残雪期の尾瀬ヶ原


- GPS
- 09:01
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 253m
- 下り
- 250m
コースタイム
- 山行
- 2:49
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 3:44
天候 | 初日小雪気温1-3℃。2日目快晴気温12℃くらい。 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鳩待峠から山ノ鼻へは何本かある冬道を下る。気をつけて通過すれば難はない。チェーンスパイクで降りることができる。 山ノ鼻から見晴までは、木道が一部、沢や流れがある場所で露出している。ほとんどの木道は雪の下。平坦な雪原は、チェーンスパイクなしで歩ける。 ヨッピ吊橋は板が外してある。真ん中を平均台のようにして、両脇のワイヤーを持てば渡れそう。 東電下の大堀橋も板が外してある。尾瀬保護財団の各橋の開通予定によると、東電尾瀬橋と合わせて5/16開通予定とある。東電下の大堀橋のヨッピ吊橋側ヨッピの森の木道が一部露出、一部高さ1mくらいの積雪で、通行には段差や踏み抜きに注意を要する。 東電下の大堀橋から牛首分岐までの間も踏み抜きに注意が必要な箇所が幾つもあった。 |
その他周辺情報 | 尾瀬ぷらり館の温泉は休業だった。ゴールデンウィーク中といえども平日は休業の可能性あり。尾瀬戸倉にある他の2軒は、電話が繋がらなかったり、日帰り入浴の時間が短かったりする。要確認。 鎌田バス停すぐ側にある寄居山温泉650円。綺麗で空いている。近くに道の駅もある。 沼田のとんかつ街道にあるcafe kitchen guuロースカツセット1,880円。肉が大きくて柔らかくて美味しい。他の店が休憩に入っている時間帯でも、予め電話で問い合わせれば入れてくれる。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ソフトシェル(ウィンドブレーカー:カッパ代用可)
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着(ダウン)
雨具(カッパ)
バラクラバ
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
着替え
昼ご飯(おむすびは保冷バックに)
行動食(塩羊羹・甘酒・アミノバイタル)
非常食
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯電話
携帯バッテリー
時計
サングラス
ナイフ
カメラ
サーモスにお湯
ツェルト
GoPro
温度計
タッチペン
チェーンスパイク
充電器
ビニール袋
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共同装備 |
ツェルト
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
非常用固形燃料
ポケットストーブ
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感想
さて今日は。残雪期の尾瀬ヶ原へ。
双子の低気圧が去ったすぐ後で、初日は小雪がちらつく予測。気温も1-3℃と低く、暖かい春の陽気に慣れた身体には寒いはず。防寒防風対策をして出るも、東京駅までは暑くて暑くて。それが、沼田に着くと少し過ごしやすく、尾瀬戸倉に着くと肌寒い。鳩待峠に上がればもうそこは冬。星野リゾートが開発しているLUCY尾瀬鳩待が建設中だった。
身支度を整え、ヤマレコアプリで登山スタート。コンパスEXで登山届を提出してこちらも登山開始。積雪が始まったところでチェーンスパイク装着。探査のために、トレッキングポールを1本持ってスタート。
割とよくグリップする。ゆるゆると降りていくと、下にも冬道があるのが見えた。と、ヤマレコがルート外れ警告。だいぶ山側に来てしまったらしい。先へ進むと下の冬道と合流。もう少し先へ行くと、さらに下にも道ができているのが見えた。そこへ向かって斜めに降りていく。
少しの登り返しがあったけれど、だいたい緩やかな降り。一部沢沿いをトラバースするところがあって通行には注意が必要だった。木があって跨いで通らなければならなかったし。
スノーブリッジを幾つか通過。いずれ溶けたらそこは通れなくなるだろう。
大きな岩があって、木道がその周りを囲んでいる箇所を通過。ここをすぎると山ノ鼻まではほぼフラット。
山の川上川橋で積雪量を見ると2mくらいある感じ。
山ノ鼻で休憩。至仏山荘で花豆ソフトクリーム650円。豆のざらっとした食感があって、花豆の風味があって美味しい。
