記録ID: 8091717
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積雪期ピークハント／縦走
白山
【二百名山 笈ヶ岳】登りは尾根ルート、下りは冬瓜平ルート
2025年04月30日(水) [日帰り]
富山県
石川県
岐阜県
りきまる
- GPS
- 14:44
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 2,323m
- 下り
- 2,320m
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標高グラフを拡大コースタイム
日帰り
- 山行
- 12:25
- 休憩
- 2:19
- 合計
- 14:44
距離 24.6km
登り 2,323m
下り 2,320m
2:22
15分
スタート地点
3:05
3:10
86分
貯水池
4:36
4:48
17分
標高1,200m付近（給水＆チェーンアイゼン装着）
5:42
5:52
53分
標高1,271mピーク（休憩）
11:03
11:28
47分
標高1,640m展望地（昼食休憩）
15:07
15:12
55分
アイゼンからチェーンアイゼンに履き替え
16:07
16:17
16分
貯水池（チェーンアイゼン脱着＆給水）
17:06
ゴール地点
| 天候 | 快晴＆微風 これ以上望むべくもないほどの登山日和でした（神様に感謝！） |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
・ 中宮発電所の堰堤を渡るには、高度感のあるハシゴを下り、登り返します。ここの通過が、最初の関門ですね。登山当日は深夜2時過ぎの真っ暗な時間帯で周囲が見えなかったため、昼間よりも怖さは感じませんでした。なお、堰堤を渡らなくとも、中宮発電所まで通じている林道を進めば、導水管のところまで行けるのでは無いかと思い、新中宮温泉センターのところから林道を進んでみたところ、土砂崩れで通行できませんでした。現時点では、堰堤を渡るルートを使わざるを得ないようですが、発電所の維持管理のため林道通行できるようになれば、こちらのルートの方が安心かもしれません。 ・ 導水管脇の階段上りは、高度差約180m。登り始めからきついですが、下山時は階段がありがたかったです。リズムよく下れました。また、階段上りの先にある貯水池周辺ではカタクリの花が満開。その先の登山道も素晴らしいカタクリロードを楽しめました。 ・ 山毛欅尾山への登山道は、標高差約700mの急登が続きます。標高900mを過ぎたあたりから残雪があり、ルート迷いしやすいです。また、しばらくはツボ足で登りましたが、傾斜が緩んだ標高1,200m付近でチェーンアイゼンを装着。早朝は雪面が固く、滑りやすいので登りであってもチェーンアイゼン装着をおすすめします。 ・ 山毛欅尾山の山頂は展望がよくありませんが、その先の「山毛欅尾山展望台」は高台となっていて白山方面の展望が素晴らしいです。早朝5時過ぎに通過しましたが、モルゲンロートに染まる白山の姿に感動しました。 ・ 山毛欅尾山展望台から先は、いったん150mほど下り、そこから標高1,271mピークまで80mを登り返します。ここは小広い展望地で目指す笈ヶ岳の眺めが良く、休憩に良いポイントです。なお、ピーク手前の尾根は一部雪解けが進んで、土の上を歩くところがあります。 ・ 標高1,271mピークから少し下り、尾根を登り返すとトレースが左手に回り込むところがありますが、そこから先は急斜面のトラバース（写真��21）。左側の谷に滑落しないよう、注意が必要です。ここで滑落すると、戻るのは大変そうです。 ・ トラバースを過ぎてからは猿ヶ浄土山分岐の先の標高1,418mピークまで緩急の登りが続きます。標高1,418mピーク周辺は白山の展望が素晴らしく、笈ヶ岳の山頂も望めますので、一息入れたいところです。 ・ その先少し下って登り返しの途中で分岐となり、左手に下れば冬瓜平へと進むはずが、先行者のトレースが尾根を登るように続いていたため、そのまま跡を追って進んでしまいました。一向に下りとならず、登りの傾斜がきつくなってきて、ルートミスに気づきました。後続の登山者と話をすると、冬瓜山を越える尾根ルート進んでいる様子。今更冬瓜平へと下っても時間と労力がもったいないということで、そのまま登り続けました。 ・ すると、途中の展望ポイントにて白山の大展望が広がっていました。これはラッキーと思ったのもつかの間、その先は雪が消えて藪漕ぎをしながらの登りとなりました。ザックに灌木の枝が引っかかり、なかなかスムーズに進めません。