デナリ ウエストバットレス

- GPS
- 126:42
- 距離
- 87.4km
- 登り
- 9,269m
- 下り
- 9,380m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:11
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:31
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:15
- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:13
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:52
- 山行
- 11:44
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:44
- 山行
- 2:29
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:29
- 山行
- 13:17
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 13:17
- 山行
- 3:08
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:08
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:19
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:11
- 山行
- 14:23
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:23
- 山行
- 12:56
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:56
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:13
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
2025.5.21〜6.13
北米最高峰のデナリ(マッキンリー)標高6196mに登頂しました!5/21にセスナ機で入山し下山まで24日間。キャンプ4(標高4300m)までは晴天で順調に進めたものの、その後は降雪と強風により13日間の天候待ち。食料も尽きかけたが、、下山するウズベキスタン、アメリカ、他の日本の隊から食料を頂いて、粘ることができました。ありがたい。連日−20℃の極寒でのテント泊や高所登攀のキツさはありましたが、壮大で美しい氷河の眺めと連なる山々の稜線は絵画を観ているようで心を鷲掴みにされました。今回同行したメンバも色々トラブルがあったものの9名全員が登頂できてホントによかった!私自身もたくさん助けてもらい感謝しています。
以下、日記
2025.5.20タルキートナ
朝7時起床。気温5℃997Pa。曇り時々雨。朝食はパスタ、フルグラ、オートミール、納豆けんちん汁。同行者のKさんが咳が酷くて眠れず中耳炎症状で現地のクリニックを受診。10時半からミーティングで高山病やルート上のハザード、天気予測などについて話し合う。その後はストレージでセスナ機チェックイン前の荷物重量計測。バッグあたり36kg1人あたり56kgが上限なので極力荷物を削減する。ストレージで違うグループの女性と立ち話。NY在住アイダホ出身のエミリー。AAI(america alpine institute )のツアーでほぼ同じ日程らしい。荷物計測はほぼ自己申告でゆるいが飛行機は落ちたら困るので嘘が付けない仕組み。計量終わったらチェックインして1人あたり11万円の料金を支払う。しばらく天候不良で飛べず現在約90人待ちらしい。自分用 のソリも選んで引き綱やストッパーなどのロープを連結する。その後パートナーのKさんと外食しようとしたところで自分のサコッシュがない事に気づく。ザック屋ストレージを探しても無くて焦るがTATでソリを選定していたときにサコッシュを外したことを思い出して取りに行くと無事発見!良かった。Kさんとlatitude62レストランでパスタやフライドチキンを食べて宿に戻った。帰る途中で雹が降ってきた。6℃1000pa明日飛べることを祈りつつ午後23時頃に就寝。
