白神山地 詳細情報(津軽峠と暗門登山口)



- GPS
- 02:31
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 222m
- 下り
- 222m
コースタイム
- 山行
- 2:56
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 3:13
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
人家がない山奥ですが公式ハイキングルートは比較的整備されています。一部、落ち葉で道はフカフカして気持ちいい! |
その他周辺情報 | 白神山地ビジターセンター(必ず訪問のこと) |
写真
感想
山中に入る前に、白神山地ビジターセンターで必ず事前情報を得てください。大型スクリーンで四季折々の白神山地を一日7回、33分かけて詳しく紹介してます。映像観覧料は300円です。また、無料の白神山地VR体験も凄い。足下から裏側まで360度カラーで有名スポットを見せてくれます。画面左側にテロップが出ます。例えば、夏冬の青池はVR映像の方がはるかに良いと思います。
♦センターそばにある道の駅で食事して20kmぐらいドライブしてアクアグリーンビレッジANMON到着。レンタル長靴やクマ鈴もあります。ここの無料駐車場を利用して「世界遺産の径 ブナ林散策コース」を一周しました。予定だった暗門の滝コース(約6km、3時間)は全面立ち入り禁止!要確認ですが8月前後の真夏は一部通れるみたいです。
★散策してからビレッジANMONに戻って、津軽峠から戻ってきたスバル車を見つけ、通行可能と確認しました。調査している雰囲気なので尋ねると「サルに発信機付けて森に放してきたんです。林道は通れるけど砂利道で自慢できる道じゃない」と元気な声で返答。山形大学の女性研究者でした。
♣相棒が十二湖と青池に行きたい、との希望あったが津軽峠から先は通行止め、通れても4時間以上かかる悪路との事。断念!!
♦津軽峠への砂利道は車で30分ぐらい。わだちも少なく大丈夫でした。津軽峠に到着して道の少し先にある駐車場に車を停めて、枯れたブナのマザーツリー(推定400歳)を見学。高倉森方面へ登山道(5.4km,2時間50分)を少しの間だけ歩いてみました。このルートには崖や急坂もあるようです。津軽峠に戻って、すぐに複数の野生サルに遭遇、林道の反射鏡ポールの上にも可愛いサルがいました。家族ですかね?
♦【以下は専門的情報↓↓↓】
ブナの原生林で有名な白神山地は、青森県(西目屋村など)と秋田県にまたがる山岳地帯に位置し、広さは約1,300km²(東京都の約6割)もある。1993年に世界遺産登録(屋久島と同時に日本初の自然遺産登録)。
地質は主に砂岩と泥岩からなり火山灰(凝灰岩)の地層もある。堆積岩なので比較的風化しやすいため、風雨で浸食が進み、複雑な渓谷や急斜面が多い。最高峰は最後の写真にもある向白神岳(むかいしらかみ、1,242m)。確かに白神岳の向かいにある。
約17,000年前の最終氷期(氷河期)のあと、日本海側の冷涼多湿な気候と積雪がブナ林を育んだといわれ、今から7000年〜8000年前に現在のような姿になった。その後は一度も伐採されず、現在も純粋な天然林が広範囲に分布している。
♪生物多様性に優れ、固有種と希少種も存在しているが、ブナ林(温帯落葉広葉樹林)を中心に、約500種以上の植物、80種以上の鳥類、50種以上の哺乳類が確認されている。ブナとミズナラは葉の形で判別可能。希少種は、クマゲラ(日本最大のキツツキ)、ニホンカモシカ、ツキノワグマなど。特に、ブナの実が野生動物の食料源となっており、自然生態系の基盤となっている。この生物多様性が縄文文化の基盤となったと考えることもできるだろう。
♪世界遺産の核心地域(約170km²)には一切の人為的活動が禁止されており、道や橋もない。筆者が以前訪れた秋田側の「二ツ森」(また行きたい広大なブナ林)のように、極一部、登山道が整備されている緩衝地域がある。
東北大学や弘前大学などが、森林構造、生態系の炭素循環、遺伝的多様性などの研究をしている。特に注目されているのは、温暖化による生態系の変化と環境DNAなど新しい技術を活用した生物多様性モニタリングらしい。
★白神山地は、登山道以外は原則立ち入り禁止(コース外はGPS地図も未整備)、ヘタすると遭難したりクマに襲われます。
________________________________________
♦【以下はさらなる専門情報↓↓↓ほぼAI引用】アクアグリーンビレッジANMONの駐車場で出会った山形大学の親切な女性。彼女たちグループの研究と思われるものです。↓↓↓
◆ 山形大学を含む研究機関による、白神山地の野生ニホンザルに関する学術調査では、主に以下のような成果が得られている。
1. 高雪エリアでの越冬行動・生息地利用の解明
•山形大学・江成准教授、江成女史など。
2008〜2009年に無線追跡や環境ニッチ解析を用いて、白神山地北東部の野生サルの季節ごとの行動圏(home range)や生息環境選好性を解明した (pri.ehub.kyoto-u.ac.jp, kaken.nii.ac.jp)。
•冬季には豪雪にもかかわらず、サルは生息環境を過酷に変えずに安定的に環境を利用できる柔軟性が示唆された 。
2. 生態系内における役割:「食・腐食連鎖」の形成
•2011〜2013年にかけて、KAKENHI若手研究(No.23710279)では、「サルの分布回復が冷温帯林の生物間相互作用にどう貢献するか」を調査。
•調査の結果、サルが種子の一次散布者として働くだけでなく、糞を餌とするコガネムシ群集のバイオマス維持にも寄与していることが判明。これは種子供給や土壌肥沃化などの生態系基盤を強める多面的な貢献を示す成果 (kaken.nii.ac.jp)。
3. 調査手法と技術的検証
•2007〜2009年度の研究では、GPS発信器付き捕獲や足跡調査法を比較し、足跡カウント法に季節や調査者によるバイアスがあることが判明 (kaken.nii.ac.jp)。
•その後、音声記録やカメラトラップ、足跡モニタリングを組み合わせる多手法によるモニタリング体制が構築され、現在も豪雪環境における大型哺乳類の動態把握に発展しています (kaken.nii.ac.jp)。
4. 人–野生動物の共存モデル構築へ
•研究テーマの根幹には、「猿害(サルによる農業被害)問題の解決」という社会的課題もあります。江成准教授は、学際的アプローチを通じて、農家との聞き取りやGIS分析を交えた社会・環境問題としての解決策検討を実施 (kaken.nii.ac.jp)。
•また、全国サルの群れつながりマップを作成することで、分布回復による被害予防と保護のバランスをとる科学的管理指針づくりにしています (yamagata-u.ac.jp)。
★白神山地の野生ニホンザルまとめ
豪雪期でも生息地を維持し、行動圏の柔軟性を確認
種子散布・分解・昆虫群集維持など、多面的機能を担う
調査手法には、GPS、足跡、音声、カメラトラップといった複合モニタリング体系を確立
農村との共存モデル、科学的個体群管理のためのマップ作成
________________________________________
以上、長い文章読んでいただき誠にありがとうございます!白神山地、特に「二ツ森」、暗門の滝「世界遺産の径 ブナ林散策コース」などお勧めです。(青池や十二湖はそれほど感動しません。やはり天然のブナ林歩くのが最高!八甲田山その1、その2も投稿してます。)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する