金剛山(カトラ谷からツツジオ谷へ周回)


- GPS
- 04:51
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 624m
- 下り
- 628m
コースタイム
- 山行
- 4:23
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 4:48
天候 | 曇時々晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ツツジオ谷の上部は、沢床のため足場悪い。滝を巻く箇所はつまずき(→転落)に注意。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
今週末、どうしても金剛山に行きたいと思っていた。というのは、イチリンソウ、ニリンソウ、そして何よりヤマブキ ソウの開花のピークが、まさに今、だからだ。今春はどうも気が急いて、カタクリもイワウチワも、やっと咲き始めたというタイミングでのお花見山行が続いていた。ゴールデンウィークは八重山遠征に全てつぎ込んだので、もうこの週末しか使える日はない。だが、土曜日はあいにくの雨となり、果たして日曜日は?という状況。テレビの天気予報で雲の動き予想をみると、何と大阪府の南部あたりは、午前中、雲が切れているじゃないか。これはいけるぞ!ということで床につき、日曜日の朝を迎えた。雨戸を開けて空を見上げると、晴れている。よし!とばかり、準備にかかる。近場ながらも朝早く家を出て、千早赤阪村目指して車を走らせる。車のフロントグラス越しに金剛山が見えてきた。そのほぼ全容を見ることができるが、山頂部だけは雲に隠れている。ガスがかかっているのだろう。到着までに文字通りの“雲霧消散”を祈ったが、そう都合良くは進まない。国道沿いの駐車場に車を停めて、曇り空の下、ちょっと肌寒い出発となった。登山口に一番近いモンベル横の大駐車場はまだガラ空きだ。前来たときに、「次回はここに停めよう」と思ったのだが、結局、下に停めてしまったのを後悔する(どのみち大して距離の節約にはならないが)。見上げると木々の梢はフジの花に見事に染め上げられている。ヤマブキの黄色と艶やかなフジのコラボが、命萌え出るこの季節の象徴だ。歳を取ってもこの季節には何だか浮き立った気持ちになる。
金剛山地はシカの侵入を免れているらしく、花が豊かだ。関西では貴重な山域である。この季節に金剛山や大和葛城山を訪れる人々の多くが、花を期待してのことだろう。今日も林道を同じ方角へと向かう登山者を何組も見かける。ゲートの降りた橋をわたりしばらく進むと、林道の幅が狭まり、二股に分岐する。すでに道端にはニリンソウがポツポツと咲き、キランソウやムラサキケマン、エンゴサクがちらほらと姿を現す。自ずと花への期待が高まるというものだ。分岐を右に進むとすぐにカトラ谷へと導かれる。もっとワイルドな谷を想像していたが、よく踏まれた道が谷の奥へと続いている。周囲は自然林で、比較的開けた感じの沢だ。今朝までの雨も降水量は大したことはなく、増水した様子はない。小滝はそのまま越え、大きな滝は高巻き道を行く。相前後して登るパーティーはそれぞれに花の観察に立ち止まって抜きつ抜かれつ、二言三言、ことばをかわして登っていく。ミソサザイが止まっていますよ、と教えられ、目を凝らすと茶色い愛らしい姿の小鳥がちょこまかと枯れ木の上を走り、そして飛び去った。
滝場を左岸から越えて進むところに差し掛かると、道から沢床にかけての斜面に、白い花の群落が広がっていた。近づいてみるとイチリンソウだった。いよいよこの谷の核心部にやってきたようだ。あらかじめ確認済みの「お花畑」もそろそろのはずだ。渓相が穏やかになり、山の傾斜が緩んで丸みを帯びてきたと思うと、目の前にニリンソウの群落が現れた。一歩、また一歩と進むにつれ、その規模は急速に大きくなって、まもなく斜面見渡す限りのニリンソウ群落となった。東北在住時、近郊の山々にはこのようなニリンソウ群落が随所にあったが、こちらにきてからはほとんど見ることがなかったので、生き返ったような気持ちで周りを見渡すのだった。緩斜面には幾本もの側道ができており、多くの人が気の赴くままに散策をしていることが窺い知れる。我々もその一本に入って探索モードとなる。ニリンソウはあっちにもこっちにも群落を作っている。黄色い花も混ざっているが、その大半はキジムシロの類である。私としては、ヤマブキ ソウを見るのが今日ここにやってきた主目的なので、そのありかをなんとか見つけ出したいところだ。
縦横に張り巡らされた側道をあっちに行ったりこっちに行ったり、そして出会う人にも尋ねながら徘徊する。ヤマシャクヤクがそこここで白い花を咲かせている。この花の命は短くて、すぐにハラハラと散ってしまうのでタイミングが難しいが、今日は見事にベストな状態で咲いている。そんなこんなで探し回った末、突如眼前に黄色い絨毯が現れた。そこにはヤマブキ ソウの群落が広がっているのだった。まさに秘密の花園、といった感じで、しばし、その見事な景観を楽しむ。
そうこうしているうちに、なんと陽が差してきた。青空が徐々に広がって、5月の爽やかな空気が吹き始めた。もうかなり上に登ってきており、道を拾って山上部の一般路に出ると、まもなく山頂のお寺の境内に達した。山頂(といっても三角点は神社の神域にあって接近できないが)はいつもながら多くの人々で賑わっている。ベンチに腰掛けて昼食とする。
昼食後、一応山頂広場に上がってみるが、眺望は霞んでいまひとつだ。すぐに下山にかかる。下山路にはツツジオ谷を使う予定であったが、うっかりと降り口を逃して、表参道を少々進んでしまう。橋のところまで戻って、その脇の踏み跡を降りると、三人パーティーがちょうど登り着いたところだった。沢に入ってしばらくは、足場の悪い急峻な沢床を慎重に降りていく。この谷にもニリンソウがあちこちで咲いている。かなり降って多少傾斜が緩むと道らしきものが現れる。途中の滝場は高巻きとなる。その様子で気づいたのは、以前金剛山にきた際、この谷を登ったということ。現地に来るまでわからなかったなんて、なんと迂闊なことか。前回は沢を詰め上げずに途中で右岸の尾根に上がっていたので、降り口は「新鮮」だった訳だ。この事実に気づいて何だか自分が恥ずかしくなり、薄笑いを浮かべて淡々と降り続けるasakinuなのであった。
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