2025.5.21ベースキャンプ
朝7時起床。気温6℃気圧1000Pa曇り。今日は一応出発日なので残りの食材のサラミやチーズを朝食で食べ切る。9時にTATに電話すると一応10時で準備しておいてとのこと。最後の荷物整理をしてたらストレージで待機していた登山隊がどんどん出発していき、私たちは午後3時半頃になるとのこと。ダウンを着込んで高所ブーツを履いて待っていると荷物を運搬するバギーが来て6名が先発3名が後発となった。荷物をセスナ機に積み込むと6名で満席。午後4時過ぎにいよいよ爆音のエンジン音とともに離陸した。窓からはタルキートナの湿地帯を眼下に望み、しばらくすると雪原の上空に入った。雲の下限をギリギリ飛んでいる感じだ。およそ30分ほどでハンター山を右手に見えて左に旋回するとベースキャンプが見えてまもなく着陸した。荷物を下ろして記念撮影してソリに荷物を乗せてキャンプ地に移動。後発隊もまもなく着陸した。気温はマイナス5度ぐらいで風もなく寒くないのでダウンとアウターをすぐに脱いだ。テントを設営して雪を掘ってトイレサイトとテーブルとキッチンを作った。最初の晩御飯はアンガス牛のステーキ。雪原の中で食べる肉は美味しかった。夕食が終わると午後9時になっていた。寝床を整えて午後10時半には就寝した。明日6時起床、7時朝食、9時半出発。気温マイナス5℃気圧780pa。
2025.5.22C1
朝6時起床。7時朝食。気温-4気圧780風北1。
8:30曇り21:00曇り気温-5気圧762標高2325
朝食は豚汁とご飯。8kmの道のりを20kgザックと30KGソリを引いて歩く初日。朝9時半スタートの予定だったが自分の準備が出来たのは10時ぐらい。キャッシュを埋めたり皆の準備を待っていたら出発は11時になり私とKさんだけスノーシューでスキーの他の人と比べて遅くから先に出発した。最初は下りで楽だったがしばらくすると登りになり荷物の重さが辛くなってくる。景色は最高だが直射日光豚汁雪面の照り返しで暑くて仕方ない。スキー組とも1時間ほどで追いつかれる。飲み水は手持ちの飲みかけのナルゲンに雪を入れると自然に溶けて出来るのが便利だと。登りがきついと思っていたらソリにブレーキロープがかかっていたことが判明して対処すると楽になった。多くの登山者に追い抜かれてC1についたのが午後7時過ぎだった。8時間かかった。へとへとだけどテントを立ててキッチンテントを作り夕食はすき焼き丼。食事担当だったが食材担当がほぼ作ってくれた。うまかったがとにかく疲れて午後11には就寝した。
2025.5.23 C2デポ〜C1
朝7時起床。気温-8気圧760。快晴。8時の朝食はキノコパスタ。朝からスターリンクでインスタライブ。c2にキャッシュする荷物を選定。重さ重視で予備バッテリーやハイキャンプの食料とした。10時半出発。C1の2400mからスキーヒルを登っていくが暑くすぐに長Tシャツに。段々の坂を延々と登ってc2のキャンプ地からさらに進んだところでキャッシュ場所に午後4時頃に到着。標高2962m。キャッシュを埋めたら午後6時。スキー隊はここから滑りだがスノーシューなのでぼちぼち歩いてC1へ午後7時帰還。とにかく暑く夕食はサーモン鍋そうめん入り。
天気 19時晴れ 気温-1.5 気圧760 北風
2025.5.24 C3
5時起床 晴れ -8.4 760pa calm mscr霜2mm 6時朝食キノコご飯 C1キャッシュとして燃料CMCゴミを埋める。近くにテントを張っていたエミリーが声をかけてくれた。今日c2キャッシュらしい。8時半出発して順調にスノーヒルを登る。昨日より少し時間が早いせいか楽な気がする。12時C2キャッシュを通過してカヒルトナパスを右折して急な斜面を登る。スキーの人はスキンで登れずにスイッチバックで登っていた人もいた。15:30にc3に到着。約7時間行動。今までで1番多くの人がいるキャンプ地。景色は素晴らしいが標高が3400mなので少し呼吸が苦しい。テントやイグルーキッチンテントを作っていたら夕食は8時半カレーライス。明日はc2キャッシュ回収。23時ごろに就寝
