【新緑の阿武隈】高柴山・一盃山・宇津峰【低山巡り】
福島県
MO-85
体力度について
- GPS
- 05:26
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,172m
- 下り
- 1,178m
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- 山行
- 6:33
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 7:47
| 天候 | くもり時々はれ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
・一盃山は馬場登山口を利用 ・宇津峰は馬場平登山口を利用 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・高柴山 浮金登山道は山頂直下まで歩きやすい林道 ・一盃山 馬場登山道は歩きやすいが、黒甫登山道は滑りやすい急登。黒甫林道を通って馬場登山道へ戻る。 ・宇津峰 馬場平からの登山道は階段状の歩きやすい道。下山は御井戸から車道を利用 |
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感想
【阿武隈の低山巡り】
2泊3日の行程で福島の山巡りに行ってきました。久々に泊まりがけのマイカー山行です。初日は天候がいまひとつだったので山登りはせず、史跡巡りとしました。栃木・福島県道76号（伊王野白河線）という交通量のまばらな県道を通り、県境付近にある追分の明神、その先にある白河の関跡を順番に訪れました。登山を前に「奥州入り」に対する感慨を得られ、俄然気分が上がりました。
【一座目、高柴山】
・浮金登山道より山頂ピストン
郡山のビジホでビュッフェの朝食を取り、7時前に宿をチェックアウト。ナビを使わなかったため時折道を間違え、さらに登山口周辺で駐車場が見つからずにウロウロしたこともあり、登山を開始した頃には8時を回っていました。
登山口からは一般的な登山道とクルマも通れそうな未舗装の林道がふたつ伸びていますが、このふたつはすぐに合流し、その後も付かず離れずといった感じで交差を繰り返しています。どちらを登っても所要時間はたいして変わらないので、その時の気分で歩いていきましょう。新緑の中を気持ちよく歩いていると、すぐに太鼓岩分岐があります。最初は案内板の後ろにある小岩が太鼓岩かと思いましたが、そうではありません。往復で10分もかからない距離なので立ち寄っていきました。本道に復帰すると、今度は物見岩という岩もあります。こちらにも立ち寄りましたがどちらも名前が付いていなければ気にせず通り過ぎてしまいそうな何の変哲のない岩です。いろいろと八幡太郎義家の伝説が伝わっていますが、いずれも史実性は低そうです。
さらに登っていくと、御神水分岐があります。そちらは帰りに立ち寄ることにして、先に山頂を目指します。東屋の脇を通過すると、ツツジの迷路の中に展望台が姿を現します。登ってみると、山肌を埋め尽くす一面の赤い花……は見えませんでした。ネット上の写真で見た風景にくらべると、明らかに赤みの割合が低いです。どうやら例年より花の付きが悪かった上に、前夜の強風でたくさん花が散ってしまったようです。とはいえ、ツツジの株で迷路のようになった広い山頂を散策するのは楽しいものです。思いのほか風が強くて寒かったですが、ひととおり避難小屋や神社を見て回ってから下山の途につきました。なお、立ち寄った御神水の水場は枯れていました。
【二座目、一盃山】
・馬場登山口〜大志の広場〜三角点〜音の岩〜黒甫林道〜馬場登山口】
高柴山から小一時間ほどクルマを走らせると、馬場平登山口に到着です。さっそく一盃山への登山を開始！ と行きたいところでしたが、ここでスマホに着信があったことに気が付きました。見慣れない番号でしたが、調べてみると今夜の宿からの電話のようです。折り返しかけてみると、なんと施設全館で停電が発生、現在も復旧のメドが立っていないため、本日の宿泊をお断りしているとのこと。まさに青天の霹靂でしたが、電話口で問答をしても仕方ないので、その場で宿探しをすることにしました。予約サイトで当日予約の取れそうな宿を探したところ、須賀川に良さそうなホテルがありました。素泊まり温泉付きで7000円台と条件も悪くなかったのでここに決定。後顧の憂いを無くしたところで、登山の再開です。
はじめのうちは植林地の緩やかな登りですが、高度を上げるに従い、周囲は明るい雑木林になって行きます。途中、深沢清水への分岐を見送り、さらに上級と初級のコースに分かれる分岐もありましたが、上級コースに入るとすぐに道が不明瞭になったので初級コースに進路を取りました。一度、未舗装の林道に出ますが、ここを右に行くと黒甫登山口の方に行ってしまうので、左に進むのが正解です。林道を少し行くと、すぐに山頂方面への登り口があります。ツツジが赤い花を咲かせる登り坂を詰めれば、テーブル状の山頂平坦地に出ます。ここが大志の広場と呼ばれるところで、仮設トイレのような建物もありましたが、立ち寄っていないで利用可能かは不明です。
山頂付近は平坦で、言われないとどこが山頂か分からないようなところです。せっかくなので三角点のある山頂北側まで足を延ばします。緩やかなアップダウンの軽快な散歩道を進みますが、展望はあまりありません。三角点を確認し、山頂まで戻ると、今度は音の岩と呼ばれる展望地まで進みます。こちらも展望はあまり良くなく、東側がわずかに覗けるだけでした。ここから引き返しても良かったのですが、せっかくなので黒甫登山口方面に下山し、中腹にある黒甫林道を通って馬場登山口まで戻ることにしました。下りはラクチンだろうと思っていたら、意外と緊張を強いられるトラバースの細い道に、ロープの張られたヤブっぽい急坂の下りが待っていました。しまいにはロープもなくなり、道の両端にある笹を掴んでの下降となりました。ウンザリしてきた頃に開けた場所に出て、正面にきれいな円錐形の蓬田岳が見えるようになると林道は近いです。途中、タヌキのようなアナグマのような謎の動物に出会いつつ、黒甫林道から馬場登山口に戻ると、先程までの苦労がウソのようにスイスイ下山できるようになります。当初はこの後、宇津峰と蓬田岳の二座に登るつもりでいましたが、宿探しと黒甫登山道で発生した予想外のタイムロスを鑑み、次の宇津峰を本日最後の山とすることにしました。
【三座目、宇津峰】
・馬場平登山口〜宇津峰山頂〜御井戸の清水〜車道〜馬場平登山口
ふたたび一時間ほどクルマを走らせて、宇津峰の中腹にある馬場平登山口までやってきました。実は山頂直下まで車道が伸びていて、ピークハントだけなら僅かな時間で可能なのですが、それでは登山にならないので階段状の登山道をしっかり登り、下山に車道を利用することにしました。この山もあまり展望がありませんが、その分、面白い植物を目にすることができました。透き通るような白さが特徴のギンリョウソウです。それほど珍しい植物では無いようですが、時期をはずしているせいか、自分は八甲田山くらいでしか目にしたことがありませんでした。他には、これも珍しいものではありませんが、ラショウモンカズラも咲いていました。思わぬ出会いに感激していたら、いつの間にか山頂直下までたどりついていました。この山は南北朝時代に南朝側の拠点があった場所だそうですが、今では山頂に立つ石碑くらいしか、そのことを想記させるものはありません。下山路には、籠城する城兵たちの喉を潤した御井戸の清水という水場の方を通って、鋪装林道へ出ました。平日の午後3時を回った時間帯では山頂方面に登ってくるクルマの影もありません。車道歩きでありながら、新緑の中を気持ちよく下山することができました。
登山口まで戻ると、わずか数時間前に予約した須賀川の温泉ホテルへ向けて、クルマを出しました。福島旅行最終日となる翌日には、白河の権太倉山へ登る予定です。
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