笠取山・倉掛山尾根
埼玉県
山梨県
山キチどん
体力度について
- GPS
- 11:38
- 距離
- 37.0km
- 登り
- 2,194m
- 下り
- 2,425m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:36
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 4:12
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 7:27
| 天候 | 1日目(5/1)：晴れ 2日目(5/2)：曇り時々小雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
下山口：大菩薩の湯から甲州市民バスでJR中央本線塩山駅 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
雁峠への亀田林業林道は広い谷で明るく歩き易い 倉掛山尾根は笠取林道が山頂部を並行し稜線部の登山道も問題なし |
| その他周辺情報 | 大菩薩の湯\700 |
写真
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笠取山に近づく
感想
1日目(5/1)
西沢渓谷へ行く山梨市営バスは始発が9:12と登山には遅めだ。広瀬で下車したが一つ先の新地平の方がよかったようだ。林道に取り付こうとドライブイン跡の裏山を這い登った。林道跡を歩き新地平からの亀田林業林道に合流し、延々と広川を遡った。先を行く人に追い付き声を掛けると山屋ではなく釣り師だった。広川はその名の如く広い谷で明るく気持ちが良い。右岸の広まった処に小屋の跡があり樹木が周りを覆い近づくことはできないが登山の小屋だったのか作業小屋だったのだろうか。小屋の前で左岸に渡ると林道終点まで広川を渡ることはなかった。
下ってくる登山者と出会い声を掛けると昨日は笠取小屋に泊まったと云う。その後も2人笠取からの下山者だった。暫く間が開き雁坂小屋からの下山者2人と出会った。久し振りにメジャーな山域に来たことを実感した。下界では散り果てて久しい桜が奥秩父の山域では今が満開で、目を楽しませてくれた。葉っぱが出ていないので山桜ではないようだった。標高1,420m付近が林道の終点となっているようだが亀田林道は橋を渡って別の谷に入って行ったようだ。地形図の林道ではなくなったが林道跡ぽい道で標高1,520m位まで行くと徒渉が始まり純然たる登山道となった。本流を7回渡渉すると水音が消え背の低い笹原となり軈て高巻き道となって雁峠(1,781m)に達した。広々とした笹原の峠で爽快な気分を味わえる。笠取山の円錐形の山体やや燕山（つばくらやま）の稜線を望むことができた。
昼食休憩を取っていると風が通り肌寒い。南東に進んで小さな分水嶺(1,850m)に達した。小高いピークだが多摩川、荒川、富士川を分ける分水嶺で標識が設置されていた。笠取山は美しい円錐形の山で、急斜面に踏み跡が何本もあり、山頂まで見通せる。山頂部の西端には山梨百名山の標識があり展望が素晴らしい。円錐形の山だが東西にへの字に伸びた山頂域で険しい岩稜が続く。本当の山頂は中央部の岩場で標高1,953mの山頂標識が設置されていた。
今日は笠取小屋泊りで直接行くと早過ぎるので水干(みずひ)尾根を下り標高1,750mから笠取山南麓をトラバースする“源流の道”を歩いて小屋に向かった。シラベ沢を渡りシラベ尾根に乗り移り、源流の道に達すると一ノ瀬高原から来る確りした道があった。源流の道はシラベ沢、水干沢、ウタノ沢と何れも多摩川となる大きな括れがあった。中でも水干沢は険しい断崖が見られた。ウタノ沢を越えると小さな分水嶺の尾根の先にP1809があり鞍部を登山道が越える折角なので立寄ってみると背の低い笹の中には鹿糞が多く、鋭い鳴き声が聞こえてきた。
笠取小屋に達すると先客はテントの女性3人組。今日の宿泊は此れだけのようだ。明日の悪天候でキャンセルになったそうだ。小屋番がお茶を入れてくれ暫し歓談、明日の倉掛山尾根の状況を聴くと高芝山から南は殆ど歩く人はなく道も無いと云われた。
2日目(5/2)
今日の天気予報は雨、しかも激しく降るらしい。明るくなったら直ぐに歩き出そうと準備しているとテントの女性達はヘッドライトを点けて出発した。まだ雨は降っていないが防寒を兼ねて雨具を着て出発した。今日は倉掛山尾根を裂石まで南下するが白沢峠までは稜線付近を走る笠取林道を歩く。3年前のゴールデンウィークに石保土山（いしやすど）尾根へ縦走したときにシブ沢ノ頭は通っているので今回は林道で時間を稼ぎたい。