2025.5.25C3 C2回収
朝8起床。日没22時 晴れ 気圧657 気温-13.1 風東 降雪無し ご来光9:15 、9時朝食はおかゆ。ここまでコンテはフォローだったが今日はファーストにして10時45分出発してカヒルトナパスのトラバースを下って行く、途中でスキー隊に追い抜かれる。雪は軽くて気持ち良さそうだ。c2キャッシュに45分ぐらいで到着。キャッシュを掘り出してまたソリに載せる。天気がいいのでみんなでフリスビーしたり記念撮影したりしてのんびりしてから12時半ごろ出発。きつい登りだが昨日よりは楽に感じる。2回休憩をとりながら2時間半ほどでC3に午後3時に到着。午後からは湿ったブーツインナーやシュラフを乾かしたりバッテリーを充電したりして過ごした。19時ごろからスターリンクで天気予報。この先雪が降る予報で明後日C4荷揚げのときに雪が強まりそう。明日はレスト日。19時あられ気温-5.6気圧658pa風南西。23時就寝。
2025.5.26C3レスト日
朝8時起床。8:20 気温-9.1 気圧pa657 積雪35cm 風北東。昨夜は降り出した雪が本降りになり夜中2時ごろにテントが埋もれないように雪掻きした。朝は晴れ。9時ごろパスタの朝食を食べてスキー隊が近くの斜面を滑りに行くというので隊長のスキー一式を借りてキャンプ南側の斜面へ。登っている時は晴れていたがドロップ地点ではガスが出てきてフラットライトに。ガスの切れ目を狙って滑ったが思ったより雪が重くてほぼ直滑降で滑り降りた。その後はテント場に戻ってグラノーラの昼食。今日は食事当番なので午後は雪を溶かして飲み水を作った。午後5時からはライブ配信。キッチンテントでホットケーキを作ってみんなで食べながら色々現場での話をした。夕食はシチューを作って食べて23時に就寝。18時天候 曇り気温-4.4気圧656pa風SW積雪20cm沈降
2025.5.27 C4デポ
明日6時起床 晴れ 気温-12.5 気圧655 積雪25+10。朝食ラーメン
朝9時半出発。曇りで晴れ間は見えるが気温が低くて寒い。今日から足元はアイゼンに換装。モーターサイクルヒルのきつい登りをC4デポする荷物をソリに載せて登る。ゆっくりならさほど普通に登れる。モーターサイクルヒルを越えると稜線にでて右に曲がり次はスクルエルヒルの登り。ここもきついが思っていた狭くなく滑落のリスクは感じない。休憩を挟みながら次はウインディコーナーへ。今日は風がほとんどなく歩きやすい。ここから急に寒くなりトラバースに入り引いてきたソリが谷側に滑るが引き綱を手で引っ張りながら歩く。ここまでテンション高めだったザイルパートナーが体が重いとのことでペースダウンしてやや渋滞を引き起こす。当初予定していたC4手前のキャッシュポイントに到着したのが15:30ごろで6時間かかった。キャッシュを埋めて下り出したのが午後四時。空のソリをザックに突っ込んでひたすら下ってC3に到着したのが5時半ごろだった。スキー隊はスクリエルヒルからドロップしてモーターサイクルヒルの南側斜面を滑って降りてきた。晩御飯は高野豆腐入り卵とじご飯。午後22時ごろ就寝。
2025.5.28 C4引越し
5時起床。朝食はチゲ雑炊。天気曇りのち晴れ 気温-11.8気圧656pa 風NEライト新雪1cm 9時半出発。気温低いかなり寒いが朝日が出ると途端に暖かくなる。昨日と同じくモーターサイクルヒルとスクエアヒルを登るが昨日よりも荷物が多いので負荷が高い。ソリの荷物に引っ張られるためアイゼンの足場をしっかり決めないとソリごと落ちる恐怖を感じる。稜線に出てフラットなところに出て時には疲労困憊だった。休憩して回復した後は次はウインディコーナーへの登り。しかしパートナーのKさんのペースダウンが著しく時折止まってはかがみ込んで歩き出すの繰り返し。自身への気合いのためなのか訳の分からない奇声を発していてついにトレースを踏み外して新雪に突っ込んだ。すぐ横にいた別パーティーのローカルガイドが心配して声をかけてくる。大丈夫と答えながらウインディコーナー上部の平地に出てKさんは倒れ込んだ。