それでもなんとか冬瓜山の山頂に到着すると、周囲360度の大展望が広がっていました。白山はもちろん、目指す笈ヶ岳や大笠山なども指呼の中。苦労して登った甲斐がありました。 ・ 冬瓜山の山頂部は狭い岩場の通過があります。高度感はありませんが、岩場の雪が崩れやすくなっていて転落には要注意。また、山頂に設置されている、四隅が削られた角の丸い「次三角点」は必見。明治時代に農商務省山林局が設置したものだそうです。 ・ 冬瓜山からシリタカ山を越え、冬瓜平ルートと合流した先の標高1,640m展望地までの区間は、緩い傾斜の広い雪原の尾根となっていて、とても良い雰囲気。笈ヶ岳山頂を望みながら鼻歌交じりで歩ける感じで、リラックスできます。 ・ 標高1,640m展望地から標高1,590m鞍部までは、やや傾斜が急な斜面をトラバース気味に下りますので滑落注意ですが、それほど危険な感じはしませんでした。鞍部から中宮ルート分岐への登り返しは、上部に行くほど傾斜が増して、滑りやすいところ。ダブルストックとチェーンアイゼンで登ってしまいましたが、10本爪以上のアイゼンとピッケル装備で登ってくる登山者も多かったです。 ・ 中宮ルート分岐から山頂へは、ヤブのところを通過して尾根に上がっていきます。登りは間違えることはないでしょうが、下りではポイントを見過ごして尾根を下りすぎ、ヤブのところまで戻りました。尾根に多くの足跡があったので、皆さん迷いやすいようです。 ・ 尾根に上がれば、小笈ヶ岳の先に笈ヶ岳の山頂が見えてきます。傾斜もそれほどきつくはないですが、小笈ヶ岳まで登ったあとに下りを挟んでまた登りとなるので、ちょっと苦しいところ。特に笈ヶ岳山頂直下の崖のような急斜面は登りづらかったです。それでも、笈ヶ岳の山頂に立てば雄大な展望が広がり、「登ってきて本当に良かった、登った甲斐があった。」と感じました。 ・ なお、雪山装備としては10本爪アイゼン、チェーンアイゼン、ダブルストック、ピッケルを持参しましたが、往路はチェーンアイゼン＋ダブルストックで山頂まで登りました。復路では雪が緩んでチェーンアイゼンでは滑るようになったので、10本爪アイゼンに替えたものの、ピッケルを使用するシーンはありませんでした。 ・ また、防寒対策ですが、登山口で気温13度くらいだったので、長袖山シャツ＋モンベルのフリースのみで山頂まで歩きました。フリースは、冬瓜平の先で暑くなったので脱いで、以降長袖シャツのみ。グローブの装着は一切必要なし。快晴＆微風のおかげで、快適に歩くことができました。 |
| その他周辺情報 | ・ 下山後、地元の大門温泉センターで入浴しようとしたら、水曜日が定休日。近くの入浴施設を探しましたが、２軒がやはり定休日で、ほか２軒は施設自体が休館（登山口に一番近い新中宮温泉センターならば火曜日定休で入れたようですが、すでに20km以上下ってしまい諦めました）。仕方なく、白山市内の入浴施設まで移動して入浴しました。 |
写真
この先の林道へは、崖をよじ登る感じですが、ロープが設置されているので助かりました。
ここから導水管脇の階段上りとなります。導水管は��1〜��10までありました。標高差は約180mほど。
中宮発電所のところまで通じている林道経由で行けるだろうと、中宮温泉のところから行ってみると、すぐに通行止め。
土砂が林道を塞いでいて、通行できません。この地点から中宮発電所までは、googleマップによると2.6km（歩行約40分）とのことなので、堰堤経由の方が早そうです。
4/29 14:49
土砂が林道を塞いでいて、通行できません。この地点から中宮発電所までは、googleマップによると2.6km（歩行約40分）とのことなので、堰堤経由の方が早そうです。
前泊は、道の駅 瀬女 (せな)にて車中泊。静かで熟睡できました。
午前2時頃に一里野RCプラザ駐車場に到着。左のハイエースから降りてきた夫婦らしきペアが先に出発。
標高千メートル手前あたりから残雪が出てきました。雪でルートがわかりにくいです。
周囲が明るくなってきて、正面右に大笠山が見えました。その右の木に隠れているのが、目指す笈ヶ岳でしょうか。
山毛欅尾山の山頂に到着。導水管取り付きから2時間23分かかりました。
展望台からここまでは下りですが、この先は1,271mピークまで上り返しとなります。はるか遠くに笈ヶ岳を望む。
だいぶ雪解けが進んでいますが、このあたりは、まだ雪上を歩けます。
1,271mピークに到着。展望の良いところです。ここで補給休憩。
左下が谷になっているところをトラバース。滑落したらやばい場所なので、慎重に通過しました。
トレースを追って歩いているうち、冬瓜山に登る尾根ルートに進んでしまい、後ろからやってきた登山者と情報交換。ここまで来たらそのまま尾根ルートを進むしかないでしょうということで、若い登山者に先に行って頂き、私はのんびりと後をついて行きました。