初日は天気が悪くて風もあり、寒くて景色も良くないし、テンション上がらず。雪の上を歩き続けてちと苦行だったかもしれない。
燧小屋についてチェーンスパイクを外したところで、同行の一人が、片方のチェーンスパイクがないことに気づく。急いで見に戻るけれども見つからないみたい。みんなで探しにいく。見ると足で雪を左右に擦りながら歩いている。そういえば原の小屋の人が小屋の周りを除雪機で除雪していた。その雪に埋まったかと、疑っているのか。そこは任せて先へ行ってみる。落ちてない。檜枝岐小屋の先で雪が小高くなった端まで来た。途中抜きつ抜かれつしたスノーシューの3人連れがこっちに向かって歩いてきた。チェーンスパイクが落ちていなかったかと聞くと、中の1人が手に持っていたチェーンスパイクを上に上げた。礼を言って受け取り、急いで戻る。無くした本人も一緒になってお礼を。ありがたいことだ。3人はどうやら檜枝岐小屋に泊まるらしい。
燧小屋で会計を済ませ、部屋で荷を解いた。物置の扉の建具の桟が水芭蕉になっていることに同行者が気づく。畳のヘリも水芭蕉模様。洒落てる〜。
部屋は寒いし談話室へ。ここは石油ファンヒーターがある。少し暖かくなったところで生ビール900円で乾杯。
お風呂は16:00からで、男が16:30まで、女性がその後。夕食が17:30から。女性の方がお風呂に時間が掛かることからの順番か。
実際、男は他にソロの人が一人居ただけ。男どもは15分も経たないうちに上がって女性と交代。待っている間に談話室で生ビールをもう一杯飲んでいたら寝落ちした。
夕食は17:15には出来上がって、夕食の準備ができたと伝えにきてくれた。
舞茸ご飯がお櫃にたっぷり。マスだと思う魚の煮たのに大根おろしと黄色い岩魚のイクラが乗っている。山菜の煮物。蕎麦と山菜が入ったすまし汁。肉じゃがにハンバーグ。さつま芋の甘露煮ときゅうりの漬物・人参の漬物。
舞茸ご飯何度もお代わりして、お櫃は空になった。
消灯の9時まで暖かい談話室で、持ってきた少量のお酒とつまみを遣りながら、明日のルート相談。小屋の主人にイヨドマリ沢の情報がないか尋ねたけれども、人通りがないからか情報なし。イヨドマリ沢の増水の心配もあるけれど、このメンバーで、この時期あまり人が歩いていないルートを行くのはちとリスクあるなぁ。
ただ、初日は雪原をただ苦行のように歩いただけだったせいか、山ノ鼻から鳩待峠に登り返すルートには皆テンションが上がらず。途中龍宮分岐からヨッピ吊橋の手前経由で牛首分岐に戻ってくるオプションルートも上がったけれど、結論は明日の朝に持ち越し。
窓は2重でなく、部屋は寒い。けれど、毛布2枚掛けて布団に入ったら暖かい。程なく眠りについた。
夜中に目が覚めて冴えて眠れず。途中の温泉やらとんかつ街道を検索。夜の間に霰みたいな音や、かなりの突風の音がした。Oze Wifiで繋いで、良さげな温泉が見つかり、電話を掛けるとんかつ屋の順番が決まったところでウトウト。
朝は早くから明るくなり、暖かい布団の中でウジウジしていると、5時半くらいに電気が点いた。仕方ない。起きようか、としたところで15分早く朝食の用意ができたとアナウンス。
お櫃の中は白米。それとは別に、五穀米を炊いたと器に持ってきてくれた。おかずは、サバ味噌に山菜と竹輪の煮物・ハムサラダ・山芋とろろ・生卵・茄子の漬物・花豆の甘煮・梅干し・海苔。デザートにヨーグルト。
山菜の煮物の中に、片方がほんのり赤くてもう片方が筍色をした食材が入っていた。食べてみると、よく煮た筍のようでもあり、貝のような食感でもあり、筍と練り物を合わせたような感じでもあり、フシギな食べ物。後で女将さんに聞いたら、マスタケというキノコだそう。どうりで食べてもわからないはずだ。
2日目のルートは、山ノ鼻から鳩待峠へ登り返すことにし、ヨッピ吊橋は、分岐まで行ってから決めることに。
歯を磨いてトイレを済ませ、荷を整えて出発。予測では、9時10時くらいからだんだん晴れてくる筈だった。しかし、朝からピーカン。雲ひとつない青空。至仏山には雲が掛かっているけれど、燧ヶ岳は朝日をバックに上までよく見える。
テンション上がってきた。やっぱり天気によるなぁ。途中同じような景色を何度も写真に撮る。ま、撮ったうちからいいのを選んで記録に残せばいい。昨日と違って雪質も違う。チェーンスパイクに吸い付く感じがある。昨夜の雪と気温低下で雪が締まったか。
昨日はあれだけ長く感じた龍宮小屋-見晴間なのに、あっという間に龍宮小屋に着いてしまった。やっぱり山に天気は正義。当然ヨッピ吊橋の手前経由。ここから先は昨夜の雪で踏み跡がない。ヤマレコのアプリを見ながら、木道があるはずの場所を外れないよう、それでいて雪が溶けて踏み抜きの危険箇所がないかをよく観察しながら前へ進む。途中、少し離れた場所に、雪が溶けて地面が見えている箇所や池塘が見えている場所がある。なぜそこが先に溶けるのかはよくわからない。下に水の流れがあるからか。