本人はただのシャリバテだと言うので水分と行動食を摂るように促す。近くにいた先程のローカルガイドが栄養ゼリーを与えてくれた。彼はC4に行くとさらに悪くなるかもしれないと心配してくれた。やがて遅れてい女性滑り隊3名とも合流。こちらもリーダーのMさんがかなり疲弊しているようだ。女性同士で荷物を分配してリーダーの負担を減らそうとしていた。ここでリーダーのBさんにKがかなり疲弊していることを連絡。返事は女性3名と一緒に行動するようにとのことだった。Kさんの荷物を私が少し持つことを提案するが渡されたのは軽い補助ロープだけだった。5名で先に進むことにして登り坂に入るがKさんがペースを落として欲しいというので一歩につき3秒カウントしながら歩いた。Mさんのペースもほぼ同じだった。やがてトラバースに入りクレバスの踏み抜き穴が散見されるようになり注意しながら歩いた。クレバスゾーンを通過して休憩しつつ先行してC4に到着したリーダーに無線連絡。ここからあと3時間かかるとの事。午後5時だったので到着は8時の見込み。しばらく進むもペースは遅いままで休憩も多く雪が降ってきてホワイトアウト状態に。このままでは8時にも着かずリスクが高い。私の無線はバッテリーが無くなったので女性メンバーの無線を借りてC4到着メンバーにヘルプを要請。しばらくして男性2名がスキーでヘルプに来てくれて疲弊2名の荷物を担いでくれた。ペースも上がって8時ごろC4に到着。テントを立てて夕食の鮭キノコご飯を食べたのは10時半ごろ。今夜は隊の予備のテントで1人で午後0時ごろ就寝した。19時気圧572pa
2025.5.29 C3.5キャッシュ回収
朝8時起床 朝ごはんはカニ雑炊。午後1時出発でウインディコーナー上部に埋めたキャッシュを回収しに行く。C4からキャッシュポイントまで30分ぐらいで到着。埋めていた高所ダウンやハイキャンプ用の食事を回収して再度C4へ帰る。
荷物整理後はイグルー作り。時間をかけて大きくて快適なキッチンイグルーができた。夜はポークビーンズごはん。朝9時曇り気温-15気圧571風ライトSE降雪25cm12:40曇り-17.7気圧574
2025.5.30 C4レスト日
朝9時起床。昨夜は吹雪で夜中に起こされたので朝方はゆっくり寝た。朝食はキノコご飯ととうふ味噌汁。パートナーのKさんとヘッドウォールまで行く予定だったが風が強いので見送り。キッチンテントで水作りをしながらメンバーとお茶を飲みながらいろんな話をした。その後は明日のハイキャンプへのキャッシュ準備や1人テントから引越し作業をした。スターリンクを少し繋いで天気予報チェック。5/31、6/1は晴れ。その後は崩れたあと6/4が晴れ予報。明日のハイキャンプデポは予定通り。サミットプッシュは6/3〜4になりそう。夕食はチキンカレー気圧578
2025.5.31 HCデポ
朝6時起床。晴れ 気温-21 気圧580 3000m以下雲海 風NW こしまり雪。フットペン15cm。
朝食は卵雑炊。10時出発。ソリなしでハイキャンプにデポしておきたいアルファ米やラーメンの個食や予備バッテリー高所グローブ、共同装備のテントなどをザックに入れてヘッドウォールをKさんとコンテで登って行く。今日はスッキリ晴れたので多くのクライマーが登っている。ヘッドウォールの中間を過ぎたところにクレバスがあり、そこから上部へはフィックスロープにアッセンダーを付けて登って行くが人数が多いので渋滞しておりゆっくりと登っていくが稜線近くになると急斜面で足元も青氷で酸素も薄いので消耗する。15時に稜線に着いて休憩していると隊長が大蔵さんが残していたデータロガーを回収してきた。休憩後に稜線を登っていると岩場にさらにフィックスロープがあり行列ができていた。この時点で酸素の薄さから消耗が激しく座り込んだ。この時点で元気そうなDくんとCさんに共同装備を託して先行してもらった。ダイアモックスを一錠飲んでKさんと再出発した。Kさんも消耗が激しい。スキー隊の3名はもうしばらく休憩するようだった。フィックスを登ってもさらに岩場が続いてナイフリッジもありまるでアルパインのルーとを確保なしで歩いているようだった。振り返るとハンターやフォーレイカーと雲海の素晴らしい景観が見えるのが救いだった。