P1703の東側の鳥小屋分岐で石保土山への林道が南東に分かれた。そちらの方が本道のようで笠取林道方面はバリケードがあり草生していた。斉本峠(1,546m)から稜線に取り付いて4等三角点「鳥小屋」を行く心算だったが完全に忘れていてそのまま林道を歩いた。次の4等三角点「白沢峠」(1,513m)は忘れずに立ち寄った。白沢峠(1,522m)は広々とした峠で年代物のトラックが放置され荷台を突き抜けて育った木が5mを越えていた。
いよいよ倉掛山への登りとなり林道は100m以上下をトラバースする。稜線の飛び出したところに4等三角点「北沢」があったが東斜面崩壊の影響で傾いていた。白沢峠からの登り返しは250m、標高が上がるにつれガスが出だした。倉掛山(1,777m)は今日の最高峰の山で3等三角点「墨川」が置かれ、甲斐百山になっているが樹林帯の山だった。ここからは防火帯の稜線となり気持ち良く歩くことができた。絵図小屋山(1,740m)もガスで何も見えず防火帯の稜線を下ると雲の領域の下に抜け見通しが利くようになった。萩尾のピークに到ると「△萩尾は東へ17m」との札が下がり斜面を下ると4等三角点「萩尾」(1,700m)があった。展望が良く南に続く電波塔のピークが望めた。
セットウ(1,663m)には何の表示もなく、東京都水道局の標識に都有地と私有地を分ける表示があった。甲州市側は東京都、山梨市側は私有地と云うことだった。板橋峠に到ると私有地側には太陽光パネルが敷き詰められ山中に異様な風景を醸していた。それにしても山梨県に東京都の土地があり水道局が多摩川の水源を守っているのは驚きだ。稜線を進み藤谷ノ頭(1,680m’)に達する頃小雨が降りだしたがこの後も降ったり止んだりを繰返し未だ影響はない。
4等三角点「三窪高原」(1,673m)は登山道の傍らにあり、なだらかに電波塔のピークに到った。ピーク直下に鈴庫山方面の登山道が分岐し、稜線西側を巻くように進み半�鵐瞭�西尾根に乗った。主稜線からの登山道に合流しザックをデポし西に飛び出した鈴庫山へとむかった。円錐形の綺麗な山で直下に到ると急斜面を這い上がった。鈴庫山(すずくらやま1,600m)山頂には山神宮の石碑があった。山頂からの展望は甲斐百山に名を連ねるだけの値打ちがありこの後行く高芝山や大蔵経寺山から帯那山への稜線、小楢山から東御殿の稜線などが展望できた。
引き返して主稜線に戻ると半�鵐瞭�の南側だったのでピストンで半�鵐瞭�(1,686m)の山頂に到った。先程行ってきた鈴庫山を望むことができた。此の辺りはレンゲツツジの群生地で天然記念物に指定されているようだ。三窪(1,681m’)から柳沢ノ頭(1,671m)山頂に到ると2等三角点「柳沢峠」が置かれ、遊歩道の案内図が設置されていた。山頂のすぐ南に柳沢峠への下山路が分岐したが南への縦走路にも踏み跡は続き竹森林道へと続いた。断崖の切れ目で林道に下り立つとこれから向かう高芝山が円錐形の凛とした姿を見せていた。
100m近く下降し同じだけ登り返して高芝山東峰(1,518m)に達した。山頂にザックをデポし、主稜線を離れて南西方向に飛び出して高芝山(1,540m)に向い直下に到るとやはり斜面は険しく這い上がって山頂に達した。山頂域の端の方に僅かに開けた処があり裂石の集落が望めた。東峰に戻るとパラパラながらも小雨が降り続くようになり裂石への下山を急いだ。
裂石への下山路も踏み跡が確りしていて笠取小屋番の情報は外れて問題なく下りられた。途中の目印は送電鉄塔で隣の尾根から送電巡視路が現れ送電鉄塔に達した。裂石への尾根は分岐もなく両側から谷が近付き青梅街道の国道411号線に下り立った。裂石の大菩薩嶺峠登山口バス停に立ち寄ると以前とは随分雰囲気が変わっていた。何かイベントがあったのかテントが張られていた。雨が小雨の域を過ぎ、追われるように国道を歩き大菩薩の湯に到着した。
登山者多く訪れるようで玄関先に登山靴洗いの水道とブラシが置かれ有難い。入浴料は700円、汗を流して1時間後の甲州市営バスに乗って塩山駅へと向かった。この日は甲府のビジネスホテルで宿泊、宿に着く頃雨は激しくなってきた。無事に早く下りられたことに感謝。
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