているのか不安が募る。幅広の場所はほとんどないが、わずかな広がりを使って何とか切り返し、白馬山は断念して下ることにした。山行記録に白馬山の登山口までの車両走行に問題があるというものはなかったので、自分たちはunusualなルートをとってしまったのだろうと思った。この記録を書くにあたり、この点もさぐってみたところ、ふつうは北側から白馬の滝を経て登山口に達するところ、我々は別の林道で南からアプローチをしていたことを理解した。ナビ任せで何度かしでかした過ちを又やってしまった。反省しきりのasakinuである。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する