しばらくするとさらにフィックスがあり渋滞しておりそこで隊長やDくんたちに追いついた。ダイアモックスが効いているのか分からないがこの時点で少し楽になっていた。ここで他の日本人グループにも会って予定について言葉を交わした。進んでいるとハイキャンプのテントが見えてきて午後7時に到着した。残置テントを立ててテントにキャッシュを入れて8時にC4に向けて出発。気温が低下する中夕暮れの美しい山々を見ながらゆっくりと下山した。ヘッドウォールの長いフィックスロープをつたいながら降りるのが地味にきつかった。C4に着いたら午後11時だった。行動時間は12時間。夕食のたらこパスタを食べたら日付が変わっていてテントに疲れた体を横たえて午前1時に就寝した。
2025.6.1 C4レスト
朝10時起床。昨日疲れたのかぐっすり寝た。朝方は晴天だったが徐々に小雪が降る天候に。朝食がわりにアルファ米に乾燥味噌汁を入れてお粥にして食べた。気圧587pa 気温-14.8。お昼はお茶を飲みながらメンバーといろんな話をした。午後5時からインスタライブ配信。夕食は棒ラーメン。天気予報を見てウェザーウインドウは3日の午前中まで。後は6日以降。サミットプッシュ候補 2〜4 or 6〜8で協議。結論として翌朝の天気予報を見て2〜4のサミットプッシュの是非を判断する。22時就寝。
2025.6.2 トレーニング
6:00曇り気温-16.4気圧594 NE 積雪15cm
朝5時起床 朝食鮭ご飯
朝の天気予報から3日の午後の天候不順につきサミットアタックは6日に変更。今日はヘッドウォールを登って稜線まで上がる予定で朝9時前に出発したが思いの外、積雪が深くスピードが出ない。降雪と風が強くなりガスも濃くなってきたのでフィックスロープの手前で終了してC4に戻った。戻るとこれから下山するカザフスタンチームと日本人Sさんのチームからラーメンや行動食のおすそ分けをいただく。天候待機に必要な食材の追加はありがたい。他の日本人チームのFさんがイグルーキッチンにあいさつにこられていろんな話す。夕食はお好み焼き。明日は悪天候につきレストとなる。19:00天気雪 気温-15.2 気圧588 風NW
2025.6.3 C4レスト
朝9時半起床。朝食はお粥。昨夜も風が強く今日も小雪が降るのでレスト日。スターリンクで得た天気予報では直近では6日は降雪だが風が弱まる。10日が晴天となっていた。イグルーキッチンのリフォームをしたり、メンバーと大富豪のトランプゲームをした。天気曇り気温-16.5気圧588風E 降雪5cm 夕食は麻婆春雨丼。夕食後のミーティングの結果サミットプッシュを6/10に合わせてC4待機を継続するか、6日にハイキャンプへ移動して滞在して9〜10日にサミットプッシュの方向で検討することとした。
2025.6.4 C4レスト
朝10時起床。11時半朝食。カレーそーめん替え玉付き。スターリンク用のモバイルバッテリーの残量が5%だったが他のバッテリーから充電して25%まで回復。6日のハイキャンプ入りまであと2泊。午後からAAIのエミリーがイグルーキッチンにきてフードをくれる。FさんのグループのKさん夫婦もイグルーを訪問して今夜サミットプッシュの予定らしい。夕食は納豆パスタとマッシュポテトと味噌汁。もらった行動食のフードも分配され食事は充実したものになった。夕食後、C4テントを散歩していると中国人女性が声をかけてくれた。名前はスワニー、東京にも住んでいたことがあるらしい。中国人5名と韓国人4名のグループで6日金曜日にサミットアタックする予定とのことだった。チーム名はティンティン?その後日本人5名がハイキャンプから下りてきたので声をかけるとNKグループだった。どうやらハイキャンプで4泊したがサミット出来なかったらしい。話があると言うのでイグルーキッチンで聞いてみると、我々の隊がハイキャンプに設置したテントが強風で飛ばされてそうになっており、レンジャーから見ておいてほしいと言われたのでテントを畳んでテント内のキャッシュもまとめてスノーバーで固定しておいたとのこと。ただし、停滞の状況下でキャッシュの中からいくつか食料を頂戴したとのこと。その分はC4キャッシュからお返しするとのことだった。我々のテントは無事とレンジャーのキャサリンから聞いていたので腑に落ちないところもあったが了解して11時半ごろ就寝した。