歩いていると、何となく、雪が一部凍った跡や、雪が地面から立っている箇所が点々と続き、どうやらそれがルートらしいと気づく。下に木道があると、表面にある雪の雪質が変わるのだろうか。昨夜の雪で一面同じように見えるところもあるけれど、その先を観察すると、明らかに雪質が異なる箇所が続いている。こうやって人が木道の上を歩いているうちに、だんだん木道が現れてくるのだろう。
ヨッピ吊橋が見えてきた。橋の手前は結構融解していて踏み抜き注意。吊橋を少し行ってみる。足を置くところは足の幅より狭い。しかし、両脇にワイヤーが通っていて、そこを左右の手で持てば、少しバランスを失っても大丈夫だという安心感からか、平均台の上を歩くように行ける。反対を向いて、さも、吊橋を渡ってきたかのような写真を撮ってもらう。ま、これなら渡れなくはないねー、って軽口。
牛首へ向かって進路を取り、歩いていると、向こうから歩いてきた足跡があるのに気づいた。誰かが朝早く、牛首からヨッピ吊橋を渡って東電小屋の方に向かったのだろう。龍宮分岐の先で気づいた、雪質の違うルートの上をこっちに歩いてきた足跡が点々とついている。
ルートが大きく右へ周り、林の中を沢が流れていそうな箇所が現れた。ここは一部木道が露出していて、それでいて木道の上の積雪は高い。左右の木道の半分が露出、真ん中が1mくらいの積雪で、不用意に真ん中に力を入れて歩くと踏み抜きそうだし、木道に降りるにも段差はあるし、木道に降りたは降りたで半分しか幅がなく。注意して歩く。後ろのメンバーに足の置き場をアドバイスして、メンバーの一人が先へ行く。東電下の大堀橋は木の板が外してあり、橋の左右の端にある、木の板を置く場所を歩く。幅25cmくらいだったか。ヨッピ吊橋のように左右にワイヤーがあるわけでもなく。
落ち着いてよく見ながらバランスを崩さないよう歩いていけば難はない。全員無事に渡り終えた。今日の核心はここだった。
その先は、踏み抜き注意が何箇所もあった。牛首まで来ると、皆んなが歩いているせいか雪質が固く圧雪しているのがよくわかる。しばし休憩。牛首の標識は、昨日より埋まってた。
上ノ大堀川橋手前に近づいた場所に、双眼鏡か単眼鏡を三脚に立てている人がいた。近くに来た時にバードウオッチングかと尋ねると、熊の定点観察の仕事だという。白い雪に黒い熊は見分けがしやすく、冬眠から覚めて動いている熊10頭は見たそう。下ノ大堀川でも別の人が観察しているとか。そういえば、昨日通りがかった時、似たような人が道の左側に居た。その時も、バードウォッチングかと思って声を掛けたが、軽く頷くだけで返事はなかった。鳥を驚かせたくないのだろう、と勝手に想像して通り過ぎたんだった。あれは熊の定点観察の人だったのか。風が出ると熊は出て来なくて定点観察は暇になるのだそうだ。
山ノ鼻で休憩。長野のJA大北で売っていたフライドライスに無印良品のミネストローネスープを加え、お湯を注いで掻き混ぜ、即席ミネストローネリゾット。お湯を注いで間をおかずに食べたからか、フライドライスのカリカリとした食感が残っていて、これはこれでイケる。
トイレを済ませてチェーンスパイクを履き、鳩待峠へ登り返す。登りらしい登りは今回初めてとあってか、登り坂になるとお喋りの間にちょっと吸気の音がする。スピードを合わせて登っていると、上の方からメンバーの名前を呼ぶ声がした。普段の格好と違うせいか、最初は誰だか分からなかった。山の会のリーダーだった。他にも2人。偶然というものもあるもの。今日から尾瀬に入り、景鶴山に登る予定だそう。いいなぁ。
しばしお喋りし、挨拶をして別れた。
もうそろそろかな、と思って登っていると、鳩待峠の建設中の山小屋の屋根が見えた。
雪の端でチェーンスパイクを外し、ベンチまで来てザックを降ろし、登山終了。コンパスEXでも下山連絡。
帰りも乗合タクシーだった。
調べておいたとんかつ街道のトンカツ屋に電話する。水曜休みだったり、15:00-17:00は休憩時間だったりして、美味しいと評判で空いてる店というのがなかなかない。前回通りがかった時に入ったcafe kitchen guuが、休憩時間だけれども開けてくれるという。準備中の札が掛かっていても構わず入ってくれと。ありがたい。
尾瀬戸倉から関越交通バスに乗り、鎌田バス停で降りて寄居山温泉ほっこりの湯650円。空いてるし綺麗だし天然温泉だし良いところだった。湯上がりに、尾瀬の地ビール水芭蕉バイツェンを1本。600円。
次のバスまでに時間があり、道の駅かたしなまで歩いてお土産を物色。
guu近くのバス停で降り、手筈通りに準備中の札が掛かったドアを開けて中へ。
瓶ビールを頼んで乾杯予定調和。前回は結構なボリュームでお腹いっぱいになったけれど、今回もロースカツセットを注文。難なく完食した。
今回もいい山行だった。
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