記録ID: 8648389
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キャンプ等、その他
関東
熊谷陸軍飛行学校 桶川分教場跡
2025年09月06日(土) [日帰り]


体力度
1
日帰りが可能
- GPS
- 01:27
- 距離
- 0.6km
- 登り
- 1m
- 下り
- 1m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 0:07
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 1:28
距離 0.6km
登り 1m
下り 1m
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
室内には、生徒たちが就寝していたベッドが再現されている。1室に18台並ぶ簡素なベッドは隣との間隔が狭く、頭を互い違いにして寝ていたという。寝相の悪い隣に当たれば落ち着かなかったに違いないと想像が膨らむ。
感想
9月6日の残暑の中、桶川の町外れにある「桶川飛行学校平和祈念館」を訪ねた。ここは昭和12年に開設された熊谷陸軍飛行学校の分教場であり、少年飛行兵や学徒出陣の若者たちが荒川の堤防を滑走路として操縦を学んだ場所である。訓練を受けたのは千五百人を超えると言われ、戦局が悪化すると特攻隊の訓練基地ともなり、帰らぬ空へと飛び立った者たちも少なくなかった。
戦後、この施設は「若宮寮」と呼ばれる市営住宅として引き揚げ者や生活の場を失った人々の暮らしを支え続けた。やがて老朽化し取り壊しの危機にさらされたが、市民の保存活動によって守られ、修復を経て平和祈念館として生まれ変わった。
実際に目にした外観は、古い寄宿舎の姿を残しつつも丁寧に整備されており、木造の骨格が今も息づいている。近づいてみると、板の継ぎ目や柱には、人々が暮らした営みを物語るような細かな傷や擦れが数多く残されていた。その痕跡に触れたとき、ここが単なる展示施設ではなく、若者が未来を夢見て訓練に励み、戦後には家族が日々の生活を営んだ「生きられた場所」であったことを実感した。
静かな佇まいの中に立つと、当時の若者たちの声や笑い、そして胸に秘めた不安が風に重なって聞こえてくるようである。建物は今や平和を語り継ぐ資料館となったが、その木の壁に刻まれた痕跡は、人々が歩んだ歴史を確かに伝えていた。残暑の陽射しの下で眺めるその姿は、戦争の記憶と平和の尊さをあらためて胸に刻ませるものであった。
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