2025.6.5 C4レスト
朝7時半起床、朝食は梅粥とワカメスープ。8時半ごろ昨夜ハイキャンプからレンジャーが降りてきているとのことで、レンジャーからハイキャンプでの我々のテントの状況をヒアリングした。テントは飛ばされていなかったが近くのテント滞在者に状況を見ておくように頼んでおいた。そもそもハイキャンプにテントを張りっぱなしにしておくことは認めていない。昨日のNKグループが我々の食料を食べたことには関知しない感じだった。我々にも非があることからNKグループの行動を咎めることはできない。朝11時ごろから隊長とDくんがハイキャンプへ行ってテントやキャッシュの状況を確認に行った。午後5時ごろ帰ってきたがかなり食料が食べられて減少していたもようで雪中に埋めてきたらしい。お昼に下山するアメリカ隊から食料をもらったり、NKグループからもお詫びの食料を譲り受けた。お昼はアメリカ隊からもらったベーグルにベーコンとチーズ。夕食はウズベキスタン隊からもらったラーメン。食事は充実してきたので次のウェザーウインドウが開くまで粘れそうだ。明日はもらった食料を持ってハイキャンプへ再キャッシュに行く予定。
2025.6.6 HC再キャッシュ
6時起床 7時朝食きのこごはん 天気晴れ 気温-24.5 気圧583 9時45分出発 気温が低くて風が強いので晴れていてもすごく寒い。高度順応が進んだのか少し楽に登れる。ヘッドウォールの稜線まで出ると風が強まりさらに寒い。前回は5時間かかったが3時間で登れた。今朝登頂した日本人3名とすれ違い手指が凍傷になったのでC4からヘリで下山すると言う。相当上部は低温になったようだ。稜線を進んでフィックスロープの箇所も渋滞なくスムーズに通過できた。ナイフリッジ部分も風が強かったので慎重に進んだ。ハイキャンプには3時半ごろ到着。キャッシュを掘り起こして食べられた食料を確認。思っていたほど減っていなくて安堵。持ってきた追加食材とスノーバーを追加キャッシュした。午後から風が強くなる予報だったので急いで下山。フィックスロープの下りで疲れたが無事C4に午後7時ごろ到着。夕食はハンバーガー。低温で体がすごく疲れたのでお湯を飲んで保温に努めた。今日サミットアタックしたクライマーもいたようだが凍傷などの怪我もあったようだ。
19:47 気温-12.8 晴れ風W 気圧585 急斜面では雪崩
2025.6.7 C4レスト
朝10時半起床。朝食は各自貰い物の食料をセレクト、チキンフライドライスを食べた。お昼ごろにFさんグループが下山のあいさつ。Kさんのご主人は手指凍傷のため朝にヘリで搬送されたらしい。日中はイグルーキッチンで過ごしてメンバーと話をしたりお昼はパンケーキを焼いて食べた。夕食は牛めし。今夜からしばらく降雪予報でC4レストが続く。日中はやることがなく今日からKindleを読み始めた。
19:17 雪 気温-12.4 気圧577 風W
2025.6.8 C4レスト
朝10時起床。朝食は各自、手持ちのグラノーラとチーズオートミール。昨夜の雪はそれほどではなかった。雪は降り続いているが気温は高めで寒くはない。お昼にスターリスクで天気予報チェック。10〜12日が好天で12日が狙い目。午後13:30にミーティング。滑り隊はハイキャンプへ滑走具を持って行くか悩ましいところ。10日にハイキャンプへ引越しして11日か12日にサミットプッシュすることになった。デナリパスの稜線で一旦リグループしてザイルパートナー組み替えも含めて進退を決めることになった。14日に予約しているアラスカ鉄道に乗ることは難しいかもしれない。お昼も各自、ビーフパスタ。午後はKindle本を読んだりテント除雪、シュラフジップに細引を付けたりした。夕食もミートパスタとフーリガンのバター焼き。フーリガンは一味マヨネーズで食べたらししゃもみたいな味で美味しかった。Spo2はずっと80代で高度順応に問題なし。
20時天候 雪 気温-17.5 気圧582 風E 積雪S1
2025.6.9 C4レスト