4/30 7:13
トレースを追って歩いているうち、冬瓜山に登る尾根ルートに進んでしまい、後ろからやってきた登山者と情報交換。ここまで来たらそのまま尾根ルートを進むしかないでしょうということで、若い登山者に先に行って頂き、私はのんびりと後をついて行きました。
冬瓜山の山頂に設置されている、四隅が削られた角の丸い「次三角点」。明治時代に農商務省山林局が設置したものだそうです。
冬瓜平ルートと合流した先の、標高1,640m展望地から望む笈ヶ岳。ここも素晴らしい展望地。
標高1,626m付近から山頂方面を望む。傾斜がきつくなってきた。この先、中宮ルート分岐まで写真を撮る余裕なし。
中宮ルート分岐まで下ってきました。若い登山ガイドにアンザイレンされた登山者が登ってきたので、ご挨拶。
標高1,640m展望地にて、目の前に笈ヶ岳を望みながら、のんびりランチタイム休憩。とっても贅沢な時間でした。
登山スタート時に先行していたご夫婦とスライドしました。この時間で大丈夫なのだろうかと心配しました。
ここが冬瓜平と尾根ルートとの分岐です。往路はトレースを追って、気づかずに尾根ルートを進みましたが、結果オーライの素晴らしい展望を満喫できました。
4/30 12:28
ここが冬瓜平と尾根ルートとの分岐です。往路はトレースを追って、気づかずに尾根ルートを進みましたが、結果オーライの素晴らしい展望を満喫できました。
下りに入ると、いったん残雪が消えますが、面倒なのでアイゼン装着のまま歩きました。
時間もたっぷりあるので、ここで食事休憩していたら、ソロの若い山ガール（古いか？）が現れました。
なんとここでテント泊とのこと。この白山の絶景を独り占め。なんともうらやましい限りでした。
こちらは山毛欅尾山の山頂付近でテント泊していた3人グループが撤収作業中でした。ご挨拶して、先に下山開始。
階段上りが地味につらいです。道路に出たところで、静岡から来たという方から10分ほど質問攻めに遭いました。笈ヶ岳が最難関の一つとされる日本二百名山であり、14時間以上かけて戻ってきたことを説明すると、驚かれました。
2
4/30 16:49
階段上りが地味につらいです。道路に出たところで、静岡から来たという方から10分ほど質問攻めに遭いました。笈ヶ岳が最難関の一つとされる日本二百名山であり、14時間以上かけて戻ってきたことを説明すると、驚かれました。
感想
・ これまで憧れの対象でしかなかった日本二百名山の笈ヶ岳に、日帰りで登山してきました。この山のことは、以前からなんとかチャレンジしたいと考えていましたが、日本二百名山最難関の一つとされ、なかなか踏ん切りが付かずにいました。しかし現在66歳となった自分にとっては、もう残された時間はわずかです。年々体力は低下するばかり。この3月末で仕事を完全リタイヤし、今は毎日が日曜日状態。それならば、「まだ体力の残っている今のうちに登らなければ、生涯、後悔することになるだろう。」と自らを奮い立たせ、登山口へと向かいました。
・ ヤマレコでの記録を拝見すると、今年は残雪が豊富で、今がベストシーズンの様子。自分の体力やスピードでは日帰りは無理だろうということで、当初は山中テント泊での登山を考えていました。しかし、山毛欅尾山の急傾斜がきつく、重荷ではかなりつらいとのこと。このところ、12〜14時間での日帰りの記録が多いですが、自分の場合、年齢や体力面から2時間程度の遅れを見込んだとして、16時間程度はかかりそう。でも午前2時台に出発すれば、日暮れ前には登山口に戻れるのではないか？ そのような想定で登山に臨んでみました。
・ 登山中は、とにかく疲労を溜め込まないよう、こまめな休憩をとり、休憩中のストレッチも実践。そうしたところ、目標の16時間以内を切る14時間44分で歩くことができました。先行者のトレースを追って、想定外の尾根ルート経由で進みましたがスタートから7時間半で笈ヶ岳山頂に登頂できました。午前10時過ぎに下山を開始したことから精神的に余裕ができたため、その後はのんびりマイペースで、食事やテント泊女子との会話なども楽しみながらの下山となり、きつい疲労感は感じませんでした。やはり、山は早出が大事ですね。翌日は、日本三百名山である医王山に登りましたが、笈ヶ岳登山の疲れは、それほど感じることはありませんでした。
・ 快晴＆微風の気象条件、それに固く締まった残雪などの良いコンディションのおかげで素晴らしい展望を楽しみながら登ることができて、大満足です。生涯の思い出になることでしょう。山の神様に感謝申し上げます。
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