朝9時起床。朝食はオムレツとごはん。午前様は水作りをして午後1時半からデナリパスのアンカーのロープクリップやスタンディングアックスビレイの練習をした。最後にクリップのスピード競争をして遊んだ。夕食はクリームシチューで最後のペミカンをいただいた。明日はいよいよサミットローテーションでハイキャンプへ引越し。順調にいけば11日にサミットとなる。
19:24天気晴れ 気温-14.1 風SW 気圧590
2025.6.10 ハイキャンプ引越
朝5時半起床。6時半朝食ごはんと味噌汁。9時45分出発。お天気は晴れ。気温は低いが日が指すと暖かい。シュラフと高所ダウン上下とスターリンクをザックに入れたらほぼいっぱい。ハイキャンプには2回往復しているがザックが重いとかなりしんどい。多くの登山者が登って行くが渋滞はさほどではなかった。ふらふらでハイキャンプには午後4時過ぎに到着。6時間半ぐらいかかった。風が冷たくて寒い。テントを設営して各テントでお湯を沸かして晩御飯。デミグラスソースのアルファ米を食べた。午後9時にスターリンクで天気予報チェック。予定通り明日11日は晴れで風も強くないのでサミットアタックとなる。朝9時半に出発。
2025.6.11サミットプッシュ
朝5時半起床。6時半各自朝食。リゾッタのガーリックを食べた。9時45分出発。快晴のサミット日和だ。デナリパスの登りを待ちわびた登山者が次々と登って行く。アンカーがあると聞いていたがはっきりしたトレースにはアンカーはほとんどなく固い氷に刻まれたアイゼンの足跡が階段状になっているだけだ。セルフは取れずトラバースから滑落すればただでは済まないシチュエーションだがみんな気持ちがハイになっているのか気にしていないようだ。デナリパスの稜線に出たのは12時ごろ、休憩してからグローブを分厚いミトンに変えてさらにアーチデーコンへの斜面を登って行く。酸素がさらに薄く感じて登りはかなり息が切れる。滑り隊のMさんがスノボを背負っていて苦しそうだ。そのまま追い越し登って行くと先行していたメンバが集まって休憩している。もう30分近く経ってるらしくペースが遅れているMさんのことで背負ってるスノボをデポさせないと登頂できないのではと隊長が言ってる。ペースに自信がない私たちは先に行かせてもらった。しばらく登っていると隊長と滑り隊に追いつかれて合流した。アーチデーコンの登りを終えるとフットボールフィールドの広い雪原に出た。隊全体で少し休憩して先にそびえるカヒルトナホーンを見てそれにつながる急登を見つめた隊長がここを登り上げれば後は稜線歩きだから全員登頂しようと皆に檄を入れる。実際登ってみるとかなりきつい。渋滞気味なので休憩できるが一歩一歩足を出すごとに呼吸を整えないと登れず稜線が遠く見える。なんとか乗越とデナリ頂上へのナイフリッジが見えた。メンバが集まるまでしばらく待って私はザックをデポして登る。すでに登頂した登山者とすれ違いながらリッジを慎重に進み、ついに登頂!時刻は18:20。出発から9時間弱かかった。先行していたメンバとハグをして追いついたメンバとも同じくハグをして健闘を讃えあう。苦労して登ったMさんが涙交じりで喜んでいてもらい泣きしそうだ。お互いにそして全員で写真を撮った。そして滑り隊のKくんが自身のボードを使ってスノボをデポしてきたMさんに山頂から滑って下さいと言う。これでMさんが滑れば日本人女性ボーダー初のデナリ頂上滑走となる。スキーのDくんも山頂滑走するつもりだ。実際に見たかったがザイルパートナーのKさんが寒いので早く下りたいと言うので先に下山することにした。そこからが長かった。太陽が低くなって気温も下がるなかデナリパスのトラバースを慎重に下りハイキャンプに着いたのは夜中0時だった。皆が遅い夕食を食べるなか私は食欲がなく早々にシュラフに潜り込んだ。ついに登頂できた喜びを噛み締めた。
2025.6.12 C2下山
昨夜は遅かったが6時ぐらいには目を覚ましてアルファ米とどんべいうどんを食べた。天気は晴天。隊長は今日中にできたらC1まで下山したいと言う。遠いが早く下山したいので本望だ。10時ごろにはテント撤収して出発した。ザックは激重くて疲れた体でC4への岩と雪のミックスのナイフリッジを想像すると気が重い。慎重に稜線を下りヘッドウォールものフィックスロープを降りたらもうヘトヘトだった。C4への下りの雪原ではKさんが重いザックを転がして下った。C1に着いたら午後3時ぐらいだった。隊長と滑走具をデポしていたメンバは着いていたが他の滑り隊のメンバがまだ降りてきていない。レスキューガリーを滑る予定だったが上部の危険箇所をロワーダウンしながら降りていて時間がかかっているとかの無線が入った。斜面を心配そうに見ていたメンバのCさんが何か斜面で黒い物が複数転がってクレバス近くで止まったと言う。しばらくして男性レンジャーが隊長に話があるとやってきた。上部の別のレンジャーから連絡があったようで今レスキューガリーを滑ろうとしているメンバに無線で斜面のデブリ跡を滑るように伝えろという。Cさんが見た黒いモノはMさんのザックとその中味だった。あとでわかったことだがデブリは昨日スキーヤーが雪崩に巻き込まれたあとだった。レンジャーもピリつくのも無理はない。落としたザックはアイゼンをつけて登って取りにいけという。メンバはほぼデブリを滑って途中で落としてザックや中味を回収しながら下りてきた。この顛末が終わるまでレンジャーに下山を止められていたので再度下山を開始したのは午後7時だった。デポしていたソリに荷物を分けて下って行って最初は良かったが下り斜面によってソリがひっくり返ったり進行方向と違う方向に進むので苦労した。ウインディーコーナを抜け、知り合いになった中国人女性と話したりしながらモーターサイクルヒルでは重いソリを上からロープをコントロールしながら降りてC3に着いた。先行してC3のデポを掘り返してくれていてメンバからスノーシューを受け取り、今夜はC2まで降りて泊まる方針を決める。再出発してカヒルトナパスを降ってC2に着いたら日が変わっていた。テントを2つ張りアルファ米を食べてシュラフに入ったら午前2時だった。寝ていたら夜中4時ごろ隊長がやってきて滑り隊メンバのKくんがウインディーコーナーでクレバスに落ち
て救出した話とC1まで下る連絡をして下ったいった。
2025.6.13LP下山
朝6時に起きて女性メンバが作ってくれたスパムラーメンを食べてテント撤収し出発したのは8時ごろだった。ソリの荷物が偏ったのか下りではまたソリが言うことを聞かず転がって仕方がない。仕方なくザックに一部の荷物を移したりしてC1に着いたら10時ごろだった。ここには隊長のほかMさんやクレバスに落ちて肝を冷やしたKくんもいた。水分補給や給食して11時再出発した。日が上がってかなり暑い。あとLPまで9キロだが暑さのなか時間がかかるのは仕方なかった。先行メンバのLP到着の無線が入ってどうやらセスナ機で今日タルキートナに飛べるとのこと。午後5時ぐらいの予定らしくペースを上げた。C1からは一旦下って途中からLPへは登りが入るコースだ。初日に回り込んできたフランセス山を左手にみながら進んで最後の登り坂は長かったしきつかった。やがてLPが見えてきメンバが手を振ってくれた。到着はまるでマラソンゴールのようで冷やしてくれていたビールやワインやデポしていたうなぎを食べたりして下山完了を祝いあった。すぐに帰りのセスナ機がやってきてみんなで2機に分かれて飛びったった。タルキートナに着くと季節が変わったように暖かかった。Oさんの友人のYさんが車で迎えに来てくれていて夕食は町なかのハンバーガーテラスで再度ビールで乾杯しMさんが予約してくれたロッジやバンクハウスに分かれてこの日は宿泊した。シャワーを浴びて20日ぶりに髪や体を洗って気持ち良かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
直近レコUPなかったのでデナリ行かれていると思っておりました。
pic40フォーレーカー山は美しく輝いてますね✨素晴らしい景色の共有ありがとうございます😊13日間の停滞マイナス20℃どんな世界なのか想像するだけでも過酷…ゆっくり休んでくださいね。
夢ですが、いつの日か私も行ってみたいです。ありがとうございました😊
デナリは厳しい山でしたが素晴らしい景観でした。この夏はマッターホルンとモンブランに行かれるのですね。無事登頂されることを祈っています。
私も2015年に登ったので、懐かしく感じて日記読み進めました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する